その1?
選択肢を経て↓
放課後は部活にいこう
体育祭の練習なんてかったるくてやってられない
「大体、練習ってなんだよ……
バリスタなんてあいつがいれば他何もいらないだろ」
魔法使っていいなら全員焼き尽くすけど
……ウソ、そんな魔法力もないし、炎はまだ扱えてません
黒井先輩…………まさかな。
魔法は見せる為のものじゃないとかいってたし
あれ、でもバリスタならその使用は正当化されるのか?
6つの魔法を駆使し、バリスタに参加する先輩を想像してみる
地面は揺れて、風は接近を拒み、水は押し流し
落雷は足を怯ませ、その足は凍結され、グラウンドに死の業火が降り注ぐ
「…………いやいや、洒落ならないから。人が死ぬから」
うふふ、と火の海で微笑む先輩を頭からかき消す
「あーーー遊佐君、ダメだよー。
今日はみんなで作戦会議なんだからーー」
「悪いましろ。どうせ俺なんか居ても大して役に立たないし
それにこの学年の作戦なんて一つでいいだろ?」
「?名案があるのねっ!?」
「ああ、聖を突っ込ませるだけでいい」
「ええっ?」
「それはどういう意味だ貴様」
「だからその拳を有効活用しろってことだよ
……いや、今はいいから」
「お前は鉄砲玉にしてやるからなっ!!」
「はいはい。ま、どうせそのくらいが適任だろうな」
当然その鉄砲玉は、途中で失速して方向を変える予定
「怪我したらすぐに手当てするからねっ!」
「おう、サンキュなー」
バイバイっと手を振る
(茜立ち絵)
はいはい、もう慣れましたよっと……
「今日はここでするんですか?」
「ええ、貴方はどうやら教室より
外での方がコツをつかみやすいみたいだから」
今日の活動もやっぱり中庭
前回とは違い、芝の手入れの行き届いたテラスに先輩と出る
「うわ、俺転校してからここ来たの初めてですけど……綺麗ですね」
ベンチや小さな噴水まで設置されている。公園の様だ
……なんでこの学校はこんなに中庭に力を入れてるんだろう?
聞いた話だと、生徒間で「ボヤーダ」と呼ばれる謎の空間まであるそう
近づいたら行方不明になるとかなんとか……
黒井先輩が新たな特訓場所に選ばない事を祈るばかりだ
「ええ……私もここは好きです
今は生徒もちらほらいますけど……
授業中のここは本当に静かで、癒されるんですよ」
「…………あの、授業中に……」
先輩はどうしてここに居るんですか?と聞いていいのだろうか
「はい?」
「いや、なんでも。それで今日は何の魔法の練習ですか?」
俺が習得している魔法は、今のところ水だけ
それもかなり苦労した末の、ギリギリセーフといった感じのものだ
残る元素は雷、土、風、炎、氷の5つだ
「ええ、私から課題を出すより
貴方が何か感じたものをたよりにしてみてはどうでしょう?」
「む……難しいですね」
むーん、と目を閉じてみる
うーん、いきなりそんなこと言われても
漠然としすぎてていまいちイメージわかないな
「いや、やっぱり課題みたいな……目標ないとちょっと無理かもです」
「そうですか……それでは、そうですね。……氷はどうでしょう?
今貴方が使える水と似た所がありますし、取り掛かり易いのではないかしら?」
「氷ですね、わかりました」
また目を閉じる。むーーーーん
「…………そうだ、先輩。」
「はい?」
「明後日って体育祭じゃないですか。
先輩ってバリスタでるんですか?」
「?どうして?」
「いや、その……もしでるんなら、魔法とか使っちゃうのかなー、とか……」
「あら……ふふふ。遊佐君、前にも言ったでしょう?
この力はむやみに振りかざしていいモノではないのです
……それに、体育祭で死者を出したら大変な事になるでしょう?」
これが冗談じゃないから困る
「いや、何かこう……相手を混乱させたり、幻みせたり、みたいな
精神的な攻撃とかするのかなー、とか……」
「最初に言った通り、私の魔法は6つの元素だけ。
そういった魔法も存在するようですけど、私は一切使えないの
……そうね、茜さんならそういう魔法も知っているかも知れないわね」
「うーん。なんか先輩は人を操る魔法とか、知ってそうな気がしたんですが」
「そういう時には薬を使います。
以前のクッキー等がそうですね、調理の途中で薬を混ぜるの」
「以前?」
何のことだろう?……以前のクッキーって、あのお茶会の時のか!?
何ともなかったけど、自覚がないだけなのかも知れない
「あ、いえ、私の勘違いでした。クッキーのことは忘れて」
「…………そっすか……」
腑に落ちないけどまあいいか……
「あら、遊佐君はそういう魔法の方が好みだった?」
探る様な、からかう様な微笑み
「あ、いや……そうじゃなくて……」
首を傾げてたのを勘違いされたらしい
「洗脳して、ペットにしたい子でもいるのかしら」
「うぃ!?ぺ、ぺっと……?」
1、ましろかな
2、意表をついて
青島さん
3、まさかの黒井先輩
↓
1
ましろだったら、どうなるかな……
「うーん……クラスの、隣の席の子、とか……」
「まあ、きっと可愛らしい子なのね」
「あ、いや……まあ、そっすね。すごくかわいいと思います」
想像してみる
「ゆ、遊佐君……こんなカッコ、恥ずかしいよ……」
「よく似合ってるよ、ましろ。さ、おいで。
それと俺の事はご主人様って呼ばなきゃダメだろ?」
「うぅ……ごめんなさい、ご主人様」
「後でお仕置きだな。じゃあ行こうか」
「うう、本当にこんなので学校行くんですか?
せめてネコ耳だけでも……」
「ダメだ。あんまりごねると四つん這いで登校も追加するよ?」
「ううぅ……恥ずかしいよぉ…………」
……何を考えてるんだ俺はっっ!でも、もう少し…………
「……そろそろ戻っていらっしゃい」
「ハッ!?いやっ……違いますよ?」
先輩に苦笑される
「わたしが隣にいると遊佐君あまり集中できないようね……
少し散歩してきますから、私が戻るまでに何か感じ取ったら
ちゃんと覚えておいてくださいね」
「あ……はい、すんません……」
先輩はふわふわと奥の道へ歩いていった
「はぁ……。先輩が戻るまでに、何とかしないとな……」
……………………
………………
…………
太陽の色が変わってきた
俺は相変わらずうーんとかむーんとか言ってる
「むーーーー、ダメだ。さっぱりだな……」
はぁ、と顔を上げた先には、見知った女の子がいる
「あれ、青島さん、何してるの?」
2
青島さん、だったらどうなるだろう
「青島さん、とか……。どうなっちゃうんでしょうね」
「あら、まりなちゃん?遊佐君ったら、ペットに年下の子なんて
なんだか当たり前の選択ね」
そうなのか?生憎、人間をペットにした事がないのでわからない
想像してみよう
「旦那様、御食事の用意が整いました」
「うむ、って青島さん何て格好してるのーーー!」
「?旦那様の御趣味に合わせたつもりですが
それと、わたくしめの事はマリーとお呼びつけ下さい」
「それじゃ、マリー。そんなアニメのロボットみたいな格好は止めなさい
俺は連邦とか公国とか赤とか白とか特に好きじゃないから」
「申し訳ありません。参考にするアニメを間違ったようです」
「いや、アニメとかでもう間違ってるから。
……それで、今日の夕飯はなにかな?」
「はい。深海魚と庭掃除の幸による闇鍋で御座います」
「マリィイイイイイイイイイイイイイイイ!!」
…………何だこれ。やけに生々しいな
というかこれはペットというよりメイドじゃないか
「……そろそろ戻っていらっしゃい」
「…………………はい」
先輩が困った顔で首を傾げる
「わたしが隣にいると遊佐君あまり集中できないようね……
少し散歩してきますから、私が戻るまでに何か感じ取ったら
ちゃんと覚えておいてくださいね」
「あ……はい、すんません……」
先輩はふわふわと奥の道へ歩いていった
「はぁ……。先輩が戻るまでに、何とかしないとな……」
……………………
………………
…………
太陽の色が変わってきた
俺は相変わらずうーんとかむーんとか言ってる
「むーーーー、ダメだ。さっぱりだな……」
はぁ、と顔を上げた先には、見知った女の子がいる
「うお……」
「うお、とは、随分ですね」
「あーいや、ごめんこっちの問題で。青島さん何してるの?」
3
目の前で悪戯っぽく微笑む女の子
……………………ちょっと、試しにいってみるか
「黒井先輩、かな」
ピシッと空気の割れた音が聞こえた、気がする
「……あら」
にっこりと笑う先輩
「いや、冗談ですよ?そんな、俺なんかが」
「遊佐君、私をペットにしたいの?」
先輩はとてもにっこりしている
にっこりにっこりしているのに
その笑顔は、この夏の気温をどんどん奪っていっている
「いや、先輩。すんません、冗談です
……せ、先輩、怒ってます?」
「あら、どうして?」
笑顔はいよいよ周囲の気温を奪い
本気で背筋が寒くなってくる。足は固定された様に身動き一つ……
「………………いや」
視線を落とす。本当に足元が凍っている
その蔦は這うように、徐々に上を目指しだす
「先輩っ、ホントごめんなさいっ!
マジ反省してま……いや、しますんで、あ、足、足がっっ」
「遊佐君、私もね?遊佐君の事、気になるの……
このまま時を止めてしまいたい。なんて、少し気障かしら?」
「いやーーーーーーーー!、気障ではないんすけど、やめましょーーー!?
ちょ、氷がもうっ、胴まで、心臓に上る……!」
魔法はむやみに振りかざすモノじゃないんだよーーー!!
「遊佐君、おやすみなさい」
「ひやぁああああああーーー」
こんな、所に、BADENDが潜んでいるとは……ギャルゲじゃなかったのかょ
……………………
………………
…………
「ハッ!!!!」
全身が汗びっしょりだ
服までびっしょりで、夏なのに寒い
「うー……何だ俺、倒れたのか?
すごい寝汗……さぶっ」
「いえ、それは汗ではありません。あなたは凍っていました」
「うぇっ!?あ、青島さん」
隣にはいつの間にか青島さんがいた
「あ…………夢じゃなかったんだ……はは」
青島さんの脇にやかんがある
「溶かしてくれたんだ。
ありがとう」
「涼み方は、もう少し選んだほうがいいですよ」
「あー……うん、そうだね。気を付ける」
ホラー映画とかってレベルじゃなかった。マジで身が凍るんだもんな
「青島さん、何してたの?」
以下共通
見ると、青島さんは子犬を3匹連れている
ハッハッとお互いじゃれあう子犬達。和むなあ
「明後日の体育祭に向けて、バリスタ用の新魔法を研究中なのです」
あっさりと魔法使用を宣言する青島さん
「へ、へぇー……魔法って、むやみに使ったり
人の目に付かせたりしたらダメなんじゃないっけ……?」
「それは、黒井先輩のポリシーです。
わたしはそんなこと気にしないのです」
「そうなんだ。ちなみにどんな魔法の予定なの?」
青島さんが魔法を成功させた所は一度も見たことないけど、一応
「……冥王の門を開いて、滅びの炎で、辺り一体を灰塵に帰します」
「そ、それは止めた方がいいんじゃないかなー
ほら、たかだか体育祭で大切な友達とか死んだら嫌でしょ?」
初めて見る成功が起こり得ない、とは言い切れない。ここは阻止しておこう
その時、3匹の子犬が同時に首を上げて吼えた
「「「ワオォーーー」」」
カッと目を見開く青島さん
「……きた!、キタキタキタキタ……!
今ならっ…………!!」
「ダメーーーー!!!」
肩を掴んで揺さぶる俺
「…………」
じとーっと睨まれる
「はぁ……そんな顔してもダメだって……
黒井先輩だってきっと同じことするから」
「そうでしょうか?」
いや、そうじゃないかもね……
先輩なら何が起こっても平然と対処しそうだし
「そ、そうだヨ!」
「…………」
気を落とした様に俯く青島さん
そうだよな、方向性は間違ってるとしても
頑張ってるのを止めろっていったんだから
魔法を使うってのは、ぶっちゃけて難しい
全てをお膳立てされた俺でさえこんなに悩んでるんだ
黒井先輩でさえ「アドバイスしかできない」という
青島さんの魔法の難易度は、きっと俺の比じゃないはずだ
それでも毎日、雲を掴む様に手を伸ばし続ける彼女を、俺が阻んでいいのか?
………………いや、まあ今だけは正解かな……
と、そこで疑問が浮かぶ
黒井先輩は、どうだったんだろう?
「そういえば黒井先輩って、魔法すごいよね」
「???」
何を言い出すんだ、とこちらを凝視する青島さん
「いや、俺先輩から魔法力分けてもらって感じたんだけど
先輩って魔法力ずば抜けてるんだよね…………
先輩も、前の先輩に魔法習ったのかな?いや、だとしても……」
1年から学び始めたとして、1年半であそこまでなるものなのだろうか?
それに非論理的だが、先輩が苦悩に顔を歪め訓練する姿がまったく想像出来ない
「……先輩の使う魔法は、この"世界"に存在しなくてはならないモノ
使役者は、後継者への引継ぎの義務を持ち……
もし、その引継ぎが途絶えてしまっても、
それは"世界"になくてはならない、から……
予定調和が生まれる、のです」
「????世界が引継ぎに予定調和……?」
「……例えば、の話ですが」
半眼で呆れた様に話し出す青島さん。一個上なのに馬鹿でごめんっ
「もしも、過去へ侵入して、偉業を遂げた人物を暗殺したとしても
必ず同じ様な存在が出現し、未来は殆ど変わらない
……というのを聞いたことはありませんか?」
「ああー、あるある。何をしようと同じ結末に向かう、とかなんとか」
「……乱暴ですが、そんな感じです」
「てことは……?」
「"世界"は6元素の存在を失くす訳にはいかない。
だから、引継ぎが途絶えてしまったのなら
"世界"の力で、問答無用で魔法の知識を人に与えればいい。」
話は俺の頭ではとても難解なモノになっていってるが、つまり
「つまり先輩は、"世界"に問答無用で
魔法を使える様にしてもらった、ってことか」
なるほど、だからあの年であの知識、あの魔法力を持つ訳だ
…………な、なんかずるいな
青島さんは「はぁ」とため息をつくと立ち上がる
「今日はもう帰ります。少し疲れました」
「あー……ごめん、邪魔しちゃって」
邪魔しないとえらいことになったかも知れないけど
「ですが、私はあきらめません」
「へ?」
「経験も、体力も劣る1年が上級生に勝つには
この力が必要なのです…………!」
「え、えぇ、そこは諦めておこうよ……」
青島さんはそのまま、振り返らず去っていった
な、なんかかっこいいなその背中!
「……と、そんな場合じゃないんだよ……」
こっちはこっちで、問答無用の大魔法使いに弟子入りの身
「先輩が戻るまでに、なんとか感じだけでも……」
「----やっと、一人になりましたね」
「へ?」
声の方へ振り返る
「こんにちは、遊佐。用件は口で言ったほうがいいですか?」
そこに、強く俺を見据える茜さんがいた
最終更新:2007年01月21日 23:50