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  • 戦いの鐘は二度鳴った(後編)

ギャルゲ・ロワイアル@ wiki

戦いの鐘は二度鳴った(後編)

最終更新:2008年01月15日 11:56

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戦いの鐘は二度鳴った(後編) ◆0Ni2nXIjdw



「いたぞぉ、撃てぇっ!」
「上だっ! 倉成武は非常階段を上がって、ツヴァイトシュトックに向かった!」
「逃がすかよおっ!!!」

背後からの銃声をジグザグ走行によって避けながら舌打ちする。
こちらからも応戦でデザートイーグルを撃つのだが、走りながらで狙いが定まるはずがない。
ただ、さすがに向こうも大口径の銃の威力は把握しているらしく、無闇に突っ込んできたりはしない。

「くそっ……しつこいなあッ! おい!」

階段はとにかく駆け上がる必要がある。
下から狙われている間は反撃する暇がない。奴ら、好き放題に撃ちまくる。
とりあえず弾切れになるまで全弾を、視線も向けずに連射して牽制した。その間も階段を駆け上がる足は止まらない。

パァン、パァン、パァン!!
カチ、カチ……

弾切れを悟ってからは全力疾走。
ややあって下から銃撃が弾幕となって昇って来る。
肩と頬を僅かに掠めたところで、俺はツヴァイトシュトックへと転がり込んだ。

「はあ、はあっ……はあっ……くそ!」

カンカンカンカン、と昇って来る足音に悪態をついた。
上から銃を連射してやればいいのだが、さっきの銃撃戦でここに応援が来る可能性を考えると長居はできない。
最悪、階段側とエレベーターホール側から挟み撃ちにされて蜂の巣だ。

とにかく、息をつく暇もなく走る。
目的地は漠然と決まっていた。エレベーターホールの裏側には、とあるアトラクションがある。
俺はそこへと向かった。
懐かしき、あの場所へ。LeMUが再現されているというのなら……あそこも、そのままのはずだから。



     ◇     ◇     ◇     ◇


『こちら鳳2。倉成武を見失った! 至急、捜索する』
「こちら本部、鳳1。了解した」

桑古木は了承の意を示して、人知れず溜息をついた。
警備室に残っているのは自分と鳳5、6の三人だけだ。残りは他の隊もあわせて各地に転戦している。
こんな状態になってもなお、自分はここで待機しなければならないのだろうか。

「……部隊長。インカムから本部へ……この周波数は、鳳9の通信機です」
「つまり、倉成武が偽装している可能性があるんだな?」
「はい。こちらから逆探知で居場所を探ってみます」

頼む、と答えてから通信機を取り出す。

「こちら本部。……鳳9か?」
『こちら鳳9……背後から襲われたらしい……場所はエレベーターホールの裏手、クヴァレだ」

桑古木はその声に相槌を打ちながら、直感する。
この声は武の声で間違いない。最初は偽装の可能性に気づかなかったものの、注意すれば判断がつく。
武にはこちらの声は分からないだろう。桑古木には盗聴機越しに武の声を一日以上聞き続けた、というアドバンテージがある。

(部隊長……逆算場所はクヴァレです。どうやら中に隠れている様子)
(……そうか。鳳2、3、4に連絡。倉成武はクヴァレに搭乗していることを伝えろ)

かつては何人もの参加者が利用した筆談を逆手に取り、部下に指示を出す。
その間も鳳9の名を借りた武は、脳震盪を起こした演技で話し続けていた。

『すまない……頭がぼんやりしていて……よく、聞き取れない。もう一度、言ってくれるか?』
「まだ何も言っていない。とりあえず、こちらは忙しいから少し待っていてくれ」
『……あー……あー……あー……』
「…………?」

なにか、様子がおかしい。
会話が成立していないというか、なんと言うか。
本当に脳震盪の人間と会話しているような錯覚。正直、武の声だと確信しているが違和感は拭えない。

「………………」
「部隊長?」

おかしい、と桑古木は瞳を細めた。
だが、他の部下たちは気づかないようで、そのまま鳳2たちをクヴァレに誘導させている。
自分個人としても、これで武は終わりだ。
そのはずなのだが、桑古木は一縷の望みに賭けることにした。その違和感を口にすることがなかった。

通信機の向こう側でも相変わらず、声が流れ続けている。
同じような声、感情のこもらない呆然とした声色の呻き声が、警備室に流れ続けていた。



     ◇     ◇     ◇     ◇


「こちら、鳳3。クヴァレの入り口を包囲。クヴァレの到着と同時に一斉射撃を試みる」
『こちら本部、鳳6。発砲の許可は出ている。奴はキュレイウィルスのキャリアだ。簡単には葬れない。注意しろ』
「具体的にはどのくらいだ?」
『こちら鳳1。弾丸をぶち込んでも倒れない猛獣を意識しろ』

大げさとも思える一言に苦笑する隊員たち。
もはや袋のネズミなのは間違いないし、いかにあの地獄の島の生き残りとはいえ、一斉射撃で死なないはずがない。
そしてそれは真理だ。
いかに武や桑古木とはいえ、心臓や脳を破壊されては生存できない。それは絶対だ。

「……来るぞ、構えろ」

クヴァレが一周して入り口に戻ってくる。
何度でも海中を散歩はできるのだが、事故の可能性も考慮されて遠隔操作で入り口に戻れるようになっている。
よって、気づかれてしまっては袋のネズミ。間違いなく下策だった。

駆動音が近づいてくる。
クヴァレ……クラゲの形を模した海中遊泳のゴンドラが入り口に戻ってきた。
隊員たち三名は銃を構える。
油断も傲慢もない。弾丸全部を撃ち尽くすつもりで引き金に力を入れた。

「……撃てっ!!」

入り口が開くと同時に一斉射撃。
間髪入れない発砲音と、命を蹂躙していく破砕音。
ガガガガガガガガガガ、とクヴァレそのものが破壊されかねないような射撃が襲い掛かる。

「……やったか?」
「分からん……今ので生きていられるはずがない、とは思うが」
「硝煙で中が見えんな……少し、様子を見るか?」

さすがに視界の悪い状態で中に入り込むほど愚かではない。
全員の目はクヴァレの中に釘付けになっていた。
もしも。そう、もしもだが……隊長である桑古木と同じキュレイウィルスのキャリアなら……まだ、生きているかも知れない。
彼らは桑古木直属の鳳部隊。その中でも1に近い数字の彼らは、立場的には腹心とも呼べる。
一番近い場所にいたからこそ、桑古木の恐ろしさが身に染みていた。

『こちら本部。鳳9の声とインカムの反応がなくなった』
「こちら鳳4……たった今、一斉射撃を行ったところだ。倉成武の生死は未だ確認できず」

やがて、硝煙が晴れる。
そこから見えてくる様子を少しでも早く認識しようと、全員の目がクヴァレに向いた。
だが、それこそが間違いだったのだろう。
それを証明するかのように、彼らの背後からバチリ、と電気の流れるような不吉な音がした。

「ぐえっ!?」

突如、隊員の一人がカエルが潰されたような悲鳴を上げた。
がたり、と鳳3の大きな体が床に倒れ、他の二人が慌てて背後を見る。
そこに、彼は立っていた。
クヴァレの中ではなく、その後ろに……彼らが警戒する男が、猛獣のように犬歯を見せながら迫っていた。

「ばっ……」

莫迦な、と呟く暇もない。
目の前には刀の刀身……鋭利な刃物が自分の顔を目掛けて飛んできた。
柳也の刀で大した凶器にもならないが、それでもキュレイの力を持ってした投擲ならば銃弾にも勝る。
鳳2は死にたくない、という本能に任せて全力で回避行動を取った。

「ふっ……ぐっ……」
「おらぁぁぁあっ!!!」

飛んだ先には敵の姿。
しまった、などとは思わなかった。思う時間は残されてなかった。
左手には鞘。刀の部分を避けた先には殴打音。思いっきり、鞘が破壊されてしまうほどの一撃で顔面を強打される。
扱った鞘が壊れてしまうほどの一撃だ。

当然、鳳2には堕ちていく意識に抗う術はなく。
顔が凹むほどの衝撃に、一瞬の思考すら割り込む余地のないまま……意識は闇の中へと葬られた。

「あ……?」

鳳4がその事態を認識するまで、数秒の時間が必要だった。
圧倒的優位に立っていたはずの自分たちが、僅か五秒にも満たない時間で逆転された。
眼前には大口径の銃が突きつけられている。

「ど、どういう……ことだ……?」

倉成武はクヴァレにいたはずではなかったか?
本部がそのように伝えてきたから、自分たちもそれを信じていたというのに。
疑問が頭の中から消えないまま、武の脅しに従って銃と通信機を手放した。両手を挙げて降伏の意。
ここに来て、逆転の一手など思いつけなかった。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「……その二人をクヴァレに乗せろ。妙なことをすれば、頭が吹っ飛ぶぜ」

うまくいったようだ。
最後の一人はもはや反抗の意志もなく、ただ殺さないでくれ、と懇願しながら指示に従う。
俺がこの島で何人も殺してきたことを知っているからだろう。
こちらとしても、戦闘不能になってくれれば殺しはしない。こいつらが悪だとしても、出来るだけ殺したくはない。

「いくつか、質問に答えてもらうぞ。そうすればお前も、そいつらも殺さない」

そいつら、とはスタンガンで気絶させた奴と殴り飛ばした奴らのことだ。
とりあえず武装解除をさせ、奴らの一人が持っていた手錠で拘束させている。

「……そ、その前に教えてくれ……お前は、クヴァレの中にいたんじゃなかったのか……?」
「ああ、それはクヴァレの中に入れば分かる。いいから急げよ」

クヴァレの中には通信機とボイスレコーダーを仕込んでいただけだった。
録音つきだったので、ここに俺の声をいれ、場所を特定させて誘き寄せたという簡単な策。
かつて、学校の放送室でハクオロが俺に向けて使用した作戦を……言い方は悪いが、パクらせてもらった。

自然と袋小路になるため、俺一人でも倒せる程度の人数で来ると思っていた。
もしも大勢来たのなら、デザートイーグルかコルトを使わなければいけなかったが……三人なので適当なもので十分だった。

「お前らの隊長は何処にいる?」
「け、警備室だ……」
「お前らみたいな奴らは何人いるんだ?」
「……ご、五十名強。今は各地に散らばってしまっていて、俺でも指揮系統は分からない……」

とりあえず、質問を重ねながらクヴァレに三人を放り込む。
動かし方は分かる。
こちらからの手を加えなければ海中遊泳の連続だ。これなら邪魔はされない。

まあ、念のため三人には注射をしておこう。
中身は確か、麻酔針とか色々なものが入ってたような気がするが……まあ、眠らせておけばいいだろう。
どれだっけ、とかデイパックから出して首をかしげたのは内緒だ。

「んじゃ、最後にひとつだけ」
「な、なんだ……?」

すう、と息を吐く。
これだけは聞いておかないといけない。
きっと、覚悟もせずにそれを知ったら俺は動揺するだろうから。だから、絶対に避けてはならない。
仲間を疑う、なんてしたくなかった。それが本音ではあるのだが。


「田中優美清春香菜、茜ヶ崎空、桑古木涼権、八神ココ……この名前に聞き覚えは?」



     ◇     ◇     ◇     ◇



「……鳳2たちからの連絡が途絶えましたね」
「他の人員を向かわせるべきか……残りは俺たちと、レムリア遺跡の奴らか?」
「鳳8、これ以上監視していないで出撃するべきではないか?」

警備室が騒がしくなってきた頃、俺は安堵も知れない溜息をついた。
武はさすが、というべきか……もしもクヴァレの人員まで敗れていたなら、既に鳳部隊の半数を打ち破ったことになる。
隊員たちが焦っている間も、俺は冷静に冷淡に冷酷に……指示を出し続ける。
不審に思われないように、最善の気を使って。

『……こちら、鳳4』
「お、鳳4か!? こちら本部、倉成武はどうなった!?」

業を煮やしていた隊員の一人が通信機の声に飛びついた。
だが、帰ってきた言葉は勝利の報告ではない。

『……なんてな。いい加減、こんなゲームはやめようぜ、少年』
「っ――――」

瞬間、心が弾け飛ぶくらいに驚愕した。
まるで悪いことが親に知られた子供のように、俺の心は驚くことに愕然としていた。

『残念な気分だ。お前のほうは推測がついていたけど、まさか優の奴までが……ってのはな』
「……ぶ、部隊長……」
「代われ」

ゆっくりと、深呼吸する。
ようやく、俺たちは話をする機会を得ることが出来た。
仲間としてではなく、敵として。助け合う関係ではなく……殺し合いを前提とした邂逅なのが残念なぐらいに。

「久しぶりだ、と言うべきか?」
『いらねえよ。俺の仲間たちの中には殺し合いに乗った知り合いも持った奴もいた……だから、驚かない』
「……それで、俺に用があるんだろう?」

ああ、と武が頷いているのが分かる。
この様子だとクヴァレの三人はやられた、と見て間違いないだろう。
俺はメモに筆記する。鳳部隊の2、3、4に斜線を引いた。残りの隊員たちに衝撃が走る。

『細かい話は後だ。伝言は聞いた』
「そうか。白鐘沙羅と大空寺あゆはちゃんと伝えてくれたようだな」
『もう、正直なところ前座は飽き飽きだ。お前が直接出てこいよ、少年』
「……勝ち負けは明確だが、それでもコール(挑戦)するか?」
『上等だ、責任もってレイズしろ(受けてたて)よ。場所はレムリア遺跡だな?』

今度はこちらが肯定の意を返す。
そうして短い通信が消えようとしていた。分かっていたことだが、武の声は敵意に満ちている。
当然か。武はつぐみを失ったし、自分の手で人も殺してしまった。
この最低の祭の主催者側に仲間がいたことは、武にとって失望にも絶望にも値することなのだろうから。

―――――じゃあ、待っているぞ『少年』―――――

だっていうのに、武はそんな言葉を口にしていた。
通信機からはもう武の声はしない。だけど、俺はその言葉を……俺を呼ぶ声に唖然としていた。
そして、唇を噛む。
歯に食い込み、血が出てもなお……歯噛みし続けた。

「…………」

もう、その名で呼ばれる資格はないというのに。

「……レムリア遺跡に向かう。もう、文句はないな、鳳8」

扉の向こう、数にも入れていなかった最後の鳳部隊に視線を向ける。
奴は鷹野の子飼いの隊員で、俺たちの裏切りを警戒して監視役を仰せ付かっていた。
こいつのせいで、最初からレムリア遺跡で待つことも出来ずに、武に遠慮も出来ずに山狗を動かしていたわけだが。

こちらはココの命がかかっている。
裏切ることなんて、最初から出来ない。だからもう、武とも話せないままかと思った。
これは好機だ。何しろ敵はこちらはご氏名で、そして余剰隊員ももう少ない。

「……はい。仕方ないでしょう。我々ももちろん、同行しますが」
「ずいぶん、働きづらい職場になっちまったな」

苦笑しながら武装を点検する。
永遠神剣『誓い』とマナ結晶、そして遠距離用のベレッタ。親友を敵と見定めて全殺するために。

「……鳳10、鳳11! 応答しろ、応答しろ!」
「どうした?」
「分かりません……レムリア遺跡に待機していたメンバーが沈黙。応答しません」
「ちょうどいい。これから出向くところだ」

これで更に二人が脱落。
残りの戦力は俺と山狗三名。出撃する場所はレムリア遺跡だ。

「武……『少年』は死んだんだ。17年前にな……」

昔の郷愁が、わずかに脳裏によぎった。



     ◇     ◇     ◇     ◇



「………………あっ……」

呆然と。少女は立ち尽くしていた。
手には銃、身体には返り血。強烈な血の匂いが鈴凛の思考を止めている。
眼前には二人の男の姿。
血の海に沈んだ、肉の塊……吐き気が込み上げてきて、鈴凛は魂の抜けた顔のまま、呟く。

「……私が、やったんだ……」

右肩には銃創、撃たれた跡が残っていてズキズキする。
だが、死ななかった。まだ生きていたから銃を構える男にタックルした。無我夢中だった。
そこから先はあまり覚えていない。
気づけば二人の男が息も絶え絶えに倒れてて、自分は銃を握ったまま正気を失っていた。

(……こんなことを、私は皆にやらせてたんだ)

軽く十分は経過しただろうか。
鈴凛は立ち上がる。その瞳には動揺こそあるが、迷いはない。
これが戦うことだと知ったから。
だから決して、泣き言はいない。愛する姉妹たちは、死の間際ですら誰も泣き言を口にしなかったのだから。

「……じゃあね」

倒れて呻く山狗たちに別れを告げる。
生死の確認なんてしない。そんな、無駄なことに時間は費やせない。
持っていた銃を手に握って……回収したのは銃だけで、弾まではしていないのは落ち度かも知れない。

そのまま階段を上がり、レムリア遺跡の迷路へと辿り着く。
面倒に思いながら、覚えている道を歩く。
そうして、出口にして入り口まで辿り着いた。そこで、鈴凛は顔を強張らせて……そして、自嘲気味に笑った。


「……ついてない、なあ」


入り口に立っていた男は苦笑交じりに同意した。

「ああ、まったくだな。鈴凛……お前、今は最高についてないぞ」
「そうだね……でも、どいて」

意志を力に代えて、鈴凛は銃を構える。
狙いは自分の道を妨げる男。山狗たちのリーダー、部隊長……桑古木涼権を撃つために。
彼はその姿を見て、表情を変える。
嘲笑うでもなく、怒るでもなく、悲しむでもなく……無表情。完全なる無の表情に。

「……死ぬぞ?」

その一言は周りにいた山狗たちが凍りつくほどに壮絶だった。
間違いない。今の桑古木は殺人も厭わない鬼だ。
かつて、十数人を殺して殺して殺し尽くした生粋の死神が語っている。死ぬぞ、と。
それは処刑執行人が受刑者に向ける最期の言葉にも見えた。

「…………どい、てっ……!」

怖くないはずがない。
殺気を当てられていない山狗ですら冷たい汗が流れたほどだ。
渦中の鈴凛が恐怖を覚えないはずがない。
それでも、少女は意志を曲げない。絶対に、屈することなんてできない。

パァン!

鈴凛の指が引き金を引いた。
素人にしては上出来な射撃の腕。真っ直ぐに桑古木の心臓めがけて放たれた。

「お前たちは、手を出すな」

桑古木の言葉はそれだけ。
殺意を向けられている鈴凛に意識も割かずに、そんな言葉を口にする。
そして、次の瞬間。
鈴凛の視界から桑古木涼権の姿が消え失せた。

「えっ……?」

制圧にかかった時間は僅かに三秒。
気づけば桑古木は弾丸のようなスピードで鈴凛に接近し、長い足で回し蹴りを繰り出していた。
避けられない、ということだけが分かる。
次の瞬間、腹に強烈な衝撃が走り……鈴凛はボールのように弾き飛ばされて、地面を転がった。

「うっ、あ……うえええっ……!」

胃の中のものが逆流してきそうなほどの一撃。
唯一の武装だった銃さえ手放してしまい、頭の中がぐるぐると回って何も考えられない。

「……警告はした。二度目はない」

冷酷に、冷徹に、冷厳に青年は断罪する。
そこには一人の鬼がいた。
大切な者のために、自分を含めた何もかもを切り捨てた修羅が立っていた。

「消えろ。戦いの邪魔だ」

額に突きつける鉄の凶器の名はベレッタM92F、指を動かすだけで命を奪う道具。
こうして、鈴凛の戦いは終わる。
決意も覚悟も、何もかもを無常に奪われ……生かしてくれた人たちですら、無為に帰す。
鈴凛は足掻く、無駄と知りつつも。
腕に力を込めて立ち上がる。その動きに呼応して、桑古木は引き金を引く指に力を込めた。


「うおぉぉおらぁぁああっ!!!」

突如、怒号が響いた。野太い声にカラカラと音が付属する。
来たか、と桑古木は呟いた。
入り口には最後の乱入者……舞台に現れた俳優は桑古木の待ち望んだ主人公。

倉成武はキックボードを使って現れた。
地面を蹴る力は爆発にも似た原動力で、安易なキックボードの印象を引っくり返す。
車並みのスピードが出ているんじゃないか、と思うほどに高速。
手には慣れ親しんだ『時詠』を握り、真っ直ぐに桑古木目掛けて突っ込んでくる。

(なんとかっ……間に合ったみたいだな……!)

武の目の前には、かつての仲間と知らない少女がいる。
周りの三下どもには目もくれない。
状況もろくに分からない武にも分かっていることは……少女が危ない、という事実だけ。
なら、救い出すのが当然の道理だった。

「この……馬鹿野郎がぁあああっ!!!」
「ぐあっ……!?」

大きく拳を振りかぶり、桑古木の顔面に叩きつけた。
確かに常人では反応できない一撃……だが、桑古木には十分に避けられたはずだった。
たった一撃だけ、逢えて受け止めてみせた。
それはあくまで自分のため……土壇場で罪悪感に惑わされないために、自らに課した制約のようなもの。

「わあっ……!?」

キックボードでそのまま走り去る直前、鈴凛の腕を強引に掴んだ。
少女を庇ったまま、計四人を相手にするなど愚の骨頂だと武は知っている。
武の背後からは、ようやく事態を飲み込んだ山狗たちが発砲を始めるが、遅い。

そのままレムリア遺跡へと退避。
その予定だった。

ダァンッ!!

銃声がひとつ。ついで、武と鈴凛の体が宙を舞う。
武の視界の端、ベレッタを構えた桑古木涼権が笑っていた。
無理な体勢だと言うのに、弾丸は狙われたキックボードの部品を撃ちぬいた。
勢いをつけて、武と鈴凛は地面に叩きつけられた。

「ぐっ……がぁ……! くそ!」
「あ、あたた……うわあっ!?」

武はすぐに起き上がると、左手で鈴凛の手を掴む。
右手で『時詠』を振るう。敵意を向けるべき相手ではなく……背後、レムリア遺跡の壁に向けて叩き付けた。
轟音が響く。崩れ落ちる壁。
背後から銃声が響く中で迷ってはいられない。ポッカリと開いた闇の中に飛び込んだ。

「話は後だ! ひとまず逃げるぞ!」
「りょ、了解っ!」

まともにぶつかっては敵わない。
二人は手を取り合って、レムリア遺跡の中へと撤退していった。



     ◇     ◇     ◇     ◇



「逃げられましたね……」
「いかがしますか?」

部下たちが不安げに問いかけてくる。
桑古木は服についた埃を払う仕草をすると、頭に手を当てながら言った。
視線は部下の一人である鳳8……鷹野の監視役に注がれている。

「お前たちは鈴凛を始末しろ。……武は、俺が倒す」
「それを許可しろ、と?」

メガネをあげながら男は反論した。
武と桑古木が接触すれば、説得により寝返る可能性がある。だからこその監視役だ。
決して武と桑古木、もしくは優を接触させてはならない、と。

対して、桑古木涼権は笑う。
笑ったまま、ゆっくりとベレッタを鳳8の眉間に突きつけた。

「なっ……ななな、何をっ……!?」
「許可は必要ない。山狗の部隊長は俺だ、勘違いしないことだな」

さっと男の顔色が青くなる。
目の前には自分よりも多くの人を殺害してきた殺人鬼。
意にそぐわないと分かれば、容赦なく命を奪うことなんて何でもないのだろう。

「よく考えてみろ。すでに武一人だけで何人やられてると思ってる。
 鳳部隊も合計で七人だ。向こうもこちらをご氏名だし、もうお前たちに任せておけるか。
 それに鈴凛にしたって、レムリア遺跡の二人を倒したからこそ、あそこにいたんだろう。

 目の前の現実を見ろ。
 俺が武を、お前たち三人が鈴凛を……ってのは、そんなに不自然な判断か?
 俺が寝返る気なら、今頃お前たちも皆殺しにして武たちに協力しているだろうが」

そうと言われれば、反論の余地などない。
全員が納得したところで、行動に移る。標的は二人、目標の抹殺に意思を注ぐ。

「散れ」

その一言で、彼らは行動を開始した。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「……で、本当に逃げる気はないんだな?」
「当然。ここまで来て、引けるわけない」

鈴凛の肩の傷を治療しながら、武は軽くため息をつく。
止血だけはしておいたが、本当なら安静にするべきなのだ。
鈴凛のことについては説明を受けた。放送のことを思い出せば好感は抱かなかったが、話してみて気が変わった。
投げやりなあの時と違い、姉妹を本当に大切に思っていることが感じられたからだ。

「……ね、倉成。一番最初に倉成が手をかけた女の子の名前、覚えてる?」
「…………千影が言ってたな。確か……えーと……」
「咲耶って言うの。憶えて……おいてよ?」
「……ああ」

そして、互いに無言。
どちらも罪人と自身を戒めている者同士。
お互いを貶めたりなどはしない。ただ、自分の罪をこの胸に刻み込む。

「さて、俺は行くけど……できれば付いてこないでくれれば、助かる」
「つまり、私は周りの奴らと戦えばいいんだね?」
「……このまま、避難してくれるのがベストだな」

さっきからそう言っているのだが、鈴凛は頑として聞かなかった。
だけど、その意志は固い。それはとても伝わってきていた。
武には鈴凛を止める術が思いつけない。だからせめて、と……自分の荷物を手渡した。

「……俺のデイパックを渡しておくな。何かあれば使えよ」
「そっちは大丈夫なの? 言うのもなんだけど……部隊長の強さは尋常じゃないよ?」
「俺にはこれだけあれば、十分だ」

永遠神剣『時詠』とデザートイーグル。
アセリアたちから貰った桑古木の情報は、永遠神剣を扱った青年というもの。だから手に慣れた『時詠』は外せない。
そしてさっきの邂逅では銃を使っていた。こちらも遠距離での攻撃方法を持っていなければならない。

それと、仲間たちの形見を持っていくことにした。
圭一と智代が残していったもの。
きっと、力になってくれると信じて。武はそれだけを持って立ち上がる。

「……倉成!」
「うん?」
「……気を、つけて。ごめん、これしか言えない」

十分だ、と不敵に笑って返した。
鈴凛はそのままレムリア遺跡で敵を迎え撃ち、武は外に出て桑古木の前に立つために。
二人は一瞬だけ、見詰め合うと同時に頷く。
仲間としての絆は確かに感じられた。後は、自分にできることをするだけだ。


「…………行っちゃった、か」

武の後姿が消えるまで見送ると、鈴凛は呆然とした様子で呟く。
彼は咲耶の仇だった。だけど、それを恨むのは筋違いだということも理解していた。けれど複雑だった。
逡巡は一瞬だけ。
武から貰ったデイパックを開封し、その中身を見て思わず苦笑してしまう。

(……バナナに、ジャムって役に立たないなぁ……とか思ったら、対戦車ライフル入ってるし)

とりあえず装備はコルトM1917だ。弾丸も十分にある。
だけど銃ひとつで勝てるとは思えない。こちらは迎撃する形なのだから、何らかの対策を練らなければ。
じっと考えること、数秒足らず。
ひとつの案件が鈴凛の頭をよぎる。……それは、覚悟のいる作戦だった。

「やれる、これなら勝てる……問題は」

それをやり遂げられるほどの精神力、か。
間違いなく人の命を奪う。自分の意志で、自分の手で殺すことになるのは間違いない。
人を殺すことなんて恐ろしいに決まってる。
弱い自分は何度でも苦悩するんだろう。覚悟した途端に身体が震えるなんて莫迦らしい。

「……」

これには、たっぷり数分の時間を要した。
やがて鈴凛はデイパックを左手で掴んで、立ち上がる。

覚悟は済ませてきた、とその瞳が語っていた。


     ◇     ◇     ◇     ◇


「………………」

青年は最初からずっと、そこで待っていた。
主人公の到着を。自分では辿り着けなかった、理想の男の登場を。
17年間、桑古木は待っていた。
この地獄を終わらせてくれるヒーローを待ち望んでいた。ずっと、ずっと抗いながら待ち続けてきたのだ。

「……遅いよ、武」
「悪い。またせたな、少年」

少年、という言葉に胸が軋むのを感じた。
それは、もう呼ばれてはいけない名称だったのだ。少なくとも少年……桑古木涼権にとっては。

「『俺』は少年じゃない……桑古木涼権だ」
「いーや、少年のまんまだな。ひとつのことにだけ真っ直ぐで、一途で……何も変わらねえよ」
「偉そうに言うね」
「瑞穂から謎かけの話は聞いたからな。だから少年の狙いは知ってるつもりだ」

初恋の女の子をゲームという最低の祭りに巻き込まないために。
彼の行動理念はそれだけだ。
根本的なところは何も変わっていない。だから武は少年を『少年』以外の何かとは認めない。

「一応、聞いとく。……俺たちに協力して、ゲームをぶっ潰してはくれないのか?」
「一応、聞いとくよ。今からでも残りの参加者を排除して、優勝してくれる気はないかな?」

それは最後の望みにして決別の言葉。
お互いは決して退くことを許されない舞台で踊る俳優たち。
両者、同時に首を振る。
今更、そんなことは絶対にできない。

「……ねえ、武。最後だから少しだけ弱音を言うね」

一言、夢を見るかのような表情で桑古木は語る。

「苦しいんだ。夢に見るんだ、この手にかけた人たちのことを。
 ずっと、ずっと僕はそんな夢を見てきたんだ。
 たくさん、殺したよ。男も女も関係なく、子供や年寄りも関係なく、善も悪も関係なく。

 死にたくない、という声も無視して。
 何でもするから助けて、という声も聞かない振りして。
 最期まで母の名前を呼び続けた子供も、恋人の盾になって散っていった女の子やそいつが守ろうとした青年まで。
 この子だけでも助けてあげて、と嘆願する母親の願いすら聞き入れずに。

 殺したくなかった、って言い訳は嘘じゃないよ。
 最初の一人を殺したときは吐いたさ。何度も何度も謝罪の言葉を零して、それでも心がグシャグシャになっていった。
 でも敵は待ってくれなかったし、僕も立ち止まれなかった。
 その内、目的を見失ったりした。何のために戦っているのか分からなくなって、それでも人を殺す手だけは止めなかった」


桑古木の独白は凄まじい内容としか言えなかった。
武は親友の進んできた道の壮絶さに言葉を失った。言葉を忘れたように聞き入っていた。

武の知っている『少年』は気弱で一途で、そして優しかった。
記憶を取り戻したときでも、それは変わらなかった。
そんな彼が新たに別人格を作ってまでの地獄があった。
きっと、そうしなければ心が壊れてしまっていたからだろう……桑古木は乾いた、本当に乾き切った笑みを浮かべた。

「もうやめて、って叫んでくれた女の子がいたんだ。何人も人を殺した俺に向かって」

突如、一人称が『俺』に変わった。
きっとここから桑古木は一人称を変えたんだろう。そうしなければ耐えられないほどのことがあった。
まるで懺悔する罪人のように、毒を吐き出すような苦しそうな笑みを浮かべたまま。


「その子は俺の同い年くらいで、あの地獄の中でも輝きを失わない強い子だった。
 仲間は次々と死んでいく中で、何度も自分を奮い立たせて。
 そして彼女は優しかった。善悪関係なく、失われる命を嘆く子だった。自分の命を狙う奴が死んでも、悲しめるほどに。

 最後に残ったのは俺と彼女だった。
 残りは皆、死んだ。彼女の仲間は聖女のような彼女こそを生かすために、皆が散っていった。
 彼女はきっと脱出派の希望だったんだろう。
 そして最後に対峙したとき、彼女は説得を始めたよ。もう十人以上殺してきた『最低の殺人者』に向かって、だ」


昔を懐かしむ老人のように、死期を悟った猫のように、桑古木は独白した。
その表情には、激しい後悔と自己嫌悪が見て取れた。
負の感情を醸し出しながら……それでも、在りし日の自分を見つめ続けていた。

「そんなことしても、何にもならないよ、って。
 もうやめようよ、ボロボロだよ? って……自分の身の心配もせずに、近寄ってきたんだ。
 俺は銃口を向けた。あの子は笑顔のまま、手を差し伸べていた。

 震える指で引き金を引いたとき、俺の優勝が決まった。

 それと同時に『少年』は死んだんだ。
 ただ一途で甘くて我がままだった『武たちの仲間』は死んだんだよ。
 ずっと、耳に残っているんだ。
 あの子が叫んだ言葉が。恨み言じゃなくて、ただ悔しいと言いながら涙を流す、あの表情が」


――――――だって貴方、泣いているもの。
――――――悔しいな。
――――――ここまで私は皆に助けてもらってきたのに、私自身は貴方一人も助けられなかった。
――――――ごめんね。


「以来、俺は我武者羅に17年間を生きてきた」

そこには武が眠り続けた17年間を戦い続けた男の姿があった。
少年の胸にどんな言葉が去来したのか、武には分からない。分からないけど確かなことがひとつだけ。
桑古木もまた、この地獄で抗い続けたのだ。

「そしてようやく、武とココを助け出して……やっと、終わったと思ったのに」

桑古木は武よりも遥かに苦しい環境を、ただ生き抜いてきた。
それも自分のためじゃない。武とココを助け出すために……ひいては、武たちを待っている奴らのために。
 だけど現実は残酷で醜悪で、物語はそこで終わってはくれなかった。

「もう一度ゲームが開催された。そして、名簿には武たちの名前があったんだ」
「……それが、今回の」
「信じられるか、武? そこには武とつぐみの名前だけじゃない。子供たちやココの名前まであったんだぞ……?」

そして、桑古木や優の名前はなかった。
あくまで候補としての名簿だったが、すぐに主催者たる鷹野に接触した。
だけど、どんなに頼み込んでもダメだった。
どんなに最善を尽くしても、全員を名簿から外すことは出来なかった。自分たちが参加することすら許されなかった。

「選択肢を出された。武とつぐみを参加させるか、ココを含む子供たちを参加させるかを」

選択の余地はなかった。
一種の崇拝にも似た憧れの気持ちを抱いていた武と、彼の妻であるつぐみを殺すか。
ずっと一途に好きだったココや、武たちや優の子供を死地に放り込むか。

「助けられたのは、ココと子供たち……その代償として、俺と優が主催者陣営に加わった」
「…………」
「俺も悩んだよ。何のために人を殺してきたのか。俺に殺されてきた人たちは、何のために死んだのかな、って」

そこには、武の知っている少年の姿は確かになかった。
いたのは何もかもに疲れ果てたような、枯れ木のようになってしまった仲間であり親友の姿。

やりきれない気持ちだろう。
仲間を救うために人を殺す、という矛盾に囲まれて苛まれて、自分を救おうとしてくれた人を自分の意思で殺して。
そうまでして頑張ってきた彼に待っていたのは、最悪の結末……バッドエンドだった。

「……救いのねえ話だな」
「そうさ。誰も救われない話だ……だけど、な」

カチャリ。

桑古木は銃を構えた。
狙いはかつて、自分が憧れ崇拝した兄貴分の心臓。
17年前には救うべき対象だった仲間に向かって、桑古木涼権は殺害の意思を示した。

「救われない物語は俺たちで終わりにしなきゃ、いけないんだ」

不幸の主人公を気取るつもりはない。
最悪の殺人鬼を自ら演じるつもりもない。
ただ、この喜劇は自分たちで終わらせなければならない。
子供たちが未来を進むために、こんな血生臭いことなど知らずに人生を生き抜くために。

「そっか……」

武もまた、応戦の意思を示すために柱に身を隠す。
右手には智代が持っていたデザートイーグルを構え、そして懐には智代の形見の感触を得て。
それまで感じていた迷いを捨てる。
かつての親友に対する憐憫も哀れみも、怒りさえも捨てて……溜息をつくように、武は言う。

「引けないよな、そりゃ」

桑古木の手段は最悪だが、それでもココや子供たちを護るという点については最高だ。
彼自身、今更心を入れ替えるつもりがない。
どんなに説得しようが、どんなに時間をかけようが、少年はもう止まれないことを武は知った。

救いを拒絶してまで、その手を武よりももっと汚してまで護ってきた。
ここで諦めたら何のために死んでいった奴らがいるんだろうか、と。その気持ちが痛いほどに伝わってきた。

「でもな、少年」

一息、大きく息を吸いながら。

「俺も色々と背負って来ちまったんだよ。ここで譲ってやれないぐらいにな」

貴子、千影、智代。
咲耶、圭一、あゆ、美凪、ことみ……つぐみ。
殺してきた者、傷つけてきた者、護れなかった者。
全員分の様々な想いを受け継いできた。罪業としてその肩に背負ってきたのだ。

「だから……潰すぜ、宿敵」

一秒後のレムリア遺跡。
同時にふたつの銃声が鳴り響き、親友同士の殺し合いが始まった。


211:戦いの鐘は二度鳴った(前編) 投下順に読む 211:その意志、刃に変えて
211:戦いの鐘は二度鳴った(前編) 時系列順に読む 211:その意志、刃に変えて
211:戦いの鐘は二度鳴った(前編) 倉成武 211:その意志、刃に変えて
211:戦いの鐘は二度鳴った(前編) 鈴凛 211:その意志、刃に変えて
211:戦いの鐘は二度鳴った(前編) 桑古木涼権 211:その意志、刃に変えて



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