ユウト


「…だったら俺が次のアラハバキだ。その時になるまで、離れない」

概要

フルネームはユウト・アダシノ(化野 裕人)。
テロリストによる無差別襲撃によって両親・兄弟を失った孤児の少年。年は14。
元々は整っていた黒い髪は、自らの体に施した機械化技術のせいでボサボサの白髪と化し、眼は隠れがち。
大きく鋭い目付きをしており、それは元々の顔立ちではなく精神状態に起因するものと思われる。
少し煤けて所々が小さく破れた赤いズボンとグレーのシャツ、黒いジャンパーを纏っている。
身体は埋め込んだ機械部品や弾薬のせいで、見た目以上にかなり重い。
身長、157cm。体重、98kg。

戦闘能力としては拙い技量ながら、身体に搭載された実験段階の兵器類を駆使して火力に任せたものを振るう。
右腕に搭載された指部分が発射口となった針弾銃、左手に搭載された生体型超振動刀、口部に搭載した熱量砲など、力は様々。
腹部に重力制御球が埋め込まれており、短時間なら浮遊する事も可能。
ジャンパーやズボンは強化装甲服の一種であり、生体的、機械的に身体と融合し四足歩行の「獣化形態」へと変形可能。


目の前で家族が全て死に、自身も凶弾に斃れそうになった所をアラハバキに助けられて生き延びる。
自らの命が助かった事に安堵するのではなく、滂沱しながら「何故もっと早く来なかった」とアラハバキを責める。
少年の危険を悟ったアラハバキとタケチによって一時保護され、然るべき場所に引き渡されるが少年は施設の保護下に入る事を拒否。
無理矢理に置いて行かれるも、その夜施設を抜け出してアラハバキを探し当て、付き纏う。
「アラハバキなど責めたが、結局は自らの力不足にて家族を死なせてしまった」と思い込んだ少年は、アラハバキの力を求めた。
しかし当然そのような要望は通るはずもなく、「アラハバキの力を得られるのは選ばれた者だけ」と諭される。
それでも納得しなかった少年は、再び無理矢理に元の場所へと戻される。

後日、少年は再び施設を抜け出し、自らの復讐心を満たす力を求めて何処へとも無く彷徨った。
「遅かったアラハバキ」と「力の足りなかった自身」、「家族を殺した理不尽」を恨みながら。
町並みの裏の裏、闇の中を彷徨って怪しげな誘いの手に求められるまま自らの身体に鉄の部品や得体の知れぬ物体を飲み込んだ。
その後、違法な力を得て力と意思のままに自らをこのような状況に陥れた理不尽と同じような存在を駆逐して行く。

力を手に入れた少年は、再びアラハバキの元に現れた。
手に入れた力に、不足を感じ始めたのだ。
既に以前の面影を失くした少年をアラハバキは見分け、鉄の異形が肉体を蝕んでいた事も見抜いた。
アラハバキを殺める事でその力を自らの物としようとしたが、圧倒的な力の前に返り討ちとなる。
「遅かった自分達にも非が有る。今回私を襲った事は不問にする」とアラハバキからの提案を受けたが、少年は諦めなかった。
「アラハバキの力が他人に移るには、宿主が死ななければならない」と聞いた少年は、アラハバキが凶手に倒れるその時まで待つ事にした。
それまではアラハバキの従者として、あるいは寝首を狙う凶手として彼の傍を離れぬ事に決めたのだ。

なお、民間の身でありながら違法改造を体に施して戦い続ける身として警察機関に追われている。
現在はアラハバキの超法規的権限によって守られているようなもの。

能力・技

「ニードルカノン
右五指に搭載された針弾銃。
体内で生成した骨状物質を打ち出す機構。
使用の際には爪が開き、内部から針が打ち出される。
針弾は当たった相手の傷口を溶解させ、傷口を広げる効果を持つ。

「生体超振動刀」
左腕に搭載された超振動兵器。
手の甲側の手首から出現する骨状の刀身。
人間程度なら簡単に骨ごと両断可能。
こちらも使用時に痛みが伴う。
腕部に新たに生成された骨が元となっている為、磨耗しても栄養を取り続ければ再生する。

「熱量砲」
口部分に搭載した光線砲。
本来は胸部に搭載される予定だったものを、ユウトの要望で口部に変更されている。
これはアラハバキの「末代光(いしかほのり)」の力を模した事であり、威力や形態に変化は無い。
一条の光線を打ち出し、着弾地点を爆発させる赤色光線を撃ち出す。
威力は高いが不安定で、命中率が悪い。

「重力制御」
腹部に埋め込まれた重力制御球による重力操作。
周囲の重力を操作し、様々な現象を引き起こす。
発射された銃弾を加重によって叩き落す、短時間自らを浮遊させる、周囲の瓦礫を無手で浮かせ礫弾とする、自らの拳足の威力を重みによって高める、などなど。
使い過ぎると三半規管に異常を来し、身体の不調と嘔吐を伴う。

「獣化形態」
強化装甲服である衣類と一体化し、関節を変形させて四足歩行と化す。
その際でも一部武装は引き続き使用可能で、身体能力が普段よりアップする。
特にスピード面においてはかなり強化される。

「ミサイルサイロ」
胸部から背部にかけて搭載したミサイル発射機構。
威力の高いマイクロミサイルを12発搭載しており、肋骨がミサイルサイロとなっている。
マイクロミサイルは両眼に搭載されたロックオンシステムと繋がっており、それによって相手を追尾する。
背中側ハッチを開く事で背面にも発射可能。

「地熱吸収」
両足に搭載された地熱吸収システム。
足裏から地熱や植物エネルギーを吸収する事によって、エネルギーを得る。
基本的に熱量砲のエネルギーはこれで補給している。
地を伝わり周囲の気温を吸収する事も可能で、度合いによっては周囲が一気に冷え込む。
過度の使用によっては排熱が追い付かず、過熱による身体機能の異常を及ぼす。

荒神のストーキング係語録

「…だったら俺が次のアラハバキだ。その時になるまで、離れない」
アラハバキの力は現宿主が死ぬまで他人には移らないと聞いて。
彼が死ぬのを待っているのである。

「その力は、俺の方が正しく使える!!お前のように、理由どうとかで見逃したりしないからな!!」
アラハバキが賊徒を理由如何で殺さず捕縛に留めた場面に出会った際の台詞。
ユウトにとってアラハバキの力とは「理不尽を殺す為の力」であり、何者も見逃してはならないらしい。

「随分体を弄ったよ…でも、まだ足りないんだ!!お前のような力が無いと…まだ何も出来ないんだ!!」
某所某日にて、賊徒に襲われた村を救えなかった事を受けての言葉。
アラハバキに力を願ったが、やはりそれは受け入れられなかった。
目的は「理不尽を殺す事」と宣うが、結局は「己と似た者を救いたい」という気持ちも有るらしい。

「根に持つなよ」
上の言葉を受けたアラハバキが、「この力を以てしても君の家族は救えなかった。何も出来ていない」と返した時のセリフ。
自分が割り切れずに押し付けた無茶な言葉は無茶だと自覚しているらしい。

由来

アラハバキ蛇神説を唱えた吉野裕子から。
やはり出番が有るかどうか分からない系譜。
最終更新:2016年04月25日 00:29