◆



 「最期くらい呪いの言葉を吐けよ」


 ◆

 翳した掌に、黒い潮が集まっていく。
 闇よりなお濃い黒の流れは巻き込み、逆巻き、渦になって吸い込まれ、真黒の球体に集積される。
 艶のある光沢は磨かれ抜いた逸品の宝玉に見え、そう見えるよう手際よく欺瞞の加工を施した泥団子にも見える。
 どちらにしても、人が一気に飲み干すには無理のある大きさだ。味を感じる間もなく喉につかえて気道を塞いてしまうだろう。

「協力感謝するよ。お陰で君のサーヴァントは私の手駒になった」

 黒玉を指で弄びながら何かに礼を言う人物がいる。
 袈裟を着た男だった。
 背中に届く黒髪を後ろにまとめ、一房の前髪が垂れ下がっている。
 住職と呼ぶには若過ぎるが、修行僧の中に括るには雰囲気が引き締められ過ぎている。
 額に傷も、縫い目ひとつない顔は堂に入っていて、年齢を抜けば宗教の主導者にしてと不足ない、王者の風格すらある。

「……ああ、出来ることなら純正のままの英霊が欲しかったね。
 素のままで特級に近い白兵能力、圧倒的な呪力、固有の術式に領域クラスの切り札、そしてそれらを反射と経験で精密に動かす思考! 英雄とはこの事だとも!
 雑多な呪力の結集じゃなく一個人への信仰を元にして成立したとなれば、やはり呪霊とは同質ながらも相反した存在といえるだろう!」

 男は饒舌に語り口を続けている。
 耳を傾けている聴衆はいない。周りには誰もいない。
 熱を込めてまくし立てる弁舌は、住人もおらず荒廃した街に空々しく響くだけだ。

「だが……残念ながら私では英霊当人じゃなくその残滓、影にしてからでないと取り込めないんだ。戦力には違いないが、質の目減りは感じてしまうよ。
 まず第一に、英霊を完全に祓わずにかつ無力化させるというのが中々難しい。なにせここに来るまでに全財産をはたいたからっけつでね。今はコツコツと数を集め直していく段階さ。
 都合の良い事に、この地には悍ましいまでに手つかずの呪いが充満している。冥界とはいったものだよ。どいつもこいつも邪念と殺気の煮凝りになっている」

 寂しい懐事情を明かしながらやりくりする日々を聞かせて苦労を分かち合いたいという気持ちなのか。しかしそれでもやはり人はいない。
 男は、独り言を吐いていた。
 事前の準備から現場で検証を始め、得られた結果を分析して更新した考察を、口から言葉に出して確認をしていたに過ぎない。
 故に傍に誰もいなくても気に留める理由はなく、これは曇天の下で自説の検証を悠々と進めるのみの時間。
 これから始まる大がかりな戦争の、勝ち抜くにあたって障害になるであろう要素の研究に他ならない。

 冥界。
 多くの怪異、霊現象と遭遇し、これを撃退し手中に収めてきた男にも、死後の世界に足を踏み入れた事はない。
 霊峰といったある種の秘境、力ある霊が潜伏する曰く付きの物件は、時として現世と隔絶した別空間と切り替わるが、それとも異なるケースの、本物の死後の国。
 こうして一回死んでみても、これといって実感もない。
 閉じていた目が開いたら、欠損していた腕が戻っており、見慣れた土地で寝転んいて、脳には未知の儀式の参加権と、概要が刻まれていた。
 夢でも見ている気分だが、自覚を持っても覚める兆候はまったくない。
 ならば受け入れるしかないだろうと、あっさりと男は思考を切り替える事にした。
 現状の確認から、優勝の指針へと。


 男には目的がある。
 理想だ。夢想にも思える大義だ。
 多数の為に不遇をかこち消費させられる少数の構図の破壊と、再生を目指した。
 その為に仲間を集い、道具を集め、目的達成に大きく近づく収穫に臨もうとした。今回やる事もそれと変わらない。
 安全地帯とされる街の外。死霊が彷徨い生者に襲いかかり、いるだけで寿命を縮めるという危険地帯。
 それが実際にどれだけの効能を持つか、自分の体で確かめるべく現地に赴き───こうして、結果を観察しているところだ。


 周囲に男の他に人はいない。
 だが、動くものはあった。
 ある手足を使わずに地面に突っ伏し、何言かを漏らそうとする口から要領を得ない呻きを垂れ流している。
 それは人の姿をしているが人ではなかった。
 人ではあったが、これからなくなろうとしていて……男は最初からそれを人と認めていなかった。

「喚くな、猿が」

 侮蔑に満ちた否定。
 容姿にも思想にも行為にも関連しない、存在そのものへを嫌悪した呪詛。

「呪力も持たず、異能もない非術師に、この先を生きる資格があると思うか。
 この英霊は私が使ってやる。力ある者が縋る弱者に寄生され蚕食されるより余程有用だ」

 球状に丸め込まれたサーヴァントを目にしたマスターの目が、内からの衝撃に大きく見開かれる。
 神秘奇譚に触れずに平和に生きてきた一般人である自分に不満ひとつ漏らさず主と仰ぎ、守護を約束した高潔な英雄が、男に道具同然に使役されるという結末は、恐怖以上の絶望だった。
 そして男は当然麗しい主従の絆など知らず、関心すら持たずに両者の関係を消滅させようとする。

「サーヴァントを奪った以上もう用はない……といいたいが。もうひとつだけ、まだ君にはやってもらいたい事があるんだ。
 会場外にあるルールは知っているね? 冥界の空気に触れすぎると死ぬ、というやつさ」

 先程の蔑みとは打って変わって、元の慇懃さに戻ってひとつの用件を持ちかける。
 元マスターに拒否権はなく、男は相手の意思など求めていない予定調和だが。

「確かにここの大気、我々には毒となる要素が入ってるらしい。
 呪力で体表を覆ってガードして、サーヴァントに防護までさせてるのに短時間で突き抜けてしまう。
 それでも君らよりは長持ちするんだが……いざという時、どれくらい動けるのか臨床は必要だろう?
 どうだろう、同じマスターの助けになると思って……ここでひとつ、どう死ぬのか見せてれないか?」

 男の発言の異常さについにそれの許容が割れる。
 恐慌状態に陥り逃げ出そうと暴れまわるが、地面を転がるばかりで一向に手足は動いていない。
 血が凍ってしまったかのように全身が凍りつき、末端にまるで力が入らないでいた。
 男はサーヴァントを捕らえただけで、拘束をかけていなければ動けなくなるだけの攻撃を加えてもいない。
 冥奥領域の外に連れ出されてから約10分。
 サーヴァントを失い何の加護も持たない葬者の、それが生存限界地点だ。

「サーヴァントを失ってから一気に症状が進行したな。契約は冥界の外気に対する濾過装置のようなものか」

 実験室で薬品を混ぜたフラスコの中身を観察するのと同じ意義で、男は葬者の変貌を眺める。
 やがて痙攣すら起こさなくなった体は力なく地面に横たわり、断末魔もなく最期の時を迎えた。 
 葬者の遺体から脱皮するように現れたのは、未成熟のまま蛹から出てきてしまった成虫を思わせる、ドロドロと不定形な死霊だ。
 棺桶の中で生還を望んでいた葬者は、資格を失った事で正式に葬られ、冥界の住民の仲間入りを果たすのだった。


「二級……いや三級か。素の質次第で等級は変化するのかな? 強い術師であればそれだけ生まれる死霊も強くなると……? ふむ」

 平静に値踏みをしている男の前で、浮遊する死霊はおどろおどろしい叫び声を上げて威嚇する。
 死の直前の記憶が霊に焼き付いたのか、自らの死の元凶を道連れにせんと呪いを浴びせにかかる。

「協力ありがとう。
 もういい」

 手を翳す。
 鬱陶しい蟲を払うように。取り込む用ではなく祓う用に。
 手に乗せた呪力が死霊の腕よりも速く頭部に触れ砕き散らす───それよりもさらに速く、黒い閃光が頸を落とし、無念を断ち切った。

 代わりに立つのは、黒い衣を纏い、顔を兜で覆った剣士。
 背後から飛び出した者による斬撃にも、男は警戒の素振りもなく振り返る。

「……手出ししていいと命令は出していないが?」
「……」

 問いに答えはない。
 そこにいる誰かは何も言わず、代わりに申し訳なさそうにしょぼんと頭を下げるのだった。


 ◆


 ───冥界に落ちた聖杯戦争の葬者(プレイヤー)、夏油傑は、自らのサーヴァントを見る。

 白い少女だ。
 保護したばかりの頃の美々子と奈々子よりは、幾分歳上だろうか。
 腰まで伸びた頭髪、簡素な衣服、柔い肌までが同色で統一されている。違う色は、額に刻まれた呪術めいた紋様ぐらいのもの。
 清廉さを象徴する白だが、冥界の街は他の光を飲むような昏さで、少女の印象を儚げで心細く見せる。
 他を呪殺せんとする負の想念に欠けているが、夏油から見て少女は立派な術師だった。
 保有する呪力……ここでは魔力と称される……の桁の高さ。所持する術式の潜在性。あの『呪いの女王』にも引けを取らない切札。
 押せば転ぶ矮躯の周囲には、無数の猛り狂う呪いの声が潜んでいる。
 体術と気概の頼りなさを抜きにすれば、キャスターの器(クラス)に恥じぬ特級だと、贔屓目抜きに評価していた。

「……」

 無垢な瞳で見上げるキャスターに、夏油の柔い箇所が疼く。
 嫌な眼だ。
 呪いを生まず穢れも知らないとでも言いたげなキャスターの純真な目が、夏油は嫌いだった。
 その実他人の身勝手な呪いに穢された身であるというのに、どうしてここまで綺麗に生きてこれたのか。
 『リリィ』───白百合の名通りの姿のサーヴァントは、呪いの泥の上に咲いていても可憐さを損う事はなかった。

「もう一度言おう。余計な手出しをするな。
 君は私の命令を聞いていればいい」
『そう言うことはないだろう。お前の身を案じて行動したのだから』

 返ってきた反論は少女に見合った声質とは違う、硬い印象の男のそれだった。
 夏油の攻撃に先んじて死霊を斬った騎士が、いまだ実体化を保ってキャスターの隣に立っている。

「呪い風情が、私に意見か」
『私をどう思おうが構いはしない。……だが、彼女の思いは汲み取ってやってくれないか』
「貴重な令呪を一画削がせたんだ、それに見合った働きはしてもらわなければいけない」


 袈裟の裾をまくる。召喚の直前の記憶、百鬼夜行の敗戦で失われていたが復元した右腕の手の甲にある、渦を模した紋様。
 マスターの証でありサーヴァントに対する絶対命令権を有する令呪。そのうちの一画が消しゴムにかけられたように掠れた跡を残して消えていた。

 最後の戦いで手持ちの呪霊を全消費する極の番”うずまき”を使用した夏油にとって、聖杯戦争を勝ち抜くのに新たな補充は急務だ。
 幸いにして領域の外には手駒に出来る霊がうろついてるし、術式なしでのフィジカルだけでも大抵の呪霊術師を屈服させる自信はあるが、此処は人外魔境が集う冥界。
 乙骨憂太な規格外、五条悟のような超常と出くわす可能性を考えれば、悠長に調達の必要性があった。そこで目をつけたのが、リリィの保有する使い魔達だ。
 白巫女の浄化で祓われた穢者(けもの)───穢れにより魂を汚染された怪物と、夏油の呪霊操術の親和性は高い。
 近いとはいえ元は別種の術式、流石にそのまま譲渡するには規格が合わないが、令呪一画分の魔力で契約のパスを加工し、群れの一部を夏油の術式対象に取れるよう拡張する事は可能だった。

 戦力の補充を済ませ、捕獲のペースを上げて軍勢の再構築を早める。
 リリィも騎士も、夏油の戦略に口出しせず従っている。
 戦いになれば前線で穢者を操り敵を倒した。マスターを実験台に使うのにも、いい顔はしないにせよ逆らう真似はしなかった。
 注意するまでもなく、サーヴァントはマスターに従属している。命令違反は犯していない。

「彼女は、お前の為に戦うと決めている。我々もそれに従い刃を振るおう。
 しかしそれはお前がマスターであるから、それだけが理由ではない。分かっているのだろう」
「……」

 夏油と騎士とのやり取りの間も、リリィは無言で見つめたままでいる。
 実際は喋らないのではなく喋れないのだ。口を開き言語を音にして発する機能が、最初から麻痺している。念話ですら声を聞くのが叶わない。
 彼女の意を汲み騎士が仲立ちしなくては、簡単なコミュニケーションすらままならない有様だ。
 会話だけではない。リリィには様々な欠落がある。
 生まれてから育った記憶が存在せず、リリィという名すら、他人と知らず自身に宛てた仮初に過ぎない。


 ……リリィが生まれた目的は消耗品だった。
 ある大陸の果ての国。穢土より蔓延する穢れと呪いを浄化できる唯一の存在である、白巫女の末裔。
 人々は白巫女を讃え、国を挙げて崇め、宗教まで作り、希望の象徴という台座に座らせた。
 どれだけ素質が優れていても白巫女はひとり。とめどなく溢れる穢れの浄化は追いつかずで、身体には負担が嵩んでいく。
 疲弊する白巫女を案じ、あるいは国の未来を憂慮して、国の魔術師は禁忌を犯した。
 魂の情報を赤子に転写し、巫女の分身たる子供を複数体造り、穢れを分散して子に肩代わりさせる。
 つまり、溜まった負債を子供に押し付ける人身御供だ。

 九つの白百合。生贄にされる為生まれてきた少女。
 狂気と野望が渾然となり巨大な呪いを生む中、終わりは他ならぬ白巫女によりもたらされた。
 子供の犠牲など望まない。苦しみを味あわせたくない。
 父がいないまま母にされた巫女の娘への愛は呪いの転写を拒み、子供達の解放を望んだ。それで呪いの雨が降るとしても。



「……余計なものを見せてくれる」

 脳内を駆け巡った明晰夢。
 存在しない記憶、自分ではない誰かの生涯を我が事のように体験する。
 マスターとサーヴァントの契約関係が起こす、記憶の流入。令呪でパスを弄った影響で、夏油は早期にそれを味わった。

 国は滅び、生者は残らず穢者に変わり、子供達も道半ばで息絶え。
 この惨状を起こした原因に、彼女は何一つ含まれていない。
 愚かな王の暴走。巫女の犠牲で成り立つ体制をよしとした民。滅んだのは因果応報だ。
 名前も記憶も与えられないまま勝手に役割を押し付けられ、そして何もかも終わってからの後始末に駆り出された。
 憎むにも誰も生きていない。呪うにも周りには呪いしかない。
 今夏油がいる冥界と大差ない地上の地獄で、どうして少女は生きてこられたのか。

 呪霊は、吐瀉物を丸め込んだ雑巾の味がする。
 弱者を守る大義を胸に、かつての夏油は青春を従事した。
 隣り合う親友がいた。慕ってくれる後輩がいた。二人なら何もかも守れると信じていた。
 喪った。
 守りたいものは守れず、今まで守ってきたものは吐瀉物より醜悪な獣だった。
 仲間の屍の山の上で、のうのうと糞を垂れ流して生きている世界で、心の底から笑える事はできないと悟った。

 穢れを清め、亡骸に慈愛を与え、肉体は呼吸するたびに激痛がして、髪も肌も黒く爛れ、頭からワケの分からない器官を生やして。
 その上で、彼女は笑えたのだろうか。雲が晴れた空で、大事だった人の墓の上で?


「なるほど、これは呪いだ」
「……?」
「君は私にとって呪いでしかなということさ。
 そろそろ戻ろうか。これ以上は私も身体に障ってしまう」 

 何のことかと小首をかしげるリリィを放って、足を街に向ける。
 呪力で全身に皮膜を作り、リリィの持つ最も術に明るい魔女の補助を受けても、冥界に長時間の滞在は不可能だった。
 呪力消費とも違う奇妙な違和感、それが無視できなくなるまで大きくなりつつあるのを実感する。
 これが初期症状であるとすれば、以降は倦怠感や不調に置き換わり、最終的にあのマスターのような付随の末期症状に至るのだろう。
 往復の間を含めれば、行える戦闘は一回か二回。少しでも接敵の機会が欲しいのが本音だがこればかりは致し方ない。

「さあ、呪い合おう───地獄の底までも」 

 これから続く戦争。呪いと呪いの交錯の果て。
 聖杯を手にし大義を成すその瞬間まで、彼女を道具として使い潰そう。霊に情を見せる無様を阻止しよう。
 認めてしまえば、この呪いは己に返って来る。愛する仲間は元の世界で待つ家族だけでいい。
 一度死んでも夏油傑という呪いは変わらなかった。それで上等だ。
 もう二度と。あれ以上の悔いのない最期は訪れないだろうから。


 ……冥界の空は夜のように暗い。
 春の芽吹きも、夏の蒼さも遥かに遠い黒雲は、街の中に入るまでずっと変わらなかった。

【CLASS】
 キャスター

【真名】
 リリィ@ENDER LILIES

【ステータス】
 筋力E 耐久D 敏捷C 魔力B+ 幸運B 宝具A

【属性】
 中立・善

【クラススキル】 
 白巫女:A+
 魂を汚染し、理性を無くした不死の怪物である穢者に変えてしまう穢れを浄化できる女性を指す。
 呪いに対する耐性を備え、また対象の呪いを浄化する能力を持つ。
 耐性は絶対ではなく、浄化もあくまで穢れを自身に転写しているに過ぎず、そこには許容値がある。
 穢れを溜め込むごとに苦痛は伴い、髪の毛は黒ずみ体からは肉腫が伸び、やがて穢れの源泉と成り果ててしまう。

 このリリィは正統な白巫女ではない。
 三代目白巫女フリーティアを蝕む穢れを引き受ける器として禁術により作成されたクローン、そのうちの一体。
 元々の力は本来の白巫女に満たなかったが、他の姉妹の祈りを継ぎ、遂には果ての国の穢れを完全に浄化させた功績により最高ランクに引き上げられている。

 道具作成:A
 陣地作成:A
 リリィ自身の魔術師としてのスキルは高くないが、魔女イレイェンの協力により高度な魔術を使用できる。
 ちなみにリリィの耐久ランクは低いが、所有するお守りの対物理障壁によりAランク相当の耐久力を得ている。
 ダメージの蓄積により損壊するが祈りにより回復する他、瞬間的に開放して敵の攻撃を弾く(いわゆるパリィ)にも転用できる。

【保有スキル】
淀んだ穢れの残滓:B
 かつて穢者に堕ちた霊魂を浄化し、味方として従える。
 僅かに意識を保ったまま、朽ちた亡者となり彷徨い続けていた魂を浄化したリリィに身を惜しまず協力してくれる。
 令呪でパスを加工し呪霊操術の対象に当て嵌める事で、夏油でもこれらを自在に操る事ができるようになっている。

猛る穢れの残滓:A
 穢者の中でも特に強力で、生前から名高い者だった霊魂。
 戦闘だけでなくリリィに飛行や水中での活動などの特殊な加護を与える。
 リリィとの繋がりも強く、夏油が使役するにはリリィからの許可が必要。

古き魂の残滓;EX
 このスキルのみ穢者ではなく、古の白巫女の祖と契約した不死の黒騎士の霊魂である。
 剣による戦闘の他、明確な意識があり円滑な会話も可能なので、彼がいないとリリィはマスターとのコミュニケーションで大変困ってしまう。
 根本的に呪いではなく、完全な契約が交わされてるので、呪霊操術では操る事ができない。

【宝具】
『墓標にて、永久なる穢れと騎士の魂(クウィエトス・オブ・ザ・ナイツ)』
ランク:C+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:25人
 契約する穢者達の霊魂による一斉攻撃。
 リリィ自身は馬車に乗り込み突撃。周囲を霊魂達が囲い、進行上の障害を薙ぎ払う。
 生前にこのような技を使ったことはないらしいが、マスターである夏油の起こした百鬼夜行、極の番「うずまき」を知って参考にしてみた、とは黒騎士からの代弁。

『最奥より、果て降らす黒死の雨(エンダーリリーズ・フリーティア)』
ランク:A++ 種別:対国宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:国ひとつ分
 果ての国を滅ぼした「穢れの王」の召喚。
 王は巨体による破壊と無限に穢者を産み出してくる怪物だが、真の脅威は別にある。
 地脈を汚染してから魔力上空に穢れを飛ばし、浴びた者を全て穢者に変える「死の雨」を半永久的に降らせる。文字通りの国家滅亡宝具。
 本来リリィが所有する事も使用する事もない宝具だが、マスターである夏油が死に際に欲した「呪いの女王」の記憶が切欠になり、
 穢れの王の前身である白巫女が所持する、穢れの負担を抑える護りの宝具に宿る形で付随されてしまった。

【人物背景】
 呪いを背負わせる人身御供に生まれながら、誰も呪わずに祈りをもって亡びた国に空を見せた少女。

【サーヴァントとしての願い】
 本人に自覚はなかったが、死者の記録とはいえ平和な世界を知る機会を得たことで、ささやかな願いは叶ってしまっている。
 無垢なリリィは夏油の行いを罪と理解しつつも、彼に寄り添い共にいると決めている。

【マスターへの態度】
 記憶がなく(失った、ではなく、無い)敵も味方も亡者か霊魂だったリリィにとって、夏油は初めて会った「人間」である。
 熱のある体、生きた感情に、物珍しげに見つめたり、おっかなびっくり近づいてきたりと距離感が掴めていない。

【マスター】
 夏油傑@呪術廻戦

【マスターとしての願い】
 非術師の鏖殺。術師の楽園。
 誰も犠牲にならない世界を望むには呪いを生み出しすぎた。

【能力・技能】
『呪霊操術』
 呪霊を球状にして体内に取り込み、自在に使役する術式。
 呪霊の数と質が多ければ多いほど強力になるのは言うまでもない。消費する呪力も呪霊持ちなので非常に低燃費。
 極ノ番〝うずまき〟は保管した呪霊を一斉に放出し超圧出した呪力をぶつけられるが、手持ちを捨てる高いリスクがある。
 参戦時期の都合上手持ちはゼロ。会場外の怨霊やシャドウサーヴァント、リリィの穢者を令呪で使用権を移して補充している。

 希少な術式に合わせ基礎的な呪力操作、体術も高レベルで修め、日本に四人しかいない特級術師にカテゴライズされる

【人物背景】
 呪いに潰され、呪いを駆逐すると誓い、呪いになった男。
 百鬼夜行にて敗れ親友に介錯された直後、あるいは直前からの参戦。

【方針】
 冥界内で霊やシャドウサーヴァントを奪い手駒を増やす。冥界の仕組みもマスターを実験台にして調べたい。

【サーヴァントへの態度】
 情を見せてはいけない。意識して、道具として扱うよう努める。

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最終更新:2024年04月10日 22:59