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ゼロのスネイク-2 - (2007/07/14 (土) 21:38:27) の1つ前との変更点

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「ナルホド……ツマリコウイウ事カ? 『オ嬢サンハ私ノ新タナ主人ダ』…ト」 「『新たな』ってどういう事よ? あんた、前に別のメイジの使い魔だったわけ?」 「イヤ、私ノ以前ノ主人ハメイジデハナイ」 「じゃあ何よ?」 「『スタンド使イ』ダ」 「スタンド……使い?」 ゼロのスネイク 2話 時刻は既に真夜中。 窓の外では月が淡い光を放ち、その光はルイズの部屋にも注いでいた。 で、何故こんな真夜中になってまでルイズとホワイトスネイクが話し込んでいるのかというと―― 「だから『スタンド使い』って何よ!?」 「文字通リ『スタンド』ヲ使役スル者ダ。私ハ『スタンド』ダカラナ」 「『スタンド』? 何の種族よ? そんな系統の亜人なんて聞いたこと無いわ!」 「無理ハ無イ。私ノ予想ガ正シケレバ、私ガ『以前』イタ場所ト『今』イル場所ハ根本的ニ異ナル世界ダカラナ」 「はあ? どういうことよ?」 「早イ話、別ノ世界カラ来タトイウコトダ」 「……そんなわけ無いでしょ。第一聞いたこと無いわよ? 召喚の儀式でまったく別の世界から使い魔が呼び出されるなんて」 一体どれだけこの話題をループしただろうか、とホワイトスネイクは思った。 この小娘――ルイズの服装にしても、この部屋の内装にしても、加えて自分とルイズとのまったく話が咬み合わない事からしても、 自分が以前いた世界――つまり地球だが、そことは別の世界にワープさせられた、とでも表現するのが正しいのだろう。 しかし……このルイズにはまったく話が通じない。 ホワイトスネイクも色々言い回しを工夫したが、 「異世界から使い魔が召喚されるわけないでしょう。ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」といった調子だ。 ちなみに、ホワイトスネイク自身に「元の世界に帰りたい」という願望はこの時点でカケラもない。 ホワイトスネイクは、自分の本体であるプッチ神父がウェザーリポートに無惨にもミートパテにされてしまった光景はよく覚えている。 そして自分の本体が元の世界にいない以上、例え元の世界に戻ってもその瞬間にスタンドパワーの供給が無くなり、 熱湯にブチ込まれたプランクトンのように、あっという間に消滅してしまうことは自明の理だったからだ。 それに、どこぞの盲目の凄腕スナイパーのようにプッチ神父を妄信していたわけでもない。 単に自分の本体だったから従っていただけだし、 他の意思を持たないスタンド同様、プッチ神父の力そのものとして使役される場合が多かったので、 プッチ神父に対して特別の信頼があったわけでもない。 というわけで、自分が存在し続けられるのならばそれに越したことは無い。 こっちに来ちゃったなら別にこっちにい続ければいいんじゃね? というのがホワイトスネイクの正直な心境である。 さて、このまま夜が明けるんじゃないか、とホワイトスネイクが思い始めた頃―― 「はあ……まあいいわ。あんたがどこから来たのかって事はとりあえず後回しよ。  あんたはあたしの使い魔なんだから、あたしの使い魔としてしなくちゃあならないことを説明するわ。  いい? 心して聞くのよ?」 「分カッタ」 「まず、使い魔は主人の目となり耳となる。つまりあんたが見えてるものがあたしにも見えるってことよ」 「ソレハ当タリ前ノ事ジャアナイノカ?」 スタンドであったホワイトスネイクには当然のことである。 スタンド自体が視覚を持たない場合もあることにはあったが、幸いホワイトスネイクは視覚を持っている方だったからだ。 とはいえプッチ神父から大きく離れているときは自分の視覚は自分に一任されていたが、 ある程度の距離ならばプッチ神父は自分と視覚聴覚を共有していた。 だが―― 「……見えないわね」 何故かルイズにはそれが出来なかった。 「出来テ当タリ前ト思ウコトガ大事ラシイゾ」 昔、DIOの館で見た両手が右手の占い師のババアが言っていたことを受け売るホワイトスネイク。 「それもそうね。 ~~~~~~~~あたしはできるあたしはできるあたしはできるあたしはできるあたしはできるッ! よし、これで!」 しかし。 「……やっぱり見えないわよ」 「訓練ガ足リナインジャナイノカ?」 「そんなわけないでしょ。使い魔と視覚を共有するのに訓練なんて要るわけ無いじゃない」 召喚の儀式を成功させるためにありとあらゆる書物を読み漁ったルイズからしてみれば当然の事である。 だがホワイトスネイクにはそれが納得いかない。 「イヤ……ソンナハズハナイ。第一私ハ視覚ノ共有ガ可能ナタイプノスタンドダシ……」 「もういいわ。あんたがちょっと変わってるだけってことよ」 共有できないお前がおかしいんじゃないか、とホワイトスネイクは思った。 「じゃあ次よ。使い魔は主人のために秘薬の原料材料を集める」 「出来ルワケガ無イダロウ。私ハ別ノ世界カラ来タンダカラナ」 別の世界から来たホワイトスネイクにはどだい無理な話である。 「はあ……あんたって本当に変わってるのね」 だったら別の世界から呼ぶなよ、とホワイトスネイクは思った。 でもそのおかげで消滅せずに済んだんだからフィフティ・フィフティか、とホワイトスネイクは一人で納得した。 「じゃあ最後に、使い魔は主人を守る。自分の体を犠牲にしてでもね」 「無理ダ」 「どうしてよ?」 「私ハスタンドダ。スタンドノダメージハ本体、ツマリオ嬢サンに反映サレル。  例エバ私ガ右腕ヲ切リ飛バサレタナラ、オ嬢サンノ右腕モ同様ニ切リ飛バサレル」 「……何言ってんの? あんたバカ?」 これには流石のホワイトスネイクもプッツンしかけた。 本来なら記憶を引っこ抜いて再起不能にしてやるところだが……ルイズが自分の本体という事もあって踏みとどまった。 その代わり―― 「ナラ試シテミルトイイ」 そう言って、自分の脚をルイズにひょいと差し出した。 スネを蹴っ飛ばせ、というメッセージである。 「……後悔しないのね?」 「ダカラサッサトヤレバイイ」 それを聞くと、ルイズは容赦なく、全力で、ホワイトスネイクのスネを―― バグオォッ!! 蹴っ飛ばしたッ!! 「グオォッ!」 そしてそのあまりの威力にホワイトスネイクが呻き声を上げるッ! 余談だが、訳あって魔法を使えないルイズは他の生徒がレビテーションで移動するところを常に走るだの歩くだので移動していた。 そしてこの魔法学校は、生徒がレビテーションで移動することを前提に作られた場所もある。 つまり、それらの場所をひたすら自分自身の脚で日常的に突破し続けたルイズの脚力は、常人よりも遥かに強化されていたのだッ! しばらくの間片足でピョンピョン跳び続けるホワイトスネイク。 と、そこでホワイトスネイクはあることに気づいた。 「……オ嬢サンは痛クナイノカ?」 「は? 何言ってんのよ。痛い訳ないじゃない」 「……失礼」 そう言うと、ホワイトスネイクは素早く屈んでルイズの右足を確認する。 その速度ゆえの風圧でルイズのスカートが捲くれ上がるが、そんなことは一向に気にしないッ! それよりも確認すべきものがホワイトスネイクにはあったからだッ!! そして―― 「馬鹿ナ……」 果たして、ルイズの右足のスネにはアザ一つ無かった。 ホワイトスネイクは混乱する頭で考える。 これは一体どういうことだ? スタンドである自分のダメージが、どうして本体である小娘に反映されない? これも魔法とかによるものなのか? ……などと考えたところで、ふとあることに気づいた。 今、自分はこの小娘を「本体」だと考えた。 ならばその逆、この小娘が「本体」でないとしたら……。 「……の…………」 何か声が聞こえた気がしたが、そんなことは些細なことでしかない。 ここでホワイトスネイクはある仮説を思いつく。 ①スタンドは個々の精神がヴィジョンとなって現れたもの。 ②だが自分はあくまでプッチ神父の精神のヴィジョンなのであって、小娘の精神のヴィジョンではない。 ③視覚聴覚の共有、ダメージの共有が無いのはこれが原因か? ④自分が存在し続けられる=スタンドパワーを小娘から供給されているのは、小娘の精神に自分が寄生しているからか? 「……この…………」 おそらくはこれであっているのだろうが、まだまだ検証は必要だ。 ……とそこまで考えて、やっとホワイトスネイクは頭上の声に気づいた。 そして顔を上げると―― 「このエロ使い魔ーーーーーーーッ!!」 顔面を全力で蹴り飛ばされたッ!!! 「ブゲアァーーーーッ!!」 思いっきりぶっ飛ばされ、ドアをブチ破って廊下に転がるホワイトスネイク。 「ナ、何ダ!? 一体何ヲスル!」 「召喚されて早々に……ご主人様のパンツを覗くなんて……」 その言葉にはっとするホワイトスネイク。 そういえば、さっきルイズの足を見たときに何かが捲くれ上がったような音がしたようなしなかったような…… そうこう考えているうちに、ルイズが短い棒のようなものを取り出した。 そして、その棒がバチバチと白い火花を上げるッ! その様子に、ホワイトスネイクは直感的にヤバイと感じたッ!! 「マ、待テッ! 何ヲスル気ダ!」 「何をする気、ですって……? そんなの決まってるじゃない!」 キッとホワイトスネイクをにらむルイズ。 そして―― 「オシオキよッ!!」 ルイズの言葉とともに、杖が振り下ろされるッ! そしてッ!! ドッグオォォォォオオオン!! 爆発したッ!! 屋内だということを微塵も考慮しない、豪快な爆発がルイズの部屋の前で巻き起こったッ! 「あんたにはあたしの部屋に入る権利も無いわッ! 今日一晩、大人しく廊下で過ごしなさいッ!!」 バタン!、荒々しく自室のドアを閉めるルイズ。 そして部屋の前にもうもうとたちこめる爆煙が晴れると…… 「マッタク……酷イ目ニアッタナ……」 爆発でコスチュームをボロボロにしたホワイトスネイクがいた。 幸い指が吹っ飛んだり腕が根こそぎなくなったりすることは無かったが、モロに食らっていたらどうなったか、分かったものではない。 本来ならブチ切れて「破裂するDISK」を突っ込んでやるところだが……自分にスタンドパワーを供給してくれていることもあって、かろうじてガマンした。 「コレカラガ……大変カモシレナイナ……」 そしてホワイトスネイクはそんなことを呟きながら、ドアを幽霊のようにすり抜けて堂々とルイズの部屋に入っていった。 ルイズが疲れて寝てしまっていなければ、きっとホワイトスネイクは地獄を見ていたに違いない。 To Be Continued... ----
「ナルホド……ツマリコウイウ事カ? 『オ嬢サンハ私ノ新タナ主人ダ』…ト」 「『新たな』ってどういう事よ? あんた、前に別のメイジの使い魔だったわけ?」 「イヤ、私ノ以前ノ主人ハメイジデハナイ」 「じゃあ何よ?」 「『スタンド使イ』ダ」 「スタンド……使い?」 ゼロのスネイク 2話 時刻は既に真夜中。 窓の外では月が淡い光を放ち、その光はルイズの部屋にも注いでいた。 で、何故こんな真夜中になってまでルイズとホワイトスネイクが話し込んでいるのかというと―― 「だから『スタンド使い』って何よ!?」 「文字通リ『スタンド』ヲ使役スル者ダ。私ハ『スタンド』ダカラナ」 「『スタンド』? 何の種族よ? そんな系統の亜人なんて聞いたこと無いわ!」 「無理ハ無イ。私ノ予想ガ正シケレバ、私ガ『以前』イタ場所ト『今』イル場所ハ根本的ニ異ナル世界ダカラナ」 「はあ? どういうことよ?」 「早イ話、別ノ世界カラ来タトイウコトダ」 「……そんなわけ無いでしょ。第一聞いたこと無いわよ? 召喚の儀式でまったく別の世界から使い魔が呼び出されるなんて」 一体どれだけこの話題をループしただろうか、とホワイトスネイクは思った。 この小娘――ルイズの服装にしても、この部屋の内装にしても、加えて自分とルイズとのまったく話が咬み合わない事からしても、 自分が以前いた世界――つまり地球だが、そことは別の世界にワープさせられた、とでも表現するのが正しいのだろう。 しかし……このルイズにはまったく話が通じない。 ホワイトスネイクも色々言い回しを工夫したが、 「異世界から使い魔が召喚されるわけないでしょう。ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」といった調子だ。 ちなみに、ホワイトスネイク自身に「元の世界に帰りたい」という願望はこの時点でカケラもない。 ホワイトスネイクは、自分の本体であるプッチ神父がエンポリオの操るウェザーリポートによって 無惨にもミートパテにされてしまった光景はよく覚えている。 そして自分の本体が元の世界にいない以上、例え元の世界に戻ってもその瞬間にスタンドパワーの供給が無くなり、 熱湯にブチ込まれたプランクトンのように、あっという間に消滅してしまうことも分かっていた。 それにホワイトスネイク自身、どこぞの盲目の凄腕スナイパーが某吸血鬼を信奉したように プッチ神父を妄信していたわけでもない。 単に自分の本体だったから従っていただけだし、 他の意思を持たないスタンド同様、プッチ神父の力そのものとして使役される場合が多かったので、 プッチ神父に対して特別の信頼があったわけでもない。 というわけで、自分が存在し続けられるのならばそれに越したことは無い。 こっちに来ちゃったなら別にこっちにい続ければいいんじゃね? というのがホワイトスネイクの正直な心境である。 さて、このまま夜が明けるんじゃないか、とホワイトスネイクが思い始めた頃―― 「はあ……まあいいわ。あんたがどこから来たのかって事はとりあえず後回しよ。  あんたはあたしの使い魔なんだから、あたしの使い魔としてしなくちゃあならないことを説明するわ。  いい? 心して聞くのよ?」 「分カッタ」 「まず、使い魔は主人の目となり耳となる。つまりあんたが見えてるものがあたしにも見えるってことよ」 「ソレハ当タリ前ノ事ジャアナイノカ?」 スタンドであったホワイトスネイクには当然のことである。 スタンド自体が視覚を持たない場合もあることにはあったが、幸いホワイトスネイクは視覚を持っている方だったからだ。 とはいえプッチ神父から大きく離れているときは自分の視覚は自分に一任されていたが、 ある程度の距離ならばプッチ神父は自分と視覚聴覚を共有していた。 だが―― 「……見えないわね」 何故かルイズにはそれが出来なかった。 「出来テ当タリ前ト思ウコトガ大事ラシイゾ」 昔、DIOの館で見た両手が右手の占い師のババアが言っていたことを受け売るホワイトスネイク。 「それもそうね。 ~~~~~~~~あたしはできるあたしはできるあたしはできるあたしはできるあたしはできるッ! よし、これで!」 しかし。 「……やっぱり見えないわよ」 「訓練ガ足リナインジャナイノカ?」 「そんなわけないでしょ。使い魔と視覚を共有するのに訓練なんて要るわけ無いじゃない」 召喚の儀式を成功させるためにありとあらゆる書物を読み漁ったルイズからしてみれば当然の事である。 だがホワイトスネイクにはそれが納得いかない。 「イヤ……ソンナハズハナイ。第一私ハ視覚ノ共有ガ可能ナタイプノスタンドダシ……」 「もういいわ。あんたがちょっと変わってるだけってことよ」 共有できないお前がおかしいんじゃないか、とホワイトスネイクは思った。 「じゃあ次よ。使い魔は主人のために秘薬の原料材料を集める」 「出来ルワケガ無イダロウ。私ハ別ノ世界カラ来タンダカラナ」 別の世界から来たホワイトスネイクにはどだい無理な話である。 「はあ……あんたって本当に変わってるのね」 だったら別の世界から呼ぶなよ、とホワイトスネイクは思った。 でもそのおかげで消滅せずに済んだんだからフィフティ・フィフティか、とホワイトスネイクは一人で納得した。 「じゃあ最後に、使い魔は主人を守る。自分の体を犠牲にしてでもね」 「無理ダ」 「どうしてよ?」 「私ハスタンドダ。スタンドノダメージハ本体、ツマリオ嬢サンに反映サレル。  例エバ私ガ右腕ヲ切リ飛バサレタナラ、オ嬢サンノ右腕モ同様ニ切リ飛バサレル」 「……何言ってんの? あんたバカ?」 これには流石のホワイトスネイクもプッツンしかけた。 本来なら記憶を引っこ抜いて再起不能にしてやるところだが……ルイズが自分の本体という事もあって踏みとどまった。 その代わり―― 「ナラ試シテミルトイイ」 そう言って、自分の脚をルイズにひょいと差し出した。 スネを蹴っ飛ばせ、というメッセージである。 「……後悔しないのね?」 「ダカラサッサトヤレバイイ」 それを聞くと、ルイズは容赦なく、全力で、ホワイトスネイクのスネを―― バグオォッ!! 蹴っ飛ばしたッ!! 「グオォッ!」 そしてそのあまりの威力にホワイトスネイクが呻き声を上げるッ! 余談だが、訳あって魔法を使えないルイズは他の生徒がレビテーションで移動するところを常に走るだの歩くだので移動していた。 そしてこの魔法学校は、生徒がレビテーションで移動することを前提に作られた場所もある。 つまり、それらの場所をひたすら自分自身の脚で日常的に突破し続けたルイズの脚力は、常人よりも遥かに強化されていたのだッ! しばらくの間片足でピョンピョン跳び続けるホワイトスネイク。 と、そこでホワイトスネイクはあることに気づいた。 「……オ嬢サンは痛クナイノカ?」 「は? 何言ってんのよ。痛い訳ないじゃない」 「……失礼」 そう言うと、ホワイトスネイクは素早く屈んでルイズの右足を確認する。 その速度ゆえの風圧でルイズのスカートが捲くれ上がるが、そんなことは一向に気にしないッ! それよりも確認すべきものがホワイトスネイクにはあったからだッ!! そして―― 「馬鹿ナ……」 果たして、ルイズの右足のスネにはアザ一つ無かった。 ホワイトスネイクは混乱する頭で考える。 これは一体どういうことだ? スタンドである自分のダメージが、どうして本体である小娘に反映されない? これも魔法とかによるものなのか? ……などと考えたところで、ふとあることに気づいた。 今、自分はこの小娘を「本体」だと考えた。 ならばその逆、この小娘が「本体」でないとしたら……。 「……の…………」 何か声が聞こえた気がしたが、そんなことは些細なことでしかない。 ここでホワイトスネイクはある仮説を思いつく。 ①スタンドは個々の精神がヴィジョンとなって現れたもの。 ②だが自分はあくまでプッチ神父の精神のヴィジョンなのであって、小娘の精神のヴィジョンではない。 ③視覚聴覚の共有、ダメージの共有が無いのはこれが原因か? ④自分が存在し続けられる=スタンドパワーを小娘から供給されているのは、小娘の精神に自分が寄生しているからか? 「……この…………」 おそらくはこれであっているのだろうが、まだまだ検証は必要だ。 ……とそこまで考えて、やっとホワイトスネイクは頭上の声に気づいた。 そして顔を上げると―― 「このエロ使い魔ーーーーーーーッ!!」 顔面を全力で蹴り飛ばされたッ!!! 「ブゲアァーーーーッ!!」 思いっきりぶっ飛ばされ、ドアをブチ破って廊下に転がるホワイトスネイク。 「ナ、何ダ!? 一体何ヲスル!」 「召喚されて早々に……ご主人様のパンツを覗くなんて……」 その言葉にはっとするホワイトスネイク。 そういえば、さっきルイズの足を見たときに何かが捲くれ上がったような音がしたようなしなかったような…… そうこう考えているうちに、ルイズが短い棒のようなものを取り出した。 そして、その棒がバチバチと白い火花を上げるッ! その様子に、ホワイトスネイクは直感的にヤバイと感じたッ!! 「マ、待テッ! 何ヲスル気ダ!」 「何をする気、ですって……? そんなの決まってるじゃない!」 キッとホワイトスネイクをにらむルイズ。 そして―― 「オシオキよッ!!」 ルイズの言葉とともに、杖が振り下ろされるッ! そしてッ!! ドッグオォォォォオオオン!! 爆発したッ!! 屋内だということを微塵も考慮しない、豪快な爆発がルイズの部屋の前で巻き起こったッ! 「あんたにはあたしの部屋に入る権利も無いわッ! 今日一晩、大人しく廊下で過ごしなさいッ!!」 バタン!、荒々しく自室のドアを閉めるルイズ。 そして部屋の前にもうもうとたちこめる爆煙が晴れると…… 「マッタク……酷イ目ニアッタナ……」 爆発でコスチュームをボロボロにしたホワイトスネイクがいた。 幸い指が吹っ飛んだり腕が根こそぎなくなったりすることは無かったが、モロに食らっていたらどうなったか、分かったものではない。 本来ならブチ切れて「破裂するDISK」を突っ込んでやるところだが……自分にスタンドパワーを供給してくれていることもあって、かろうじてガマンした。 「コレカラガ……大変カモシレナイナ……」 そしてホワイトスネイクはそんなことを呟きながら、ドアを幽霊のようにすり抜けて堂々とルイズの部屋に入っていった。 ルイズが疲れて寝てしまっていなければ、きっとホワイトスネイクは地獄を見ていたに違いない。 To Be Continued... ----

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