……夜の裏路地を、一人の青年が必死に駆けていた。

頭頂部が黒く染まり始めたプリン状態の金髪。
両耳にズラリと並ぶピアス。
タンクトップから露出した両肩には、途中で止めて白黒の線画のままのタトゥーが広がっている。

「ひぃっ、ひぃっ、ひぃっ……」

チラチラ後ろを振り返りながら駆ける青年の顔には、紛れもない恐怖の色。
暴力団……いや、半グレ程度だろうか。
見るからに暴力と脅しの世界の住人が、取り繕う余地もなく恐怖の色を浮かべてただ逃げる。

「な、なんで『ゾンビ』なんぞが……わひゃぁっ!」

ありえない現実に毒づいたその瞬間、進行方向の横手から人影が現れる。
ボロボロの服にうつろな瞳、半開きの口からはよだれを垂らし、両腕を不自然に前に掲げ……
青年の言葉の通りに、B級映画に出てくるかのようなゾンビそのものだ。
慌てて急停止した青年は、後ろからも同様の人影が迫ってくるのに気づき、慌てて横手の路地に飛び込む。

カシャッ。

「……ああン?」
「あらあら、お兄さん。そんなに急いでどこに行くの?」

クスクスクス。
突然の『シャッター音』に顔を向けてみれば。
ビルの裏手の、空調の室外機に腰かける、一人の少女が、スマートホンを青年に向けて笑っていた。

先ほどのゾンビとはまた異質な、場違いな少女である。
長いプラチナブロンドの髪。びっくりするほどの美貌。
そして、その身を包むのは黒い喪服のような衣装。
何故か傍らには、何か巨大なモノを布で包んだ荷物があって、小さな縫いぐるみのマスコットが揺れている。
これほどの存在感をもつ相手に、なぜ今の今まで気づくこともできなかったのか。

「い、いや、嬢ちゃん、ここは危ないぞ、『あいつら』がすぐに来る!
 信じられないかもしれないが、ゾンビが街に溢れているんだ! 君もすぐに逃げるんだ!」
「へえ、お兄さん、優しいんだね。こんな状況で他の人の心配なんて」

ニコニコ笑う少女は口を開くことなく。
声は背後から掛かった。

慌てて振り向くと、そこにももう一人の人物。
少女と同じくらいの背格好の、こちらは短いプラチナブロンドの少年。
こちらも同じような黒いコートに黒い半ズボン……いや。
青年はすぐに違和感に気付く。
そっくりなのだ。
スマホを向けてきた少女と、少年とは、髪と服装以外、鏡写しのように瓜二つ。

「な……なんなんだよお前ら! 何なんだよ!」
「あらあら『兄様』。『兄様』が驚かせるから、優しいお兄さんが怖がっているわ」
「そうだね『姉様』。でも不思議だね。
 ゾンビが怖くて『姉様』には優しい、こんなお兄さんが、ヤクザを騙して上納金を持ち逃げするなんてね」

少年の嘲るような口調に、青年が途端に真顔になる。
なんでそれを知っている。
こんなガキどもが、なぜそれを知っている。
街を仕切る半グレまがいの不良として、ヤクの売人たちの上納金を代わりに集めて納める。
そんな約束を取り付けておいて金だけ掴んでバックレたのを、なんでこんな子供たちが知っている。

そして……冷静になった途端に思い出す。
そうだ、最近ネットで噂になっていた。
黒い服を来た、銀髪の男女の子供の双子たち。
それは裏社会の殺し屋で、標的を容赦なく殺すのだという……

「お兄さんが黙っちゃったわ」
「そうだね姉様。ちょっと喋り過ぎたや。この辺でひとつ、恐怖を思い出して貰おうか」
「お前ら……って、うわあぁぁあああ!?」

青年が双子に対する対応を決めるよりも先に、天から降ってきたのは。
先ほどまで青年を追いかけてきた『ゾンビ』の一体だった。
逃げてきた背後には注意していたものの、突然の上からの攻撃には反応できない。
青年は尻もちをついて、そして……

「……あ、あれ? 触ってるのに、何も、ない?
 ……これ、幻?」
「そうだね――幻だね。でも」

スカッ、スカッ。
飛び降りてきたゾンビの身体は、青年と一部で重なって見えるものの、手に触れるものはない。
見せかけだけの幻……そう青年が理解すると同時に。

「でも、『僕たち』は、幻じゃ、ない」

双子の片割れ、少年が手にした「何か」を振り下ろす。
それは『ゾンビの幻』を触れようとしていた青年の腕を通り過ぎて……斬り飛ばす。

「え、な、うわぁぁあっ?!」
「あらあら、はしたない悲鳴。つまらない人間は死に際もつまらないものなのね」

カシャッ、カシャッ。
ザクッ、ザクッ。
ニコニコと笑いながら、少女はスマホのカメラで撮影を続ける。
ニコニコと笑いながら、少年は両手に一本ずつ持った斧を何度も振り下ろす。

周囲にはウロウロと彷徨い続けるゾンビの幻に囲まれて。
青年は訳も分からないまま、生きたまま切り刻まれていった。




「たっだいまー!」
「おう、お帰り。お疲れさん」
「おじさま、『写メ』ってのはちゃんと届きましたか?」
「さっき確認したよー。しっかり処刑(シメ)てきてくれたようだな」
「死体はあのまま放置で良かったんだよね?」
「まあ、見せしめも兼ねてっからな。これであの辺の半グレどもも大人しくなるだろうさ」

しばらくして。
黒い服に身を包んだ男女の双子は、とある事務所のような建物に陽気に帰還していた。
迎えるのはちょっといかつい男たち。
顔に大きな傷跡のある者も多く、スキンヘッドにリーゼント、パンチパーマに金のネックレス。
ありていにいって、見るからにヤクザである。
部屋の壁には「今月の標語:一罰百戒。恐怖でシマの締め付け強化月間」と張り出されている。

「本当に『スマホ』って便利なのね、兄様。これひとつで色々できる」
「本当だね姉様。世の中はとっても便利になっているんだね」
「ふたりとも、『お仕事』の御褒美に、シュークリーム買ってきてあるよー」
「わあ、ありがとうおじさま! みんな大好き!」
「でも、まずはシャワーと着替えが先かな? そのあとでいいよね、姉様?」
「そうね、そうしましょう。じゃあおじさまたち、ちょっと一旦失礼しますわね?」
「おう、また後でなー」

ヤクザたちとフレンドリーに会話を交わして、双子は事務所の奥の自室へと姿を消す。
据え置きのパソコンで、裏切り者の処刑の証拠写真を確認する極道に、別の極道が小さく囁く。

「なあ……あいつら、大丈夫なのか?」
「大丈夫って、何が?」
「俺たちを裏切ったりしないかってことだよ!」

双子がいる間は黙って部屋の隅にいた、パンチパーマの男は少し怯えた様子でチラチラと奥の扉を見る。
問われたスキンヘッドの男は呑気に首を傾げる。

「いい子たちじゃねえか。
 『ヘンゼル』も『グレーテル』も。
 『仕事』はちゃんとするし、素直だし」
「そもそもなんで『双子』になってんだよ!
 おかしいじゃねぇかよ!」
「おかしいって言われても……なぁ?」
「俺たちが海外から人身売買(かっ)た時は、女のガキひとりきりだったじゃねぇか!
 なんで少し目ぇ離した隙に増殖(ふえ)てんだよ!!
 しかも! 小児性愛者(ロリコン)に売る用の商品が、なんで殺し屋なんぞ完璧にこなしてんだよ!」




「ねえ、姉様」
「なあに、兄様」
「『あいつら』、どうする?」
「おじさまたちのこと? そうねぇ……今はまだこのままでいいわ。
 優しい人が多いし、『お仕事』もちゃんと回してくれるし」
「そっか。姉様がそういうなら、僕もこのままでいいや」
「何か気になることがあるの?」
「あいつらの幾人かは、僕たちのことを恐れている。
 『私』は『そういうの』敏感なの。だから気になっちゃって」
「気にしすぎだよ姉様。でもそうだね、他ならぬ君がそう言うなら、少し気を付けておこう」

「ねえ、兄様」
「なんだい、姉様」
「兄様は『願い』って、ある?」
「そうだなぁ……私は、こうして兄様と一緒にいられたら、それでいいわ」
「僕と一緒に、か」
「そういう兄様は、『願い』って、あるの?」
「僕は……私は……この英霊『グロテスク』は、『マスター』と共にありたい」
「あら、おんなじね。私たち、似たもの同士」
「似てるけれども違う。元々この霊基には、定まった姿などなかった――
 召喚される度に、ホラー映画の怪人の姿などを適当に割り振られるような存在だった。
 けれど、貴方に召喚されて『縁』を得た時に、思ったんだ。
 『君たちのようになりたい』と。
 君たち二人のあり方に、一目惚れしたと言ってもいい」
「光栄だわ、『アサシン』。
 エログロナンセンスの化身に、そんな風に言って貰えるなんて」
「我は考えた。いかにすれば君たちのようになれるかと。
 いかにすれば君たちの理想を体現できるかと。
 思いついた答えはふたつ。
 僕の、私の、この姿で暴れ回って、そのあり方を英霊の座に刻むこと。
 次に別の場所で呼ばれたときにも『この姿』になるくらいに、強烈な存在を刻むこと。
 どうも吾輩の同類である『ナーサリーライム』が、『それ』をそうと知らずに成し遂げたらしい。
 ならば拙者も、きっと」
「うーん。ちょっと私にはよくわからないわ」
「もう一つの方法は……聖杯を獲得すること。
 万能の力をもつ聖杯なら、それを確実にすることくらいできるはずなんだ」
「ああ、それなら分かるわ!
 なんでも叶えてくれる夢の道具。それを手に入れればいいのね?」
「そう、姉様、僕は聖杯が欲しい。それがあれば僕たちの信仰を確実に形にすることができる」
「当たり前のことを『信仰』だなんて、おかしな兄様」
「そうだね姉様。僕が間違っていたよ。なんでそんなことを言ってしまったんだろうね」

「多くの命を奪えば」
「私たちの命が増える」
「僕たちは死なない。永遠なんだ。この姿と魂を座に刻めば、それが真実になる」
「殺しましょう、ここでもいっぱい、殺しましょう」
「そしてできれば」

「聖杯を、この手に」





【クラス】
アサシン

【真名】
グロテスク@史実・文学等

【属性】
混沌・悪

【パラメータ】
筋力:D 耐久:D 敏捷:B 魔力:D 幸運:C 宝具:EX

【クラス別スキル】
気配遮断:A
自身の気配を消すスキル。攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
特筆すべき事項として、後述する『自己改造』の影響により、マスターであるグレーテルも行使可能。
また、後述する宝具『誰も望まない物語』は、その使用のみでは「攻撃」とは見做されない。

【保有スキル】
自己改造;D (A)
『自身の肉体にまったく別の肉体を付属・融合させる適性。
 このランクが上がれば上がるほど正純の英雄から遠ざかっ、カカカ関係ない!
 ……お待たせしたね『姉様』、帰ってきたのね『兄様』。二人はこれからもずっとずっと一緒』

本来はAランク相当の能力であるが、既に深く行使しており、現時点では実質Dランク相当しか残っていない。
今回はサーヴァントとマスターの境界を溶かして、相互に深く浸食させている。

そのため、サーヴァントのはずの『グロテスク』は、神秘のない通常の弾丸等でも傷つく肉体となっている。
代わりに、マスターのはずの『グレーテル』は身体能力が強化され、英霊をも傷つける力を得ている。
差し引きで、2人がかりなら戦闘を得意とする英霊1体にも匹敵する戦闘力となっている。
気配などからは2人で1柱の英霊(FGOのアン&メアリーのような)に見えるし、それに匹敵する。

さらに、双子は気まぐれに服を交換し役割を交換する。交換しても戦闘力に変化はない。
それでも、片方が英霊であり片方がマスターであること自体は変わらない。
なお、英霊の方の手にもダミーの令呪が浮かんでいる(外見からの識別は困難)


変化:D (A+)
『変身するわ、変身するの、私は貴女、貴女は私。
 わたしは『兄様』で、ぼくは『姉様』。とっくにもう、そうなっている』

こちらも本来はA+相当だが、既に『使い切って』いる。
本来であれば変幻自在に、各種のホラー映画の怪物の姿などを次々と使い分けたりするのだが。
今回の召喚においては、『ヘンゼル』『グレーテル』のどちらかの姿しか取れない。
代わりに、片方の姿を取った場合、外見や気配などから本物?と識別することはほぼ不可能。
細かな怪我や汚れに至るまで完璧にコピーし再現することが可能。


袋とじの向こう側:A
『見せられないわ、見たいんだよ、見せちゃいけないの、なおさら見せろよ。
 禁じられるほどに高まる下世話な興味、大したことのない真実だってほらこんなに釣れた釣れた!』

正体秘匿のスキル。
様々な方法で存在を偽装し、一番効果的な局面を見計らってそれを明かす。
……というのが本来の能力なのだが、今回の場においては効果がひとつきりに定まっている。

地の文の描写に関わらず、『グロテスク』と『マスター』が、予め『入れ替わっていた』ことにしてよい。

別の言い方をすれば、ヘンゼル役とグレーテル役のどちらがサーヴァントでどちらがマスターなのか。
何かしら決定的なことが起きるまで、不確定であり、かつ、いつでもひっくり返りうる。
この欺瞞と入れ替えは、作中人物を欺く目的でも使用可能。
ただし状態表などでは、初期条件に従い、便宜的に『マスター』側を『グレーテル』と表記する。


【宝具】
『誰も望まない物語(グロテスク)」
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人(2人)
固有結界。
そもそもこの英霊自体が、固有結界そのものがサーヴァント化したものである。

犠牲者の心を鏡のように映して、犠牲者が恐れるモノの幻影が際限なく出現し際限なく襲い掛かる。
ある意味でチープなホラー映画のような光景になりがちではあるが、犠牲者が感じる恐怖は本物。
むしろ『恐怖』や『恐慌』、『焦燥』や『混乱』といった状態異常を強いる効果の方が真価である。

幻影自体は、少し冴えた者ならすぐに幻と推測できる程度の存在。
ただし、あまりに迫真的で、かつ犠牲者に合わせたチューニングがされているため、
幻と理解してなお完全には無視することはできず、反射的に回避や反撃などをせずには居られない。
目を閉じてもなお、五感や魔法的感覚など全ての感覚を通して存在感を主張する強烈な幻覚である。

グロテスクはこの幻の内容を把握でき、大まかな操作も可能。
相手が咄嗟に逃げる方向の誘導や、幻を目隠しに使っての攻撃などが可能である。

本来この宝具の対象は1人きりだが、相手が英霊とマスターの主従の場合に限り、同じ幻を見せることができる。
幻の内容は英霊かマスターのどちらかに合わせたものとなる。
何らかの群体のような存在が相手である場合、まとめて「1人」とカウントする。

またこの宝具は、人間相手に特攻ではあるものの、人間以外にも効かない訳ではない。
たとえ人からかけ離れた精神の持ち主であっても、知性と感情があればある程度の効力が及ぶ。
(そして曲りなりにも英霊の形をとる以上、サーヴァントであればそれに類するモノは持ち合わせている)
特に過去に『敗北』や『逃走』のエピソードがあれば有効性は高いだろう。


【weapon】
ヘンゼルの姿の時は、二本の手斧の二刀流。
グレーテルの姿の時は、自動小銃(ブローニングM1918)。
さらに小型の拳銃も予備の武器としてそれぞれ2丁ずつ備えている。

なお、マスターのグレーテルも同じ武器を使用する。
本来はどちらも英霊グロテスクの得物として実体化したものである。
そのため、対英霊戦闘においても相手に損傷を与えることができる。

本来のグロテスクは必要に応じて多彩な武器を召喚して使いこなす存在だった。
今回はここに挙げた武器以外は召喚不能。
代わりに、折れたり弾切れになったりすれば多少の魔力消費を代償に再生できる。


【人物背景】
人類史が始まって以来、必ず暗がりで語られて来た、おぞましくも蠱惑的で悪趣味な話。
血と暴力と汚物とエロス。
表向きは否定され嫌われながらも、どうしようもなく惹きつけられるもの。
それらは近代文学史においてはグロテスク文学と呼ばれ、結実した。
エログロナンセンスの類。
「18禁」とか「CERO Z」とかの類。

言ってみれば、『地球に根付いた、人類の』恐怖と悪趣味と悪ふざけがひとつの英霊と化した存在。

別の言い方をすれば、英霊『ナーサリーライム』の裏面を成す存在のひとつ。
あちらが「子供のための物語」なら、こちらは「子供には見せられない物語」の化身。

多くの場合、ホラー映画の怪人の姿などで現れ無差別に恐怖を振りまく、姿も定まらない曖昧な存在だった。
それが今回、存在自体が恐怖の体現とも言える「グレーテル」に召喚されたことで変質した。
縁が結ばれた瞬間に彼女(?)に「惚れ込んだ」グロテスクは、彼女の相方である「ヘンゼル」の姿を取る。
ヘンゼルとグレーテル。ロアナプラの恐怖の一夜を演出した双子の殺し屋の再現である。

【外見】
プラチナブロンドの少年。マスターであるグレーテルと、髪の長さと服装以外は瓜二つの姿。
かつてヘンゼルと呼ばれていた少年そっくりの姿であり、そっくりの言動をとる。

ただし、グレーテルの姿を取ることも可能。
服と武器の交換で、二人の役割と名前は容易に入れ替わる。
普段はやらないが、能力の上ではヘンゼルが2人にも、グレーテルが2人にもなることができる。


【役割(ロール)】
日本のヤクザの組のひとつに庇護されている、双子の殺し屋の片割れ。
彼らを匿って「仕事」を与えるヤクザたちは、彼が人間でないことをまだ理解していない。


【サーヴァントとしての願い】
英霊の座に、「今の姿」を刻みたい。
「次」も「同じ姿」で呼ばれるくらいの存在となり、ヘンゼルとグレーテルの「信仰」を現実のものとしたい。

そのためにも、沢山殺す。
可能であれば聖杯を獲得し、その願いを確固たるものとする。



【マスター】
グレーテル@ブラックラグーン

【マスターとしての願い】
沢山殺したい。
よく理解できていないけれども、相方(英霊グロテスク)の願いも叶えてあげたい。

そのためにも、やっぱり沢山殺す。
可能であれば聖杯を獲得し、相方(英霊グロテスク)に与える。

【能力・技能】
怪力。
大人でも扱うのが難しい大型の武器を、小柄な体格で十全に使いこなす。

殺人と拷問と性的なテクニック。
やや悪趣味な傾向はあるが、戦士としても拷問者としても大人顔負けの一級の腕の持ち主。
その判断力や経験は、暗殺後の逃走ルートの選定などにも及ぶ。

【人物背景】
ヘンゼルとグレーテル、双子の殺し屋の片割れ。

元々はルーマニア出身、いわゆる「チャウシェスクの子供たち」と呼ばれる孤児だった。
売られた先はスナッフ・ビデオを撮影する最悪の変態たちだったが、彼らが戯れに「処刑役」を双子に強要。
過酷過ぎる環境に適応してしまった二人は、やがて殺し屋として生きるようになる。

タイのロアナプラにはシチリアンマフィアに雇われる形で訪れ、ホテル・モスクワのバラライカの命を狙った。
しかし激しい抗争の中、双子は雇い主のマフィアたちを全滅させる。
さらにバラライカの命も奪おうと戦う中、別行動をとったヘンゼルだけが死亡。
グレーテルは街の外へと逃亡するが、逃がし屋が寝返ったことで撃たれて死亡した。
今回マスターとして参戦したのは、この途中まで逃げたグレーテルである。
死亡後からの参戦。

なお、それぞれ殺される前に役割と名前と外見を交換しているため、本当の意味ではどちらがどちらなのか不明。
そもそも本当に男女の双子だったのかどうかも謎である。
便宜的に死亡時の役割に準じて『グレーテル』として記載する。

【役割(ロール)】
国際的な人身売買の闇のネットワークを通じ、日本に売られて来た欧州出身の孤児。
日本国内でさらに幼児性愛者(ロリコン)相手に転売される予定だった。

が、記憶を取り戻し、英霊『グロテスク』を召喚してからは、二人で一組の暗殺者稼業を開始。
自分を売るつもりだった暴力団も懐柔し、彼らを通して殺人依頼などを受けている。
ヤクザたちも不可解な経緯に多少怯えているものの、成果も上げているため、現時点では関係は比較的良好。

【備考その1】
グレーテルもグロテスクも、スマートホンの基本的な使い方を理解しました。
身を寄せているヤクザたちが与えたものです。

【備考その2】
双子が身を寄せているのは日本のヤクザの組の一つですが、現時点の所属陣営などは後続の書き手に任せます。
組の名前や組長などについても、後続に任せます。

【備考その3】
東京の裏社会において、腕のいい暗殺者として『ヘンゼルとグレーテル』の名が知られ始めています。
一般人の間でも真偽不明の噂として、ネットなどで銀髪の双子の殺し屋の存在が囁かれ始めています。
警察の捜査が及ぶ段階ではありませんが、ヤクザと縁があれば仕事の依頼などができる可能性があります。
最終更新:2022年05月13日 21:29