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090609 ■最後に

最終更新:

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■最後に

 フィールド・エレメンツ・グローリー藩王、是空とおるです。

 今回の政策は非常に困難を極めます。
 FEG国民のみならず、共和一同の助力を借りなければ、FEGは変わることはできないでしょう。
 生き残った国民一同は、改めて団結していければと考えてます。

 その上で、あえて非難を覚悟で言います。
 3500万人の舞踏体の魂は冷たい機械から解き放たれ、暖かい生身へと生まれ変わるために浄化しました。
 浄化の祈りを捧げたのは俺であり、別の側面から見れば、最終的に3500万人を殺したのは是空です。

 そもそも、マンイーター、砂漠化、夢の剣などの被害に遭った人々の魂を舞踏体に縛り付けてしまっていたことが原因です。

 家族であるキミたちを、護れなくて、すまなかった。と、心底思います。

 3500万人の同輩の魂は想念の塊となって一度俺を取り込み、俺を通過して天へと昇っていきました。

 人の形質を失い、人格を失い、思考を失ったはずの舞踏体たちは、想念の塊になっていました。
 それはすなわち、そこには失ったはずの魂があり、俺に救いを求めて集まってきた思考が残っていたのだと思う。

 舞踏体という、冷たい体にも、魂があり、想念は存在していたことは間違いない。

 そんなキミたちに、安楽という死、浄化を与えてしまったのは俺であり、護ると約束した皆に護られて俺は生き残ってます。

 舞踏体に特化適応しやすい環境をFEGに広め、結果、人の形質を失う進化を促してしまった責任を感じています。

 人の形質とは何か?

 それは、思い悩み、矛盾を持って生きることだと思う。
 皆が悩み。感情を抱くことこそが、人の形質を保っている証拠だと言える。

 舞踏体の最大の問題は感情を操作し、矛盾を失い、思い悩むことをやめてしまったことではないかと思う。

 かつてカマキリの友人であり、女王は俺を支援するために思い、悩み、感じ、戦ってくれた。
 最愛の娘コゼットは現実と理想に打ちひしがれ、その中で立ち上がり、俺を支援し、皆の魂のために泣いてくれた。

 外見や能力の進化ではない。心の進化こそが今のNWに必要な進化である。
 異型の友人が現れても、その相手が心を持つ限り、俺らも自己の心を進化させ、共に和したい。

 俺個人もすでに異形の存在とも言える。
 皆を護るために進化し続ける存在でありたい。

 それでも俺は人間であると叫びます。
 皆のために思い悩むこの感情は紛れもない真実であるから。

 最後に、何度も言うことになるが、たしかに舞踏体は人の形質を外れた。
 しかし、彼らが最後に行なった戦いはフィールド・エレメンツ・グローリーを護ることだった。

 FEGを護ってくれて、ありがとう。
 FEGが変わるチャンスをくれて、ありがとう。

 いつかまた。君らが生まれ変わる時も、FEGの民であることを、祈ります。
 次もその先も未来永劫、俺、または俺の志を継いだ人々が、君らを護ります。

 FEGの首脳陣も、国民一同も、その思いはひとつです。

 おかえりなさい。と、いえるその日まで。FEGは人の形質を保ち続けます。

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 フィールド・エレメンツ・グローリー藩王 是空とおる

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