男として - (2007/06/19 (火) 20:13:25) の最新版との変更点
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**男として
あ、危なかった…。
確かフカヒレとか言ったっけ?
僕と同じような年代の、僕と同じ雰囲気を持った少年がいきなり殺された。
何が危なかったって、もし彼が言い出さなかったら僕はこう言っていたことだろう。
「ハハハハハ……。もう、やだなあお姉さん。殺し合いだって? そんなこと言って僕達をびっくりさせようとしたって、この僕は騙されないよ?こう見えても僕、岡崎のせいで騙されることにはなれてるんだよね 」
「いや、言っとくけど、お前、それ自慢になってないからな。」
「そんなこと言いつつもしっかり騙されるのが春原の春原たる由縁よね」
この場に居ない岡崎達のツッコミまで聞こえてきそうだ。
そして僕の首輪が爆発した後……
「あれ? これ本当に死んでない?」
「まさか。春原だぞ?」
「そうよね、春原が首が吹っ飛んだくらいで死ぬわけ無いわよね」
『って、僕は一体どこの吸血鬼だよ!』
「……やっぱこれ本当に死んでない?」
「おい、春原。死んだ振りして女の子のスカートの中覗こうとしても無駄だからな」
・
・
・
「「返事が無い唯の屍のようだ」」
『あんたら夫婦には優しさっていうものがないんですかねえ!?』
「ま、いっか、春原だし」
「そうね、春原だし」
『って、あんたら僕の扱い軽すぎませんか!? ……というかなんで僕は死にながらもツッコまなきゃならないんですかねえ!?』
やめよう。
いくら岡崎でも僕が死んだら悲しんでくれるはずさ。
ってなんで僕が死ぬ前提で考えてんだよ!僕だって生きる権利はあるはずだ!
そうと決まればまずは鞄の中身を確かめて……
「ん? これは噂のipodって奴か」
なんでも沢山の音楽を再生できる機械らしい。いまだラジカセを使い続けている貧乏学生のとしては喉から手が出るほど欲しかったものだ。
「って、今はそんなものより武器が欲しいんですけどねえ!」
……落ち着こう。ipod以外には食べ物やら水やら地図やらで武器になりそうなものはまるで入ってなかったんだ。
この状況で誰かにあったら死ねる。
それにしてもこの状況はマジでピンチだ。もし武装した誰かに襲われたら流石の僕でも殺されてしまうかもしれない。
どうすればいいんだ……
これからの方針を決めかねていたときにふとipodが目に入った。
ん? そういえばこの中ってどんな曲が入ってるんだろう?
もし『ボンバヘッ!』が入ってたら、素晴らしい名案を思いつくかも。というかやっぱ考え事するなら『ボンバヘッ!』を聞きながらに限るよね。
えっと……このボタンが電源で……
『YO! YO! オレ岡崎! オマエはっ…オマエは……』
そんな歌(?)が大音量で響き渡った。
「って、この前岡崎が上書きしたやつかよ! どんないやがらせですか!?」
ガサッ
ん?
何か物音が聞こえたような……。
もしかして誰かに見つかった!?
今こられると非常にまずい。こうなったらハッタリでなんとかするしかない。
「も、もしかして誰か居るのか!? い、言っとくけど、僕には凄い必殺武器があるんだからな! に、逃げたほうが身のためだぞ!」
ガサガサッ
こ、これはまずいかもしれない。
「き、聞こえてないのか!? ひ、必殺だぞ! い、今なら見逃してやるから去った方が身のためだぞ!」
ガサガサガサッ
茂みの中から出てきたのは……。
「あ、あの……必殺武器って嘘ですよね?」
そういって微笑む、金髪でとても美人な“女の人”だった。
「う、嘘じゃないぞ!こっちには必殺の」
「でも、さっき武器が欲しいって叫んでたような……」
「あ、あれは……」
や、やばいぞ……この美人が武器を持っていたら…。
「それに、もし武器を持っていたとしても、貴方はむやみに人を殺めるような人には見えませんから」
ニコッ
か、可愛い! え? 何これ? 可愛すぎない?
「もちろん! 君のような美しい人を傷つけるわけ無いじゃないですか!」
近づいて強引に手を握る。
うわぁ……柔らかいなぁ…。
「僕、春原陽平って言います! よろしくお願いします」
そう言って手を上下にブンブンと振る。
……芽衣以外の女の人の手を握ったのって初めてかも。うわぁ……嬉しいなぁ…。
「ぼ、私は宮小路瑞穂って言います。こちらこそよろしくお願いしますね」
優しく手を振りほどかれてしまった……。もっと握っていたかったな。
「瑞穂さんって言うんですか! 女性らしいいい名前ですね!」
あれ? 瑞穂さんの表情が微妙に……?
「? どうかしました?」
「い、いいえ何でもないですよ? 陽平さんもいい名前ですね。明るい陽平さんにはぴったりだと思います」
(僕だってもっと男らしい名前の方が……)
ん? なんか聞こえたような…。まあ、気のせいか。
そして、瑞穂さんと知り合いの情報を交換し、一緒に行動することになった。
「瑞穂さん! 戦いは僕に任せて置いてください! 古代より美しい女性を守るのは僕の役目ですから」
……あれ? また瑞穂さんの表情が? もしかして誉められなれてないのかな? こんな美人なのに。
「ところで瑞穂さん。僕が武器持ってないこと分かってたにしても瑞穂さんも武器持ってなかったし、僕が襲ってきたらどうするつもりだったんですか? やっぱ女性に優しいジャントルマンな雰囲気でてました?」
と、言うと瑞穂さんはクスクスと微笑みながら。
「だって陽平さんったら、1人で漫才してましたし……。それを見て、ああ、この人は人を傷つけれるような人じゃないなって思ったんです」
「って見てたんですか!」
こうして僕は今日何度目か分からない、ツッコミの叫び声を上げた。
【B-7の森/1日目 深夜】
【春原陽平@CLANNAD】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式 ipod(岡崎のラップ以外にもなにか入ってるかも……?)】
【状態:健康、瑞穂に一目惚れ】
【思考・行動】
1:瑞穂を守る。
2:瑞穂と仲良くなる。
3:知り合いを探す。(朋也、杏、智代、貴子)
【宮小路瑞穂@乙女はお姉さまに恋してる】
【装備:】
【所持品:支給品一式 ランダムアイテム不明(※武器ではない)
【状態:健康。男としてのプライド崩壊中】
【思考・行動】
1:知り合いを探す (朋也、杏、智代、貴子)
2:実は男だって言い出しづらい。
|005:[[若き警部と幼き『森の母』]] ]]|投下順に読む|007:[[生徒会長の責任]]|
|005:[[若き警部と幼き『森の母』]] ]]|時系列順に読む|007:[[生徒会長の責任]]|
||春原陽平|045:[[温泉に集いし者たち(前編)]]|
||宮小路瑞穂|045:[[温泉に集いし者たち(前編)]]|
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**男として ◆A6ULKxWVEc
あ、危なかった…。
確かフカヒレとか言ったっけ?
僕と同じような年代の、僕と同じ雰囲気を持った少年がいきなり殺された。
何が危なかったって、もし彼が言い出さなかったら僕はこう言っていたことだろう。
「ハハハハハ……。もう、やだなあお姉さん。殺し合いだって? そんなこと言って僕達をびっくりさせようとしたって、この僕は騙されないよ?こう見えても僕、岡崎のせいで騙されることにはなれてるんだよね」
「いや、言っとくけど、お前、それ自慢になってないからな」
「そんなこと言いつつもしっかり騙されるのが春原の春原たる由縁よね」
この場に居ない岡崎達のツッコミまで聞こえてきそうだ。
そして僕の首輪が爆発した後……
「あれ? これ本当に死んでない?」
「まさか。春原だぞ?」
「そうよね、春原が首が吹っ飛んだくらいで死ぬわけ無いわよね」
『って、僕は一体どこの吸血鬼だよ!』
「……やっぱこれ本当に死んでない?」
「おい、春原。死んだ振りして女の子のスカートの中覗こうとしても無駄だからな」
・
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「「返事が無い唯の屍のようだ」」
『あんたら夫婦には優しさっていうものがないんですかねえ!?』
「ま、いっか、春原だし」
「そうね、春原だし」
『って、あんたら僕の扱い軽すぎませんか!? ……というかなんで僕は死にながらもツッコまなきゃならないんですかねえ!?』
やめよう。
いくら岡崎でも僕が死んだら悲しんでくれるはずさ。
ってなんで僕が死ぬ前提で考えてんだよ!僕だって生きる権利はあるはずだ!
そうと決まればまずは鞄の中身を確かめて……
「ん? これは噂のipodって奴か」
なんでも沢山の音楽を再生できる機械らしい。いまだラジカセを使い続けている貧乏学生のとしては喉から手が出るほど欲しかったものだ。
「って、今はそんなものより武器が欲しいんですけどねえ!」
……落ち着こう。ipod以外には食べ物やら水やら地図やらで武器になりそうなものはまるで入ってなかったんだ。
この状況で誰かにあったら死ねる。
それにしてもこの状況はマジでピンチだ。もし武装した誰かに襲われたら流石の僕でも殺されてしまうかもしれない。
どうすればいいんだ……
これからの方針を決めかねていたときにふとipodが目に入った。
ん? そういえばこの中ってどんな曲が入ってるんだろう?
もし『ボンバヘッ!』が入ってたら、素晴らしい名案を思いつくかも。というかやっぱ考え事するなら『ボンバヘッ!』を聞きながらに限るよね。
えっと……このボタンが電源で……
『YO! YO! オレ岡崎! オマエはっ…オマエは……』
そんな歌(?)が大音量で響き渡った。
「って、この前岡崎が上書きしたやつかよ! どんないやがらせですか!?」
ガサッ
ん?
何か物音が聞こえたような……。
もしかして誰かに見つかった!?
今こられると非常にまずい。こうなったらハッタリでなんとかするしかない。
「も、もしかして誰か居るのか!? い、言っとくけど、僕には凄い必殺武器があるんだからな! に、逃げたほうが身のためだぞ!」
ガサガサッ
こ、これはまずいかもしれない。
「き、聞こえてないのか!? ひ、必殺だぞ! い、今なら見逃してやるから去った方が身のためだぞ!」
ガサガサガサッ
茂みの中から出てきたのは……。
「あ、あの……必殺武器って嘘ですよね?」
そういって微笑む、金髪でとても美人な“女の人”だった。
「う、嘘じゃないぞ!こっちには必殺の」
「でも、さっき武器が欲しいって叫んでたような……」
「あ、あれは……」
や、やばいぞ……この美人が武器を持っていたら…。
「それに、もし武器を持っていたとしても、貴方はむやみに人を殺めるような人には見えませんから」
ニコッ
か、可愛い! え? 何これ? 可愛すぎない?
「もちろん! 君のような美しい人を傷つけるわけ無いじゃないですか!」
近づいて強引に手を握る。
うわぁ……柔らかいなぁ…。
「僕、春原陽平って言います! よろしくお願いします」
そう言って手を上下にブンブンと振る。
……芽衣以外の女の人の手を握ったのって初めてかも。うわぁ……嬉しいなぁ…。
「ぼ、私は宮小路瑞穂って言います。こちらこそよろしくお願いしますね」
優しく手を振りほどかれてしまった……。もっと握っていたかったな。
「瑞穂さんって言うんですか! 女性らしいいい名前ですね!」
あれ? 瑞穂さんの表情が微妙に……?
「? どうかしました?」
「い、いいえ何でもないですよ? 陽平さんもいい名前ですね。明るい陽平さんにはぴったりだと思います」
(僕だってもっと男らしい名前の方が……)
ん? なんか聞こえたような…。まあ、気のせいか。
そして、瑞穂さんと知り合いの情報を交換し、一緒に行動することになった。
「瑞穂さん! 戦いは僕に任せて置いてください! 古代より美しい女性を守るのは僕の役目ですから」
……あれ? また瑞穂さんの表情が? もしかして誉められなれてないのかな? こんな美人なのに。
「ところで瑞穂さん。僕が武器持ってないこと分かってたにしても瑞穂さんも武器持ってなかったし、僕が襲ってきたらどうするつもりだったんですか? やっぱ女性に優しいジャントルマンな雰囲気でてました?」
と、言うと瑞穂さんはクスクスと微笑みながら。
「だって陽平さんったら、1人で漫才してましたし……。それを見て、ああ、この人は人を傷つけれるような人じゃないなって思ったんです」
「って見てたんですか!」
こうして僕は今日何度目か分からない、ツッコミの叫び声を上げた。
【B-7の森/1日目 深夜】
【春原陽平@CLANNAD】
【装備:無し】
【所持品:支給品一式 ipod(岡崎のラップ以外にもなにか入ってるかも……?)】
【状態:健康、瑞穂に一目惚れ】
【思考・行動】
1:瑞穂を守る。
2:瑞穂と仲良くなる。
3:知り合いを探す。(朋也、杏、智代、貴子)
【宮小路瑞穂@乙女はお姉さまに恋してる】
【装備:】
【所持品:支給品一式 ランダムアイテム不明(※武器ではない)
【状態:健康。男としてのプライド崩壊中】
【思考・行動】
1:知り合いを探す (朋也、杏、智代、貴子)
2:実は男だって言い出しづらい。
|005:[[若き警部と幼き『森の母』]] ]]|投下順に読む|007:[[生徒会長の責任]]|
|005:[[若き警部と幼き『森の母』]] ]]|時系列順に読む|007:[[生徒会長の責任]]|
||春原陽平|045:[[温泉に集いし者たち(前編)]]|
||宮小路瑞穂|045:[[温泉に集いし者たち(前編)]]|
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