青島さんシナリオ概要 薬品・魔法何でもアリver

■個別ルート突入後…
黒井のスカウトでオカ研へと入会する遊佐。
スカウト理由は「マリナちゃんが遊佐君を意識してるようなので、一肌脱いじゃいましょう」という余計なお節介。
ただし、その理由は青島にも遊佐にも告げていない。
■渇望+開門
黒井と遊佐が話してる様子を見てモヤっとする青島(要は嫉妬なんだけどネ)。
対抗心で、遊佐との絆を深めたいが為に、独自に作った薬の被験者になることを遊佐に頼む。(好きです、とかフツーに告白する発想が無い。ってか好きってことに自分で気づいてない。)
いつもと様子が違う青島に圧されて遊佐了承。
が、面白半分で首突っ込んできた蔵人も同様に劇薬を飲むことに。
■兆候
劇薬飲んだ後、蔵人女性化。この効果は実は青島にとって想定外。ぶっちゃけ、単なる栄養剤のハズだった。
女になった蔵人、特に変化の無い遊佐に色々とちょっかいを出す(もちろん性的な意味d
蔵人の方が、自分よりも遊佐に近しい女性であることにコレまた青島嫉妬。蔵人を元に戻す方法を探り始める。
「まぁ遊佐君も女性化するだろうし、急ぐ必要も無いカモ」と楽観していた。
■変容
ところがどっこい、遊佐子供化(バーローみたいなモン)。
女性徒や蔵人に色々と可愛がられる遊佐を見て嫉妬↑↑。
「遊佐君がこうなったのは私の責任ですし、私が面倒を見るんです!」と決意したり宣言したりする。
が、青島のマイペースを超えるウルトラマイペースを発揮する遊佐ガキver。
振り回されたり世話したりするうち、「私も遊佐君に対して好き勝手振舞ってきたけど、遊佐君は本当の所はどう思ってたんだろう」と気にし始める=ちょっと成長。
■不滅
遊佐の言葉が聞きたい&遊佐を元に戻すべく奮闘する青島。しかし効果現れず。
疲れて眠る青島。ぼんやり起きてる遊佐の元に黒井POP。
曰く「このお姉ちゃん、君を元に戻したい訳なんだけど代わりに私が戻しちゃいましょうか?」
「マリナ姉ちゃんの努力を裏切ることになっても、僕は元に戻りたい+元の姿でマリナ姉ちゃんの傍に居たい」と受け入れる遊佐。
実は、チビ遊佐は賢いんだかアホなんだか解らない青島を好きになっていた。「マリナ姉ちゃんを好きでいた自分」の記憶が消失することを覚悟した上で、元の姿+記憶を取り戻して青島の傍に居ることを選択する。
その覚悟を把握して、微笑んで願いを聞き入れる黒井。

次の日、青島が目覚めると遊佐は元に戻っていた。
「マリナ姉ちゃんが好きでした」と書かれたチビ遊佐のラブレターを読み、立ち尽くす青島。
様子がなんだかおかしい青島を、遊佐は海に連れていく。

※後はまぁ保守で書いた海告白をちょいとイジったりその後も黒井との対話があったり日常シーンがあったりっていうかウンまぁ詳細考えてないもんで切腹しまs
※要するに、変容したり覚悟をしたのは、青島ではなくて遊佐。ジョブイメージ…っていうかAFクエのイメージを反映してるのが、青島じゃなくて主人公になっている。

青島さん出会い案

遊佐「さぁ、今日はどんな遅刻の言い訳をしようか!?」
誰にともなく爽やかに語り掛け、廊下を猛然と走る。
アレだね。早起き無理だしね。無理しちゃ駄目だよね。
遊佐「『おなかのちょうしがわるくて ><』 ん~、イマイチか。もっと感情を込めて……」
こうした努力は怠らない俺。

試行錯誤に耽る。
走る。
廊下を曲がる。
※ここで青島立ち絵表示※
女の子が目前に現れる。
遊佐「へ?」
※SE:どかっ!※
――衝撃が走る。

遊佐「うぐぉっ!?」
……何とか踏み止まることに成功。 女の子は!?
遊佐「ごめん! 大丈夫!? って、アレ?」
女の子「……」
平然と立ち、俺をじっと見つめていらっしゃる。
んん? 結構な勢いでぶつかっちゃったハズなんだけども……。
思わず、じっと見つめ返す。

女の子「……ああ」
一、納得した様にポンと手を打ち。
女の子「……」
二、鞄から食パン一斤を取り出し。
女の子「んぐ」
三、口にくわえてハラリと倒れる。

女の子「……」
遊佐「イヤ『これで期待どおりの展開ですか?』みたいな顔をされても」
女の子「では、ブルーベリージャムをお持ちですか?」
遊佐「無い無い」
女の子「なるほど。食パンには何も塗らない派ですか」
遊佐「……えーと、凄く失礼かもしれないことを聞くけど。頭打っちゃった?」
女の子「正解です」
ヤッパリ。言動がおかしいのはそのせいかも。
遊佐「ごめん! 責任持って保健室まで付き添うかr」
女の子「ご推察通り、ヘッドバットにより衝突寸前で貴方を止めました」
遊佐「は?」
女の子「で。痛みに効く花粉製の薬です。宜しければどうぞ」
遊佐「あ、これはご丁寧にどうもどうも」
…………いや違う違う!
遊佐「ヘッドバット? 回避? 何のことd」
何が何で何なんだか。いくつも疑問が浮かんだ瞬間。

※画面左からイン→右へアウトする蔵人 SE:どかっ!※
背後からの衝撃で受け身も取れず、きりもみスピンで倒れる俺。
……何なのこの廊下? 展開に追い付けないよ?
蔵人「いってぇ、遅刻ギリで焦りすぎた……! ハッ?
“食パンをくわえた俺×曲がり角×激突=美少女とフォーリンラブ”!
嗚呼この柔らかな感触……これはまさかムムムムネネムm」
遊佐「……残念、それは私のおいなりさんだ」
蔵人「一瞬でもトキメキを感じた自分が憎い……!」
遊佐「いいから俺の上から退け蔵人!」
蔵人「ンだよぉ、純情汚されたショックで動けねぇんだよぉ。
……あれ。マリナちゃんまで倒れてどったの? あ、コレ三角関係フラグ?」
女の子「おはようございます、中島君。ブルーベリージャムをお持ちですか?」
蔵人「ん? ホイどうぞ」
何で持ち歩いてんだお前。っていうか何てシュールな光景だ。
……葛藤はさて置いて。
遊佐「 ……二人って知り合い?」
蔵人「オウヨ! 青島マリナちゃん、オカ研所属の一年生でさ。
俺がオカ研の人体実験のバイトに応募して知り合ったワケ」
会釈する青島さん。ども、と俺もお返し。
蔵人「“何が起きても訴えません”っつー誓約書を書いたトコまでは覚えてんだけど、何されたかはサーッパリ記憶に無いんだよなー。
気付いたら自分の部屋で“WARNINGU:黒い三つ編み”とノートにびっしり書いてる俺が居た」
無意識でもスペルを間違ってやがる。
遊佐「……体は大事にしろよ?無駄に頑丈なこと以外に取り柄無さそうだし」
蔵人「バッカお前、長所を生かして武器にすんのは社会の常識だぜ?」
青島「否定するポイントがそこなんですね」
はむはむと食パンを食べながら相づちを打つ青島さん。
何このマイペースガール。 あぁ、この子ぜってぇコレが素だわ。

――廊下に倒れたままナチュラルに会話する俺達。
朝の眩しさと、ひんやりした廊下が心地よいナァ。
と、非常識な空気に染まりかけた頃。

不二子「……お前達。HRが始まっていると言うのに、そんな格好で何をしている?」
――凛、と声が響く。
※ここで不二子立ち絵表示※
筋金入りの常識人キタコレ。
蔵人「げぇっ、風紀委員!! 説教されたら面倒なことになr」
遊佐&青島「急に中島君がぶつかってきたので……」
蔵人「え? 出会って数分なのに何そのシンクロ?」
ビバ・転校で培った瞬時の適応力!!
不二子「またお前が原因か、中島。廊下を走るのは非常識だ。
そしてそのパン。廊下で飲食行為をするな」
青島「全くです。………………げぷ」
がばっ! と蔵人が起き上がる。おぉ、身体が軽い。
蔵人「聞こえたろ今の満ち足りた様なゲップ!?
この子も食べ……って、もう一斤食べ終わってる!?」
不二子「しかも人に濡れ衣着せて難を逃れようとする性根……。看過できん、修正だな」
蔵人「これだから体育会系は嫌なんだチックショオ……!」
すっ、と早乙女が刀に手を伸ばす。
“風紀委員が刀を構えたら用心せい”
転校生の俺にそう忠告したのは、確か蔵人だったな。

……抜刀する早乙女。間合いをとる蔵人。構える早乙女。息を呑む蔵人。
マンガを読む俺。ジュースを飲む青島さん。
何味か尋ねる俺。 海鮮味です、と答える青島さん。
興味をそそられる俺。割とイケますよ、と答える青島s
蔵人「ちょっとは俺に注目しろよ君達!?」
遊佐「海鮮ジュース>>マンガ>>>>>>黒ずんだ消しゴム≧蔵人」
蔵人「あーあーあー! 今からその不等号引っ繰り返す活躍すっからな! よく見とけよエヴリバディ!」
青島「黒ずんだ消しゴムとほぼ等価値なのは変わりませんね」
蔵人「言葉の暴力にも腕力にも俺は負けん……!
そして間合いが遠いぜデコ娘! これなら逃げ切れr」
不二子「……切っ先が三寸届けば人は吹き飛ぶ!」

快刀一閃、弧を描き。
逃げる気だったんかいと突っ込む暇も無く。
――流れ星の様に蔵人が吹き飛んでいった。
不二子「美しい富士額と言え! この無礼者があぁぁぁぁッ!」
美しい富士額の早乙女は全力疾走して追い打ちの構え!

遊佐「……廊下を走るのは非常識だぞ~っと」
なんという矛盾。間違いなく蔵人は死ぬ。
遊佐「マ、イイヤ。ほら、青島さん」
ようやっと立ち上がり、倒れたままの青島さんに手を差し出す。
青島「んしょ、っと。ありがとうございます。ええと?」
遊佐「あ、俺は遊佐。遊佐洲彬」
青島「青島マリナです。……遊佐君、ですか。ユニークな人なんですね」
YOU達程じゃないけどNE!
言いかけて、青島さんが微笑んでいることに気付く。
やわらかい微笑み、じんわりと温かい手。
……何か急に恥ずかしくなってきた。さっきまで気兼ねなく話してただけに。
カムバックさっきの空気!!
遊佐「じ、じゃあ教室行かないと。あー……今日も一日がんばろう!」
つないだ手をブンブン振り、即・離す。
これ何て小学生の標語&行動? 動揺がバレバレユカイじゃないっすか。
青島「はい、頑張りましょう」
あ、フツーに応えた。
※ここで青島表示を消す※
そしてペコリと一礼し、青島さんは去っていく。

何だかピントのズレた子だなぁ……。ぼんやり見送る俺。
※画面左からイン→そのまま右へアウトする中華※
中華娘「ソレに馴染んでたボウズもドウナノネ」
遊佐「どっから湧いてきやがったっていうか速ッ!?」
中華も見送る俺。
……まぁ、教室行くか。今日も一日頑張ろう、うん。

蔵人らしき絶叫「へ、ヘンになっちゃうウウウウウウッ!」

14日:体育祭後の会話案 個別ルート扱い?

蔵人『少女がボンヤリとして屋上に居ることは、稀によくあるらしい』

そして、蔵人の予言は稀によく当たるらしい。
探していた女の子は、夕日に照らされて確かにそこに居た。

遊佐「青島さ~ん」
青島「遊佐君?」
遊佐「バリスタのヒーローを労おうと思ってさ、探してたんだ。……ヒーローなんだから、あそこに居ればいいのに」

校庭を見下ろす。
体育祭の健闘を称え合い、フォークダンスを踊る生徒達。
バリスタで英雄の如き活躍をした武僧先輩や不二子、霞ちゃん達……諸々のバリ☆スターたちが、女子男子問わず多くの生徒からダンスのお誘いを受けているのが見える。
もともと華がある人たちだしね、良くも悪くも。

青島「ヒーローとは常に孤独なものです」
遊佐「じゃあ、俺退散した方がいい?」
青島「……私は、ヒロインですので」
遊佐「ヒロインを一人にしちゃダメだね。悪い魔女にさらわれそうだ」
青島「かも、しれません」

――いつも通りのやり取り。多くを語らない青島さんの言葉の裏を、俺が汲み取る。
気付いたら、この妙なペースを“いつも通り”と感じている。
全く、シュールな空気に染まったもんだ。

遊佐「……ハハっ」
青島「?」
遊佐「あ、いや……バリスタで青島さんが負けん気強かったのを思い出してさ。
意地っ張りなのは知ってたけど、意外だなって」
何となく笑いの理由を誤魔化した。
そういや、意地っ張りなんだよな。無理して重い段ボール運んでたり。
青島「……クラスメイトにも言われてしまいました」
遊佐「そっか。みんなもそう思ってたんだ?」
青島「でも」

青島「それが、私です」
――シンプルな宣言。
でも、そこにはきっと色んな思いが込められていて。
遊佐「……そうだね」
だから、いつも通りに受け止めた。
遊佐「うん。それが青島さんだ」
マイペース。電波チック。意地っ張り。で、負けん気が強い。
……こうして青島さんを知っていって、その先に何があるんだろうな。案外何も無さそうだけど。

ロイヤルレッドな夕焼けの中、ゆったりとフォークダンスの音楽は流れていく。

遊佐「……踊ろっか?」
青島「え?」
遊佐「フォークダンス。俺たちもさ」

我ながら唐突なお誘いだよなぁ。
でも、それこそ唐突に……この子について、何でもいいから何かを知りたいと思った。
例えば、ダンスが上手いのか? とかさ。

遊佐「ダメかな?」
青島「……いえ、お受けします。でも、見栄えの良い踊りは出来ませんよ?」
遊佐「じゃあここで踊ろう。誰も見てないしさ。……ほら」

手を、差し伸べる。
青島「……」
手が、乗せられる。

バリスタで傷付いたその手は、正直ヒロインと呼ぶには勇ましすぎる気はする。
でも、それは青島さんの勲章な訳で。
遊佐「……」
その全てを、手のひらで包み込んだ。

青島「初めて会った日も、手を握りました」
遊佐「あ、覚えてたんだ?」
青島「ええ。……あの日の体温です」
それを一瞬意識したのは、俺だけかと思ったね。
何となくホッとした。
遊佐「……うっし、色々と準備完了! じゃ、行くよ? 1、2のぉ!」
青島「3っ!」
――思いっきり勢いをつけて。
俺たちは、同じステップを踏み出す。

15日

【書店 午前】
全身が痛ぇ。
バリスタで無理をしたお陰で、全身筋肉痛。加えて全身打撲。
……あれ踊りって言わないだろ……常識的に考えて……。
“要所要所でつないだ手が離れ、勢いよく拳が全身にHIT”
青島さんの踊りは、どう考えても凶器です。本当にバトルダンスでした。
……ムードも何もあったもんじゃなかったね。
遊佐「という訳で、午後は無理せず怠惰にゲーム! さ、攻略本は~っと」
気を取り直してゲーム書籍のコーナーへ向かい、そして。

黒井「あら」
青島「……奇遇ですね」
先客が居らっしゃいました。
遊佐「コンニチワ」
嗚呼、全身の傷が疼く。嗚呼、昨日の温もりが再生される。
そりゃムードは無かったけど、男として妙な気恥ずかしさはある訳でして。
――正直、逃げ出したかった。

※ちょっと画面暗転:時間経過※

遊佐「――で、蔵人が上から降ってきたんすよ。それでも無事な奴の姿を見て、人体の神秘を感じましたね」
ふむふむ、と俺の話に頷くお2人さん。
……自分の動揺を押し殺す為に、俺はひたすら喋り倒していた。
よし、だいぶ落ち着いてきたぜ。
遊佐「そういえば……。2人がゲームやるのって、あんまりイメージできないっていうか」
そう、遊びに興じるより、研究に取り組む方が2人のスタイルという気がする。
遊佐「何の攻略本を探しに来たんです?」
青島「ギャルゲーを」
さらりと回答。
黒井「ボーイズラブを」
にっこり回答。
遊佐「揃いも揃ってディープというか何と言うか……」
黒井「まぁ、参考書は多い方が良いでしょうし」
遊佐「参考書、ですか? 」
妙な言い回しだな。黒井先輩らしくはあるけど。
黒井「ええ、参考書です。……あるいは、そう。『バイブル』かもしれませんね、マリナちゃん」
当の青島さんはと言えば、特に返事もせず攻略本をパラパラとめくっている。
気を悪くした素振りも無く、それを優しげに見ている黒井先輩。
何だろう。うまく言えないけど、こう……ワガママな子供を見守る母親のような視線って、こうなのかな。
青島「……部長、これを」
黒井「あらあら。コレとコレ、実践できそうね」
ギャルゲーの攻略本を眺めながら、何やらヒソヒソと話し合うオカ研2人。
俺は文字通り部外者の予感。
遊佐「えーと、俺そろそろ行きますね。また、学校で」
目当ての本を手に取り、立ち去ろうとする。

青島「あの……」
黒井「――――ストップ――――」
2人の声が聞こえた、その時。

急に。突然。前触れも無く。
――体が、動かなくなった。
遊佐「……な……」
本が手から滑り落ち――――
遊佐「……あれ……?」
床に到達しかけ――――
ドサリ。

――体の硬直が解けた。
遊佐「……立ちくらみ……貧血とか?」
体に相当ダメージがあるんだろうか? けど、それにしては……。

――パン! ――
乾いた音が耳に鳴り響き、思考が中断される。
黒井「そろそろお昼時ですから、そこの喫茶店で昼食でもいかがでしょう? 遊佐君もお疲れの様ですし、休息も兼ねて」
手のひらを合わせて、微笑んで提案してくる黒井先輩。どうやら、さっきの音の犯人らしい。
青島「涼んだ方がベターかと」
未だぼんやりとしている俺の顔を覗き込む青島さん。
……確かに。自分把握できていないだけで、疲れが蓄積してるのかも。
遊佐「そうですね……でも、2人の邪魔になりませんか?」
黒井「邪魔だなんて、とんでもありません。何しろ……」
遊佐「?」
黒井「新入部員の、歓迎会ですから」
遊佐「……は?」
青島「オカ研へようこそ」
遊佐「……へ?」
……どうしてこう、この2人が絡むと展開についていけなくなるんだろう。
何だかよく解らんけど、とりあえず助けてくれ……。


16日

【教室 放課後】
遊佐「う~~~~~ん……。……う~~~~~~ん」
呻く。ひたすらに呻く。原因はもちろん、昨日の一件。

――――では、詳細が解る回想をご覧ください。
【喫茶店】
青島「……遊佐君が、欲しいんで……す」
懸命に動く唇から、たどたどしく、精一杯に。
言葉が紡がれた。
遊佐「……」
真っ赤に染まっていく、その頬。
自分の衝動を抑えきれず、伝えたい言葉を俺は口にする。

遊佐「ジュースで流し込めばいいと思うよ」
――凄まじい勢いでハンバーグを平らげたかと思いきゃ、喉を詰まらせたまま青島さんは喋っていた。
遊佐「あー……話を要約すると。2人が研究に集中するために、雑用やら何やらを任せられる人間がオカ研に欲しい、と」
青島「ふぁい」
ストローに口をつけつつ頷いた。

『オカルト研究部』
所属部員:現在2名。活動内容:ヒミツ。
――以上。

遊佐「こんな説明だけじゃ何が何だか」
部長である黒井先輩に色々と聞きたいところだけれど、喫茶店に着くなり「では」と去ってしまったのでどうしようもない。
昼食でもいかがでしょう、と誘ってきたのは先輩だったんだけど……。
というか、確か蔵人がオカ研の人体実験に参加して記憶が抜け落ちたとか言ってたよな。
遊佐「……人体実験とかもやらされる訳?」
青島「ヒミツです」
さすが青島さん。昨日の温もりも何ともないぜ。
遊佐「うーむ。せめて何か研究例を教えてくれれば安心できるというか」

青島「では、1つだけ」
すっかり落ち着いた青島さんはそう言うと、再びストローに口をつけた。
――――瞬間、みなぎる緊張感。
青島「………………」
集中が高まっていくのが解る。空気が張り詰めていくのが解る。
凄まじいプレッシャー。………いったい何が起きるって言うんです!?
その時。
――ブクブクブクブクブクブク――
ジュースに数多の気泡が生じる。生じる。生じ続ける。
――ブクブクブクブクブクブク――
グラスの全てを満たすかのように生じ続け。
――ブクブクブク……ブク……ブ……ク――
青島「……ぷはっ」
やがてストローから口が離れ、同時に気泡も全て消失した。

……………………………………………。
海よりも深い静寂。

青島「“バブルシャワー”。カニが自身の保護の為に泡を噴く習性を研究して編み出したこの理論h」
遊佐「待てい」
何? こんなしょうもない事で貴重な青春の日々を浪費してるの?
遊佐「これ部活として成立してるの? っていうか何で部費貰ってんの!? 全額カットされるって!」
青島「大丈夫です」
遊佐「何を根拠に!?」
青島「大丈夫だからです」
遊佐「……さいですか」
何も言うまい。何言っても無駄だ、多分。
きっと蔵人も、余りの下らなさに無意識で目撃した光景を消去したのだろう。
ううん、知らないけど。絶対そう。
青島「これが、オカ研クオリティー」
遊佐「いや決め台詞になってないから。全然」
―――――――回想終了。

遊佐「う~~~~~~~~~~ん……」
蔵人「うるせぇなぁ」
気づけば長時間黄昏ていた様で。邪魔くさく思われるのも無理無いか。
遊佐「なぁ蔵人。女の子……そうだな。秘密めいててミステリーな女の子2人に勧誘されたらどうする?」
蔵人「( ゚д゚)」
遊佐「何だその顔。ってかどこ見てんだ」
蔵人「(゚д゚)」
遊佐「こっち見んな!!」
蔵人「ンだよぉぉ。俺だって逆ナンされてぇよぉぉお!」
ええい違うっちゅーに。
遊佐「ナンパじゃなくて部活の勧誘だ。オカ研だよ、オカ研。
……お前、人体実験に参加して記憶飛んだんだろ? それでも勧誘に乗るか?」」
蔵人「乗る。全裸で」
遊佐「お前の言葉は心の底から参考にしたくないな」


※14・15を色々書き直してたらまたPC室の閉鎖時間になりましたのでココで切るわけでごめんなさいごめんなs
正直、適度なテキスト分量が解りませんボスケテ。
最終更新:2007年03月06日 15:54