「我らも神札が一枚。あなた達に一度だけ、我らを封印できるチャンスを設けることに致しました。・・・一週間後、我らの封印候補者『全員』をつれてこの洞窟の海上まできなさい。」
そしていよいよ海面にネレイデス100姉妹が現れる。
「私達100人の中に神札本体を宿した者がいます。」
「その寄り代を倒した者を我らの封印者とします。」
「一時間以内にそれが出来なかったら自分達は誰にも封印を委ねません。」
そして彼女達は更なる条件をつけてきた。それは「自分達はいわば自由を賭けている。だからそちらは
ヘレネス・ブックの存亡を賭けてもらう。」というものだった。
つまり制限時間内にネレイデス100姉妹を封印できなかったら、神札たちを封印する肝心要の媒体『ヘレネス・ブック』が無きものへとなってしまうのだ。
そうして、
ムーサとヘレネス・ブックを人質(?)にとられた状態でネレイデス100姉妹を狩る賭け事(トゾヨス)が始まった。
しかし傭兵側と一派側、どちらもおとなしく仲良くネレイデスだけを狙うわけがなく、すぐに互いを妨害しつつの激しいぶつかり合いが海上と上空で展開されていく。
そうして互いが力を消耗しきり、残り五分。ネレイデスの数も残り少なくなっていく。
30、20、10、5・・・・ラスト1。つまりその残り一人のネレイデスが神札本体だ。それに気付いた一行の猛攻がまっすぐに飛んでいく。
最後のネレイデスが倒された場所に現れたのは桃色の貝。それがネレイデス100姉妹の寄り代。これを破壊した者がネレイデスの所有者となるのだ。
――パキィィィンッ・・・・!!!!!
貝が砕ける音が驚くほど高らかに響いた。
静かに、光とともにネレイデスの神札が火牙のもとへ舞い降りてくる。
寄り代を破壊し、見事ネレイデスの封印者となったのは彼だった。
ネレイデスをモノにできなかったマリヴィン一派はすぐに逃走開始。
傭兵達はそれを追いかける気力は既になかったが、ひとまず敵陣にネレイデスの神札が渡らずに済んだことに安堵した。
ただ一人、自分の所属する組織再興の為に神札を一枚でも多く手に入れたい者を除いて。
最終更新:2013年12月02日 20:56