ハヤブサの部品が展示されていたので見に行きました。
ちょうど、JAXAの中の人がこられており、非常に詳しい話を聞くことができました
記述は思い出し順です
- 接着剤は非常に気をつける。宇宙に行くと昇華したり、ガスが出たり、加熱されるので。
- ミネルバは2.2W発電、9.6kbpsで20kmまで通信する。SH-2の初期ロット(最も放射線耐性が強い)使用
- 帰還時にはミドルゲインアンテナで1kbps通信をしていた。
- ミネルバのモーターは2.6Wなので、電気が足りない。そのため電気二重層コンデンサを使用。温度コントロールができない環境下でもけっこう使える。
- ハヤブサ本体のCPUは20MIPSしかないが、耐放射線で、鉛が貼り付けてあったりするので1.5kg程度と重い。
- 科学探査衛星なので、2機のCPUで行った。一機がだめになったら切り替え、もう一機を使用。それもだめならあきらめる。
- ホイールは4機の予定だったが、重量削減のため3機になった。
- 放射線テストは原研でやった。線源はコバルト60。何ラドとか。最近のCPUは壊れてしまう。
- 熱真空試験は約10-7~-8Torrで行う。引くのに3~4日かかった。はやぶさは宇宙研ので試験。みちびきは大きいので、つくばでないと出来ない。ポンプはTMP
- ハイゲインアンテナは0.6度程度の地球に向けなければいけないため、ホイール故障後は化学スラスタであり、ほとんど使用できなかった。
- ハイゲインアンテナはメッシュ。重量を減らすため。
- ホイールはZ軸が生き残っていた。このため、イオンエンジンとの併用で姿勢制御ができた。ほかの軸だったら無理。運が良かった。
- ホイールは3000回転で使用していたが、故障後聞くと、速い回転では壊れるということなので、2000回転でびくびくしながら使った。
- カプセル分離前の電池は0度まで温めた。
- ラストショットを撮らせてあげたいというのはいくつかあった中で一番多い意見だった。
- ラストショットのスミアは本来なら画像処理後に地球に送るが、処理コンピューターのビットエラーが多発していたため、そのまま送った。
- CCDの画像を読み出すのに数msecかかるので、その間に光が余計に入り、スミアが発生。しかし入り具合の計算もできるので、画像処理で消せる。
- スミア入りは無しの10倍ダウンロードされるそうな。やっぱり本当のはやぶさが見た景色がいいのかな
- 宇宙環境は-50度から100度の環境。
- ミネルバの枠は炭素複合材でできている。内側にも断熱フィルムを入れいている。
- レンズ系は放射線の線量が蓄積すると白くにごる。宇宙用として気をつけた。
- プラスチック系はまったくだめ
- 科学者からはスペクトロメーターの画像をRawでおろしてくれと言われた。
- カメラはスペクトルの比較をしたいので、ひとつのCCDを使い、8つのフィルタをステッピングモーターで回した。焦点距離が短いところで故障すると、何も見えなくなるのであまり使わないよう気をつけた。
- 校正用光源が二つカメラの口についている。
- ミネルバは自分で画像を判断するが、一番簡単な方法はJpeg圧縮して容量を見るそうな。ピンボケはもうちょっと高度な処理をする。
- レーザー測距計は今回で展示は二回目。レンズが多いので、湿度とか分かっている人がいないと持ってこれない。
- データレコーダーはRAM、ECC付き。使用している最中にもだめになっていくのでそこは使わないようにプログラムを組んだ。イトカワに着陸したときの数十m付近からの写真も取っていたはずだが、電源断により消えてしまった。
- CCDは結構弱いので輸入品を使った。二桁くらい値段が違うらしい
- イオンエンジンの並列動作ができることは、連絡があるまでほとんどの人が知らなかったので驚いた。イオンエンジンの設計者はかなり後の方で改良したらしい。ダイオード一個なので追加が簡単にできた。
- イオンエンジン故障後検討した結果、もう一度回って帰ると言う手段もあった。しかし、+2年のため、かなり厳しいと考えられた。
- カプセルが発見されるのは1ヶ月くらいかかると覚悟していた、現地では池や木など、捜索の障害になるものが多かったため。また、カプセルが動作する保障もなかった。電波で追えなければ、火球の行方を分析して探す等も考えた。川口プロマネが行く予定だったが、カプセルは当日、ヒートシールドでさえ翌日に見つかったので、行くことは無くなった。
- 探査機には人数がいないので、巡航中は日曜に休んでいた。月曜行くとホイールが故障していたりもしていた。
- コネクタ類、ビスは接着剤で完全に固める。打ち上げ時の振動に耐えるため。
- 打ち上げ後に妙なトルクがかかるので、ガスの放出を疑い、放出場所を特定してみたところ、パラシュートからの水蒸気だった。ミネルバ放出して確認したら?何て意見もあったが、しばらくしたら収まるのでそっとしておこうということになった。
- キセノンタンクは大きめに作っておいた。ハヤブサ打ち上げ時にMⅤは改良され、計画時よりも能力が上がったので積めるだけ積んだ。
- RAWのデータは確かにほしいが、ビットレートの問題で難しい。アドレスを指定し、ここに移っているであろう場所を切り出して送ったこともあった。
- ミネルバには上下2箇所にアンテナがある。どんな姿勢でも通信できるようにするため。
- 電気二重層コンデンサも低温では膨張するため、対策をした。見た目では、アルミの囲いで覆っているような感じだった。
- ミネルバが太陽の方向を探知するのはフォトダイオード
- ミネルバは16角柱。発電量2.2W
- ベーキングを100度で行う。でも輸送で湿気を吸ってしまうこともある。
- ターゲットマーカーを作るために、お手玉を床に投げている同僚がいた。さらに理論式を組み立て、シミュレーションし、微小重力でテストしていた。最初は布だったが、打ち上げ時のGでつぶれることを想定し、試験をしたら反発係数が上がってしまった。ガラスも試したが良くなかったため、樹脂にした。
- フラッシュの開発も大変。高電圧なので宇宙機では嫌われる。十分な対策をした。
- イトカワ表面の反射率がまったく分からないので、工事現場で使われるような反射材をターゲットマーカーに使用した。4本の角は完成した後でつけ、転がりにくくなることを確認した。
- 部品個々での熱対策もする。スペクトロメーターにも断熱材が張ってある。(試験機はマジックテープで)
- 白黒CCDカメラは視野30度
- ターゲットマーカーの検出は、フラッシュを焚く前と焚いた後での画像を引き算すると出る。3つ目は、同じ場所に落とすと分からなくなる恐れのため、落とさなかった。
- ミネルバはホッピングすると7m飛ぶ。日陰に入ったら即ホッピングする。太陽が無くても2回ホッピングはできるようになっていた。
- 朝にホッピングし、昼は暑い(100度くらい)ので送信に徹し、夜休む計画だった。
- メモリは2M 位なので、写真5,6枚でいっぱいになる。
- 真っ暗な写真も送る方が良かったかもしれない。カメラの画素落ちが確認できるので。
- ミネルバはSH-2初期ロット。カメラはソニーのPCについていたものに注目し、掛け合った。カメラの割り当ては10gだった。秋葉に行ってUSBカメラを分解したら10gだった。もし失敗したら社名は出せなかったが、太陽電池パネルを写した写真のおかげで動作確認ができた。宇宙機でUSBカメラを搭載したのは初めて。
- 宇宙で宇宙機を撮影したのもたぶん初めて。二番目はIKAROS
- 最初は6~7人で話していた。最終的に200人位になった。
最終更新:2010年09月25日 02:12