シャラシャーティ


シャラシャーティ・ハーデイ

異端なる教団《深縁の使者》の教祖エルトリウスの弟であり、アースガルズ首長国へと入り込み、
後にこの国の女王たる姫巫女の地位に就く少女クレリア・アースガルズの夫とななる男。

有能な魔術師として日々研鑽を積む普通の青年だったが、兄エルトリウスの影響を受け、悪魔術に手を染める。
やがてエルトリウスが立ち上げた教団―後の《深縁の使者》―の幹部として彼の意向の元、
既に国内で禁書指定を受けていた魔術と、それらを習得・研究する者や禁術崇拝者を積極的に教団へと取り込み、
帝都地下でその規模を拡大させていた。

ユグドラシル正教からの異端認定を受け、帝国国内から勢力を一掃された《深縁の使者》は
ジャッジメントデイを「神の裁き」とするアースガルズ神教に類似性を見出し、
自分たちを異端とし排除しようとしたユグドラシル正教への復讐のため、教団はアースガルズの国政を掌握した後、
この国の武力をもってユグドラシルの国家転覆を謀らんとした。

教団はユグドラシル国内に潜みながら徐々に神教内部、そして首長国内部に勢力を伸ばしてゆく一方で、
アースガルズ掌握の切り札としてエルトリウスは、実の弟であるシャラシャーティを送り込んだ。
彼はアースガルズの上級神官としてクレリアに近づくと、持ち前の美顔と巧みな話術で彼女を口説き、
籠絡した彼女の権力を用いて彼を夫として迎え、クレリアの裏で国政に介入しようと企てた。

本来ならクレリアの父ゼムナスの、或いは長兄ゼルスの鶴の一声でこの計画は小さな芽の内に摘まれる筈だったが、
この頃既に首長国の中枢にまで入り込んでいた教団が時期を見計らい、
影響力の強い現・首長とその息子を首尾良く「事故死」させることで世間知らずの姫の恋の障害を取り払っていた。
結果、正統なるアースガルズ首長国の系譜を継ぐ姫巫女としてクレリアを即位させ、
シャラシャーティを夫とすることに成功した教団はユグドラシルへのクーデター計画を次の段階に移行させ、
後に引き起こされる内乱「アースガルズ戦役」、そして「悪魔術師の反乱」の準備を進めてゆく。

そして結果は、両戦いにおける教団の敗北という無惨なものだった。
シャラシャーティもまたアースガルズの大将として兵を引き連れ戦場へと赴いていたが、
自分が首都を留守にしている間にクレリアが降伏したことで敗色濃厚となり、彼は一軍を放り出し教団の秘匿拠点へと急いだ。
その途上、北の領地アヴェンディアで少数で追撃して来るユグドラシル軍を撃退すべく市街地戦を挑むものの、
練度に優れる精鋭軍に押され、最期は町の象徴である時計塔に追い詰められ激戦を繰り広げた後、
自ら飛び降り命を絶つことで憎きユグドラシル正教に一矢報いた。

事実、反乱終結後のユグドラシルは、彼を見す見す自害させてしまったことで
本物のエルトリウスを判別する術を喪失してしまい、暫し戦後処理に苦慮することとなる。
公式発表でエルトリウスは反乱後処刑台に立ち晒し首となっているので、実質的な問題はなかったが、
「本物のエルトリウスが逃げ延びているかもしれない」という一抹の不安が
好戦的と評されたオットー帝の施政に少なからず影響を与えていたのかもしれない。

最終更新:2014年09月18日 09:45