おぼうしをぶん投げて 27KB
現代 飼いゆっくり ぬるいじめ 『おぼうしをおいかけて』の続き
まりさは絶望の中にいた。
雨が降っていた。小雨程度のそれは、多くの生き物に「恵みの雨」と呼ばれるものだろう。
だが、ゆっくりにとっては違う。水に溶けるナマモノにとっては、この程度の雨でも致死
の毒だ。
それでも、まりさ種なら自慢のおぼうしでしのげたかもしれない。だが、このまりさは今、
おぼうしをかぶっていない。
「おぼうしぃ……おぼうしぃ……」
うめく言葉とのばす舌のわずか先に、まりさの大事なおぼうしはあった。普段ならひと跳
ねもすれば届く至近距離。しかし、いまのまりさにとっては無限の彼方だった。
まりさのあんよはうごかない。
ある男が戯れにまりさのおぼうしを奪い、投げた。まりさは必死に追ったが、まりさが追
いつくたびに男はおぼうしを投げた。それを繰り返すうちに、まりさは知らず知らずのう
ちに悪路へと導かれ、そしてあんよの機能は破壊されてしまったのだ。
もはやまりさは這いずることすらできない。
「おぼしぃ……おぼうしがあればゆっくりできるのにぃ……」
もはや雨に溶けるしかない絶望の中、しかしまりさはおぼうしに希望を見いだしていた。
おぼうしがあればゆっくりできる。
根拠のない、しかし純粋なその想いは、信仰にも似ていた。この状況、たとえおぼうしを
かぶったところで上からの雨は防げても足下にたまる水は防げない。動けないまりさには
死しかない。
だが、それでも。
それでもまりさは、おぼうしが欲しかったのだ。
ゆっくりというナマモノの生には、不幸な必然はあふれかえっていても、しあわせな奇跡
は存在しない。
まりさの悲惨な最後もまた、ゆっくりにはありふれたもの。
だが。
「だいじょうぶ?」
突然、まりさを打つ雨がやんだ。
「……ゆぅ……?」
まりさが見上げるると、そこには優しげに、まりさを心配する顔があった。
まりさの知らないおねえさんがいた。その手に持つ傘が、まりさに降りそそぐ雨を遮って
くれているのだ。
「ねえ、まりさ。あなた、わたしの飼いゆっくりにならない?」
それはまりさの切望していたこと。
突然の問いかけに、まりさの餡子脳は混乱することすらできず、ただ願望を口にさせた。
「なりたいよ……だから……」
再び、まりさは舌をのばす。前へ、前へと。
「だから……おぼうし、かぶせてね……」
おねえさんはにっこりうなずくと、まりさのおぼうしを拾うと水を軽く払い、まりさにか
ぶせてあげた。
「ゆぅ……ゆっくり……していってね……」
そして、まりさは気を失った。
ゆっくりというナマモノの生には、不幸な必然はあふれかえっていても、しあわせな奇跡
は存在しない。
だからこの出会いはきっと、神様の気まぐれか、さもなければ運命だったのだろう。
おぼうしをぶん投げて
「ゆっぎゃあああああ!」
まりさとおねえさんの飼いゆっくり生活は、まずはまりさの悲鳴によって彩られた。
「こらまりさ、我慢して!」
「やべでええええ! いだいいだいいだいいいいい!」
・
・
・
雨の中の出逢い。あの後、まりさはおねえさんのアパートまで運ばれた。濡れた身体をド
ライヤーで乾かしてもらい、ひと心地ついたとき。
「まりさ……あなた、ちょっと汚いわね?」
「ゆ、ゆゆう!?」
まりさは元飼いゆっくりだった。人間の都合で野良となって数ヶ月。身体はすっかり汚れ
てしまった。
「濡れて乾かして、また濡れるってのも忙しいけど、まずはきれいにしないとね」
まりさとしても綺麗になれるなら歓迎だ。それはゆっくりできることだ。
そうして、まりさはおふろばにつれてこられた。
最初はよかった。髪の毛をシャンプーしてもらうのは気持ちよかったし、身体を石鹸の泡
できれいにしてもらうのはくすぐったくも心地よい感触だった。
だが、ここで問題が発生した。
「どうしても汚れが落ちないわね」
「ゆうう……」
通常、野良のゆっくりのよごれというのは簡単に落ちない。常に地べたをはいずらざるを
えないゆっくりは、都会の排気ガスや埃を皮の随までしみこませてしまう。
「でも、ゆっくりの本を読んで落とし方はしっているわ」
「ゆうう! それならまりさ、きれいになりたいよ! きれいになって、おねえさんをゆ
っくりさせてあげたいよ!」
「ふふ! いい子ね、まりさ。でもちょっと大変よ。まりさに耐えられるかな?」
「まりさはのらでがんばってきたよ! かいゆっくりになるためなら、つらいこともがま
んできるよ!」
「えらい! よく言ったわ!」
そして、まりさの洗浄が始められたのだが……。
結論から言えば、まりさは耐えられなかった。それであの悲鳴である。
「だめかー。まりさ、そんなに痛い?」
「ゆううううう! いだい、いだいよおおおおおお!」
「うーん。ま、そりゃそっか」
野良の汚れは皮の随までしみこんでいる。それを綺麗にするにはどうするか?
答えはシンプルだ。よごれた皮ごと削り落とす。これに尽きる。
おねえさんの手にあるのは台所で洗い物に使うスポンジだ。それも頑固な油汚れを落とす
ための、目の粗いものだ。これでこすって汚れのついた皮を削ったのである。乱暴なよう
だが、ゆっくりは皮が削れても小麦粉とオレンジジュースで簡単に治療できる。必要なら
愛ゆ家だってやる一般的な方法なのだ。
もっとも、その痛みに耐えられるゆっくりは少ない。
ゆっくりには耳と鼻がない。全身の皮で音を聴き、においをかぐ。すなわち触覚・聴覚・
嗅覚すべてが全身に張り巡らされているのだ。
ゆっくりが痛みに弱い理由もここにある。ちょっとした切り傷でも、ゆっくりにとっては
三つの感覚器を少しずつ削り取られることを意味する。しかも傷口を全身の皮で意識する
ことになるのだ。触覚で痛みを感じ、聴覚で傷口の裂ける音、餡子の漏れる音を聴き、嗅
覚で身体から漏れでる餡子のにおいをかぐことになる。三つの感覚で相乗された痛みとは
どれほどのものだろう。
ゆっくりの研究家の中には「ゆっくりの痛みは人間には想像し得ない未知の領域」と語る
ものまでいるくらいだ。
だから、まりさが痛みに負けるのも無理はないと言えるだろう。
「じゃあ仕方ないわね。やめましょうか」
「ゆゆっ……!」
おねえさんのやさしい言葉。だが、まりさは迷う。
がまんしないと綺麗になれない。綺麗になれないとおねえさんをゆっくりさせてあげられ
ない。そうしたら……また、野良に戻ってしまうことになるかもしれない。
「おねえさん……まりさ、やるよ……!」
「え?」
「まりさ、がまんするよ。だからまりさをきれいにして……!」
まりさの目には決意がみなぎっていた。
「まりさ……あんたを拾ってよかったわ! よし、いくわよ!」
そして、おねえさんは心を鬼にしてまりさをこすり始めた。
「ゆっぎゃああああああああ! いぢゃい、いぢゃい、いぢゃいいいいい!」
決意はあっても、悲鳴はこらえられない。
「やっぱりやめる?」
「ゆうううう、やめない! やめないよ! まりさがんばるよおおお!」
「よーし、じゃあ手加減しないで一気にやっちゃうわよ。早く終わった方がいいでしょ。
そりゃー!」
「ゆっぎゃああああああああ!」
まりさは存分に悲鳴を上げた。
しかし一度も「やめて」とは言わなかった。
・
・
・
「ゆうう……」
無限に続くと思われた痛みも、実際にはほんの数分程度だった。だが、まりさが疲弊しき
るには十分だった。
「まりさ、よくがんばったわね。もう痛いのはおしまいよ」
続いておねえさんが用意したのは小麦粉を多めに溶かした特製オレンジジュースとハケ、
そしてドライヤー。
「さ、まりさ。なおしてあげるからね」
ハケで丁寧に特製オレンジジュースを塗り、出力を弱めたドライヤーで丹念に乾かしていく。
「ゆうう……ぺたぺたして、ぽかぽかして……ゆっくりできるよお……」
全身くまなく特製オレンジジュースが塗られた。痛んだ底面には特に念入りに塗り込まれ
た。
「さ、傷はおおむねふさがったわ。それじゃ、栄養とらなきゃね」
「ゆ……ごはん……」
「あ、むーしゃむーしゃはしなくていいわよ。口を大きく開けると、傷口に悪いからね。
口をちょっと開けて?」
「ゆ、ゆゆ?」
まりさの口の中に入り込んできたのは、ほ乳瓶の口だった。
「さ、吸って」
「ちゅーぱ、ちゅーぱ……し、しあわせー!」
ほ乳瓶の中身は人肌に暖められたほっとジュースだ。ゆっくりにとってはこれ以上ない滋
養だろう。
まりさはむさぼるように吸い、あっと言う間に飲み尽くした。
「さ、あとはゆっくりお眠りなさい」
「ゆ、おねえさん……まりさのおぼうしは……?」
「あそこよ、ほら」
おねえさんの指さすほう、洗濯バサミで止められ干されるまりさのおぼうしがあった。こ
ちらも洗濯されたのだろう、汚れはすっかり落ちていた。
「ゆうう……まりさのおぼうしさん、とってもゆっくりしてるよお……おねえさん、あり
がとう……」
「まだ乾いてないから、かぶるのは明日までがまんしてなさい。ね?」
「ゆう……すぴー」
「あら、見たとたんに寝ちゃった。おぼうしを見て安心したのかしら。ふふ、そんなにお
ぼうし、大事なんだ」
おねえさんのほほえみに見守られ、まりさは野良の頃には得られなかった最高のゆっくり
の中、眠りについた。
それからまりさにとって夢のような生活が始まった。
まりさの傷は完治した。削られた皮はもちろん、あんよの傷も思ったほど深くなく、前と
同じように歩けるようになった。
おねえさんは優しかった。
しつけの時はきちんと厳しく言うが、普段は穏やかにほほえみ、まりさのことをとてもゆ
っくりさせてくれた。
それに、そもそもまりさはしかられるようなことをほとんどしなかった。生活に慣れるま
では勝手が分からず失敗もあったが、元々まりさはペットショップで躾られたれっきとし
た飼いゆっくりだったのだ。飼い主の都合で不幸にも野良の身に堕ちたが、幸運にも飼い
ゆっくりとして守るべきことを忘れていなかった。
ただひとつ、バッジがないことだけが悲しかった。飼いゆっくりだった頃は銀バッジをつ
けていたが、捨てられたときに取られてしまった。まりさのおぼうしを投げて投げて投げ
抜いてまりさのあんよを破壊した男に「これはすごいバッジだ」ともらったバッジがあっ
たが、それはただの景品だった。それがわかったとき、まりさはとても悲しんだ。
だが、バッジがなくてもかまわなかった。まりさは基本的に外にでようとしなかった。家
の中にいる分にはバッジがなくてもなんの問題もない。
普通のゆっくりは、孤独を嫌う。時に孤独が高じて野良を招き入れて不幸に見舞われるこ
ともある。
だがこのまりさは違った。日中おねえさんは仕事でいないが、それでもさびしいとは思わ
なかった。
人間の家の中にこそゆっくりがある――それが厳しい野良生活を通じてまりさが学んだこ
とだった。仲間のいるゆっくりより安全で快適な家の中でのゆっくりを望んだ。
だが、そんなまりさに転機が訪れた。
「まりさ、銀バッジ獲得おめでとーっ!」
「ゆうう、ほんとう? ほんとうにまりさ、ぎんばっじさんもらえるの?」
「本当よ、まりさ! ほら、みなさいこの輝く銀バッジ!」
まりさは銀バッジを獲得した。基本的な躾ができていたこと、なによりその善良さが評価
された。野良を経験したゆっくりとしては最高の栄誉ともいえる銀バッジ。
さっそくおねえさんにつけてもらった。おぼうしを通して銀バッジの重さを感じる。心地
よい重みだった。
まりさは今まさに、幸せのてっぺんにいると思った。
だが。まりさのしあわせはそれにとどまらなかった。
「まりさ! 銀バッジ獲得記念に、プレゼント買ってきたわよ!」
「ゆうう、ぷれぜんと!?」
「そう! じゃーん! これよこれ!」
おねえさんが取り出したのは、ひらひらとした布だった。黒いパンツのような生地。それ
を、ヒラヒラした白く縁取られたフリルが飾っている。
「ゆうう……なんだかとってもゆっくりしたぬのさんだよ……!」
「布さん、じゃないわ。これはゆっくり用の『お洋服』よ!」
「ゆゆ? おようふく?」
さっそくまりさはその『お洋服』を着ることになった。わけのわかるままあれよあれよと
いうまに布を着せされ、姿見の前に立たされた。
「まりさ、似合ってるわよ!」
「ゆううう……まりさ、すごくゆっくしてるよおおおおお……!」
鏡の中にはとてもゆっくりしたゆっくりがいた。
ピンととがった漆黒の魔女帽子に白のリボン。輝く白銀のバッジ。
もちもちふっくらとした健康的なお肌。大粒のきらめく宝石みたいな瞳。
そして、『お洋服』。
まりさの口の下を優しくつつむ、帽子とマッチするゆっくりとした黒。白く縁取られたヒ
ラヒラふわふわのフリルが、華やかかつ上品に彩っている。
まりさは自分の目を疑った。自分のおぼうしがなかったら、鏡のなかのゆっくりを自分だ
とは思えなかっただろう。
「ゆうう……ゆっくり! ゆっくりしていってね!」
もうまりさのしあわせもゆっくりも興奮も最高潮。
すると、まりさは大変なことに気がついた。
「お、おねえさん、たいへんだよ! まりさのおようふくぬがしてね!」
「え? どうしたのよまりさ? 着たばっかりじゃない。もしかして気に入らなかったの?」
「ちがうの! ちがうのお! おようふくはとってもゆっくりしてるよ! だからだめな
のお!」
「え?」
「まりさ、まりさ! ……うれしーしーでちゃう!」
まりさは顔全部を――すなわち全身を真っ赤にして言った。
うれしーしー。ゆっくりの中には子供の頃、うれしさのあまりしーしーをしてしまうこと
がある。まりさは感激のあまり、とっくの昔に卒業したはずのそれに目覚めてしまったの
だ。
真っ赤なままあわてふためくまりさ。だが、おねえさんは余裕の笑みだ。
おねえさんはまりさをゆっくり用のおトイレにつれていくと、
「まりさ。服の端をおくちでくわえて、上におもいっきり引っ張ってみなさい」
「ゆ? ゆーん!」
まりさが引くと、『お洋服』は延びた。そして、中央から割れた。
従来のゆっくり用のお洋服には大きな欠点があった。ゆっくりを着飾るのはいいとして、
ゆっくりひとりでは脱ぐことも着ることもできず、用も足せないかった。ところがこの
『お洋服』では欠点のひとつが改善されていた。
中央にあらかじめ割れ目が入っているのだ。その構造はちょうど男性用のブリーフに近い。
今まりさがやったように上の端を引っ張ると、ゆっくりの身体の曲面にあわせて割れ目が
広がり、しーしーやうんうんが可能になるのである。
かくして、まりさは無事ひとりでしーしーができたのであった。
「まりさ、しーしーひとりでできたよ! できたよ!」
「ふふ、まりさったらあかちゃんみたい」
「ゆゆ~ん」
まりさは恥ずかしげに身をくねらせた。だがその顔に浮かぶのは笑顔だ。
今。今こそが間違いなく、まりさのゆん生最高の瞬間だった。
「まりさ。バッジも付けたし、お洋服も着た。もう完璧ね。明日はおでかけよ!」
「ゆ! おでかけ! おそと!」
「ひさしぶりだもんね、うれしい!」
「おねえさんありがとう! まりさとってもうれしいよ!」
まりさはもう、このうれしさを、しあわせを、どう表現していいかわからなかった。
だから、餡子に刻まれた本能に従って叫んだ。
「ゆっくりしていってね!」
・
・
・
「ゆんゆんゆ~ん♪ おそと~♪ おさんぽ~♪ ゆっくりゆっくり~♪」
「まりさ、ご機嫌ね」
「ゆ! おねえさんもゆっくりしていってね!」
「はいはい、ゆっくりゆっくり」
まりさは今、おねえさんの持つバスケットに乗せられ、公園までの道を揺られていた。バ
スケットの中にはまりさのほかにもおやつなども入っている。久しぶりに外にでられるば
かりではなく、ゆっくりできるものが近くにあることもまりさがご機嫌な理由だった。
だが、すこしだけ気になることもあった。
「ねえおねえさん? おもくない? まりさ、あるくよ!」
道中何度もまりさはそう問いかけていた。
まりさはバスケットボール大の成体ゆっくりだ。それ以外にも荷物が入っているとなれば、
バスケットはかなりの重量のはずだ。
「だから大丈夫だって。おねえさん、こう見えても学生の頃けっこう鍛えてたのよ。それ
に……ほら! もうついた!」
「ゆうう!」
大きな自然公園の一角。芝生の敷き詰められた広場だった。おねえさんのほかにもゆっく
りと遊ぶ人たちの姿もあった。
みんな楽しそうだった。ゆっくりしているように見えた。
「おねえさん! ゆっくり! ゆっくり!」
「はいはいあわてない。ほら、おろしてあげるわ」
おねえさんに下ろされ、まりさは飛び跳ねた。久しぶりの外。空はどこまで青くてひろく
て、太陽は暖かだった。
まりさはおうちの中の平穏が好きだ。だが、それでもゆっくりはゆっくり。時には広い場
所で遊び回りたい。
まりさはこらえきれないといったように、おねえさんのまわりを跳ね回った。
「おねえさん! ゆっくり! とってもゆっくりしてるよ!」
「ふふ、よかったわね。調子はどう?」
「ゆ! なんだかまりさ、とってもげんきにうごけるの! こんなにはやくとべるよ!」
まりさはぽーんぽーんと、ゆっくり基準としてはなかなかの速さで跳ねた。
「ああ、それはきっとお洋服のおかげよ。あんよのところがゆっくりの皮よりグリップが
よくなるように加工してあるの」
「ゆ? ぐりっぷ?」
「かけっこしやすくなってるってことよ。走りやすくなってるのはもちろん、一日中かけ
っこしたってあんよが破けたりしないわ。今日は思う存分走り回るといいわ!」
「ゆっくりーっ!」
まりさは楽しくてたまらなくなった。
今日はなにをして遊ぼう? 次から次へと楽しい考えが思い浮かんでくる。餡子脳は楽し
さでいっぱいになってしまって、どの遊びをしていいか決められそうにない。
だから、おねえさんに決めてもらうことにした。
「おねえさん、なにしてあそぼうかっ!?」
まりさはとてもとてもしあわせだった。
だから、
「おぼうし投げ」
おねえさんの言葉を、どこかゆっくりできないその響きを……しあわせに満たされた餡子
脳は理解することを拒絶した。
「ゆ……おぼうし……ゆゆ?」
「ほーらまりさ、いっくわよー!」
いつもの優しい声で。いつも以上の楽しそうな笑顔のままで。
おねえさんはまりさのおぼうしを奪い去り、フリスビーのように投げた。
「ゆううあああ!? まりさのおぼうしがああああああ!?」
あわてて追いかける。『お洋服』のおかげでいつも以上の速さで跳ねられるが、その爽快
感を味わう余裕などない。
おぼうし。なによりも大切なおぼうし。銀バッジをつけてその大切さの重みを増した、か
けがえのない大事なおぼうし。
それが今や、まりさのおつむを離れて飛び、芝生の上に落ちてしまっている。
幸い汚れていない。まりさはほっと一息吐くと、おぼうしをかぶりおねえさんの元に戻っ
た。
「おねえさんどうしてこんなこと……」
「はーい、もういっかい!」
「ゆううう!?」
まりさが問いかける暇もなく、再びおぼうしは投げられてしまう。
おぼうしを取りに行く。戻ってくる。おねえさんに投げれる。
そんなやりとりを三回繰り返し、ゆっくりに数えられない四回目に達したとき。
ようやくまりさはおねえさんの元に戻るのをやめた。おねえさんの前、手の届かない位置
で踏みとどまる。
「どうしたの、まりさ? おぼうし投げ、続けましょう?」
おねえさんはいつもと変わらなかった。やわらかな笑顔、優しい声。なにひとつかわらな
い。だからまりさにはわからなかった。
「どうして……」
「ん?」
「どぼじでごんなごどずるのおおおおお!? まりざのごど、ぎらいになっぢゃっだのお
おおお?」
不安を吐き出すように、まりさは絶叫した。気づけば涙があふれていた。訳が分からなか
ったが、悔しくて、悲しかった。
おねえさんは、ふ、と一息吐くと、諭すようにまりさに語りかけた。
「嫌いになんてならないわ。まりさのこと、大好きよ」
「それならどうして……」
「まりさがむーしゃむーしゃしてるのが好き。かわいいもの。まりさが『ゆっくりしてい
ってね』って言ってくれるのが好き。心が和むもの。まりさの寝顔が好き。無垢で愛らし
いもの。でも……」
おねえさんは、満面の笑顔で言った。
「おぼうしを追いかけて、これいじょうないってくらい必死になってるまりさが、一番好
き」
まりさはわからなかった。おねえさんがなにを言っているのか、そしてこれからなにを言
おうとしているのか。
「まりさ。あなたと会ったあの日。わたしは『雨が降る前から』あなたのことを見ていた
わ」
まりさとおねえさんが出会った日。
雨が降る前、まりさは必死だった。男におぼうしを投げられ、死力を尽くして追いかけて
いた。
おねえさんはそれを見ていた。いや、止めもせず、傍観していたというのだ。
「わたし、昔はスポーツをやっていたの。でも、根性がなくて挫折しちゃってね。だから、
がんばっているひとが好き。わたしがあきらめて失ってしまった、夢。それを追いかけて
いるひたむきな瞳が好き。がんばっているひとの顔が大好き。だからね、まりさ? ゆっ
くり相手に変な話だけど、わたしはあの日、あなたに一目惚れしちゃったの」
確かにまりさは必死だった。おぼうしはたいせつだ。おぼうしを投げられると、自分の大
切なものなにもかも投げ捨てられるような気がして、二度とゆっくりできなくなるような
気がして。
だから、がんばった。あんよが傷つくのも全く気にならないぐらい、誰よりもなによりも
がんばった。
「まりさ、大好きなまりさ。おうちに住ませてあげる。ごはんもあげる。寝床もあげる。
髪も梳いてあげる。大切にしてあげる。だから、ねえ、まりさ。ひとつだけわたしのわが
ままを聞いて」
おねえさんの笑みが深くなった。
「お願い、まりさ。わたしを楽しませて」
ゆっくりというナマモノの生には、不幸な必然はあふれかえっていても、しあわせな奇跡
は存在しない。
まりさとおねえさんの出会い。それは幸運でも奇跡でもなく、ただの必然。
まりさはおぼうしをなによりも大事にしている。だから、そのおぼうしでもてあそばれる
ために、まりさはおねえさんと出会ったのだ。
「ゆわあああああああ!」
まりさは叫んだ。得体の知れないゆっくりできない感覚に全身を打たれ、全力で逃げ出し
た。
だが、お洋服で少々早くなったところで所詮ゆっくりのあんよ。人間の足にはかなうわけ
がない。
「ほおらまりさ、つーかまーえた!」
「ゆうう!」
「そーれ、とんでけー!」
おぼうしを投げられては、まりさは追う以外に手がない。おぼうしをみすてて逃げるなど、
そんな選択肢はまりさの餡子脳の中には存在しない。
そしてそもそも、まりさのあんよではおねえさんから逃れられない。
まりさは為すすべもなく、おぼうしに奪われ投げられ、それを追いかける。おぼうしの落
ちた場所にたどり着いたらすぐに奪われ……それがどうしようもなく繰り返された。
あの日のようにあんよが破ける心配はない。おねえさんのくれた『お洋服』は、実にがっ
ちりまりさのあんよを守ってくれた。おねえさんが『お洋服』をまりさにプレゼントした
のはお祝いのためだけではない。この「おぼうし投げ」を存分に楽しむためでもあったの
だ。
「よーし、こんどは高ーく高くなげちゃうわよ! それーっ!」
「ゆううう!」
「あー、風に乗っちゃったなあ……これはおねえさんにもどこに落ちるかわからないなあ
……とんでもない場所にいっちゃうかもね?」
「ゆうう! ゆぐう! ゆぐぐぐぐぐう!」
おねえさんの煽りに心を揺らしながら、それでもまりさはひたむきにおぼうしを見つめ続
ける。そうするしかない。おぼうしは、絶対にあきらめられない大切なものなのだ。
「いい、いいわまりさ。絶望してるのに、ひとかけらの希望を決して失わないその瞳……
すてき!」
こうして、まりさのゆっくりに満ちた生活は終わりを告げた。
だが、まりさは不幸になったとも言えない。
平日はごくあたりまえの飼いゆっくりとして、十分すぎるほど満ち足りた生活を送ること
ができる。おねえさんは日中仕事にでているが、食べ物に困ることも寒さや暑さにさいな
まれることはない。命の危険はない。ゆっくりできる。
しかし、休日は違った。おねえさんは毎週のようにまりさを連れ出し、公園で「おぼうし
投げ」を楽しんだ。最近はおねえさんのあまりに楽しそうな様子にひかれて、ほかの飼い
主もおぼうし投げを楽しむようになった。
「ゆあああ! まりさのおぼうしがあああ!」
「おぼうしぃ! おぼうしぃ!」
「おぼうしがないとゆっくりできないいいい!」
公園に響き渡る悲痛な声の中、まりさ自身も同じような声を上げ、ただひたすらにおぼう
しを追いかけた。
一週間のうち、ゆっくりできないのは一日だけ。それがかえってまりさを苦しめた。餡子
脳の悲しさと言うべきか。なまじゆっくりできる時間が長いため、いつまでもおぼうしを
奪われる苦痛に慣れることができなかったのだ。
だが、ゆっくりできない思いはまりさも知らない間にたまっていき……そしてある日、変
化が訪れた。
・
・
・
「さあ! 今日もおぼうし投げよ!」
意気揚々とまりさからおぼうしを奪おうとするおねえさん。まりさはもあきらめてしまっ
て抵抗しない。だが、おぼうしを投げられればすぐに必死になる。
ところが、今日は少し違うようだ。
「? ちょっとまりさ、おぼうしはなしなさいよ」
「ゆ? まりさ、おぼうしくわえてないよ」
以前おぼうしをくわえて抵抗したことはあったが、あっさりと奪われた。人間とゆっくり
の力の差は歴然なのだ。それ以来、まりさは抵抗していない。
そもそもおぼうしをくわえていたらこうして受け答えができるはずもない。
「でもはずれないわよ。変な風にはまりこんじゃたのかしら。よいしょ!」
「ゆぎいいいいい! いぢゃいいいいいい!」
おねえさんがおぼうしを強く引くと、まりさが痛がり出す。
あまりの痛がりようにおねえさんは不思議に思い、おぼうしとまりさの根本を調べた。
「やだ……おぼうしと頭皮が完全にくっついちゃってる! これじゃまるで生まれる前の
赤ゆっくりじゃない!」
まりさ種が植物型にんっしんした場合、生まれ落ちるまでおぼうしと身体は一体化してい
る。誕生して始めておぼうしと頭が分かれるのだ。それは双子が生まれる様に似ていた。
まりさがおぼうしを大事にする理由とする説もある。
人間でも、極度のストレスのあまり精神が幼児退行することがある。思いこみのナマモノ、
ゆっくり。まりさは毎週与えられるストレスに対し、身体が部分的に幼児退行――いや、
胎児退行したのだ。まったくもっていい加減なナマモノであった。
「これじゃ、おぼうし投げは無理かあ」
「おねえさん……」
「な、なによまりさ。どうしてあんたが落ち込んだ顔してるのよ?」
「まりさ……さよならしなくちゃいけない?」
「え?」
「おぼうしなげができないまりさは、いらない……?」
まりさにとって、おぼうし投げはゆっくりできないことだ。だが、それをすることでおね
えさんがすごくゆっくりできることは知っていた。
だから、おぼうし投げができなくなった自分は、また捨てられてしまうのではないか――
そう思ったのだ。
「……バカね。まりさ、わたしはあなたのことが好きよ。大好き。捨てられるわけないじ
ゃない」
「でも……」
「よし! 今日はおぼうし投げはやめて、この木の枝を使って遊びましょ! おぼうし投
げならぬお棒投げよ! ほーら、とってきなさーい!」
「ゆー!」
そして、まりさとおねえさんは夕方まで遊んで過ごした。まりさにとっては初めて外でお
ねえさんとゆっくりできた時間だった。
おねえさんも笑ってくれた。でも、今までほど楽しそうではなかった。
でも。
まりさは安心していた。これでもうゆっくりできないことはなくなった。これからは休み
の日を恐れることはない。ずっとずっと、ゆっくりすることができる。そう思った。
だが、そううまくはいかなかった。
次の日からおねえさんは帰りが遅くなるようになった。帰ってきてもグッタリして、あま
りまりさの相手ができなかった。休みの日も出かけてしまい、まりさはおるすばんだった。
「おねえさん、きっとおしごとがいそがしいんだね……」
まりさはあきらめなかった。きっとまた、ゆっくりできるようになる。それまでは、疲れ
て帰ってくるおねえさんをゆっくりさせることに全力を尽くそう……そう決心し、おねえ
さんにゆっくりをふりまいた。
そんな日々が、一ヶ月ほど続いた。
・
・
・
「ゆ! おねえさん、ひさしぶりのこうえんだね!」
「そうね。一ヶ月ぶりかあ」
「おねえさんがゆっくりできるようになってよかったよ!」
「ええ。最近ちょっと大変だったけど、今日こそはゆっくりするわ」
一人と一匹は公園に来ていた。最近忙しかったおねえさんも今日はようやく暇がとれたら
しい。おねえさんといっぱい遊ぼう、そしていっぱいゆっくりしてもらおう……まりさは
決意と希望に燃えていた。
「おねえさん、なにしてあそぼうかっ!?」
元気に問いかけると、おねえさんはにっこりわらって答えた。
「おぼうし投げ」
まりさの笑顔が固まった。
何を言っているのか理解できなかった。
そんなまりさに委細かまわず、おねえさんはまりさのおぼうしをつかむとそのまま持ち上
げた。
「いぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃ! おねえさん、いたいよおおおお!」
「てええええりゃあああああああああ!」
まりさの抗議も全く無視。
それどころかまりさが今まで聞いたことのない雄叫びを上げてまりさを思い切りぶん投げ
た。
「ゆううううううううううう!?」
円盤投げに似た綺麗なフォームだった。
投げられたまりさは水平に回転しながら、地面すれすれをぶっ飛んでいく。
「ゆわわわわわわああああああああ!」
ゆっくり特有の「おそらをとんでいるみたい」なんて言葉を吐く余裕などどこにもない。
回転する視界の中、なにもかもがゆっくりせずに吹き飛んでいく。
そうしてまりさは数メートル飛び、ようやく芝生の上に降り立った。
だが。
「ゆわあ!? ゆびぃ!? ゆぶうううう!?」
与えられた速度と回転は、一回の着地で消化仕切れるものではなかった。まりさは川を跳
ねて飛ぶ石切りの石のように、芝生の上を二度跳ね、三度めでようやく止まった。
「ゆはあーっ、ゆはーっ、ゆはーっ……」
何もかもがあまりに早すぎて、まりさは自分が何をされたのかすら理解できなかった。た
だひどくゆっくりできない経験をしたという実感だけを抱え、まりさは荒い息を吐く。動
くことなど考えられなかった。
「どう、まりさ? 新しいおぼうし投げの感想は?」
気づけば、おねえさんが近くまで歩いてきていた。
「ゆ、おねえさん……」
「わたし、考えたの。おぼうしを投げられなくなって、どうすればいいかって……」
「おね、おね、おねえさん……?」
「考えたら簡単なのに、なまった身体を鍛えなおして投げるフォームを考えるのに一ヶ月
もかかっちゃった。でも、その甲斐はあったわ……!」
「おねえさん、まりさになにをしたのおおおお!?」
「簡単なことよ! おぼうしだけ投げられなければ、おぼうしごとまりさをなげればいい
じゃない!」
「ゆううううううう!?」
あまりにも単純なこたえだった。
おぼうしがとれなくなった。だったら、まりさごと投げればいい。
だが、その実現には様々な計画と準備で為されている。きちんとフォームを考え、まりさ
が大けがしなように低い弾道にすることも忘れない。そのための身体づくりに時間をかけ
るなど、女性らしいじつにきめ細かな気遣いだ。
だがその理屈は破綻していた。そもそもおねえさんの目的はまりさの必死な顔を見ること
だったのだ。そのまりさを投げたのでは必死な顔もなにもあったものではない。
だが、おねえさんの顔に迷いはない。
「ありがとうまりさ! わたし、スポーツの夢に破れて、ひとのがんばる姿を見ることで
虚しさを埋めてた! でも、自分ががんばる楽しさを思い出せたのよ! あなたのおかげ
よ、まりさ!」
「おねえさんなにいってるのおおおお!?」
手段が目的と化していた。
だが、これはこれでいいのかもしれない。
いっぴきのゆっくりが不幸になり、一人の人間が幸せを見いだした。とても素晴らしいこ
とだ。実に効率のいい計算式がここに成立したのだ。
「そういうわけでまりさ! もうひと投げいくわよおおおお!」
「どういうわけなのおおおおお!?」
「どおおおおおおりゃあああああああ!」
「ゆううううううううううううううう!?」
こうして、おねえさんは真のゆっくりを得て、まりさは飼いゆっくりとして飼い主の役に
立てるようになった。
後に、この「おぼうし投げ」改め「まりさ投げ」は口コミで全国に伝わり、空前のブーム
を生むことになる。
その第一回全国大会をまりさとおねえさんが征することになるのだが、それはまた別の物
語である。
「もういっちょいくわよおおおお! せえええりゃああああ!」
「ゆわあああああああああああああああああああああああああ!」
了
by触発あき
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- ↓もしかしてナカーマ?
俺はニュースでたまに映る容疑者の顔が時々ゆっくりに見えてしまうぞ。
-- 2014-08-02 12:05:32
- 人間で言えば髪を掴まれてブン投げられてるといったとこでしょうか… その逆にゆっくりに例えれば…と考える癖がついたせいで映画やマンガで怪我をしたり人が死んだりするシーンとかでは笑ってしまいます。 ゆ虐のハマり過ぎ注意ですね… -- 2014-03-12 23:44:18
- お姉さん可愛い!
反論さんはかっこよすぎ
(*´∀`*) -- 2014-01-13 13:56:08
- お姉さん可愛い(´∀`*)♭
ゆ虐もゆ愛も好きな自分にはとってもゆっくり出来るSSでした!
やっぱり、触発さんの作品が一番好きです。
あと、下の自慰野郎黙れ
そして反論さんに惚れたわww -- 2013-08-08 02:17:39
- オナニー野郎への反論格好良杉ワロタwww -- 2013-03-30 16:56:51
- お姉さんwwwwwwwwwww Sなのか?天然なのか? -- 2012-07-12 17:38:55
- とてもゆっくりできたよ!
-- 2011-10-13 20:22:09
- ちぇんなら尻尾を掴んでハンマー投げみたいな競技が出来そうだね
あとこの作品自体は俺的には可もなく不可もなくといった感じだったけど↓↓↓の反論コメで最終的にゆっくりできたよ!ありがとう! -- 2011-04-09 21:42:33
- ↓↓↓とんだオナニー野郎だ。まさに餡子能。何様のつもりでコメントしてんだか。
↓↓の人、俺もあんたの反論ですっきりした。本当にありがとう。 -- 2011-01-23 05:41:45
- ↓気持ちはものすごく分かるが、そういう自慰野郎に何言っても無駄だよ…。スレが自分だけのためにあるべき物と思いこんでる奴等だからな…。それはもう、ゆっくりのおやさい並に。
そんな馬鹿に構うだけ時間と労力の無駄だよ。無視するに限る。
けどあんたの反論コメントでちょっとすっきりしたよ。ありがとう。長文お疲れさん。 -- 2011-01-22 14:30:17
- ↓あんたこそやっちゃいましたね。おこがましいにも程があると分かっているなら最初から黙ってろって話だよ。前作に満足したなら何故愛でにシフトした続編なんぞ読んだんだ。
被害者面して悲しい悲しいとほざいてらっしゃるけどね、そもそも注意書きにあるぬるいじめ、愛で等の警告ワードから、まりさ幸福アナザーエンドのSSだということは容易に推測できるはずだ。
注意書きを見て筋書きや内容が自分の嗜好に合わないなら読まないこと。もし万が一読んでしまって不愉快な気分になったとしても、それは読者として当然すべき自衛を怠った自分自身に全責任があるわけだからSSに自分の嗜好を押し付けての批判だけはしないこと。
この二つってゆっくりSS読者として最低限の義務でありマナーだと思うよ。
このコメント欄を見渡せばわかる通り、コメントした人たちは皆このSSに満足している。なぜなら、彼らは注意書きを読んだ上で、自分はこのSSを楽しめる、と判断して読んだからだ。
ところがあんたは義務を満たさず注意書きすらも完全に無視して、何をトチ狂ったのか愛でSSに向かって虐待でないことを咎めるような的外れな批判や、この触発はいけなかっただの台無しだのと他人を不快にさせることばかり書いている。しかも自己陶酔のあまりに、自分が場をわきまえず不愉快をばらまいていることにすら気付いていない。
あんたのコメントはあんたの自己陶酔を満たすため以外に、このSSを楽しく読めた人達を著しく不愉快にさせる存在意義しか持ってない。
できれば消してほしいけど、ここのコメントを消す方法は俺には分からないから、それができないならせめて、最低限の義務とマナーを守らずに好き勝手にSSを批判して他の読者さん達を不愉快にしていることについて謝罪してほしい。
そしてこれからは最低限の自衛はするようにしてほしい。
とか書いても、結局あんたには読まれないだろうし、見た感じ恥知らずっぽい人だから読んでも謝ってくれないだろうけどね…… -- 2011-01-12 02:55:37
- あ~あ・・・やっちゃいましたねこれは・・・
前作の「おぼうしをおいかけて」はこれ以上ないという位
完璧で瀟洒に完結していたというのに・・・
>前作の感想に触発されて書きました
まあ触発あきさんというくらいだから
触発されてなんぼなのかもしれませんが
これは最もやってはいけない触発でしたね
前作は善良で素直なまりさが理不尽とも言える死を迎える話でしたから
可哀想という感想も出た事でしょう
しかしそのような声に流されてしまい、美しかった前作を
台無しにするよな続編を作ってしまうなんて・・・
もちろんSSは作者様のものであり、当然自由に出来る唯一の権利者です
他者が指図するなんておこがましいにも程があると頭では理解しています
ただ私は悲しかったんです。
私は前作を読んだ時に大変感動しました、
なんて完璧にまとまっていて瀟洒で美しい話なんだと・・・
これ以上はない綺麗な結末だなと・・・
私はとてもゆっくりとさせて頂きました
・・・それがこの続編で台無しになってしまいました
先程言ったようにSSは作者様のもので、どのようにするのも自由です
ただあんなに瀟洒で美しくゆっくり出来た「おぼうしをおいかけて」が
台無しになってしまった事が悲しくて残念でならないのです -- 2010-11-10 07:40:20
- 何てすんごいコメディwww
ゆっくりできるよ~
悲劇は、喜劇なんだね~ たのしー!ww -- 2010-10-11 19:21:39
- ギャグ調なのも良いよね!
多分、すんごいイイ笑顔で
「おぼうし投げ」
と言ってそうなお姉さん想像して萌えたw -- 2010-09-12 17:25:29
- お姉さん可愛いwwきっとこんな表情をしているに違いない↓
\ /
○ ○
〃▽〃 -- 2010-08-30 22:42:04
- 5キロから7,8キロかな?バスケット大、、
すごすぎだろwwww -- 2010-07-23 22:36:22
- ……… -- 2010-07-22 00:22:51
- お姉さんスゴッw -- 2010-06-24 22:06:24
- wwww -- 2010-06-20 01:33:11
最終更新:2009年11月06日 17:45