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平時であれば活気に溢れ和気藹々としていたであろう商店街。
だが殺し合いの舞台と化した今、人気は無い。
その商店街の交通路を村岡耕作は走っていた。
否、追われていた。

「クソ!何者なんだアイツは!」
『耕作!右後ろから来るぞ!』

青い光の線が耕作の背中を目掛け飛んでいく。
すんでのところで耕作は近くにあった商品置き場に身を隠した。
光線が命中した箇所から置き場は凍り付き始め、数秒後には氷のオブジェと化していた。

冷凍光線、という単語が耕作の脳裏をよぎる。
エクシードラフト隊員である耕作にとってそれは、SF作品の中にしかない空想の産物ではない。
彼らの装備の中にもそれを生じさせるものはある。
まさか自分の身に脅威となって降って来るとは思いもしなかったが。
そんな思考はすぐに遮られることになった。

『今度は正面だ!』
「分かってる!」

自分の左腕から聞こえてくる声に応え、耕作は咄嗟に林檎の詰まったダンボール箱を盾にする。
瞬時に林檎は冷凍されアップルシャーベットと化した。
更に箱を支える手の付近まで凍っていく事に気付いた彼は慌てて手を離した。
あと数秒離すのが遅れていれば、自分も掌から凍り付いてしまっていただろう。耕作は戦慄した。

「せめて実装が出来ればなぁ…」

思わず愚痴をこぼしながら、凍った箱の影から頭だけを出し襲撃者の姿を確認する。
するとそこには身体の半身が機械化され、セーラー服を着用している少女の姿があった。
肌は異様なまでに白く、とても人間とは思えない。
その白い肌を見て耕作は中国映画に登場するキョンシーを連想した。
もしやあの少女も死人なのであろうか。
いずれにせよ、ただの人間ではない事は明らかであった。

(サイボーグ、それともアンドロイドか…?)

その少女はまるで自分達エクシードラフトが使うような、大げさな外見の銃を構えていた。
その銃から冷凍光線が発せられている事は耕作にも察せられた。

「止まれ!」

耕作とてただ黙ってやられているだけではない。
支給されていたハンドガン―エクシードラフトの共通装備、EDRT-001 リボルバックG-3―を構えた。
狙いは冷凍銃を持つ少女の手だ。

一発、二発、三発。
箱の影から上半身を乗り出し、彼は連続で発砲した。
発射した弾丸は正確に襲撃者の少女目掛けて飛んでいく。
内二発は冷凍銃のグリップ部分に命中した、だが少女は動ずることなく依然銃を握ったままであった。
残った一発は少女の手の甲を掠めた。
だが―

「何!?」

カン、と音が響いて弾丸は弾かれた。
見れば弾丸が掠めた少女の手の甲は肌が破れ、下から金属が露出していた。

『耕作!何をやっているんだ!』
「分かってるよ!武装解除させられる相手じゃない…!人間でないなら…!」

即座に反撃の冷凍光線が飛んでくる。
耕作は再び身を物陰に隠して回避した。
そしてすかさず今度は少女のボディにリボルバックG-3の照準をあわせて発砲する。
だが、命中した箇所から僅かに火花が散るだけであり、少女の動きを止めるには至らなかった。

(近づいてきている…!)

少女は冷凍光線を撃ちながら、耕作のいる場所へジリジリと接近していく。
近づかれて撃たれたら一巻の終わりである。
耕作は距離を取るべく立ち上がり、一歩を踏み出そうとした。
その時であった。

「あっ―――」

冷凍銃の余波を受けて凍った床。
それに耕作は足をとられてしまい、態勢を崩しその場にすっ転んでしまった。
マズい。彼はそう思った。
少女のいる方角を見れば、寸分狂わず自分に冷凍銃の照準をあわせていることが確認できた。

『耕作!こうなれば私を…』

左腕から聞こえてきた声は轟音に掻き消された。


「早く乗って!」

轟音の正体は車のエンジン音であった。
その車は四輪駆動で全体が赤く、車体上部にはキャノン砲のようなものが取り付けられている。
冷凍光線の射線を遮るように突っ込んできたその車体は、耕作にとって見知った物であった。

「スクラムヘッド!」

耕作はその車の姿を確認するとすぐに中へと飛び乗った。

「よし、この場を離れよう!」

車を運転してきた男が言う。
だが耕作と、彼の左腕の返答はこれに同調するものではなかった。

「『その必要はない』」

耕作の左腕からの声に気付いた運転手は目を見開いた。

「あーっ!ゲキリュウケン!お前こんなところにいたのかよ!」
『ああ、どうやら私は支給品としてこの男の元に送られていたらしい。耕作、私を彼に手渡してくれないか』
「何故だ?」
『説明は後だ!』
「あ、ああ…」

その行為にどのような意味があるのか、耕作には分からなかったが、とにかくそれに従うことにした。
左腕に付けられた腕輪のような物を外し、運転手へと渡す。
すると運転手はそれを自分の左腕へと装着した。

『よし、行くぞ剣二!』
「おう!」

剣二と呼ばれた運転手の男は、腕輪の声に応え勢いよく車外へと飛び出した。
引き留めるべきか、と耕作は一瞬考えたが、今自分のなすべき事をする方が先決だ。
と考え、支給されていた多目的小型無線機を取り出す。
エクシードラフトの共通装備、EDRT-003 アクセスロックSだ。




              「実装!」「撃龍変身!」




車内の耕作と、車外にいる運転手の男―鳴神剣二―が声を発したのは、殆ど同時であった。


「ゴッドリュウケンドー、ライジン!」

車外へと出た耕作―トライジャケットを実装した今は、ドラフトブルース―が見たのは、剣を構え名乗りを上げる、装甲に身を包んだ青い剣士の姿であった。

「その姿は一体…」
「あっ、あんたさっきの人か?…もしかしてSHOT?」

驚いているのは青い剣士も同様であった。
耕作の今の姿も剣士同様青い装甲服に包まれた、メタルの戦士であったからだ。
だが、驚愕に浸っている間は無かった。
不意を突く形で冷凍光線が青い剣士の元へと飛んできたのだから。

「あぶね!」

咄嗟に剣士は左腕の盾でこれを防ぐ。
更に身を傾けて光線を逸らし、盾が凍り始めるのを回避した。

「話は後だ!今はアイツを止めるぞ!」

ドラフトブルースの言葉に、青い剣士―ゴッドリュウケンドー―は頷く。
二人の青い戦士は襲撃者に向き直り構えを取った。

「ターボユニット!」

足首に備え付けられた加速装置を起動し、高速移動で冷凍光線を回避しながらブルースは襲撃者の少女へと肉薄していく。
そしてその走る勢いを殺さず、体重を乗せた飛び蹴りを見舞った。
ブルースの脚に硬い物を蹴った感覚が伝わる。
少女は怯んだが、すぐに顔を上げると、視線をブルースの体へと向けた。
目に備え付けられたスコープが光ったかと思うと、レーザービームが放たれブルースのトライジャケットの表面を焦がした。

「うわっ!」

仰け反ったブルースに対し少女は冷凍銃での追撃を仕掛けようとする。
だがそれより早く、ゴッドリュウケンドーは剣による一撃を少女に見舞った。

「はぁ!」

更にゴッドリュウケンドーは袈裟切りを機械の少女へ浴びせる。
斬られた箇所から火花が飛び散り、少女は大きく後ろに下がった。

「サンダーグレネード!」

ブルースがリボルバックG-3に特殊警棒EDRT-002 トライシャフトを装着し、電撃ビームを少女へと浴びせる。
機械系統がショートしたのか少女の身体からは黒い煙が立ち上る。

―「ふむ、やはり不利か。もういい。戻れ、メカニ牛乳」

と、突然辺りに声が響いたかと思うと、少女は黒い靄に包まれ、数刻後には跡形もなく消え去っていた。

『…ブラッディか?』


機械の少女が去った後、ドラフトブルースはメットを脱ぎ村岡耕作に、ゴッドリュウケンドーは変身を解除し鳴神剣二へと戻っていた。

「ありがとう、おかげで助かった。俺は村岡耕作、エクシードラフトだ」
「いやぁどうも、俺は鳴神剣二。あけぼの署で刑事をやってる。…エクシードラフトって?」
「何?あんた刑事なのにエクシードラフト知らないの?」
「悪い、知らない。SHOTの関係者かなにか?」
「さっきも聞いたけどその"ショット"ってのは何の事なんだ?それにさっきの姿…警察の秘密装備か何かか?」

どうにも二人の会話は噛み合わない。
そこで剣二の左腕に付けられた腕輪は提案した。

『どうやら、お互いの事について話し合う必要がありそうだな』

耕作はその腕輪に対しても疑問を呈する。

「その喋る腕輪とあんたはどういう関係なんだ?そもそもそれは一体何なんだ?」

それに対して剣二は笑みを浮かべながら答えた。

「こいつはゲキリュウケン、俺の相棒さ」

【一日目/深夜/B-5 あけぼの商店街】
【村岡耕作@特捜エクシードラフト】
【状態】疲労(中)、軽傷
【装備】リボルバックG-3@特捜エクシードラフト
【所持品】基本支給品一式、アクセスロックS@特捜エクシードラフト
【思考】
0:主催者を逮捕する。
1:叶隊長、拳と合流したい。
2:剣二と情報交換する。
3:機械の少女が気にかかる。
【備考】
※33話以降からの参戦です。

【鳴神剣二@魔弾戦記リュウケンドー】
【状態】疲労(小)
【装備】ゴッドゲキリュウケン@魔弾戦記リュウケンドー
【所持品】基本支給品一式、スクラムヘッド@特捜エクシードラフト、ランダム支給品×2
【思考】
0:この殺し合いを食い止める。
1:不動さん、白波と合流したい。
2:耕作と情報交換する。
3:ブラッディを警戒。
4:ジャークムーン、死んだはずじゃ…?
【備考】
※29話以降、アルティメットキー獲得以前からの参戦です。


「リュウケンドーの登場も予想外だったが、まさか魔弾戦士以外にもあのような力を持った人間がいたとは、上手くいかないものだな」

機械仕掛けの魔法使いか幽霊のような姿の怪人、血煙伯爵ブラッディは呟く。
彼の目の前には、耕作剣二らを襲った機械の少女が物言わず立っていた。

「このメカニ牛乳だけでは少々心もとないということだな。さて、何かいい案はないものか…」

この怪人には、意志を持った支給品が手渡されていた。
名を「牛乳」と呼ぶ。
何故、彼女が支給品扱いされているのか。
何故、「牛乳」なのか。
何故、小麦粉とセットではないのか。
そんな事は誰にも分らない。
分かっているのは、この物言わぬ少女はブラッディにより改造され、忠実な手足に変えられてしまったという事だけである。

【ブラッディ@魔弾戦記リュウケンドー】
【状態】健康
【装備】牛乳@霊夢と魔理沙のチョコレート☆ハート(メカ遣い魔のパーツ@魔弾戦記リュウケンドーによって改造済み、コールドガン@THE FLASH/フラッシュ装備)
【道具】基本支給品一式
【思考】
0:優勝する。
1:何か利用できるものを探す。
2:魔弾戦士と青い戦士(=ドラフトブルース)に警戒。
3:ジャークムーンは利用したい。

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最終更新:2018年09月08日 20:44