674 :最後のデート [↓] :2013/12/01(日) 11:56:17.96
5話を再放送で見た頃に思いついた、TV版その後です。
勘違いうじうじシェリルを徹底してみたので、鬱陶しい人もいるかもしれません。
※加筆・修正して保管しました 201406
最後のデート
フロンティア船団が惑星に降り立って約2ヶ月。
バジュラ戦役の終末期、病身を励まして歌い続けたシェリルは、
V型最細菌の脳への影響がなくなった戦後も、それまでの無理がたたり2週間ほど臥せっていたが、
今では発症前程とまでではないが、日常生活を送り、復学する程度まで体力を取り戻しつつあった。
しかし、彼女の生業である歌手業は並大抵の体力では行う事も出来ず、歌う為の場が整っていないこともあり、
再開された学校に通いながら、トレーニング、楽曲作りや契約の整理など復帰の準備をしていた。
そして、彼女とともに戦ったフロンティア船団もまた、戦役で傷ついたコロニーや人々の生活を、新たな惑星に根を下ろして復旧させていった。
彼女の故郷であるマクロス・ギャラクシー船団の生き残りの人々もフロンティア船団に身を寄せており、
実質的に母船団に合流している状態であったため、シェリルは戦中から住んでいたフロンティア船団の母艦であるアイランド1のコンドミアムに居を構えている。
船団では惑星に根を下ろした新たなドーム型プラントも作られてはいるが、惑星の気象が十分に観察されていないため、
やはりまだ、宇宙への避難が可能な宇宙船型プラントが建設の主流である。
戦いとともに人々は多くを失い、元通りに戻る事はないが、新たな街として生まれ変わりつつあった。
復興の様子を見ていると、人間の生命力にシェリルは驚かされる。
傷ついたフロンティアの人々も、失ったものの空洞を抱えたまま未来へ向かって生きているのだろうと、シェリルは勇気づけられるのだった。
シェリルが退院した直後までは完全配給制となっていた食料も、現在では、以前に比べるとまだまだ小さい規模ながらも再開した市場に出回るようになった。
戦中から彼女の住むサンフランシスコエリアにも、暮らし始めた頃のエネルギーが管制されていた薄暗く肌寒い風景とは異なり、
本来の明るい風景とともに商店が戻って来ていた。
「世話人」に言い使った買い物を終えたシェリルは、ようやく慣れて来た買い出しを終えて自宅で紅茶を飲んでいた。
復帰準備中の彼女よりも、復興のためにVFを操る彼の方が忙しいのだ。
再開した高校へも、シェリルはほぼ出席しているが、彼は半分ほどしか出席していない。
彼がシェリルの部屋を訪れる機会も、戦中よりも減っていた。
シェリルの体が回復し、彼女自身に生活力が付いて来たことも理由の一つだろう。
今飲んでいるこの茶葉は戦中からこの部屋にあった缶で、この茶葉で紅茶の淹れ方を彼に教えてもらったものだ。
この茶葉ももうすぐなくなりそうな今では、シェリルも及第点の紅茶を淹れられるようになっていた。
これなら、もう大丈夫。
彼が思いを寄せる愛らしい少女が戻って来た事も理由にあるだろうとシェリルは考えていた。
彼は、自分の部屋に出入りしている間は、少女に思いを告げる事もできず、きっと今も一人で飛んでいる。
人は一人じゃ飛べないと言ったのは彼自身だ。
彼を一人で飛ばせてはいけない。
私は、もう大丈夫なんだから。
シェリルが紅茶を啜りつつ雑誌をめくっていると、新たに建設されているショッピングモールの広告が目についた。
「新生 フォルモ」
シェリルにとって思い出深いショッピングモール「フォルモ」は、前の戦役中に艦もろとも消滅してしまっていた。
新たな惑星の大地に建築物を直に建築することは事はまだ許可されておらず、既存のバイオプラント・コロニーの一部に建設されているらしい。
フォルモももうすぐ生まれ変わるのね。
私も、生まれ変わろう。
*
「魚を捌くのは…まだいいよ。お前はこれをしっかり刻んでくれ」
色違いのエプロンをまとった二人は並んでキッチンに立っていた。
夕方、シェリルの部屋に姿を現したアルトが、明日の日勤までフリーとの事で、
シェリルに料理を教えているのだ。
アルトは時間のある時には、彼の得意とする家事をシェリルに教えてくれる。
元来、世話好きなのだろう。
機会は減っていたが、忙しさの間を縫って、精力的に世話を焼いてくれていた。
シェリルは、言われるままに、副菜用のニンジンをピーラーで剥いて切り、苦手なタマネギのみじん切りはフードプロセッサーへ。
そして、4日前にも教わった合わせ出汁を取ってみそ汁の復習。
出汁の味見をするシェリルは誇らしげに微笑むと、アルトに差し出した。
「良く出来てるじゃないか」
「当たり前じゃない。私を誰だと思ってるの」
「「私はシェリル、シェリル・ノームよ」」
「ってもう、アルト!」
出来上がった温かい食事を二人でテーブルに並べ、向かい合って一緒に食事をする。
他愛も無い会話で彩る食卓が、シェリルには夢の中にいるような幸せな時間に感じられた。
「フォルモがオープンするらしいのよ」
「ああ、結構、出来上がってたな。空から見たぜ。ゼントランの隊員達もゼントラモールがあるとないとでは違うと言っていたよ」
彼は調査で惑星の空を飛び、シェリルの知らない世界を見ている。
フォルモのあるコロニーの近傍を通った際に見たのだろう。
「そっか、そうよね。クランと行けばいいんだわ」
「クランも俺に負けず劣らず忙しいぞ。そうだな、いけそうな日は…」
彼は、シェリルに、約束という名の温かな痕跡を残していく。
温かくて、切ないものでシェリルを満たし続けて来てくれた。
いつの間にか、シェリルの中から彼が消える事がなくなっていた。
でも、こんなにも多くのものを与えてくれた彼からもうこれ以上奪うことなど出来ない。
「後は俺が片付けておくから、先にシャワー浴びてろよ」
食後の片付けもそこそこのところで彼が言った。
さりげない彼の言葉の意図を汲もうとシェリルが横目にアルトを伺うと、
洗う皿を見つめたまま、シェリルと目を合わせようとしない。
少し照れが隠せていないのが、初心な彼らしい。
どうやら、今夜はここに泊まっていくつもりのようだ。
彼が自分を抱くというのなら、シェリルには拒む理由がなかった。
今までは。
しかし、彼を開放しようと言うのなら、この関係は清算しなければならないと
シェリルは心に決めていた。
シェリルに続いてシャワーを浴びて来た彼をベッドの上から出迎えたシェリルは、
膝の中程までの白いレースのネグリジェとそろいのサイドストリングのショーツを纏っていた。
その出で立ちからシェリルのOKサインを見て取ったアルトは微笑み、シェリルを見つめたまま慣れた寝室のドアを背中で閉め、灯りを落とす。
ゆっくりとシェリルに近づき、隣に腰を下ろした。
「中々来れなくてごめんな」
そう言いながら、シェリルを抱きしめた彼は、熱を伝えるようにぴったりと抱き寄せた。
風呂上がりの香りと熱を持ったアルトの体から、ドクドクとした鼓動がシェリルに伝わってきた。
今にも雰囲気に飲まれそうなシェリルは、素直に身を委ねる都合のいい女になりたくないと、わざと強がってみせた。
「たかが4日ぶりじゃない。私の生活力って、そんなに信用ないの?」
抱きしめられているため顔は見えないが、軽口でも返そうとしたであろうアルトの言葉を、シェリルは挑発的な言葉を重ねて封じた。
「そんなに私に触れたかった?」
でも、あの子にはもっと触れたいんでしょう?
言いたくなる言葉を飲み込んで、アルトの背中に手を回し、ぎゅっとしがみついた。
だから、体を重ねるのはこれで最後にしようと思うの。
「シェリル…」
ネグリジェごしに背中を撫でながら切なげにささやく彼の声が促している事が、シェリルにも分かるようになっていた。
彼の求めるままに、うつむいていた顔を上げると、大好きな彼の琥珀色の瞳が真剣な眼差しを向けるのを見れたのは一瞬だけで、
すぐさま視界は近づいた彼によって遮られてしまった。
シェリルは、まぶたを閉じてうっとりと彼の口づけを受け止めた。
軽く唇をあわせていると、彼が唇に軽く舌を差し入れていた。
唇で味わうように啄んでいると、アルトはシェリルの後頭部を固定して、やや強引に口腔内に舌を割り入れた。
ベッド上での濃厚なキスを好む彼を焦らしすぎたかしらと、シェリルも答えるように舌を絡めると、
二人の交わりはますます深くなった。
角度を変えながら少し強引な程にシェリルの口を吸っていたアルトは、シェリルが蕩けだしたのに満足したのか
背中を撫でていた大きな手で、ネグリジェの裾を潜り、弾力のあるヒップや柔らかな胸をまさぐって、更に感覚を高め始める。
グリップを握って固くなったアルトの手は、優しくシェリルの肌に馴染み、シェリルの体に火をつけていった。
今日までは、あなたを感じさせて欲しいの。
意地を張るのをやめたシェリルは彼に溶かされるままに感覚に溺れた。
いつの間にか、シェリルのネグリジェは脱がされて、ベッドへと押し倒された体勢となっている。
覆い被さり首筋を舐め上げられ、耳元から聞こえてくる彼の粗い吐息と舌の音がシェリルの耳を犯す。
彼の度重なる愛撫によって今ではすっかりと性感帯になってしまった乳房を揉みしだかれると、シェリルはさらに蕩けて体がぴくりぴくりと反応してしまう。
「ん、ん、」
シェリルの吐息に甘さが混じりだす。
誘われるようにアルトが胸の頂に口を寄せて、ぺろぺろと舐めたり、ころころと舌で転がしたりすると、
シェリルの吐息はよりいっそう高く甘くなり、呼吸とともに悩ましく震えた。
乳房に吸い付くアルトを見下ろしていると、その一生懸命さが可愛らしく思えてくる。
ちらりとこちらの反応を伺う視線はオスのものであるというのに、シェリルの母性本能を刺激するのだろう。
アルトの頬を撫でると、この可愛らしい自分だけの彼を手放したくないと、つい思ってしまう。
閉じた脚の隙間から手を入れ、中心を確認するように下着の上から撫であげられると、シェリルは敏感な部分の刺激に反射的に身をよじる。
「ああっ」
シェリルの脚を掴んで開き、アルトは中心に顔を寄せて感嘆するようにつぶやいた。
「こんなに濡れてる」
快楽に蕩けたシェリルはとろんとして、最早されるがままになっていたが、正直に彼を求めすぎる自分の体が恥ずかしくて溜まらない。
「…やあ、やだっ」
閉じようとしてしまうシェリルの足を手で掴んだまま、アルトはショーツの紐を口で片方ずつ解いていく。
そして、最後に布を口にくわえて、シェリルの体から引きはがすと、てらてらと露に濡れた花弁がアルトに散らされるのを待っていた。
アルトはむせ返る女の芳香を味わいながら、ぷっくりとしたシェリルの花弁を舌で愛撫でる。
気の赴くまま蜜を舐め上げ、ひくひくと動く花弁の上に舌を這わせた。
華奢な体とは裏腹の、このむちっとした肉襞がアルトを包んで快感を与えるのを知っているアルトは、丹念に唇で辿り、その形を味わう。
色素の薄いシェリルのそこは、男を求めるようにぴくりぴくりと誘っているのに、淡くピンク色がいかにも可憐だ。
花弁を押し開くと、奥には、初めての頃と比べるとアルトに馴染んでは来たが、きゅっと締まってキツい泉がとろりと蜜を零す。
逸見に人差し指をつぷりと差し入れると、ぬかるんではいたが、アルトの熱を受け入れるにはまだまだ狭い。
「狭いな…」
アルトから与えられる刺激がまた代わり、びくりと体を震わせたシェリルには、良く呟かれるアルトのその言葉をぼんやりと聞いていた。
その言葉を聞くと、今度は指で中からの愛撫が来るのを経験上知っているシェリルは、
その何も考えられなくなる刺激がくる前に、アルトにその言葉の意味を聞いてみる事にした。
「狭いの、困る?」
「いや、解せばすぐ馴染むよ。お前こそ、痛くないか?ちゃんと言えよ」
「大丈夫」
シェリルのふんわりとした微笑みを見て、アルトも微笑むと、
唇を重ねて、人差し指を挿入した。
「ん」
シェリルのつやを含んだ吐息をアルトが飲み込む。
日頃は無言で事に没頭する二人だったが、今日はなんとなく会話が続いていった。
アルトが指を折り曲げて、中を刺激する。
「ここ、気持ちいいか?
左手でシェリルの頬を撫でて、自分の方を向かせながら、アルトは右の指の刺激を続けた。
「うん、あ、ん、ん」
眉をひそめるシェリルの表情を気にしてアルトが尋ねる。
「痛いか?」
「気持ちいい、あ、あ」
シェリルは勝手に漏れる喘ぎ声を殺すと、「声を聞かせてくれ」と彼からの口づけが降ってきた。
彼に求められれば、従ってしまう。
力を入れた唇から力を抜けば、彼の愛撫を感じるままに、自然と淫らな声が絶えず溢れた。
挿入する指が増えると、シェリルを更に深い快感が襲う。
「中、動いてるの自分で分かるか?絡み付いてくる」
妖艶な微笑みを向けるアルトを見ていたいのに、全身を襲う感覚に耐えられずシェリルは目を閉じてしまう
アルトに陰部を弄られるだけでも恥ずかしいのに、更に自分の淫らな声に羞恥を感じると、
シェリルは体はもっと快楽に沈んでいった。
シェリルの中がほぐれた頃には、シェリルは体の全てが敏感になり、彼の唇に触れられるだけでびくりと体が跳ねるようになっていた。
シェリルに覆い被さるアルトの胸板が、シェリルの乳首を刺激する。
しっとりと汗ばんだアルトの肌が心地よくて、シェリルはアルトを求めて縋り付いてしまう。
熱く灼けた彼がねっとりと洪水となったい陰唇を探るように表面を上下する。
「んんんっ」
シェリルは思わずアルトに縋り付く手足に力を込める。
「入れるぞ」
熱い塊が淫門をぐちゃりとくぐると、シェリルはそれだけで一瞬意識が遠のく。
「あぁっ」
彼の質量と熱が、ゆっくりと彼女の中へとぎちぎちと侵入してくる。
シェリルは彼にすがりついて、その感覚に耐える。
「シェリル」
頭を撫でられ、アルトの方に埋めていた顔を離すと、目の前に、色に歪んだアルトの美しい顔があった。
本当に美しい男だとシェリルは思った。
「お前の中、気持ちよ過ぎ」
艶を含んだ声でぶっきらぼうに言い放ちながら、アルトは不敵に笑った。
「この四日、抱きたくて仕方なかったよ」
体だけでも自分を求めてくれるのなら、精一杯答えようと、
シェリルはアルトに口づけ、アルトが動きやすいようにと、しがみついていた足をベッドに下ろし開脚した。
奥へと行き着いた彼がゆっくりと律動を開始すると、絶えず快感の波が押し寄せて来て、シェリルはどんどん高みへと押し上げられた。
「シェリル」
アルトに呼ばれシェリルが目を開けると、腰を振る彼の顔が目の前にある。
日中は遠くの空を見ている彼の、淫らで熱っぽい瞳と見つめ合っていると、求められていると実感できる。
目と目があうと、どちらからとも無く、二人は本能の律動に揺れながらも口づけた。
「あ、あ、アルトッ、飛んじゃうっ」
シェリルの体がしなり、勢いでシェリルの中に埋まっていたアルトが抜ける。
アルトの形を残した愛壷からとろりと愛液が吐き出された。
「お前、感じやす過ぎ」
シェリルの滑らかな尻をなで上げて楽しんだ後、嬉しげに口づけたアルトが再び、シェリルの中に入ってくる。
「ねっとりして、熱い」
達したばかりで、体の中にアルトがいるだけで快感になるシェリルが息も絶え絶えに返した。
「アルトだって熱いわ」
「4日分だからな。お前良すぎるし」
アルトがシェリルの乳房をこねながら、苦しげに微笑んだ。
シェリルは愉悦で白く霞んだ頭で、精一杯の冗談を言った。
「銀河で一番?」
「比較対象が無いから分かるわけないだろ」
あの子とはまだシてないのかしら。
それで、自分との行為が続いてるのかもしれない。
恥ずかしげにいるアルトがの言葉が、いつか自分が言った言葉だとシェリルは気付かず、シェリルは心の端で思った。
もはや、快楽に支配されたシェリルの思考に、悲しいとか苦しいとかいった感情は伴わなっていない。
ただ、思考がなされるだけだった。
さらに、思考すらを吹き飛ばすように、アルトが律動を始めた。
彼と抱き合うのはこれで最後と思うと、枷が外れたようにシェリルは今までになく快楽に溺れた。
「やあ、あん、もっと」
今まで聞いた事の無かったシェリルの求めに応じて、アルトも日頃、シェリルを慮って自制している激しさを解き放った。
衝動のままに彼女の中を大きくえぐると、シェリルは再び絶頂でびくりと跳ね上がる。
間もおかず、シェリルの華奢な両膝を抱えると、再び感じるままに抽送の速度を上げてシェリルをぎりぎりの高みへと連れて行く。
「やめて、ムリ」
「もっとって言ったのはお前だろ」
感じているシェリルの膣壁の蠕動がアルトを絶えず刺激するが、アルトは吐精感を耐えてシェリルを貫く。
「うう、うう」
激しい獣のような動きと唸る男の声とは対照的に、滑らかな黒髪が涼しげにさらりさらりと揺れる。
交わりの激しさを映した二人の肉がぶつかり合う音を聞きながら、シェリルは愛する男に深く犯されるのを感じていた。
首を降って圧倒的な感覚に抵抗するシェリルの豊かなブロンドは、既に彼に乱されてもうぐちゃぐちゃだった。
絶頂とともにぎゅっと締めつけた彼女に最後の刺激を与えられ、彼も耐えてきた熱を吐き出した。
荒い息を整え二人は余韻に浸る。
彼は、シェリルの髪を大きな手で梳いて流す。
その優しい動作をシェリルは穏やかに受け止める。
体も心も満たされて、今はただ、愛する男に身を委ねていた。
シェリルのその健気な様子に誘われて彼は若い熱を取り戻しつつあった。
「シェリル」
掠れた甘い声で彼女を誘う。
とろんとしたシェリルは心地よい彼の声にうっとりとしていたが、彼はそれを了承と受け取って
髪を梳きながら唇を重ねる。
今までアルトは、シェリルの体を慮って、行為がなるべく短く済むように心構えていた。
後戯も若い体に再び欲をともさないようにとほどほどにしていた。
二人の相性が良く、アルト自身も感じやすい事もあり、満足していたのだが、
今日のシェリルの媚態と強い快感を得て、もっと欲しいという欲求を押さえられない。
「シェリル」
髪を撫でていたアルトの手は、いつの間にかシェリルを逃がすまいと、髪に手を差し入れて後頭部を深く包んでいた。
そして、深くシェリルの口腔内を味わう。
とろりと従順にアルトと舌を触れ合わせるシェリルは、いつもよりもずっと熱く感じる。
やがて思いのままに彼女の全身を再び味わい始めた彼の手によって、
シェリルは悶えはじめ、ブロンドを再び乱し始めた。
「するの?」
全身が性感帯となっているシェリルは、全身を桃色に染めて、早くも淫らな表情をしている。
「嫌か?」
「…イイ…」
シェリルのうっとりとした言葉を受けて、箍が外れたように彼女のふわりとした胸の膨らみにかぶりついた。
「ああっ」
先ほどの行為で散々嬲られた唾液と汗にまみれた乳首は相変わらず敏感で、
アルトの首を撫でてくれるシェリルの手が心地いい。
アルトは元気を取り戻しつつある熱を擦り付けて徐々に膨らませていく。
先ほどの行為で充分にぬかるみ解れている彼女の中に、固くなった彼が再び入ってくる。
彼に与えられた快感に酔っているシェリルは抵抗無く股を開き、秘路もまた、大きく膨らむ彼を優しく撫でるようにうねり動き迎え入れる。
ただ繋がるだけで二人とも果てて溶けそうな感覚に陥った。
どちらからともなく、唇も繋げあって抱き合った。
その快感を味わったのち、もっと深く溶け合い混ざり合おうと、アルトは腰をゆらし始めた。
「シェリル、シェリル」
揺さぶられるままに絶えず矯正を上げるシェリルの耳に聞こえてくる唸るような呼び声は、自分の喉から出た声ではない。
大好きな彼の呼ぶ声。
境界が分からなくなるほどに体を重ねても、二人は別々の体のままで、いつまでも一緒にいるわけにはいかない。
「ああ、いやあ、ああ」
何度目かの絶頂とともに意識を失ったシェリルを彼の腕が包んでいた。
目覚まし時計のベルでぼんやりとまぶたを開いたシェリルの横にもう彼はいない。
遠征があると言っていたので、既に出社している時間だった。
ゆったりと満たされた感覚から覚醒すると、けだるい体をおして、ガウンをまといリビングへと向かった。
シェリルも今日は1限目から授業なのだ。
リビングのカーテンをあけると、嫌に朝日がまぶしい。
時計を確認する余裕はなかったのだが、昨夜は結構遅くまで耽っていたのかもしれない。
まだ彼が入っている感覚すらある。
自分の痴態を思い出して、シェリルは赤面する。
(あいつ、好き勝手やってくれちゃって…ちゃんと事故らずに飛べてるのかしら…?)
朝日を受けたテーブルの上には、流暢な走り書きがあった。
「みそ汁の飲んだ残りは極力冷まして冷蔵庫へ」
アルトも夜に耽ったツケなのか、珍しく朝の時間に余裕がなかったようだが、
朝食を昨日の残り物とはいえ、それなりに準備しているのが彼らしい。
手際よい彼が朝食の準備すらままないまま出かけていた戦時は、余程追い込まれていたのだろう。
あの頃は辛くもあったが、アルトと二人きりになったように感じられ、ささやかな幸せを感じていたのも確かだった。
(ミソシルの事なんて言われなくても、分かってるわよ)
随分家事も上達したのに、手に力も入らず何かと不慣れな戦時にしでかした事を何かとまだ引きずられていてシェリルは面白くない。
もう大抵の事は一人で出来るし、フロンティアの復興に伴って、様々なサービスの提供が再開されてきてるので、どうにでもなるのだ。
グレイスに管理されていた頃にはする事のなかった雑事を試して学ぶ時間も、幸か不幸か、シェリルの人生に今までかつてなかったほどにある。
自分の力で安々と日常生活を送り、ステージに復帰する自分が想像出来る。
家事が出来るようになって、アルトも世話を焼かなくなって。
彼女の隣で笑う彼を、誇らしげに見つめる自分。
その気持ちを歌に託して、観客をきっと魅了しよう。
未来も開かれたというのに、なんでこんなに切ないのだろう。
あの苦難をなんとか二人で身を寄せ合い支え合って乗り越えた。
そして、生き残り、フロンティアには平和が訪れた。
彼ももう大丈夫。
彼女が帰って来て、もう私が抱きしめる必要もなくなったのだ。
全身全霊で愛した記憶を洗い流すほど割り切れないが、
きっと乗り越えることは出来る。
私ももう一人でも大丈夫。
だから、次に会う時が最後のデート。
最終更新:2014年06月14日 23:19