ゴトランド家

機械帝国ディカーセイトにあるゴトランド親子(ラウルバーフルナリスセサリカ)の家。 元々資産家と謳われるルナリスの屋敷であり、その大きさは筆舌に尽くし難い。 彼ら親子(養子含む)の他に、住み込みの従者達が全員で六十三人存在する。

(メイド五十一名・警備兵十一名・執事一名)

住人達

  • 従者
    • グレイスニル=デュヴァル(執事)
    • パティリッタ=イミュン(メイド長) その配下五十名
    • シュトロア=フォゲルネス(警備隊長) その配下十名

住人詳細

ルナリス=ゴトランド

莫大な財産を持つ事で有名な妙齢の婦人。 資産家、アルケミストという二つの顔を持つ。 温和な人柄だが、無条件に慈悲を与えるほど甘い人間ではない。 過去はアルケミストとしての活動でとんでもないことをしでかした事もある*1のだが、今ではすっかりその面影はなくなっている。 仕事時は屋敷を動かす一人の主としての態度を示し、プライベート時では夫や娘、従者達とのコミュニケーションを積極的に図るよき主であり母親。 アルケミストとしての活動は現在滅多にしないが、その腕は確か。 ちなみに、仕事時のときは旧姓であるラブルスカを名乗っている。

ラウルバーフ=ゴトランド

世界を駆け回り様々な実験を繰り返す、下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、案ずるより生むが易しを実践している体当たり系アルケミストでありルナリスの夫。 名を遺す事が目的ではなく、自らの疑問が解決すればそれで良いため、妙な実験が多いが本人は満足そう。 必ず週に一度以上は屋敷へ戻って親子で食事を楽しむというマメな一面もある。

セサリカ=ゴトランド

血の繋がった娘ではないものの、実の娘以上に愛情を注がれ育ったお嬢様。 ラウルバーフに影響されて始めた機械弄りにどっぷり浸かり、ラウルバーフと同じく世界中を駆け巡り、冒険者としてお金を稼ぎつつ武具改造職人の道を歩んでいる。 余り感情の起伏が無い性格をしているが、これは昔感情を表に出すのが苦手だったため。 実はもう克服しているのだが、親や幼い子供の前以外ではあえてその当時のままにしている。 というのも、そうしておいたほうがなかなかスムーズに冒険者としての仕事や武器職人としての活動(素材の仕入れ等)が進む事に気づいたから。

ティント

ルナリスの屋敷に最も近い街【ミア】の教会に勤めている女性。 セサリカと同じく養子という扱いだが、その正体はルナリスに生み出された人工生命体、救済者である。 見た目は十七〜十八程度だが、生み出されてまだ三年しか経っていない。 生まれて暫くは屋敷でのんびりと過ごしていたのだが、ある程度人生経験も積んで置いたほうがいいだろうというラウルバーフのアドバイスを受け、プリーストの道を歩み始める。 人当たりも良く、とても真面目な性格ということもあり同じプリースト・クレリック仲間や町の人間から好意を寄せられている。 背中に純白の翼が生えているのだが、ルナリスのように自由に出し入れができないので仕事中は背中が随分窮屈なのが悩みだとか。 (仕事が終わって屋敷に帰って文字通り羽を伸ばすのが気持ちいい、とは本人の話) フィノとは共に生まれた存在であり、とても仲がよい。

フィノ

ルナリスの屋敷でのんびりとトマト畑を管理する少女。 セサリカと同じく養子という扱いだが、その正体はルナリスに生み出された人工生命体、処刑者である。 見た目は十四〜十五程度の少女だが、ティントと同じく生み出されてまだ三年目。 彼女は多くの失敗を含んだ生命体である。 普段はセサリカに負けないぐらい物静かなのだが、突然リミッターが外れて暴走するときがある。 (処刑者として登場したときには既に暴走していた。あのような状態が突然現れる) 暴走しているときはとにかく血を欲しがり、暴れまわるのでとてもティントのように一人にすることができないのだ。 最近はルナリスが何度もその要素を取り除こうと苦心してくれているため、暴走する回数や時間は大幅に減ってきている。 トマトジュースが大好物で、平時は専ら屋敷の庭の一角に作り上げた自分だけのトマト畑の手入れに熱中。 ティントとは共に生まれた存在であり、とても仲が良い。 ただ自分に片方しか翼が無いのが不満だとか。

グレイスニル=デュヴァル

先代(ルナリスの両親)の頃から屋敷に仕えている執事。六十八歳。 先代の死去ルナリスの世話を一手に引き受けた、いわばルナリスの親代わりでもある。 身内に厳しく自分にも厳しくを地で行く人物で、メイド達(特にパティリッタ)から恐れられており、まだあまり仕事のできないパティリッタによく小言を投げかけている風景がほぼ毎日どこかで見られる。 今では立派な主となったルナリスには絶対の忠誠心を誓っており、彼女が暴走し行った従者達への生体改造にも自ら進んで受けて這い寄る深淵となり、そして一番彼女を喜ばせる結果を作った。*2だがその代償として、這い寄る深淵になると極端に性格が変わる(冷酷になる)、2〜3年に一度這い寄る深淵の姿で希少生物系統(竜など)を食さないと一種の禁断症状が現れてしまうなどの失敗も体の内に秘めている。 ゆえに彼だけはたまに長い暇を頂いて屋敷に居ない事がある。

パティリッタ=イミュン

五十人のメイド達を取りまとめるメイド長なる肩書きを持つ女性。二十一歳。 実はまだ屋敷に勤めだして一年目という新米メイドである。 それまでに何か経験があったわけでもなく、何か秀でた能力があるわけでもない彼女がそんな地位に落ち着いているわけは、生体改造後の結果にある。 他の五十人のメイドは皆蒼い小鳥駆け抜ける蒼色となったのに、彼女だけハーピー蒼穹を舞う者となったためであった。 いつの間にか生体改造後の結果が地位になっていた屋敷で、彼女の変化は当然ながら大きく評価され新米からメイド長へとのし上がったのである。 部下となったほかのメイドたちもまさかルナリスに抗議するわけにもいかず(ましてやグレイスニルに抗議などもってのほか)、ならばせめて長らしくなってもらおうと彼女に指導を続ける毎日である。 性格は喜怒哀楽の移り変わりが激しく、慌て者。 何枚皿を割ったか誰も覚えてないぐらい割っているし、仕事はよく失敗する。 そのたびにグレイスニルに小言を貰う人物。 一番歳が近いためか、セサリカとは親しい友人でもあったりする。(彼女と話すときはセサリカも少々砕けた話し方をするのだ)

シュトロア=フォゲルネス

十人の部下をまとめる、ルナリスの屋敷の警備兵隊長。三十六歳。 十二年ほど屋敷に勤めてきたベテラン。 両手持ちの騎兵槍を片手で振り回せるほどの怪力の持ち主でありながら、頭も切れる男性。 部下達の個々の能力も優れており、たった十一人で広大なルナリスの屋敷を守り通している。 やはり彼も生体改造を行われ、他の十人とは違った変化を見せ首無し騎兵隊長となり、その点を評価され隊長となっているのだが、元々の素質などを考えると必然とも言える。 元々かなり真面目な性格で働きぶりも実にしっかりしたものだったが、隊長になったことで更に仕事に熱を入れており、今では広大な屋敷の半分は彼一人で守れるという噂まである。 一人称が【我】だったり「我満足」などと妙な言葉遣いが混じる事が特徴。

最終更新:2012年03月27日 19:15

*1 長編なりちゃ[[狂気の姫君]]

*2 本来なら自らの持つ能力を他人にコピーさせる事ができるだけのルナリスの生体改造だが、彼はその能力を昇華させてしまった