東京都世田谷区、多摩川河川敷、深夜。
うっすらと川霧のモヤのかかる広大な公園には、どこまでも静寂が広がっている。
昼間は散歩をする人やスポーツを楽しむ若者で賑わうここが、実のところ彼岸との境界に位置していると知る者は少ない。
川の向こう側は神奈川県――地図の上では。
ここ冥界に再現された偽りの東京23区においては、川の向こうに広がっているのは実際には廃墟の街並みであり。
普通の川にも見える多摩川は、一度越えれば帰ることすら難しい、三途の川にも等しい「向こう」と「こちら」の境界である。
そんな世界の境界近くに、何かを待ち受けるように立つ人影がひとつ。
一人は少女である。
気の強そうな顔立ちに、ポニーテールにまとめた長い髪。赤いTシャツにジーンズ、足元はスニーカー。
一人は……少し場違いな雰囲気もある、巨躯の鎧武者。
西洋のフルプレートアーマーを纏った身長2メートル近くの巨体。顔は兜に完全に隠れて見えない。手には長い槍。
ふたり揃って、腕組みをして、道の彼方をにらみつけている。
やがてふたりが視線を向けていた方向から、川霧を切り裂くように、ヘッドライトの光とエンジン音が近づいてくる。
大型のバイクだ。
はて、河川敷公園のこんな遊歩道にまでバイクで入ってきていいものだったかどうか。
いや、この剣呑な待ち合わせに、そんな些細な法律を気にしても仕方あるまい。
大型バイクは少女と鎧武者の手前10メートルほどで停止すると、乗っていた人物がバイクから降りる。
長身の女性である。身体に張り付くようなライダースーツに、フルフェイスのヘルメット。こちらはひとりきり。
彼女は親しげに手を振りながら、少女たちの所に近づいてくる。
「どうしたのぉ? こんな夜中に急な呼び出しなんて」
「しらばっくれるな」
ライダースーツの女性の声はどこか妖艶で、どこか人を小馬鹿にしたような響きを孕んでいた。
対する少女の声は、硬く、鋭く、そして怒りの色を帯びている。
「おまえ――私たちを裏切ったな。
今は見逃すと約束した主従を、お前らはこっそり後をつけて、殺したんだ」
「あら、あの子たち死んじゃってたの? それは残念ねぇ。
それにしても、こちらを疑うのは筋が違うと思うのだけど?
これは聖杯戦争。わたしたちの知らないところで脱落する組は、どうしても出てしまうわ」
「だから、馬鹿にするな!」
からかうような、あざけるような長身の女性の言葉に、少女は激昂する。
すぐそばで歩哨のように立つ鎧武者を、さっと指さす。
「うちのランサーは、こう見えて探知能力には長けているんだ!
『彼女』の使い魔が一部始終を――」
「あら、あら、あら! あらまぁ!」
少女の鋭い追及に、しかしバイク乗りの女は何がおかしかったのか、途中で遮るかのように大きな声を上げた。
喜色すら含んだ、今にも笑い出しそうな声を上げながら、彼女はヘルメットを脱ぐ。
ヘルメットの下から現れたのは――さらに新たなヘルメット。
いや、バイク用のヘルメットではない。頭部の上半分を覆い尽くすような、奇妙なヘッドギア。
目は見えない。
顔の目のあるべきあたりを含めて、顔の真ん中には十文字に濃いグリーンの素材で出来た窓が開いている。
こちらは外に露わになった、ルージュの引かれた唇に、小さく笑みを浮かべる。
「あちらの『ランサー』は、ああ見えて『女の子』だったそうよ――迂闊よねぇ、『アサシン』」
次の瞬間。
少女の隣に立っていた全身鎧の人物が、大きく震えた。
「えっ」
少女が驚いて振り返った時には、もう手遅れだった。
誰にどこから何をされたのか全く分からない。
戦闘においては抜きんでた能力を持っていたはずのランサーが、戦闘態勢を取る暇もなかった。
だが、マスターとサーヴァントの間に結ばれた霊的なリンクは、少女のランサーの『死亡』を疑いようもなく伝えてきて。
死を理解した『そのあとに』、フルプレートアーマーの隙間から激しく血が噴き出す。
死してなお立ち尽くしている鎧武者の足元に、ボタボタと臓物が零れ落ちる。
立往生だった。
文句なく死に果てていた。
遠からず、サーヴァントの亡骸は魔力の粒子と化して消失することだろう。
「だめよ、情報ってものは、気を付けて扱わなきゃ。
この状況においては、サーヴァントの『性別』すらも立派な機密なのよ」
「な……な……」
「でも私も迂闊だったわ。すっかり男の子かと。
先入観って怖いものなのねぇ。いい勉強になったわぁ。
貴女たちと『同盟』を組んだのも、そちらの『ランサー』がちょっと面倒に見えたから。
だけど……『女の子』で、『夜』で、『今の河川敷』なら、わたしの『アサシン』の敵じゃないのよ」
「な……」
「あと、私たちの動向を掴んだのは見事だったけれど、こうして面と向かって追及とはね。
駆け引き、苦手なの?
そういう短慮、今後が期待できないのよねえ」
「ぷ……『プロスペラ』ぁッッッッ!!」
「まあ『次』は、組む相手の選別からもっと上手くやるわ。
だから、貴女はここで退場なさい」
少女に『プロスペラ』と呼ばれた女性は、くるりと踵を返して大型バイクへと向かう。
それを見送る少女は……
「あ……」
もはや言葉も出せなかった。
心臓が止まり、思考が止まり、『その後に』、ナイフのようなきらめきが虚空に走って……
文字通りバラバラの肉塊となって、その場にべしゃり、と落下した。
◆
データストームの彼方に失われた娘を、取り返す。
それだけを願って張り巡らせた策は、最後の最後に阻止された。
他ならぬもうひとりの娘。
計画に必要な道具として生み出し、育てあげ、しかし、間違いなく愛していた、もうひとりの娘。
嘘偽りなく幸せを願い、最善と思える場所に残してきたはずの相手。
スレッタ・マーキュリーとその仲間たちによって、プロスペラは完膚なきまでに敗北した。
あまつさえ、彼女たちはまごうことなき奇跡を起こして、プロスペラたちを救いもした。
人生をかけて一度は手にした夢、クワイエット・ゼロは、パーメットの粒子と化して文字通り溶けて消えた。
欠片ひとつ残らなかった。
その後のことはよく覚えていない。
なんとなく幸せだったような気もする。
それはそれで悪くないと思えるような、暖かで緩やかな陽だまりにいたような気もする。
よく覚えていない。
記憶が欠落している。
ただ、おそらく、遠からずして死んだのだろう。
データストームに長年晒されて来たプロスペラ……エルノラ・サマヤの身体は、それくらいに弱っていた。
気が付いたら、この冥界。
気が付いたら、この聖杯戦争。
何でも願いが叶えられる万能の願望器。そんなものにかける願いなど決まっている。
エリクト・サマヤを、取り戻す。今度こそ。
◆
夜の首都高を大型バイクが駆ける。
先ほどは一人乗りだったバイクの後部座席には、もうひとつの小柄な影。
ヘルメットも被らないあぶなっかしい姿だが、目にする者があればもっと突っ込み所があっただろう。
幼い少女のような人物である。
それでいて、顔面には大きな傷が走っている。
身に着けているのは下着のような肌も露わな衣装に、スカートのように広がるのは無数の刃物。
明らかに東京には場違いな人物が、再びフルフェイスヘルメットを被ったプロスペラの背中に張り付いている。
全身で抱き着くようにして、しがみついている。
「さっきはありがとうね、アサシン」
「ううん、こんなの大したことないよ、おかあさん!」
アサシンはニッコリと笑う。
運転中のプロスペラはその頭を撫でられないことを少しだけ残念に思う。
『
ジャック・ザ・リッパー』。
アド・ステラの時代に生きるプロスペラですらも知る、旧時代の有名な殺人鬼である。
都市伝説と呼んでもいい。
数多の娼婦を殺し、数多の証拠を残しながらも、正体を掴ませることなく消えた殺人鬼。
その正体については諸説乱立しており……
今回、プロスペラが召喚したこの少女も、その「可能性」のひとつなのだという。
その正体は、堕胎された赤子たちの霊の集合体。
この世に生まれ出でることすらできなかった、命に達することのできなかった存在。
かの有名な連続殺人も、これらが「母胎に帰ろうとした」、その結果なのだという。
(彼女と私は――『相性が良すぎる』。危険なほどに)
懐いてくるジャックのことを、偽りなく可愛らしいと思う。
生まれることのできなかった悲劇を、痛ましくも思う。
彼女の――彼女を構成する怨霊たちの願いが、叶えられるといいなと、本気で思う。
真の親子ではないけれど、子の幸せを願うが如く、ジャックの幸せを心の底から願うくらいには愛している。
同時に、僅かな匙加減の違いで己の身が危険に晒される危険性も、しっかりと理解している。
現時点では、ジャックの願いは『母の胎内に帰りたい』という漠然としたイメージに留まっている。
母親の胎内に帰り、今度はちゃんと生んで欲しい。
無理もない願いだ。
その境遇ならば自然と芽生えるであろう願いだ。
だが。
もしも万が一、彼女たちが『自分を産む母親』として『プロスペラ』個人を指名したら?
それこそ赤ん坊を一人を産む程度なら、我が身を削ってもいいだろう。
もしも『エリクトの復活』という大願が果たせるのならば、それくらいの代償、それくらいの恩返しはしても構わないだろう。
既にそれくらいの愛着は抱いている。
二人いる娘が三人になっても構わないくらいの気分にはなってしまっている。
けれど。
英霊『ジャック・ザ・リッパー』は、生まれることのできなかった赤子の霊の『集合体』である。
気が遠くなるほどの数の小さな魂の欠片が寄り集まって出来た存在である。
とてもではないが、全ては産めない。
全ては胎に宿せない。
おそらく……ジャックがそれを試みた時点で、母胎と目された人物は、必然として、死に至る。
悪いが死んでやる訳にはいかない。
既に死んで冥界にいる身で言うのもおかしな話だが、死んでしまえば大願は果たせない。
愛情と計算。愛情と嘘。
仮面の裏に隠されたその二面性を使いこなすのが、『水星の魔女』とまで呼ばれたプロスペラの真骨頂である。
「でもおかあさん、勿体なかったね。『同盟相手』、欲しかったんでしょう?」
「まだまだチャンスはあるわ。
失敗してもくじけず、次以降に活かす。挑み続ける。それが大事なの」
「『逃げればひとつ、進めばふたつ』だよね!」
「そうそう」
まだまだ聖杯戦争は序盤。
出会った二組の主従のうち、片方は倒した。片方は一時的に組んでいたが、今回の仲たがいで処分することになった。
プロスペラはこの戦いが長期戦になるものと踏んでいる。
そうであれば、強力なアサシンを抱えているにせよ、搦め手は駆使していかねばならない。
真の目的を偽ってでも他の参加者と同盟を組み、情報の優位や戦闘の優位を得ていかねばならない。
「頼りにしているわよ、ジャック」
「任せて、おかあさん!」
大型バイクが夜の首都高を駆け抜ける。
偽りの母と子は、血塗られた夢へと純粋に手を伸ばす。
【CLASS】
アサシン
【真名】
ジャック・ザ・リッパー@Fate/Apocrypha
【ステータス】
筋力 B 耐久 B 敏捷 A 魔力 C 幸運 E 宝具 C
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
気配遮断:A+
アサシンのクラススキル。自身の気配を消す能力。
攻撃態勢に移るとランクが大きく下がるが、後述する「霧夜の殺人」がそれを補う。
アサシンの中でも特に高いランクを誇る。
【保有スキル】
霧夜の殺人:A
暗殺者ではなく殺人鬼という特性から、加害者である彼女は被害者に対して常に先手が取れる。
ただし無条件で先手が取れるのは夜のみ。昼の場合は幸運判定が必要。
なお、今回の舞台は冥界であるため「会場の外(結界の外)」の廃墟エリアは常時「夜」と判定される。
古今東西どの神話でも、冥界に昼や陽光など存在しない。結界内の疑似23区が例外なのだ。
情報抹消:B
対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から様々な情報が消失する。
記録媒体からも同様に消失する。
精神汚染:B
精神干渉系の魔術を中~高確率で遮断する。
マスターのプロスペラが悪の属性を持っている(!)ため、既に初期段階から上昇しているし、今後も上昇の危険がある。
魔術の遮断確率の上昇の代償として、ジャックの精神はやや破綻に近づいている。
現時点ではそれはプロスペラへの過剰な懐き方として表れている。
義肢製作者:B
本来のスキル「外科手術(Eランク)」から置き換えられたスキル。
限定的な「道具作成」であり、四肢欠損に相当する怪我を負った相手に自在に動く義肢を与えることができる。
義肢は手近にある適当なガラクタを材料として製作され、外見から人の生身の手足とは一見して違うと分かるが、機能は十分。
プロスペラをマスターとしたことで、霊的なパスを通じてGUND義肢技術の一端に触れ、それを魔術的に模したもの。
プロスペラに言わせれば「この子ほんとうに凄いわねぇ」。
ジャックに言わせれば、外見は模倣できなかったので「おかあさんにはかなわないなぁ」。
なお、元のスキル「外科手術」の機能も残っており、義肢作成以外の手術も限定的に可能(ただし傷跡は汚くなる)。
【宝具】
『解体聖母(マリア・ザ・リッパー)』
ランク:D~B 種別:対人宝具 レンジ:1-10 最大捕捉:1人
通常時はDランクのナイフだが、条件を満たすことで対象を問答無用で解体する能力を発揮する。
すなわち、「対象が女性」「時間帯が夜」「霧が出ている」の3つである。
発生時には因果の混乱が発生し、解体された死体という「殺人」、標的の「死亡」、解体の「理屈」の順で物事が発生する。
なお、「霧が出ている」という条件は後述するもうひとつの宝具『暗黒霧都』で実現可能。
また会場外(結界外)の廃墟化した冥界は、常に「夜である」「霧が出ている」という条件を満たしていると見做される。
ある意味で怨霊死霊の集合体である彼女は、あまりにも強力な「地の利」を得ている。
『暗黒霧都(ザ・ミスト)』
ランク:C 種別:結界宝具 レンジ:1-10 最大捕捉:50人
ロンドンを襲った膨大な煤煙による、硫酸の霧を再現する結界宝具。
最大で区ひとつ包み込めるほどの規模の霧が出現する。
硫酸の霧は皮膚を溶かし肺を焼き、眼球を爛れさせる。さらに方向感覚を狂わせる。
サーヴァントならダメージを受けず敏捷が下がるだけで済むが、霧の中でジャックの姿を捕らえるのは難しい。
結界の範囲や対象は自由に設定可能で、敵味方を選ぶことも可能。
ただし霧であるため、風などによる物理的な排除も可能である。
【weapon】
6本のナイフ。
投擲用の医療用ナイフ(スカルペス)、肉切り包丁など。
【人物背景】
正体不明の殺人鬼「ジャック・ザ・リッパー」、その正体の「可能性」のひとつ。
堕胎された赤子の霊の集合体であり、怨霊の集合体。
宝具としてカウントされてすらいないが、怨霊の一部を分離して複数のNPCに憑依させて操るようなこともできる。
今回の舞台である冥界はある意味で彼女のホームグラウンドであり、ステータスの一部上昇など様々な利を得ている。
宝具やスキルを抜きにしても、素のスペックが既にアサシンらしからぬ高性能となっており、正面から戦っても強い。
幼い少女のような姿をしており、表面上は純粋無垢。しかし善悪の倫理観に乏しく殺人への禁忌などはない。
人生経験は乏しいが頭の回転は速い。
今回プロスペラ・マーキュリーという「子を求める母」に召喚されたことで、最高の相性を得た。
プロスペラを文字通り母のように慕い、甘えると同時に彼女の命令を絶対視している。
一方で相性が良過ぎるために、常に暴走の危険を孕んでいる。
プロスペラもそれを理解しており、偽りのない愛情や愛着を抱きつつも、一方では冷酷に利用して管理している。
また「逃げればひとつ、進めばふたつ」というプロスペラ独特の人生訓が刷り込まれている。
【サーヴァントとしての願い】
母親の胎内に帰ること。
ただしそれは本来、聖杯の力をもってしても実現可能かどうか怪しい願いでもある。
また、現時点ではそこまでは至っていないが、プロスペラとの関係がさらに深まった場合。
その願いが漠然とした「母親」という言葉を越えて、「プロスペラの胎内に帰る」に変質する可能性がある。
そしてそれが万が一にも強引に実行に移された場合、プロスペラの命はないだろう。
この危険性についてはプロスペラも深く理解している。
【マスターへの態度】
大好きなおかあさん! なんでもやるよ!
【マスター】プロスペラ・マーキュリー@機動戦士ガンダム 水星の魔女
【マスターとしての願い】
エリクト・サマヤが自由に生きられる世界を作る。
【能力・技能】
拳銃を主体とする戦闘能力
専業の兵士たちすらも圧倒する高い白兵戦能力を誇る。特に得意としているのは拳銃の扱い。
なおこの会場においても、裏社会と巧みに接触して、既に拳銃と弾丸を入手している。
メカニックとしての高い技術
現代日本より遥かに進んだ時代の先端技術に多く触れてきている。
モビルスーツパイロットとしての高い技術
巨大な人型兵器であるモビルスーツの操縦においても高い技術を有している。
今回の舞台ではおそらく乗る機会はないが、他の乗り物(バイクなど)も当然普通に乗りこなせる。
謀略や心理戦の高い能力
彼女は『魔女』とまで呼ばれた存在である。アドリブも得意。
【人物背景】
アド・ステラと呼ばれる未来。
巨大企業グループ「ベネリットグループ」の末端、シン・セー開発公社の謎多きCEO。
基本的にパンツスーツ姿のスマートな女性で、なによりも目を引くのはその頭部を覆う仮面のような奇妙なヘッドギア。
さらに外見からは分からないほど精巧だが、右腕は上腕の半ばから先が義手になっており、取り外すことができる。
その身は長年浴び続けたデータストームによって侵されており、目立つヘッドギアは実は身体補助用の道具。
ヘッドギアを外すと、特に足の動きに難が生じ、歩くどころか立っていることもままならなくなる。
データストームの彼方に消えた娘「エリクト・サマヤ」を取り返すため、暗躍を続けてきた。
その過程でもう一人の娘である「スレッタ・マーキュリー」をアスティカシア高等専門学校へと送り込み。
紆余曲折の末、プロスペラの大願は、そのスレッタと仲間たちによって阻止されることとなった。
原作最終話、最終決戦の後、エピローグより前の段階からの参戦。
より正確に言えば、彼女の記憶はそこまで途切れているが、実際にそこからどうなったのかは不明。
エンディングの後に天寿を全うした後、記憶を一部失った状態でこの地にいる可能性もある。
この冥界に再現された東京には、外資系企業「ベネリットグループ」が存在。
軍需産業から医療系、学校経営まで含む多彩な事業に手を出しており、誰もがその名を知る大企業となっている。
グループの末端には「シン・セー開発公社」が存在し、東京に本社を置き、プロスペラがCEOということになっている。
この東京においても福祉工学に関与している。
ベネリットグループの構成員はほぼNPCであり、ゆえにプロスペラは立場が低いにも関わらず、ほとんど好きなように操れている。
身に着けたヘッドギアは目立つ格好ではあるものの、不思議とNPCは問題視しない。やや奇抜なファッション程度の扱い。
ただし他の葬者(マスター)やサーヴァントは違和感に気付ける可能性がある。
【方針】
優勝狙い。他の参加者も容赦なく蹴落とす覚悟はある。
ただし序盤はできるだけ目立たず暗躍に回りたい。可能なら同盟なども駆使して上手く立ち回りたい。
必要であれば優勝狙いという本当の方針を偽ることも考える。
【サーヴァントへの態度】
仮初めの主従関係とは理解しているが、慕ってくれるジャックに対してはまんざらでもない。
彼女に向ける愛情と同情は、ある意味では本物。
一方で冷静な視点でジャックの危うさにも気づいており、距離感を上手く保つ必要性も実感している。
どちらも嘘偽りなく両立させる魔性こそがプロスペラの真骨頂である。
最終更新:2024年04月25日 21:43