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完成! タバサ特製はしばみ茶ナンバーズ+新商品のご案内 承太郎にはしばみ草のサラダを吹き出されて顔にかかった。 承太郎はその後気分が悪くなって寝込んでしまった。 翌日も薬を飲むまで体調が悪そうだった。 これは――悲しい。 タバサが魔法学院で、いや、この世で友情を感じているのはキュルケだけである。 ルイズはキュルケのお気に入りのおもちゃ兼友達のため少々気にかけてるだけだ。 ギーシュは最近雰囲気が変わってきたと思うけど別にどうも思わない。 しかし承太郎は違った。 よく言えば寡黙、悪く言えば無口。お互い言葉を交わす事は無くとも、 タバサはルイズ以上に承太郎の言動の真の意味に気づいたし、 土くれのフーケだって小屋に忍び込む前から彼の推理のおかげで正体に気づけた。 彼はクールでタフで、とても知性的な男だ。 そして自分と同じく何人もの敵と戦い抜いた、戦士の眼差しをしている。 そして自分と同じく大切な人を失った、悲しい眼差しをしている。 だからタバサが承太郎に抱いた感情は、戦士としての信頼と小さな共感。 信頼は彼の強さと冷静な判断力に対するものだが、タバサにとってはやかましくないシルフィードみたいなものだった。 共感は――少しだけ。人間誰だって悲しい思いはするし、何かを背負っている。 別に友達になりたいとか思っている訳じゃない。 好きか嫌いかで言えば『嫌いではない』に入ると思う。が、好きというほどではない。 キュルケの事は好きだと胸を張れる。自分と正反対の性格だが大切な友達だ。 承太郎は嫌いではない。 その程度の相手だから、いざ戦闘とならない限り、特別気を払うつもりは無い。 故に――アレはほとんど気紛れに近かったと思う。 ラ・ロシェールまで馴れない馬に乗って疲れているだろうと思い、ほんの少しだけねぎらいをしようと、はしばみ草のサラダを。 承太郎がはしばみ草のサラダを手にした時、凡ミスをしたとタバサは気づいた。 彼は異郷から来たためはしばみ草を知らないようだが、これはとても苦くて、多くのハルケギニアの民からは嫌われている食材だ。 それでも健康にいいからと我慢して食べる人だっているし、こんな苦い物を食べれるんだぞと自慢して食べる馬鹿も存在する。 自分のようにはしばみ草を好んで食べる人々も実は結構存在する。 だから承太郎なら苦いのに驚いて顔をしかめたりはするかもしれないが、一応ちゃんと食べてくれるだろうと思っていた。 吐き出された。 顔にかけられた。 彼は気分が悪くなって寝込んで翌日薬を飲んだ。 はしばみ草を知らない異郷の人に、はしばみ草を勧めた自分が悪い。 一方的に自分が悪い、どこから見ても自分が悪い。彼はただの被害者だ。 しかし、悔しかった。 いくら苦いとはいえ、嫌いな人が多いとはいえ、吐き出すなんて……。 自分が悪いと思ったからこそ償いのため、翌日ちゃんと薬を買ってきた。 はしばみ草を食べて気分が悪くなったという事で、お腹の調子を整える薬を選んで買ってきたが、タバサは小さな不安を抱いて彼に薬を差し出した。 ――この薬も苦い。彼は飲めるだろうか? この時のタバサは『彼は苦い物がすごく苦手』という認識だった。 他に効きそうな薬が無かったため仕方なくこの薬を選んだが、もしこの薬も苦いからという理由で吐き出されたり飲んでもらえなかったら。 しかしそんな不安は杞憂に終わった。 彼はギーシュに毒味をさせ、ピーマン程度の苦味だと解ると、すぐに飲んだ。 ――どうして? 悔しかった。 ピーマン程度の苦味は平気なのに、はしばみ草は吐き出すという事実が。 はしばみ草は確かに苦いが吐き出すほどではない。 ピーマンをおいしく感じる人なら、十中八九はしばみ草は食べられる。 好きとまではいかなくとも、例え嫌いだとしても、ピーマンが食べられるならはしばみ草だって食べられて然りなのだ。 なのに彼は、ピーマン程度の苦さの薬は平気で、はしばみ草は……。 タバサは戦士だった。与えられた任務をこなすだけの人形でもあった。 しかし――キュルケと友達になった今は違う。 友を守るために杖を振るう事を彼女は覚えた。 だからこそタバサは誓った。 愛するはしばみ草の名誉のために! 空条承太郎……彼に、はしばみ草をおいしく食べてもらう! こうして『はしばみ草愛好会』『会員ナンバー8483』『白銀会員』の、 誇りと使命をかけた壮絶なる戦いが今、始まったのだ! アルビオンでの冒険を終えたタバサは、 はしばみ草をおいしく食べられる料理を研究を始めた。 「きゅいきゅい! お姉様は好きな食べ物をあのクールな彼に食べてもらいたいのね!」 とからかってきた子は、はしばみ草の料理の実験台になってもらった。 それ以来、その子ははしばみ草の研究について何も言ってこなくなった。 普通に料理をしてもなかなか食べやすくならないとタバサはすぐに気づく。 ならば味の濃い料理に混ぜればはしばみ草の苦味に気づかないかもしれない。 しかしそれで食べてもらえたとしても、彼が食べたのは『はしばみ草の料理』ではなく『味の濃い料理』だ。 それでは意味が無い。 ちゃんとはしばみ草の苦味を生かしたものでなければ。 そこでまず食べやすい方法を考える。 タバサが思いついた食べやすい方法、それは飲み物にするという物だった。 フルーツジュースのようにはしばみ草を絞り汁を抽出する。 これなら噛む必要はないし、飲むだけだから比較的楽だろう。 こうしてはしばみ草のジュース、いや、お茶という表現の方が似合いそうだ、 という訳でタバサ特製はしばみ茶一号が完成した。 飲んでみた。 おいしかった。 でもはしばみ草を直接食べるよりうーんと苦かった。 「失敗」 そう呟いてタバサ特製はしばみ茶一号は封印された。 続いてシンプルに水で薄めてみる。 という訳でタバサ特製はしばみ茶二号が完成した。 飲んでみた。 苦味はうすまったが、無理矢理感が強すぎる。 これは味の濃い料理と方向性が逆なだけで本質的には同じなのではないか? 「失敗」 そう呟いてタバサ特製はしばみ茶二号は封印された。 今度は甘い果汁で苦味を相殺してみる。 という訳でタバサ特製はしばみ茶三号が完成した。 飲んでみた。 苦味と甘味がブレンドして何ともいえない奇妙な味がしたけど悪くはない。 「挑戦」 承太郎は盛大に吹き出した。 こうしてタバサ特製はしばみ茶三号は封印された。 今度はベルンカステルという銘柄のワインで割ってみる。 という訳でタバサ特製はしばみ茶四号が完成した。 飲んでみた。 アルコールは薄まったがなぜか何百回と死んだような気分になった。 「失敗」 そう呟いてタバサ特製はしばみ茶四号は封印された。 今度は苦味を加えてみた。苦味にも種類があるため、様々な苦味をブレンド。 ピーマン、ピクルス、ムラサキヨモギ、カカオ100%、桃色の草、赤い草、青い草。 という訳でタバサ特製はしばみ茶五号が完成した。 飲んでみた。 天にも昇るような素晴らしい苦味がした。 「成功」 タバサは自信満々で承太郎に飲ませに行ったが失敗した。 仕方なくギーシュに飲ませたら天空に向かって吹っ飛んで五分後落ちてきた。 という訳でタバサ特製はしばみ茶五号は封印された。 ラ・ロシェールで買った薬を混ぜてみた。体調を悪くする物と回復する物が合体。 という訳でタバサ特製はしばみ茶六号が完成した。 飲んでみた。 地獄を見た挙句意識を何かに乗っ取られそうになった。 適度にデンジャラスで楽しかったがこれでは承太郎は飲めないだろう。 「失敗」 そう呟いてタバサ特製はしばみ茶六号は封印された。 色々混ぜてみた。果汁、ワイン、ムラサキヨモギ、秘薬、ゲッ○ー線、タバサの××。 という訳でタバサ特製はしばみ茶七号が完成した。 飲んでみた。 *「流派東方不敗が最終奥義! 石 破 天 驚 拳 ッ !! 」 *「 十 傑 衆 を 舐 め る な あ っ !! 」 ヒゲのおっさん二人が同じ声で叫び、口の中で大暴れしながら胃袋まで降りていった。 東方が赤く燃える衝撃の味、という形容が相応しい味わいはまさに最高傑作! 「……大・成・功」 こうしてタバサ特製はしばみ茶七号が完成した! タバサはいつタバ茶七号を飲ませようか考えていた。 こんなにおいしく出来上がったんだから、承太郎だっておいしいと思うはず。 そのためには飲んでもらわなくては。 そう、承太郎にはしばみ草を「うまい」と言わせるのは自分なのだ。 それこそがはしばみ草の名誉の回復であり、タバサの完全勝利なのだ。 ――と考えながらキュルケとギーシュと一緒に廊下を歩いていると、 外から承太郎達の話し声が聞こえた。 それを盗み聞きしたタバサ達は、タルブの村へ竜の調査に向かう事となる。 シルフィードの上でタバサはタバ茶七号の入った小さな水筒を、 マントの中に隠しながらギュッと抱きしめた。 大丈夫。これならきっと承太郎は飲んでくれる。 いつ飲んでもらうかは考えてないけれど、学院に帰るまでに飲んでもらおう。 びっくりするくらいおいしいから。 こうしてタバサは、最近になって増えた『友達のみんな』と一緒に、 様々な運命が待つタルブの村へと空を駆けた。 スターダスト外伝 完!    ↓秘密のお知らせ↓ 『はしばみ草愛好会 通販部便り』 ☆新商品のご案内☆ この度は白銀会員タバサ氏が数多くの新商品の開発にご協力! 愛好会本部はこの輝かしい功績を称え、タバサ氏は黄金会員に昇格されました。 タバ茶ナンバーズ簡易表。 タバ茶一号……はしばみ草の絞り汁のみで作成、苦味が凝縮。味はまさに百鬼夜行。 タバ茶二号……天然水で薄めた物、苦味は薄まり初心者向け。味はまさに第六天魔王降臨。 タバ茶三号……甘い果汁を加え、苦味と甘味が絶妙にブレンド。味はまさに地獄黙示録。 タバ茶四号……ワインで割ってみた。味はまさにH症候群女王感染者百年の惨劇。 タバ茶五号……苦味を加え、様々な苦味が融合。味はまさにセルフ廬山亢龍覇。 タバ茶六号……胃腸薬を混ぜてみた。味はまさに鳳凰幻魔拳vs幻朧魔皇拳。 タバ茶七号……色々混ぜてみた。味はまさに東方不敗マスターアジアvs衝撃のアルベルト。 夏☆特別仕様、タバ氷ナンバーズ簡易表。 タバ氷一号……タバ茶一号を凍らせカキ氷に。味はまさにカリツォー。 タバ氷二号……タバ茶二号を凍らせカキ氷に。味はまさにダイヤモンドダスト。 タバ氷三号……タバ茶三号を凍らせカキ氷に。味はまさにフリージングコフィン。 タバ氷四号……タバ茶四号を凍らせカキ氷に。味はまさにホーロドニースメルチ。 タバ氷五号……タバ茶五号を凍らせカキ氷に。味はまさにオーロラボレアリス。 タバ氷六号……タバ茶六号を凍らせカキ氷に。味はまさにオーロラエクスキューション。 タバ氷七号……タバ茶七号を凍らせカキ氷に。味はまさにエターナルフォースブリザード。 代金。タバ茶一号~六号は一律3エキュー。七号は70エキュー。 氷ナンバーズの代金は、茶ナンバーズの同一番号の金額に1エキュー足したものです。 ・注文方法 ご注文は通販でのみ受け付けております。 ご注文の際は名前欄にあなたの名前をご記入してください。 会員の方は会員ナンバーと会員ランク(青銅、白銀、黄金)もお願いいたします。 続いて書き込み欄に欲しい商品名と品数をご記入してください。 商品名、注文数の後に発送方法をお書きしてください。 (白銀会員は一割引、黄金会員は二割引となります) メール欄に住所をご記入してください。 国外の方は国名から正確にお願い申し上げます。 通常発送(国内対応)……1エキュー。 国外発送(国外対応)……3エキュー。 ペガサス流星便(即日配達、国内対応)……5エキュー。 スターライトエクスティンクション(即日配達、国外対応)……20エキュー。 アナザーディメンション(異世界対応)……300エキュー。 ※国内はロマリアを指します。国外はその他ハルケギニアまでです。  東方の方は異世界対応のアナザーディメンションをご利用ください。 はしばみ草愛好会通販部。通販部長シオン。 協力……黄金会員タバサ、黄金会員ムウ、黄金会員サガ、黄金会員カミュ。他。 これからもハルケギニアの健康を願うはしばみ草愛好会をよろしくお願いします。 会長アルバフィカ。 はしばみ草愛好会本部:ロマリア皇国サンクチュアリ領ロドリオ村三丁目七番地。
完成! タバサ特製はしばみ茶ナンバーズ+新商品のご案内 承太郎にはしばみ草のサラダを吹き出されて顔にかかった。 承太郎はその後気分が悪くなって寝込んでしまった。 翌日も薬を飲むまで体調が悪そうだった。 これは――悲しい。 タバサが魔法学院で、いや、この世で友情を感じているのはキュルケだけである。 ルイズはキュルケのお気に入りのおもちゃ兼友達のため少々気にかけてるだけだ。 ギーシュは最近雰囲気が変わってきたと思うけど別にどうも思わない。 しかし承太郎は違った。 よく言えば寡黙、悪く言えば無口。お互い言葉を交わす事は無くとも、 タバサはルイズ以上に承太郎の言動の真の意味に気づいたし、 土くれのフーケだって小屋に忍び込む前から彼の推理のおかげで正体に気づけた。 彼はクールでタフで、とても知性的な男だ。 そして自分と同じく何人もの敵と戦い抜いた、戦士の眼差しをしている。 そして自分と同じく大切な人を失った、悲しい眼差しをしている。 だからタバサが承太郎に抱いた感情は、戦士としての信頼と小さな共感。 信頼は彼の強さと冷静な判断力に対するものだが、タバサにとってはやかましくないシルフィードみたいなものだった。 共感は――少しだけ。人間誰だって悲しい思いはするし、何かを背負っている。 別に友達になりたいとか思っている訳じゃない。 好きか嫌いかで言えば『嫌いではない』に入ると思う。が、好きというほどではない。 キュルケの事は好きだと胸を張れる。自分と正反対の性格だが大切な友達だ。 承太郎は嫌いではない。 その程度の相手だから、いざ戦闘とならない限り、特別気を払うつもりは無い。 故に――アレはほとんど気紛れに近かったと思う。 ラ・ロシェールまで馴れない馬に乗って疲れているだろうと思い、ほんの少しだけねぎらいをしようと、はしばみ草のサラダを。 承太郎がはしばみ草のサラダを手にした時、凡ミスをしたとタバサは気づいた。 彼は異郷から来たためはしばみ草を知らないようだが、これはとても苦くて、多くのハルケギニアの民からは嫌われている食材だ。 それでも健康にいいからと我慢して食べる人だっているし、こんな苦い物を食べれるんだぞと自慢して食べる馬鹿も存在する。 自分のようにはしばみ草を好んで食べる人々も実は結構存在する。 だから承太郎なら苦いのに驚いて顔をしかめたりはするかもしれないが、一応ちゃんと食べてくれるだろうと思っていた。 吐き出された。 顔にかけられた。 彼は気分が悪くなって寝込んで翌日薬を飲んだ。 はしばみ草を知らない異郷の人に、はしばみ草を勧めた自分が悪い。 一方的に自分が悪い、どこから見ても自分が悪い。彼はただの被害者だ。 しかし、悔しかった。 いくら苦いとはいえ、嫌いな人が多いとはいえ、吐き出すなんて……。 自分が悪いと思ったからこそ償いのため、翌日ちゃんと薬を買ってきた。 はしばみ草を食べて気分が悪くなったという事で、お腹の調子を整える薬を選んで買ってきたが、タバサは小さな不安を抱いて彼に薬を差し出した。 ――この薬も苦い。彼は飲めるだろうか? この時のタバサは『彼は苦い物がすごく苦手』という認識だった。 他に効きそうな薬が無かったため仕方なくこの薬を選んだが、もしこの薬も苦いからという理由で吐き出されたり飲んでもらえなかったら。 しかしそんな不安は杞憂に終わった。 彼はギーシュに毒味をさせ、ピーマン程度の苦味だと解ると、すぐに飲んだ。 ――どうして? 悔しかった。 ピーマン程度の苦味は平気なのに、はしばみ草は吐き出すという事実が。 はしばみ草は確かに苦いが吐き出すほどではない。 ピーマンをおいしく感じる人なら、十中八九はしばみ草は食べられる。 好きとまではいかなくとも、例え嫌いだとしても、ピーマンが食べられるならはしばみ草だって食べられて然りなのだ。 なのに彼は、ピーマン程度の苦さの薬は平気で、はしばみ草は……。 タバサは戦士だった。与えられた任務をこなすだけの人形でもあった。 しかし――キュルケと友達になった今は違う。 友を守るために杖を振るう事を彼女は覚えた。 だからこそタバサは誓った。 愛するはしばみ草の名誉のために! 空条承太郎……彼に、はしばみ草をおいしく食べてもらう! こうして『はしばみ草愛好会』『会員ナンバー8483』『白銀会員』の、 誇りと使命をかけた壮絶なる戦いが今、始まったのだ! アルビオンでの冒険を終えたタバサは、 はしばみ草をおいしく食べられる料理を研究を始めた。 「きゅいきゅい! お姉様は好きな食べ物をあのクールな彼に食べてもらいたいのね!」 とからかってきた子は、はしばみ草の料理の実験台になってもらった。 それ以来、その子ははしばみ草の研究について何も言ってこなくなった。 普通に料理をしてもなかなか食べやすくならないとタバサはすぐに気づく。 ならば味の濃い料理に混ぜればはしばみ草の苦味に気づかないかもしれない。 しかしそれで食べてもらえたとしても、彼が食べたのは『はしばみ草の料理』ではなく『味の濃い料理』だ。 それでは意味が無い。 ちゃんとはしばみ草の苦味を生かしたものでなければ。 そこでまず食べやすい方法を考える。 タバサが思いついた食べやすい方法、それは飲み物にするという物だった。 フルーツジュースのようにはしばみ草を絞り汁を抽出する。 これなら噛む必要はないし、飲むだけだから比較的楽だろう。 こうしてはしばみ草のジュース、いや、お茶という表現の方が似合いそうだ、 という訳でタバサ特製はしばみ茶一号が完成した。 飲んでみた。 おいしかった。 でもはしばみ草を直接食べるよりうーんと苦かった。 「失敗」 そう呟いてタバサ特製はしばみ茶一号は封印された。 続いてシンプルに水で薄めてみる。 という訳でタバサ特製はしばみ茶二号が完成した。 飲んでみた。 苦味はうすまったが、無理矢理感が強すぎる。 これは味の濃い料理と方向性が逆なだけで本質的には同じなのではないか? 「失敗」 そう呟いてタバサ特製はしばみ茶二号は封印された。 今度は甘い果汁で苦味を相殺してみる。 という訳でタバサ特製はしばみ茶三号が完成した。 飲んでみた。 苦味と甘味がブレンドして何ともいえない奇妙な味がしたけど悪くはない。 「挑戦」 承太郎は盛大に吹き出した。 こうしてタバサ特製はしばみ茶三号は封印された。 今度はベルンカステルという銘柄のワインで割ってみる。 という訳でタバサ特製はしばみ茶四号が完成した。 飲んでみた。 アルコールは薄まったがなぜか何百回と死んだような気分になった。 「失敗」 そう呟いてタバサ特製はしばみ茶四号は封印された。 今度は苦味を加えてみた。苦味にも種類があるため、様々な苦味をブレンド。 ピーマン、ピクルス、ムラサキヨモギ、カカオ100%、桃色の草、赤い草、青い草。 という訳でタバサ特製はしばみ茶五号が完成した。 飲んでみた。 天にも昇るような素晴らしい苦味がした。 「成功」 タバサは自信満々で承太郎に飲ませに行ったが失敗した。 仕方なくギーシュに飲ませたら天空に向かって吹っ飛んで五分後落ちてきた。 という訳でタバサ特製はしばみ茶五号は封印された。 ラ・ロシェールで買った薬を混ぜてみた。体調を悪くする物と回復する物が合体。 という訳でタバサ特製はしばみ茶六号が完成した。 飲んでみた。 地獄を見た挙句意識を何かに乗っ取られそうになった。 適度にデンジャラスで楽しかったがこれでは承太郎は飲めないだろう。 「失敗」 そう呟いてタバサ特製はしばみ茶六号は封印された。 色々混ぜてみた。果汁、ワイン、ムラサキヨモギ、秘薬、ゲッ○ー線、タバサの××。 という訳でタバサ特製はしばみ茶七号が完成した。 飲んでみた。 「流派東方不敗が最終奥義! 石 破 天 驚 拳 ッ !! 」 「 十 傑 衆 を 舐 め る な あ っ !! 」 ヒゲのおっさん二人が同じ声で叫び、口の中で大暴れしながら胃袋まで降りていった。 東方が赤く燃える衝撃の味、という形容が相応しい味わいはまさに最高傑作! 「……大・成・功」 こうしてタバサ特製はしばみ茶七号が完成した! タバサはいつタバ茶七号を飲ませようか考えていた。 こんなにおいしく出来上がったんだから、承太郎だっておいしいと思うはず。 そのためには飲んでもらわなくては。 そう、承太郎にはしばみ草を「うまい」と言わせるのは自分なのだ。 それこそがはしばみ草の名誉の回復であり、タバサの完全勝利なのだ。 ――と考えながらキュルケとギーシュと一緒に廊下を歩いていると、 外から承太郎達の話し声が聞こえた。 それを盗み聞きしたタバサ達は、タルブの村へ竜の調査に向かう事となる。 シルフィードの上でタバサはタバ茶七号の入った小さな水筒を、 マントの中に隠しながらギュッと抱きしめた。 大丈夫。これならきっと承太郎は飲んでくれる。 いつ飲んでもらうかは考えてないけれど、学院に帰るまでに飲んでもらおう。 びっくりするくらいおいしいから。 こうしてタバサは、最近になって増えた『友達のみんな』と一緒に、 様々な運命が待つタルブの村へと空を駆けた。 スターダスト外伝 完!    ↓秘密のお知らせ↓ 『はしばみ草愛好会 通販部便り』 ☆新商品のご案内☆ この度は白銀会員タバサ氏が数多くの新商品の開発にご協力! 愛好会本部はこの輝かしい功績を称え、タバサ氏は黄金会員に昇格されました。 タバ茶ナンバーズ簡易表。 タバ茶一号……はしばみ草の絞り汁のみで作成、苦味が凝縮。味はまさに百鬼夜行。 タバ茶二号……天然水で薄めた物、苦味は薄まり初心者向け。味はまさに第六天魔王降臨。 タバ茶三号……甘い果汁を加え、苦味と甘味が絶妙にブレンド。味はまさに地獄黙示録。 タバ茶四号……ワインで割ってみた。味はまさにH症候群女王感染者百年の惨劇。 タバ茶五号……苦味を加え、様々な苦味が融合。味はまさにセルフ廬山亢龍覇。 タバ茶六号……胃腸薬を混ぜてみた。味はまさに鳳凰幻魔拳vs幻朧魔皇拳。 タバ茶七号……色々混ぜてみた。味はまさに東方不敗マスターアジアvs衝撃のアルベルト。 夏☆特別仕様、タバ氷ナンバーズ簡易表。 タバ氷一号……タバ茶一号を凍らせカキ氷に。味はまさにカリツォー。 タバ氷二号……タバ茶二号を凍らせカキ氷に。味はまさにダイヤモンドダスト。 タバ氷三号……タバ茶三号を凍らせカキ氷に。味はまさにフリージングコフィン。 タバ氷四号……タバ茶四号を凍らせカキ氷に。味はまさにホーロドニースメルチ。 タバ氷五号……タバ茶五号を凍らせカキ氷に。味はまさにオーロラボレアリス。 タバ氷六号……タバ茶六号を凍らせカキ氷に。味はまさにオーロラエクスキューション。 タバ氷七号……タバ茶七号を凍らせカキ氷に。味はまさにエターナルフォースブリザード。 代金。タバ茶一号~六号は一律3エキュー。七号は70エキュー。 氷ナンバーズの代金は、茶ナンバーズの同一番号の金額に1エキュー足したものです。 ・注文方法 ご注文は通販でのみ受け付けております。 ご注文の際は名前欄にあなたの名前をご記入してください。 会員の方は会員ナンバーと会員ランク(青銅、白銀、黄金)もお願いいたします。 続いて書き込み欄に欲しい商品名と品数をご記入してください。 商品名、注文数の後に発送方法をお書きしてください。 (白銀会員は一割引、黄金会員は二割引となります) メール欄に住所をご記入してください。 国外の方は国名から正確にお願い申し上げます。 通常発送(国内対応)……1エキュー。 国外発送(国外対応)……3エキュー。 ペガサス流星便(即日配達、国内対応)……5エキュー。 スターライトエクスティンクション(即日配達、国外対応)……20エキュー。 アナザーディメンション(異世界対応)……300エキュー。 ※国内はロマリアを指します。国外はその他ハルケギニアまでです。  東方の方は異世界対応のアナザーディメンションをご利用ください。 はしばみ草愛好会通販部。通販部長シオン。 協力……黄金会員タバサ、黄金会員ムウ、黄金会員サガ、黄金会員カミュ。他。 これからもハルケギニアの健康を願うはしばみ草愛好会をよろしくお願いします。 会長アルバフィカ。 はしばみ草愛好会本部:ロマリア皇国サンクチュアリ領ロドリオ村三丁目七番地。

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