ペイントでドット絵がどうの

===ペイントでドット絵を描くために知っておきたいこと===

※対象はWin95~XPまでのペイントです.
(Vistaだか7あたりでなにやらペイントも変わってしまったらしいのでそっちは未対応です)

●ペイントの利点
 ペイントは32x32サイズ程度の画像を描くのにはほとんど十分な機能を有しており,且つ,
 
 ・Windowsに標準で付いてくる.新たに未知のソフトを導入しなくて良い.
 ・ソフトの使い方を覚える手間がまず無い.直感で操作できるシンプルさ.
 ・(多分)動作が軽い.
 ・マウスの左右ボタンに個別に色を割り振れる(この機能が無いソフトは個人的に嫌)
 
 …と,良いことだらけであり,ドット絵初心者に特に最適といえる.使わない理由が無い.
 筆者に言わせれば,ペイントへのショートカットがクイック起動(Windowsの「スタート」ボタンの横らへんの場所)に存在しない状況は
 デスクトップに「マイコンピュータへのショートカット」が置かれている場面と同じくらいに不思議なことである.

 その他,細かい機能として,

 ・左右ボタンで描画中に逆側のボタンで描画をキャンセルできる
 ・消しゴムツールを右ボタンで使う「カラー消しゴム」で、色の置き換えが手軽に可能.これを利用してマスク塗りができる

 等がある.
 この辺の機能を便利だと思うかどうかは使う人次第かもしれない.

●ペイントの欠点
 利点だけ書くのはフェアじゃないので,欠点についても述べておく.
 これらはドット絵描画作業に関して本質的な問題となるものではないが,
 最初の項目については長時間の作業結果を台無しにしかねない破壊力を秘めているため十分な注意が必要である.
 
 ・256色BMP保存は罠
  24bitBMP(PNGでもいいと思うが)で保存すべし.
  256色BMP形式で保存することは【*絶対にしてはならない*】.うっかりコレをやると多分泣いてしまうぞ!
  (なぜかその画像が使用している色をパレット情報に使ってくれない.
   変わりに謎のパレット(システムが持っている固定の256色パレットか何か?)の情報が埋め込まれたBMPが出来上がる.
   結果だけ言えば,色が全く意図しないものに変わってしまう.)
 
 ・パレット状況を保存できない
  ペイントが保存するファイル形式はBMP等の画像ファイルであり,作業状況を保存する機能は提供されていない.
  そのため,パレットの状況を保存/復元できない.
  この点に関してうっかり「256色BMPとかで保存すればうまくいくんじゃね?」といった機転を利かせることは
  もちろん上述の通りNGである.
  
 ・レイヤとかねーから!
  他のお絵かきソフトが兼ね備えているような便利機能がない.
  とはいえ,レイヤ機能とかはそもそも32x32程度のドット絵描くのには必須ではないので大丈夫である.
  
 ・アンドゥ回数が3回まで
  最も不便な点.こまめな保存で何とかしよう.

 ・不当に見下される危険性
  何もわかってない相手との間で
  「ソフト何使ってんの?」→俺「ペイント」→「ペイントとかw」
  みたいなやり取りを人生で数回程度経験する可能性がある.気にしないように.
  使用ソフト名ではなく,ドット絵で勝負しよう!
  肝心のドッド絵で負けてる場合は?→素直に相手を賞賛しましょう.
  
 ・その他,謎の仕様とか
  ・"拡大と縮小"(虫眼鏡のアイコン)選択時に4倍だけなぜかここからは選べない.
   (メニューの[表示]→[拡大]→[拡大率の指定]にはあるのに.)
  ・"自由選択"ツールのどこが選択できてるのか不明瞭すぎる表示
  ・"テキスト"ツールは等倍表示時しか使えない.使わないからいいけど.
  ・"鉛筆"ツール時は働くShiftキーが"ブラシ"等の他ツールでは使えない.
  ・用途不明の[表示]→[ビットマップ表示]機能.
  
 ……と,まぁ,欠点の方が利点よりも多数且つ詳細な記述になってしまったが,ペイントは良い物である.本当です.
  
●ペイントでのやりかたとか
 以下,筆者のペイントの使い方などを羅列する.
 少しでも読者の参考となる箇所があれば幸いである.
 
 ・完成品BMPファイルと描画作業用BMPファイルは別
  「さぁこれからユニット絵を描こう!」となったときにキャンパスのサイズ
  (=画像のpixelサイズ.[変形]→[キャンパスの色とサイズ]から設定できる.
   キャンパスの{右/下/右下}縁の黒い四角形ドラッグでも変更可.)
  を32x32にはしない.ある程度余裕を持たせる.
  で,この広大な領土内のどこかに32x32サイズの画像領域を定め,そこにドット絵を描く.
  残りのスペースは作業用スペースとして以下のように使う.
  
  ・パレットとして:
   前述したように,ペイントのパレットは保存/復元できないが,だったら画像内にパレットを描いてしまえばよい.
   具体的には,作業中に新たな色を作ったら,その色で適当に3x3程度の矩形などを作業スペースに描き,
   "色の選択"ツール(スポイトのアイコンのやつ)でそこから色を取って使う.
   面倒に思えるかもしれないが,慣れれば大丈夫.
   
  ・一時画像置き場として:
   他のドット絵と並べた状態で見比べたり,一部をコピペしたりとかいろいろと.
   クラスチェンジの系統とか描く際とか.ペイントを2つ立ち上げるのでも良いが,一箇所にあったほうが楽だ.
   
   また.筆者はほとんどそんなことしないけど,例えば盾の部分だけを別箇所で作るとか.
   ペイントにはレイヤ機能は無いが,透過色を指定したコピペは可能
   (透過させるモードと普通に全色ペーストするモードとの切り替えは,領域選択系のツールを選択している時に可能.
    ペースト時にマウス右ボタンに割り当てている色が透過色扱いになる)
   なので,ユニット絵の好きな箇所に盾画像を重ね合わせて見たりとかは可能.
   
  ・マップチップ置き場として:
   草原や海などのいくつかの代表的なマップチップ画像を並べておくと,↑の項目に記した背景透過コピーで
   マップチップと重ねた際の見え方チェックが作業中にその場でできて便利である.
   いくらドット絵が単品でうまくいっても,頻繁に重なるチップに溶け込んでしまうようでは使い物にならないのでしっかりチェックしよう.
   雪原のような輝度が高いチップがあるシナリオで使用する予定がある場合は特に注意が必要.

  ……で,ドット絵が完成した暁には,その32x32サイズ領域を"選択"ツールで選択して,
  [編集]→[ファイルへコピー]で,その部分だけを別BMPファイルとして保存すればよい.
  残った作業時BMPは捨てるもよし,次回に再利用するもよし(きみだけの作業ファイルを作ろう!).
  
 ・常に実寸表示しておく等
  基本.[表示]→[拡大]→[実寸表示]にチェックを入れて常に等倍での見え方を確認.
  また,描画中はたまに左右反転させて変なとこが無いか見たりする([変形]→[反転と回転]から).基本.
  
 ・なんかもうちょっとだけ拡大できる
  "拡大と縮小"ツール選択時,拡大率を{1x,2x,6x,8x}から選択できるGUIが出るが,
  このGUIの下枠ぎりぎり(8xよりも下の領域)をクリックすると8xよりも大きな拡大率(10xくらい?)を選択できる.
  筆者が自分で見つけた裏技(?)なのだが,人に教えると大抵「ふーん…」と芳しくない反応が返される.

●まとめ
 ユニット絵サイズならペイントで十分.
 というかそれ以上のソフトはオーバースペックで道具に振り回される危険性を秘めているかもしれないぞ!
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最終更新:2012年08月21日 22:31