"銀音"の叡智の書
地理の章
"忘れ去られた古の島"カズフォート
カズフォートはケルディオン大陸近海に浮かぶ島。
古い観測の記録によれば外周約400kmであり、小さくはないが決して大きいこともない。
古くよりこの島には独自の風土病である"蝕みの病"が発生していた。
さらに近海の複雑で激しい海流、奈落の出現によって島外からの大規模な援助は受けられない状況であったようだ。
それでも魔動機文明時代には"シルバーエッジ王国"を中心に目覚ましい発展を遂げ、島中を魔動列車が通っていた。
しかし"夜の再来"以降文明は衰退の一途を辿り、命知らずな冒険者と隣国"シシリス"からくる年に一度の"調査船"以外は島外の交流はほとんどない。
"港町"ルテチア
カズフォートに現存する唯一の港町。
調査船はここに寄港するため、必然的に島外の冒険者はここを冒険の拠点にすることになる。
内政は安定しており文明的。鍛冶屋、薬屋、道具屋など冒険に必要な施設は一通り揃っている。
また、街の領主である"狭霧ノ宮銀音月定"は優れた知恵と柔軟な思考を持っているため冒険者や軽度の"蝕み憑"にも友好的である。
"蛮族の街"グロウラ
"ルテチア"から東に行ったところにある大きな街。
蛮族大公"アルジェンタール"の領地であり、かつては人族にも友好的だったが、彼女が"夜の再来"で行方不明になってから蛮族が街を支配している。
それでも今の街の支配者である"テルミット"の睨みがきいているため中心部には人族の生活領域があり、ここで悪さをする愚か者はいない。
"機械都市"ダバダ
滅んだとされていた機械の都市。
近年の調査活動で現存が確認された。ルテチアから西に廃線路を辿れば辿り着く。
魔動機械の生産に特化した街ではあるが、街への本格的な調査活動が未だ成されていないため、詳しいことは不明。
組織の章
"王家"シルバーエッジ
魔動機文明時代初期にカズフォートの国家群をまとめ上げた王家。
カズフォートという国家群の頂点であり、カズフォートにおける唯一の王族。
英雄の血統と呼ばれその血筋は異常なほど武芸に秀でていたという。
四大公
カズフォートでシルバーエッジから叙勲された四つの名家。
"蝕み憑"が銀を恐れたことから、"銀"を意味する氏を持った。
叡智の大家"銀音"、武王の血統"シルヴェスター"、失われし秘蹟の"シルヴァリオ"、そして蛮族大公"アルジェンタール"。
しかし、現在明確に存続しているのは"銀音"のみになってしまったという。
蝕みの狩り手
"蝕み憑"を制するための集団。
シルハーエッジ及び四大公がその中核になったというが、資料が散逸してしまっている。
"蝕み憑"の研究をよく行っていたようで、唯一"銀音"の元に伝わる"蝕みの狩り手の戦闘記録"から"蝕み憑"の特徴がある程度判明したという。
"蛮族大公"アルジェンタール
人物の章"フランチェスカ"アルジェンタール""にて解説。
"叡智の大家"銀音
"銀音"は元々東から流れてきた流浪の民であったという。
いつからかカズフォートに根付き、叡智の大家として"四大公"に数えられている。
"銀音"は有力な名家が3家集まって当主を合議によって決定していた。
しかし、"夜の再来"でその多くはなくなり、現当主である狭霧ノ宮家以外はもう家が存続していない。
またその際に旧領土"叡智の街"を捨て、今のルテチアに移住している。
人物の章
狭霧ノ宮"銀音"月定
"ルテチア"の現領主にして銀音の当主の男性。エルフ。年齢は200に近いと言われるが、見た目は青年である。
温和で理知的な性格で、周囲からの信頼も篤い。また所々抜けている面もあるのが逆に好感が持てると評判。
非常に魔術的な理解力が高い一方で魔法適性は低い。冒険者よりも学者や魔法制作者に向いている。
ルテチアにおいて蝕み憑や冒険者の庇護者でもあり、彼らがルテチアで受け入れられているのは月定のおかげでもある。
フランチェスカ"アルジェンタール"
蛮族大公"アルジェンタール"その人。高位のノスフェラトゥであり、"夜の襲来"の時から生きている。
時の王アルフレッド・シルバーエッジとは好敵手であり戦友。
シルバーエッジ王家に忠誠を誓っており、その忠義の心は四大公随一とも。
なお、フランチェスカは四大公でただ一人代替わりをしていないので、"アルジェンタール"は実質彼女の名前になっている。
文化・事件の章
"蝕みの病"
古い時代からこの街に伝わる奇病。今まで治癒した記録はなく、神々からこの病に関して神託が下ったこともない。
現在分かっていることは"蝕みの病"は通常の生活をする上では人伝に感染するリスクは極少ない、機械生命には感染しない、植物には感染しないが動物や幻獣にも感染するということ。
また、蝕みの病はしばしば霧や瘴気と言った形で現れるという。
蛮族や魔神ですら感染するために、人族蛮族双方にとって大きな脅威であり、故にカズフォートでは理知的な人族や蛮族は協調路線を採っている。
"蝕み憑"
蝕みの病に冒された存在の総称。
蝕みの病に冒されると身体が徐々に黒く変色し、人智を越えた力を獲得する。
代償にその存在は本来持っていなかった器官が発生し、理性を失っていくことになる。
そのため蝕み憑は極めて凶暴で手に負えない存在になってしまう。
さらに厄介なことに蝕み憑は寿命という概念を喪失する。そして蝕み憑きから産まれた子供は例外なく蝕み憑となる。
このことは"蝕みの狩り手の戦闘記録"にあった情報であり、そして蝕みの狩り手という存在が作られた所以でもある。
なお、蝕み憑になると神の声が聞こえなくなる。故に蝕み憑は神に見捨てられた存在と言われることも多い。
銀
カズフォートの主要な産業。
島にはクルヴィクス山という山があり、そこはかつて大きな銀鉱山であった。
だが、銀は島にとって装飾品以上の明確な価値を持つ。
蝕み憑は理由は不明だが銀を恐れ、銀によって過剰な深手を負ったという。
故に銀はカズフォートでは聖なる金属と言われ、蝕みの狩り手は皆銀で武装したという。
尤も今ではクルヴィクス山は蝕み憑や蛮族の巣窟になり、銀の産出はされていない。
故にこの島にいる限り武具の銀加工は極めて難しく、蝕み憑への有効な対策とすることが出来ない状況だ。
夜
カズフォートにおいて夜は"蝕み憑"の隠語として忌み嫌われている。
その文化的なルーツがどこにあるのかは定かではない。
一般的には、蝕み憑の身体が黒く変色していることと、蝕みの病が瘴気となって現れる際、その色は決まって黒紫色だからといわれる。
どちらにせよ、夜がよい意味で使われることはカズフォートではほとんどなく、水商売に対してすら夜の職業などという言い方は忌避されている。
"夜の襲来"
"夜の襲来"は今からおよそ1300年前に起こった、蝕みの病の大流行である。
原因は不明だが、この事件によって人族蛮族含め多数の被害が出た。
時の王アルフレッド・シルバーエッジはその際人族蛮族問わず支援を行った。
その行為は予てよりの好敵手であったフランチェスカに感謝の念を以て受け入れられた。
以来"夜の再来"まで島では人族と蛮族が協力して蝕みの病の撲滅に動いていたという。
"夜の再来"
今からおよそ300年前に起こった蝕みの病の大流行。
こちらも原因は不明であり、しかも"夜の来襲"を上回る規模の大流行であったという。
この事件が原因でカズフォートの文化は暗黒時代を迎え、また島の北端部にある王都シルバーエッジ周辺を晴れることのない瘴気の霧が覆うようになった
最終更新:2019年04月29日 08:52