アンノウンより届いた文書


CoFOSデータベース アンノウンより届いた文書

CoFOS情報端末の起動を確認。
ID参照..............完了。
パスコードを入力して下さい:〈**************〉
..........認証。███所有、端末No.███。

ようこそ、CoFOS情報処理システムへ。
  • Counter Forces against Outer Space-

用件をどうぞ。
.......データベース閲覧が選択されました。
閲覧フォルダ・ファイルの選択及びパスの挿入を行ってください。
相対パス挿入〈./Secret/Unknown/Report〉
参照中....................完了。一覧を表示します。

緊急:解析レポート1:解析レポート2
解析レポート3:世界線理論:時空間跳躍機構

緊急〈開示します〉
一次セキュリティ展開。
セキュリティ権限チェック:α-δ=α-ω。
確認。一次セキュリティ解除。
二次セキュリティ展開。
個別セキュリティ権限チェック:Secret-γ=null
エラー。個別セキュリティ権限が存在しません。
緊急封鎖プログラム始動、セキュリティシステムに通報を行いodogdkhxvkssvwisgcbngjrjogeofkvdtmjfjdufdfjcrewqppfjsjscobpbjfhwgeuyv

.......エラーコード消去。全システム、通常状態に復旧。封鎖を解除します。
緊急〈開示します〉
一次セキュリティ展開。
セキュリティ権限チェック:α-δ=α-ω。
確認。一次セキュリティ解除。
二次セキュリティ展開。
個別セキュリティ権限チェック:Secret-γ=Masterkey
確認。二次セキュリティ解除。
三次セキュリティ展開。
Masterkeyシステムパスにより省略。
確認。三次セキュリティ解除。
全セキュリティ解除、情報の閲覧を許可します。

情報読込中............................完了。展開します:お疲れ様でした。



緊急
CoFOS本部宛

これを見ているのが誰か、今の俺には分からない。検閲の関係上、多分保安部の“蔵番”が最初になるだろう。
検査など幾らしてくれても構わん。
この手紙は、スパイ宛のものでもなければ、生物兵器や毒を仕込んでテロを狙っている訳ではない。
だから、兎に角、一刻も早く“ギャラルホルン”にこれを取り次げ。中身を見れば、理由は分かる。

俺は、平行世界において、時崎を介してCoFOSに所属していたものだ。
奴らへのカウンターとして組織されたお前達なら、きっとこれで話を聞く気になるだろう。
そして、平行世界から俺がこうして手紙を送れているのは、俺自身の超能力のお陰だ。
まずはこれだけ頭に入れておいてくれ。

簡潔に書く。俺が添付した情報ファイルを引き継いで、研究を進めて欲しい。
奴らに対する力として、必ず有効に扱える代物のはずだ。
内容は大きく分けて二つ。
一つ、俺の能力を基にして組み上げた平行世界の観測・運用理論。
これを使えば、奴らの情報をより詳しく得る事も可能になるだろう。
そして二つ、これが一番大切だ。時空間跳躍機構。端的に言えば、タイムマシンについてのものだ。
これがどれだけの意味を持つか、それが分からない程CoFOSは馬鹿ではない筈だ。
奴らは確かに強大だが、時間の制御に手を出してはいない。
恐らく、奴らの力を以てしても、出せないのだろう。
その技術を俺達が確保したなら、地球は、奴らに対抗できるだけの力を得られる筈だ。

それと、これらを提供する代わりに、条件がある。
京都府秋葉市、電気通信大の近くに、次元デバイス研究所という妙な施設がある。
そこに居る人員全員の保護を頼みたい。家族などの関係者も含めて、全部だ。
中には、能力を持っている奴もいる。本人の意思次第だが、戦力として数える事もできる。
開発にも力を貸してくれるだろう。
どうしても渋るようなら、石神学が言っていたと、一言付け加えてくれ。
必要なら、この文章を見せても構わない。
兎に角確実に、保護を完遂してくれ。それだけで、俺は十分だ。

本来なら、俺も其方に合流したかった。
奴らに勘付いた連中の集団である以上、お前達は俺の同志にして先達だからな。
しかし、それ以上に、俺にはやる事が出来た。
時崎……時崎空が死んだことはもう知っているだろう。
同時に、彼女の主導でお前達が建造する超弩級次元戦艦が消失している事も。
それらの事象を、俺は知っている。お前達がそれに気付くその前に、現場を目撃した。
俺は、彼女達を救えるかもしれない方法を持っている。それを使って、俺は直ぐに、別の世界線へ向かう。
彼女達には、随分と世話になった。それも命を救われるのと同じ程に大きな恩だ。
それを返す為に、世界線の移動を観測出来る俺が、別の可能性を探る。
SFだと思うか? 妄言だと思うか? だが、俺は本気だ。何があろうと、俺は彼女達を救う為に動く。
そして、その可能性を増す為なら、俺はどんな手でも打つ。
今こうしてCoFOSに情報を預けるのも、その為だ。
俺がやろうとしていることの成功率は、一分……いや、一厘、一毛、それ以上の低さだ。
失敗したのなら、きっと俺は、奴らに捕捉されて殺されることになるだろう。
だから、後に引き継ぐ者が必要だ。そして、それが永続するという確固たる保証も。
お前達なら、それを成し得る。そう見込んで、この手紙を出した。
……勝手な事を言う様だが、重ねて頼む。俺達の仲間を、守ってやってくれ。
俺達の研究を引き継いで、あの神気取りのクソ野郎共をぶちのめしてくれ。
そして、まほろばの仇を取ってやってくれ。
頼む。頼むぞ。


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era1 事件
最終更新:2025年01月01日 18:01