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ゼロの兄貴-9」を以下のとおり復元します。
本日の医務室⇔自室2度目の往復を達成したルイズが凄まじい勢いで部屋に飛び込んできた。 
その心中は「酒ッ!飲まずにはいられないッ!あの使い魔のせいで荒れているクソッ!」というところか。 

「……さっきから何やってんだオメーは」 
「何やってんのはあんたの方よォーーーーッ!決闘でギーシュ殺したって本当!?いや嘘よね!頼むから嘘って言ってぇ~~」 
だが、そんなルイズの懇願虚しく 
「決闘なんだから始末するに決まってんだろーが」 
と1秒足らずでそれを肯定される。 

――――――終わった 
そう思いながら椅子に力なく座り込む。その姿たるや真っ白に燃え尽きた某ボクサーの如し。 
「向こうから決闘を仕掛けてきたんじゃあねーか、返り討ちにして何か問題でもあんのか?」 
分かってない、こいつは事の重大さを全く分かってない。 
その時ルイズは本気で思った『死にたくなった』と 

少し時間をバイツァ・ダスト 

学長室に流れる緊張した空気、その原因は当然対峙する仙人もどきと暗殺者だ。 

「で、では…私は外に控えておりますので…」 
完全にビビりながら半分逃げるようにして退出するコルベール 

「さて…お主、ギーシュ・ド・グラモンと決闘をしそれを殺したというのは事実かの?」 
「ヤツが売ってきた決闘だ、返り討ちにして問題があんのか?」 

「むう」とオスマンが息を呑む 
(こやつ…メイジを殺害しておいて目に迷いや戸惑いといったものが無いのぉ) 

スタンドは使い手の精神の象徴とも言われる。 
プロシュートのグレイトフル・デッドは体温の上昇差で多少の違いこそあるが老若男女の区別無く『平等』に老化させる。 
それが例え貴族や平民であっても一切の例外は無い。 
つまりプロシュートにとって身分の違いなどは一切関係なく誰であろうと対等に扱おうとする。 

「ヤツはオレを殺そうという『覚悟』があって魔法を使ったんだ… 
        つまりオレに殺される『覚悟』があったという事だぜ?」 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
(怖っわいのぉ~何なんじゃこのプレッシャーは) 

「そういえば、お主ミスタ・グラモンを老化させたと聞いたが事実ならそれちょびっとだけ見せてくれんかの」 
手を合わせ拝むように頼んでくるが、さすがに自分の能力を見せるという事に少しながら躊躇する。

ズキュン! 
が、スデに知れ渡っているようなので花瓶に入っていた花を掴み直で老化させた。 
「こんな魔法は見たことないのぉ…見たところ杖も持ってないようじゃしお主メイジでもあるまい」 
「側に立つもの、人間の精神エネルギーの具現化でオレがいた世界じゃ『スタンド』っつーモンだ」 

「お主、今『場所』と言わず『世界』と言ったな…こことは別の『世界』という事かね?」 
「そうなんだが、ルイズに言っても信じやしねぇ 
   イタリアってとこから来たんだが聞いた事ねぇか。他ににスイス、フランス、ドイツ、ハンガリーとかがある」 
「ふ~む…どれだったか聞いたような気がするのぉ…どいつじゃったか…ドイツじゃった…なんちゃって♪」 

ズキュン! 

「二度と言わないから老化は止めて、お願い…」 
養豚場の豚以下を見るような目で老化を解除するが、老化させたはずのオスマンがあまり変化していなかった事に改めて異世界だという事を再認識させられる。 
「そうじゃ、今ので思い出したわい、ドイツじゃ…って本当だから、これ本当!」 
「…マジなら詳しく聞かせてもらおうか」 

「ちぃっとばかし長くなるが構わんかのぉ?」 
構わねーと目で話をするように促すとオスマンがそれを話し始めた。

―あれは三十年ぐらい前じゃったかの…わしは森に秘薬の材料を採集にしいっておった… 

「S.H.I.Tッ!何でこんなところにワイバーンが居るんじゃ!」 
とジョセフ・ジョースターばりの走り方で猛ダッシュするのは今より若干若いオスマン。 
そして、その後ろからはワイバーンが追ってきていた。 

何故こうなっているかというと 
秘薬!その素敵な材料がオスマンを行動させていたッ! 

―じゃが雪が降っている森から材料を持って帰る時ワイバーンに襲われてしまってな… 
「OH MY GOD!何でこんなとこに木の根なんかあるんじゃ!」 
全力疾走していただけあって派手に転ぶオスマン。だがワイバーンは遠慮しない。 

―あの時は死ぬと思ってわしも覚悟を決めてたんじゃ… 
「どうせ死ぬならピッチピチの娘の胸の中で死にたかったのぉ…」 
もう偉大な魔法使いとは思えないような邪心溢れる思考である 

―じゃが、わしにワイバーンが襲い掛かる前に爆発が起きて助かったんじゃ 
「な、なんじゃあ~!?」 

―周りを見渡すと一人の男が杖のような物を持って立っておった 
「ブァッカ者がァァァァァァアアア我がナチスの科学力は世界一ィィィィィ 
        露助どもの作った生物兵器などどうということはないィィィィィイイイ」 

―奇妙な男じゃった…爆風にフッ飛ばされてるわしに近付いて起こしてくれたんじゃが、後ろからワイバーンの群れが追ってきての… 
「寝とる場合かァーーーーーッ!」 
男がオスマンを半ば無理矢理起こす。 
「スマンのぉ、助かったわい」 
「喜ぶのは後だ」 
「どういう事じゃ――」

―あの時は本当に怖かったわい…なにせワイバーンが十数匹も居たんじゃから… 
    だがその男は少しも慌ててなどいなかった…わしを庇うように立ち隠れていろと言ってきたんじゃ… 
「フン、うろたえないィィィィィイイイドイツ軍人はうろたえないィィィィィイイ」 
男に目掛けワイバーンが殺到するッ! 
「そこの木の影に隠れていろ老人ッ!」 

―その男の妙な自信をなぜだか信頼する事ができてわしは迷わず隠れた… 
「くらえ!露助の鳥公!30㎜の鉄板を貫通でき一分間に600発発射可能の徹甲弾をッ!!」 

―雷のような凄まじい音じゃった…じゃがその時男に異変が起きた… 
バギィ! 
「何だとォォォォオオオ!物資不足の前線ではロクに整備もままならんかッ!」 

―急に音が止まって男がワイバーンに囲まれたんじゃ… 
「聞こえるか…老人!」 

―そうして男がわしにある物を投げ逃げろと言ってきたんじゃ… 
「ここはおれがどうにかする…それを持って逃げろ!」 
「じゃがお主一人では…」 
「フフ…老人と二人でこの数を相手にしても結果は変わるまい 
   おれは誇り高きドイツ軍人!死ぬ覚悟などとうに出来ておるッ!それにそれがあれば一匹ぐらいなら何とかなるッ!」 

―わしは男の言うとおり逃げた… 
「人間の偉大さは-恐怖に耐える誇り高き姿にある…か 
   これを言うのは二度目だな…おれもお前の所に征くぞジョジョ!」 

―やっと安全な場所まで逃げたと思ったらあの場所から爆発が聞こえてな… 
「自爆システム作動ォォォオオオ!我が祖国よ永遠なれえェェェェエエィッ!!」 

オスマンが一息付く 
「これがわしが知ってる限りの話じゃ…その男がわしに渡した物は 
   男が最初にワイバーンに使った杖らしき物と同じでわしらはその爆発を起こした魔法の杖を『破壊の杖』と呼んどる」 
「確かに男が何回か『ドイツ』と言ったような気はするんじゃがな」 
「オレの世界には魔法の杖なんて存在しねーからな…ま、ドイツっつー単語だけじゃあ判断できねーな」 

「さて…本題じゃがお主にはミス・ヴァリエールと一緒に居てもらうぞ 
     なにしろ前例が無い事じゃから王室に相談してみんことにはどうなるか分かったもんじゃないわい」 
「もうスデに似たような状況なんだが」 
「まぁそう言うな…どうなるか分かったら使いを寄こすからもう決闘なぞせんようにな。もっとも、生徒達がお主に挑むとは思えんがの」 

部屋から出る。だが、その時眼鏡の女性とすれ違った。 

「失礼します。オールド・オスマン」 
「ミス・ロングビルか何かあったかの?」 
「…あれが『悪魔憑き』…ですか」 
「『悪魔憑き』何の事じゃ?」 
「生徒達の間で噂になってますよ。人間の年齢を奪う『悪魔』に憑かれていると」 
「なるほど…『悪魔憑き』か…言い得て妙じゃの。して要件はそれだけか?」 
「あ、いえ紅茶をお持ちしたんですが一つ余分になってしまいましたね、というわけで二杯飲んでください」 
そこには笑顔ながら飲め!という命令を下しているような秘書の姿があり―『死にたくなった』 

プロシュート兄貴―「執行猶予中」 
      二つ名「悪魔憑き」 
[[←To be continued >ゼロの兄貴-10]]
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『魁!ドイツ軍』 
歌:ルドル・フォン・シュトロハイム 

ドイツ軍人の生き様は 
色無し 恋無し 情け有り 
戦争の道をひたすらに 
歩みて明日を魁る 
嗚呼ナチス男意気 
己の道を魁よ 

ドイツ軍人の魂は 
強く激しく 温かく 
総帥の夢をひたすらに 
求めて明日を魁る 
嗚呼ナチス 男意気 
己の道を魁よ

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#center(){[[戻る<>ゼロの兄貴-8]]         [[目次>ゼロの兄貴]]          [[>続く>ゼロの兄貴-10]]}
//第五部,プロシュート

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