HYDE・0
- HYDE・0は最初、戦地に転がる石の影だった。
- 戦死者達の屍の影を舐めるように毎日這い回った。そのときHYDE・0は「人間の形」を覚えた。
- あるときHTYDE・0は、屍が握っていた魔導書に触れた。気の遠くなるような歳月をかけて、彼は「言葉と文字」を理解した。
- あるときHYDE・0は、屍の間から空を見ていた。太陽、星、雲、鳥、それらを眺めるうちに、彼は「自由」を思った。
- あるときHYDE・0は殺し合う者達を見ていた。そこで死にゆく者達を見て、彼は「楽しい」と思った。
- そしてHYDE・0は屍を一つずつ飲み込み、理解し、「もっと色んなものに触れたい」と思った。
- その頃にはHYDE・0は人の形をしたよく分からないものになっていた。
- HYDE・0は様々なものに触れ、飲み込み、楽しげに、ゆっくりと移動し始めた。
最終更新:2010年06月01日 00:29