【創世物語】



 この世界は聖神光の姫巫女と邪神魔の戯王によって造り出された。
 姫巫女は人間を造り、巨大な脳を授けた。戯王は魔物を造り、膨大な種を授けた。二つはそれぞれの生活体型を作り、互いに侵食し尽くされることのない同等の力関係を築いた。
 しかし、戯王は戯れを起こす神であった。魔物の中に、人間と同じような脳を持つものを造り出したのだ。その魔物は瞬く間に世界を侵食し、魔物を従え人間の数を減らした。これを最初の魔族とする。
 人間を絶やしてはならぬと姫巫女は七人のアラヒトガミを造り出した。自然になぞらえた彼らは炎、水、風、雷、土、晶の属性を持ち、彼らを纏める光を軸に人間に力を与えて最初の魔族を討ち滅ぼした。
 それ以来、人間が平和を謳歌する度に戯王が魔族を投じている。

     ――創世の書・第一幕より









最終更新:2013年12月30日 20:23