鏡合わせのクロックワークス
第1.0話 従者達はフェイダンへ向かう




GM:はい、では先ほどまではグランドオープニングでしたが、ここから第一話です! 改めて宜しくお願いします!
一同:宜しくお願いしまーす!
GM:それでは、グランドオープニングでは貴方たちの「蘇生直後」のシーンでしたが……
第一話では、ぽん、と時間は飛んで、現在は蘇生から数か月後。……もうちょい具体的に言うと、10か月後くらい、ですかね。
ステラ:飛びましたねぇ。

PC達はあれからルドベキア公の言う通り、「お忍び旅行」を続けるため、ザルツ地方にやってきていました。
特に蘇生事件以降は特に大きな問題もなく、貴方がたは旅行を満喫中。
10か月ほど、楽しく気楽な旅をしてきた……という状況です。

タウルス:道端の屋台で売ってる変なお菓子とか指さしつつ、「あれ…おいしそうだね……」とか。
サリー:「ルドベキアこー、食べますか?」
GM/ルドベキア:「そうだな、いただこうか。皆の分も買ってきてくれ、サリー」
……うんうん。こんな感じで名物料理の旅歩きしたりとか、平和な日々。

PCたちは今も、ふらっと立ち寄った村の空き小屋に泊まって、いつも通りの朝を過ごしているところです。
パン焼いたり、お茶入れたり、今日の分の洗濯をしたり。
ちょっと今日はルドベキアは朝寝坊中だったりするかもしれませんが、いつも通りの日常って感じです。

GM:さて。PCの皆さんは、今朝どんな感じで過ごしてますかね?
シエラ:ステラの面倒を見てます。
ステラ:見られてます。
GM:よどみないなぁ……
シエラ:「ほらほら、洗濯はこうするんだぞ」(圧倒的執事スキル発揮)
タウルス:食堂で、朝寝坊のルドベキアが来るまでごはんおあずけ状態。「ますたぁ・・・つかれてるのかな・・・?」
サリー:サリーはルドベキア公のところにいまーす! ルドベキア公起こすー!
GM:ふむ。……ちなみに、サリーはいつもルドベキア起こしに行ってる感じですかね?
サリー:そんな感じ。だから今日もいつも通り、「ルドベキアこー!朝だよー!起きてー!コンコンコンコン!!!!」
GM:おや、ちょっと今日はなかなか起きてこない様子。
ドアにはばっちり鍵はかかってるので、サリーさんはひたすらコンコンすることになりますが、どうしま……
サリー:(よどみなく)ノッカーボム
GM:おう。
(一同笑)

ノッカーボム、というのは魔動機術2レベルの「錠前や鍵を吹き飛ばす」魔法。
イメージ的には、「鍵が開かなきゃ壊せばいい」と言いながら、鍵のところに爆弾つけてチュドンするあれ。

サリー:魔法に抵抗する?
GM:ノッカーボムされるのは鍵だからね……意思とかないから……抵抗しようがないから……

行使判定は無事に成功し、哀れ鍵くんは爆発四散。

タウルス:当たり前のように壊したけど、これ、借りてるお家……
シエラ:鍵、直せるのか?? 直さないとまずくないか??
サリー:(我関せず)「ルードーベーキーアーこー!!!!」
GM:では、貴方が覗いてみるとですね。窓が開いていて、カーテンが揺れてる。
揺れるカーテンの下、ルドベキア公が身動きもせず、すやぁ……とベッドに横たわってます。
サリー:「ルドベキアこー!!!!」と叫んだまま飛びついていく。
GM:……飛びついたらその勢いでルドベキア公の体が吹っ飛び、そのまま壁にぶつかって「ごんっ」とか嫌な音がした()
サリー:えっ!?(一同笑)
GM:しかも無反応。
サリー:えっ? 大丈夫??
GM:……そんな感じで暫く無反応なのですが、しばらくたった後に、
ルドベキア公は「………サリー、お前はまたこう、破天荒な……」と、ため息をつきながら起き上がりました。
サリー:「おきた!!!!!」
GM/ルドベキア:「サリー? 勝手に、主の部屋に、入ってはいけない。わかったな?」
サリー:「起きないのがわるいです」
ルドベキア:「たまにはゆっくり寝かせておいてくれても構わないだろう」
……とちょっとため息つきながら言ったりしつつ。「着替えるから」と部屋から貴方を追い出す。
サリー:「二度寝ならいいけど、一回も起きないと不安ですーー」
ルドベキア:「ちょっと疲れてて寝たい時くらいある!」
サリー:「ぶー」……と言いながら追い出されます。

GM:さて。そんなことをやっていた時の裏。ステラさん。
ステラ:はい!
GM:ちょうど先ほどのサリーちゃんノッカーボム事件とほぼ同時刻……いや、あれよりはちょっぴり前のこと、かな?
貴方はたまたま、今日の薪拾い当番だったのですが、パンを焼く薪が足りなくなってしまったので、お外に拾いに行っていました。
ぐるっと小屋を回って裏手に回ると林があったので、そこを目的地にてくてく。
ステラ:てくてく。
GM:小屋の後ろに回ると、何やら何処かの部屋の窓が開いているのか、カーテンがひらひらと風に舞っています。
そのカーテンのすぐそば、おそらく部屋の中からは微妙に死角になっているところに、一人の銀髪の少女が立っていることに気が付きました。
サリー:お?
ステラ:はい……?
GM:正確に言うと、少女なのか少年なのかわからない中性的な顔立ちですが、髪が長いので女の子…かな……?みたいな。
ステラ:また性別不詳キャラが。
GM:その少女が、じっと部屋の中を見ていたようなのですが、ふと貴方の方に目を向けてきました。
貴方に見られてたことに気が付いて、一瞬しまった、という顔をする。
……さて、ステラさんどうなさいますか?
ステラ:うーん…「私たちにご用でしょうか?」とか言って話しかけます
GM/??:「………っ」
話しかけられると一瞬逃げかけるのですが、ふと、思い立ったように立ち止まり。こういいます。
「……そこの。ステラ。……または、ソレイル・シャリエ」
ステラ:…げ。身バレ。(←「ステラ」が偽名で、ソレイル・シャリエが本名)
GM/??:当然のように貴方の本名を言って、じっと、睨みつけるように顔を見上げて……相手はこう言ってきました。
「一つ、聞いてもいいだろうか」
ステラ:警戒しつつ「はい、何でしょう?」と答える。

GM/??:「君はどうして彼女……ルドベキアに従う?
……いや、少し言い方を変えようか。今の『ルドベキア公』は、君が仕えるに相応しいかい?」
そういって、沈黙。返答を待っているようです。

ステラ:……。「もちろんです。主人の平穏を厭うことなどありえますか?」
GM/??:「……そう、か」
それを聞いた瞬間、ぱっと少女は目を見開きます。それからどういうわけか、少し息を吐いて………
で、多分、そこらへんで「ぼんっ!!!!」って爆発音が聞こえるんだろうなぁ。思い切り、カーテンが開いてるそこの部屋から。
サリー:えへ。ノッカーボム、『大きな爆発音を伴います』
ステラ:んんっww
サリー:あ。読み直して気づいた。『この魔法で破壊された鍵は、修復できません
シエラ:鍵―!!!! 借りてる家ー!!!!
ステラ:い、イリュージョンで誤魔化しましょう!!! というか、謎のNPCが開幕ドン引きしてますよ!!
GM:いやほんとww 少女はぎょっとしたような顔をして、慌てて窓から離れます。
「……!? ええ、なに……!? なんだもう、君たちはほんとめちゃくちゃだな! いつもいつもびっくりの連続で死ぬかと…!!」
シエラ:……「いつもいつも?」 こいつ、我々のことを知ってるのでは?
サリー:うーん……
GM/??:「……こほん。とにかく、またね! ええと、体に気を付けて!!」
そう言いつつ、ばっと林の奥の方に駆け去っていこうとします。で、とくになにもなければそのまま逃……
ステラ:(即座に)バインドオペレーションってできます?(※1)
GM:(一瞬沈黙)……してもいいよ??
ステラ:いえ、まあ普通に見送りましょうw
GM:わ、わかりましたw
では、彼女は逃亡し、多分、そろそろ「ルドベキアこー!!!」って声が聞こえてきてると思う()
サリー:ルドベキアこー!!!!
シエラ:うーん、知能指数が低い。
GM:そんな感じの1シーンが、ありまし、た……

と、GM、一瞬沈黙。

GM:……あのね。GM、ちょっと悩んでてね。
タウルス:はい。
GM:実は今個別オープニングということで、それぞれのハンドアウトの情景をやっていっている形なんですが……PC2がね??
サリー:ん?
GM:これ、ハンドアウトに書いてある文言が、どう頑張っても聞こえる位置にいなかったなって思ってね??
(一瞬沈黙)
シエラ:あ、あれ、もともとはPC2のハンドアウトのシーンか!!!
GM:「その問いが、君の耳にどう届いたのか」!
サリー:これはそもそも耳に届いてませんね??
GM:ごめんね! 色々考えた結果、届かせられなかった!! タイミングがあったらまた言わせるように努力するから!!!!
サリー:まあ、そういうこともある。
(一同笑)

ごめんね。GMったら誘導がお下手。

GM:………さて、ちょっと失礼。次は……しえらさーん
シエラ:はーい
GM:その日の夕方。今日も平穏に日が過ぎて、シエラさんが近くの村に夕ご飯の買い出しに行ってるところ。
シエラ:じゃあ、行き帰りは魔法で飛んでます。隙あらば飛ぼうとする。ばびゅーん。
GM:では、空を飛んでるあなたの耳の横らへんで。
「もし、貴方がシエラさん? 少しお時間よろしいですか?」 …と、当たり前のような声音で、女の人の声が聞こえました。
シエラ:思わず「ひゃぁっ!」と声を出した後、止まって警戒した様子で周囲を見ます。
GM:振り返ると、そこには白鳩がいます。くるっぽー。
シエラ:「その鳩・・・使い魔か」
GM:はい、その通り……ファミリアです。(※2)
よく見ると、その白鳩さん。足にはなにか手紙みたいなものを掴んでて、嘴のところになにかピアスみたいなものぶら下げてる。
で、そのピアスから声がしているのです。「こんにちは」とな。
シエラ:通話のピアスだ通話のピアス。(※3)
GM/??:「驚かせてしまってごめんなさい。少し急いでいたものだから。この手紙、よければルドベキア公に渡してくれますかしら?」
シエラ:…ほ? 「ルドベキア公」って、言ってくるのか。
……いったん「ルドベキア公?知らないな」と、とぼけとこう。一応お忍びの旅だし、警戒……
GM/??:「あらあら、どうしよう………どうしようかしらー…。
……警戒されてるなら、一応、このお手紙、このあたりに落としておきますね。後で拾ってもらえればいいですー。
ルドベキア公には、《森の七不思議》からのお手紙だ、って言ってもらえればきっとわかると思います」
シエラ:「……ちなみにその中身はオレたちが見てもいいものなのか?」
GM/??:「んーと。ルドベキアさんがいいとおっしゃってるなら、いいんじゃないかしらー?」
ごめんなさい、あんまりそのあたりはわかってないのだけどー。と、おろおろした声がして。
よろしくね!と、ぱっと、白鳩は手紙を落として去っていきました。
シエラ:それじゃあ、いったん下に降りて手紙を拾いますが……手に取る前にアナライズ・エンチャントメント(物に魔法がかかってるか調べる魔法)します。
GM:何の魔法もかかってないことが分かりますね。ほんとに「ただのお手紙」って感じ。封蝋付き。
シエラ:了解。……さて。中身どうやってみようかな……(ぼそっ)
サリー:え、見るの?
シエラ:え、見ないの?
サリー:「ルドベキア公がいいって言ったらいい」って言われたじゃん。まだ聞いてないよ?
シエラさんの忠誠心はそんなものなのか! 自分だったら、従者に勝手に自分宛の手紙の中身見られたらもう信用しないぞ!!

正論。

シエラ:くっ。で、でも、見たい! 見たいんだ!!
サリー:まったく。
シエラ:うーん。でも、見るにしてもどうやろう?
GM:封蝋でしっかりしめてあるので、普通の方法で開けてみると、明らかに「誰か勝手に開けて中身見たな」ってばれちゃいますね。
タウルス:シースルー、とか…?
GM:あれ「半径2mの空間」にかける術だからなぁ……
サリー:「半径2mの空間」部分に封筒の外部を当てることで封筒だけ透かし、中身の、折りたたまれてる便せんに書いてある文章を読む。しかも魔法の効果時間、10秒。
GM:かなりの職人芸ですね? 無茶をおっしゃる。
シエラ:くぅん……
GM:…まあ、発想面白いから、今回に限って、高めの達成値出せたら見えてもいいことにしましょう。
ただ、一部透かせたとしてもきちんと文字が読めるかどうかはかなり怪しいと思うので、見れたとしても本当にちらっとです。
シエラ:ありがとうございます!

人によりますが、本来の用法じゃなくても「面白いからやってもいいよ」というGMも割といます。
このGMも割とそれ。

GM:……目標値は25くらい、かな? 相当な職人芸なので。
シエラ:頑張ってチェックします。スフィナレ使って……
(ころころ)成功!(ドヤ) というかピンゾロチェックでした。
GM:…まじか。ちょっと高レベル舐めてたな……。

そんな風に盗み見して、一文ちらっと透けて見えた内容は以下の通り。
『ご依頼の件、承りました。心中お察しいたします』
『貴方の愛する者のために、私も手をお貸ししましょう』
一文目と二文目の間はちょっと離れてますが、そんな感じの文がチラ見えしました。

シエラ:ふむ……。では、「少なくともルドベキアに害のあるものじゃないみたいだな」とひとり言を言ってその手紙を拾います。
シエラ:……帰ったらすぐにルドベキアに、「主様、手紙だぞ。《森の七不思議》とかいう奴からのらしいが」と報告に行きましょう。
ステラ:ちなみに、渡すシーンで、我々いっしょにいてもいいんですかね?
シエラ:別に人目を忍んでるわけではないのでいてもいいぞ。
タウルス:「てが・・・み・・・?もりの・・・ななふしぎ・・・?だれ・・・?」
シエラ:「さあな、オレにもさっぱりだ」と帰りの様子をかくしかと。ただし、手紙の中身をのぞき見たことは内緒。
GM:……では、ルドベキアはその報告を聞きますと「……!」と一瞬ぱっと目を見開きます。
しかし次の瞬間には平静な顔に戻り、手紙を受け取りました。
GM/ルドベキア:「……ああ、ご苦労。シネラリア殿からだな」
シエラ:シネラリア?
GM:ちょっと立ち上がって、一瞬自室に引っ込みます。で、数分後に帰ってきて、開口一番……
ルドベキア:「フェイダンに帰るぞ」
サリー:「え?」
シエラ:「な、なんでそんな突然!?」

これも、PL諸氏はハンドアウトで事前に知ってたことですが、PCは初めて知ったことなのでざわざわRP。

GM:貴方がたのざわめきを受け流しつつ、ルドベキアはごそごそと荷物から地図を取り出し、開きます。
フェイダン地方、特にアイヤール帝国東部からディルフラム付近にかけての地図ですね。
「ここに行きたい」と彼女が指さすのは、アイヤール帝国…ではなく、その南部。エフィネア大森林と呼ばれる森林地帯の只中です。
かつて貴方がたが主に活動していた主戦場からはかなり離れているため、あまり馴染みはありません。
ステラ:ほおー……
ルドベキア:「現在、ここにいるとある人物…《森の七不思議》に依頼をしていてな。今まで幾度か書簡のやりとりをしていて、今回ようやく依頼承諾の返答を貰えた。
……ので、ここに行きたい。いや、行く」
既に決定事項です、というお顔。
サリー:「ルドベキアこーがそう言うなら、サリーはついていきます。」
ルドベキア:「そうか。ありがとう」……と言いながら、ふと、ステラさんの方を見ます。
ステラ:私? ですか?
ルドベキア:「ステラ。お前は、それでいいか?」
ステラ:「はい、ルド様が行くならどこへでも」きょとん。
ルドベキア:「そうか。ならば良い、行こう」

きょとんとしているステラさんを横目に、ルドベキアはどこか安心したように頷きました。

ステラ:何で私だけに……?
シエラ:オレたちもいるのになぁ。
GM:……というわけで。貴方がたは、突然、フェイダン地方に帰ることになったのでした。
「出来るだけ早く行きたい。じゃあ3日後の飛行艇のチケットをとってこい」などという無茶ぶりもされつつ。
シエラ:えー!?
タウルス:むちゃぶりだ。(※4)
GM:ちなみに、チケット買えたかどうかは後で判定します。街の中でチケット探しに奔走、だから探索判定ですね。
タウルス:これ、テレポート(長距離瞬間移動魔法)とかで飛んでくのはだめなのかな?
シエラ:あっ(←ソーサラー高レベルなのでテレポートが使える人)
GM:馴染みのない場所なので、直接そこに飛ぶことは難しいかも。でも、フェイダンに行くだけなら可能かもしれません。
シエラ:うーん。もしチケット買えなかったら提案してみようかな……
タウルス:できたとしても、MPばかにならないもんね。

GM:そんな翌日。チケットを買いに奔走したかもしれない日。
この日は、タウルス君が久しぶりにハルフェティと会う日です。
GM/ハルフェティ:「タウルス! ここよ!」
元気なろりっこが、酒場のカウンタ—で、貴方を見つけて手を振りました。既にお酒が入ってる様子。
タウルス:「ひさしぶり。もう・・・のんでたのか・・・」そちらに近づいていき強い酒を店員に頼む。
GM/ハルフェティ:「だって、タウルスったら遅いんだもの。しょうがないでしょう? もう、ぐずなんだから」
タウルス:「う・・・ごめん・・・」しょぼん
GM/ハルフェティ:「……な、なに落ち込んでるのよ。ちょっとからかっただけでしょー!」(←ちょっと言い過ぎたと慌ててる)
GM:……みたいな感じでいつも通りに会話が始まりました。
タウルス:怒ってないようなので笑いを取り戻す。
GM:貴方がたは、こういう風に月に1,2回は会っては近況報告をしあっています。
……ちなみに、時間の関係で演出できなかったけど、君がいっぺん死んだことを伝えた後は、ハルは暫くかなり落ち込んでたと思います。
タウルス:落ち込ませちゃったね……
GM:一時期はもう、とんでもなくずーんと沈んでいました。
今では、元気に、昔みたいに話せてますけどね。……さて、でもここで少し問題が。
タウルス:問題?
GM:現在、ハルはザルツ地方に来ています。となると、フェイダンに行ってしまうと、またなかなか会えないかも。
タウルス:しかたない。いうしかない。「そういえば・・・あしたから・・・ふぇいだんにいくことになったんだ・・」
ハル:「へ?」
タウルス:「また・・・しばらくあえなくなるかもね・・・」しょんぼり
ハル:「……あら? そうなの?」
タウルス:「うん」
一瞬の沈黙が走りますが……ハルは、なんだか顔を輝かせました。
タウルス:あれ?
ハル:「なあんだ! それならそうと言ってよ、タウルス! 私、落ち込んじゃって損したわ!
私も、二日後にフェイダンの方に戻ることになったのよ。それで、また会えなくなるんじゃないかって……」
タウルス:「はる・・・おちこんでたの・・・?」
ハル:「あっ。べ、べつに会えなくなるからって落ち込んでなんかないわよ。言葉のあやよ、あや!」
と言いつつ、明らかに顔をぱぁああああっと輝かせて、ハルフェティは喜びます。
タウルス:「そうなんだ。はるとまたいっしょで・・・うれしいよ」割りと満面の笑み
サリー:まあ。なんという偶然。
タウルス:なんという偶然。
サリー:シナリオの都合!
GM:うふふ。さて、いかなる偶然か。とにかく、貴方がたは無事、今後も会うことができそうです。
きゃあきゃあと喜びつつ、そんな風に夜は更けていきました。

GM:では。飛行艇のチケット変えたかなチェック。
3日後の、5人分のチケットを買わなきゃいけない、って結構難しいと思うんだ…ということで、探すなら、探索判定で目標値23。
サリー:はいはーい。エクスプローラーエイド―! (ころころ→ピンゾロ)…あっ。
タウルス:(ころころ→出目3で失敗)あっ。
(一同笑)

シエラさんとステラさんは、街中で探索が出来る技能を持っていないため、ここでもう「チケットは買えませんでした」が確定に。

サリー:なんかね、たぶん、違うものに気を取られちゃった。
「ルドベキアこー!2週間のゆうがかん光プラン見つけた!これに乗ろー!!」
ルドベキア:「サリー、私が行きたかったのはどこだー?」(なでなで)
サリー:「フェイダン!」
ルドベキア:「この行き先は?」
サリー:「ザルツ一周!」
ルドベキア:「そうだな。フェイダンじゃない」
サリー:「えへ」
シエラ:では、二人が探索に失敗して帰ってきたところでー……
「ちなみに主様、ただフェイダンに行くだけだったらテレポートで行けるんだが」
ルドベキア:「……そうか。そう言えばシエラはソーサラーか。綺麗さっぱり忘れていた」(真顔で手をぽん)
シエラ:「ったく、せっかく熟練の真語術師がいるんだからもっと頼れよな」
ルドベキア:「……昔居た戦場の付近ならいけるかもしれない、か……。シエラはすごいな」素直に微笑。
シエラ:複雑な顔で「どうも・・・」とそっぽ向いて返す
ルドベキア:「それはそうと、死にたくなければ口調を弁えろ?」
シエラ:「う〝」
GM:15mp×5人分=75mpか。行けますね。(テレポートする際のMP計算)
シエラ:マナセーブ(mpの消費軽減特技)持ちなのでもうちょっと安いぜ。
……あ、ちなみにGM。飛ぶとしたら、具体的にどの地域になる?
GM:そうですね……。
ルドベキアが行きたいといった場所に一番近く、なおかつ、テレポートの対象となりうる「シエラさんが一度行ったことのある場所」となると……
フェイダン地方の、貴方がたがかつて戦っていた戦場。つまり「一度ルドベキアが死んだ戦場」、ですかね。
一同:え。

それは流石に……というところなのか、PL陣ちょっと沈黙。

シエラ:……それは、いいのか? 場所的に、飛んで危険じゃないのかってのと、その……(言い淀む)
ステラ:ルドベキア様、いやがりませんか……?
GM:うーん……そうですねえ。
まずルドベキアの心情に関しては、気にしないで構いません。
ルドベキアに聞いてみると、「そこが近いんだろう? 私のことは気にせず、飛んでくれ」と言われます。心情的な忌避感とかは無いようです。
シエラ:…………。そうか。ルドベキアは、そうだよな……(考え込みながら)
GM:ただ、安全面に関しては、GMからは「絶対危険とは言わないが、絶対安全とも言い切れない」としか言えません。
一応戦場と言っても昔の話。今から数年前に、大規模な戦乱は終わった場所です。だから「絶対危険とは言わない」。
ただし、人族領域からは結構離れている……つまり、今でも蛮族との小競り合いの続く地域なので、「完全に安全とは言い切れません」。
あと、貴方がたは今ザルツに来ちゃってるので、現在のその地域の具体的な情報は仕入れられていません。

ちなみに、ルドベキア公は基本的に戦場「にしか」いなかった人です。
アイヤール帝国王宮とかは流石に仕事としていったことがあるかもしれませんが、それ以外の平和な領とかには、いったことがありません。
PC達も、ディルフラムとの戦線ばかりに引っ張りまわされていました。
ので、ルドベキアが「行きたい」って言った場所に出来る限り近いテレポート先を選んだら、どうしても以前の戦場になってしまうわけです。

GM:……という感じなんですけど。飛びますか?
シエラ:……まあ、ルドベキアが行ってもいいって言ってるし……。
それに、今のところ他に対処法もないしなあ。
GM:あ。一応「チケット取れるかな」探索判定は、もっかいやり直してもいいですよ。
今からとれるのは、これから一週間後くらいのチケットにはなりますが。
シエラ:いや、ルドベキアは出来るだけ早く行きたいらしいし。テレポートでいきましょうか。
安全であることを信じて、その戦場に飛ぶ。
GM:了解です。では、テレポートの行使判定お願いしますね。
サリー:(ぼそっ)人数分テレポートの行使判定して、誰か一人分だけファンブルで失敗したりしないかな……
一同:ちょww
GM:たーのしー!
シエラ:やめろ!!(笑)

SW2.0の魔法行使判定は、一括で振る派と、魔法を拡大した対象数だけ振る派がいます。

タウルス:数拡大で一括行使して、全員飛べるか全員飛べないかのどっちかにするのが安全だよ……
ステラ:一人だけ取り残されるのはね……
シエラ:い、一括で振ります!! いやまあ、失敗しないけど!! せっかくだし、一応な!!
タウルス:せっかくとかじゃなく、絶対に一括で行使して?
シエラ:くそう、まったく出目を信じられてない! さすがに信じてくれよ!! ほら!!!!(ころころ)

シエラ・アスール(判定):2d+20 行使 真語魔法
SwordWorld2.0 : (2D6+20) → 2[1,1]+20 → 22
※ピンゾロで自動失敗

(一同爆笑)
GM:wwwwwwwwww
サリー:「あれ?」
ステラ:期待を裏切らないwww

この流れでピンゾロを出すのは、流石といいますか。

タウルス:これ、別ぶりだったら順番的にルドベキア公が取り残されてましたね。
ルドベキア:シエラは本当に期待を裏切らないなぁ」(笑顔)
シエラ:「う、うるせー!」HP変換を、使います!! 瀕死になりながら再行使!

ルーンフォークの種族特徴、HP変換。自分のHPを減らし、減らしたHPの分だけMPを回復することが可能です。
そんなわけで、HPを盛大に減らしながら魔法を行使するシエラさんが爆誕しました。
爆笑をバックにしつつも、今度は無事に行使成功。

シエラ:よし!!
GM:さて、ではテレポートで飛んだ貴方がたですが……
今現在の状況。むぎゅ。
一同:むぎゅ?
GM:………なんかむぎゅってなってます。
タウルス:むぎゅう??
GM:ちなみに、辺りは真っ暗です。正確に言えば、目を開くのが困難。
ステラ:??????
GM:眼を開くと、なんか粉末的なものが入ってきて、めっちゃ痛い。
めっちゃせまいです。そしてめっちゃつまってます。具体的に言えば、入っちゃいけない容量のところに5人入ってる感じ……
学校のトイレの個室(せまい)くらいの狭さじゃないかな。みっちり。
あと、なんかちょっと生臭い。
シエラ:えええええ!? とりあえず、使い魔の視界で見ます!
GM:使い魔を通してみると、なんというか「暗い」と思ってるのは、実は真っ黒な土的なものだということがわかります。
それはそうです。貴方がた暗視持ちですもの。ただ単に暗いだけなら見えるはず。
シエラ:こ、これは……もしかして……
サリー:つちのなかにいる!!
ステラ:ええええええー!!?

皆さん、察しが良い。

GM:ここで一応GMから選択肢。
「1、とりあえずまたテレポートでどこかに退避。」「2、頑張って各々脱出(物理)」……どちらがお好み?
シエラ:ええええ。えええええ?(言葉になってない)
ステラ:な、なんかテレポートが失敗したとかでは、ないんですよね? シエラさん、此処ってもともとこういう場所だったんですか?
GM:シエラさん的には、ほんとに、以前戦場だったところのど真ん中に出ようとしたと思う。もちろん、土の中ではない。
タウルス:うーん……とりあえず、周り、調べてみる?

いろいろ動ける範囲で調べてみると、どうやら、柔らかい土と、岩のような大きな埋蔵物に囲まれた空間のようです。
岩のような埋蔵物は、四角く、大体人より一回り大きいくらいの大きさで、いくつか並んで土の中に埋まっています。
みっちりつまってるのは、その埋蔵物と埋蔵物の間に無理やり5人詰まってるような状態のため。
何だこの空間、となりつつ、頭をひねるPC達。

サリー:………。スフィアシェード(物を格納する魔法)!
スフィアシェードを2回行使して、半径1m高さ2mの円筒に土をくりぬくとかどうです? それで、ちょっとは楽になりません?
タウルス:あれ、対象が「物体」だからなあ。土を対象に取ると土粒一粒収納とかになりそう。
サリー:じゃあ、土じゃなくて土中の埋設物に対象を変更。できますか?
GM:(一瞬考え込んだ後)できるんじゃないかな?
サリー:よし! 横の埋蔵物を収納して、我々の居る空間をある程度広くします。「苦しい!!狭い!!つち!!」
……(ころころ)行使成功!
GM:では、サリーさんは、貴方がたの真横にあった、大体人一人くらい入りそうな石で出来た直方体を2個収納しました。
ちょっと気持ち、空間が楽になりました。
シエラ:圧死は避けた……

で、そのあともう少しみんなで魔法とかを見るタイム。
以下、個人的名(迷)言。

GM:…普通に筋力で判定して、物理で外出てもいいのよ?
タウルス:こういう時、ウィザーズトゥームとかめくって、GMが想定してなさそうなしょうもないこと考えるのが楽しいんですよ。

まあ、わかる。

サリー:うーん。GM、ちょっと屁理屈かもしれないんですが。ライフセンサー(生命反応を調べるマギテック魔法)って、『「土中の虫」くらいの大きさ以上』の生命を対象に、広範囲でばっと調べてみることってできます?
GM:(ライフセンサーの記述を確認して)出来そうですね。何かやります?
サリー:土の中に居そうなミミズとかムカデとかそこらへんの生命を対象にライフセンサーすれば、「どのあたりまでが土の中か、どのあたりからが土の中じゃなくなるか」がわかって、脱出方向がわかりやすくなるんじゃないかなと
GM:ふむ、なるほど。面白いですね。
サリー:まあ「空中にももさもさ虫がいます」とか言われたらどうしようもないんですが……
GM:…………。
タウルス:そこで黙るの、絶対空中にも大量に虫がいるパターンじゃないかな??
ステラ:というか、色々今推測してるんですが……状況的にこの場所完全に「アレ」ですし、空中に虫がいてもおかしくはないですよね。大量に。
サリー:うわー、やめて! 今は、「さっきスフィアシェードに収納したものって、ほんとはなんだったのかなー」とか考えたくない! 考えたくないんだ!!
GM:…。そうね。空中に虫は居ると思いますが……
でも、土の中の虫と空中の虫はサイズ違うと思うし、何よりちょっと発想が面白かったので、やってみてもいいですよ?

基本的に「ちょっと面白い」と思ったらとりあえず通す方向。

行使した結果、大体頭上2mくらいまでが推定土の中だと判明。2m以上上にいけば、おそらく土の外に出られるだろうということになりました。
ついでに、以下のようなこともおまけでわかった。

GM:使用したのがマギスフィア大だと、サーチ範囲は100m。
それだと……すごい隅っこの方に、ちらっと人間大のサイズのものがありますね。君たちの真横の方向かな?
サリー:うーん。気になるけど、とりあえず最速で土から出ましょう。「でかいのー、上に2mくらい掘ってくれー」
ルドベキア:掘る場合は冒険者技能+筋力。27。気合い入れて掘ってくださいねー
タウルス:マッスルベアー!(気合)

結構難しい判定だったのですが、タウルスくんは見事に出目10を出して余裕の成功。

サリー:「さすが!でかいぞー!すごいぞー!」
タウルス:「えへへ・・・」
ルドベキア:では。タウルス君が上の方に掘っていくと。途中でなんか、ばりん、と岩のようなものを砕いたような気もしますが。
シエラ:ちょw
ルドベキア:その岩盤のようなものをぶち抜いた先、新鮮な空気があります。
タウルス:あたりを見回して、危険がなさそうなら外に出る。
サリー:「外だー!」
ルドベキア:とりあえず外はバリバリ戦場ではないですね。静か。ただ、蠅のような羽音がぶんぶんと耳元で聞こえます。
タウルス:(即)魔物知識していいですか?
GM:いいよw ……(魔物知識判定成功したのを見て)うん。ただの蠅。
(一同笑)
サリー:「こいつがわさわさの正体か!」
シエラ:「ぜえぜえ・・・ようやく新鮮な空気が吸えた・・・」(出てきた)

GM:では、貴方がたが出てみますと……
よく見ると、巨大な盛り土がされたような場所です。貴方がたが知っていた戦場の様子とは全然違いますが、遠くの方の景色は知っているような気はする。
で、下の方、今あなた方が出てきたところを外からを観察してみると……そう。どうやら、ここは土を盛った共同墓地のようですね。
ステラ:ああああ……
タウルス:やっぱり………()
シエラ:「みんな、どうやら地面だと思ったところが土に埋まっていたみたいだ・・・すまん・・・」
サリー:「あっお墓!」……ってわけで、マギスフィアから棺桶を解放します
GM:ええその通り。マギスフィアから勢いよく、石製の棺桶がびゅーんしますよ()
ちなみに、もしかしたらスフィアシェードした瞬間にちっちゃい石みたいなの(中身の骨)がばらばら落ちてたかもしれませんね。
サリー:「骨やんけ!!! ぶーぶー」シエラに骨をぶつける
タウルス:知ってたサリー? シューターだと投擲に普通にダメージが乗るんだよ。
シエラ:待って!!! オレ、今防護点0でHP4なので流石に死にます!
ステラ:wwwww
ルドベキア:「二人とも。死者を貶めるな」(稲妻バチバチ)
サリー:「はい!ごめんなさいルドベキア公!」
シエラ:「オレは関係ないだろぉ・・・」
ステラ:あの。シエラさんが瀕死なので、ちょっと回復してもいいですかね
GM:そうですね……まあ、今後何があるとしても、10秒ほどの猶予はあることにしましょう
タウルス:あっ。察し。
シエラ:と、ととととりあえず、どなたか回復してください……(瀕死)
タウルス:ここでおもむろにサリーが銃を取り出して、「なんらかの弾」を撃ち込むんですよね。
シエラ:ああ、ヒーリングバレッ……(※5)
GM:「あっごめん、これソリッド(バレット)だったわ」(※6)
タウルス:「レーザー(バレット)だったわ」
シエラ:やめて!!
タウルス:そしておもむろにこういうわけだ。「ほら、墓って奴にはこう書いてあるんだろ? 『R.I.P.(Rest In Peace)』…ってな」と。
シエラ:やめて!!? なんでこういう時だけ語彙が豊富になるんだ、タウルス!!
ステラ:わ、私、アースヒール2(純粋な回復魔法)、撃ちます!!!
シエラ:ステラだけが良心だよ……

行使は無事に成功。

シエラ:うう。HPは戻った。MPはすっからかんだけど。
ステラ:悲しい事件でしたね……

大量にHP変換した後は、きちんと回復してからテレポートしようね。

GM:さて。
では10秒ほどの猶予が過ぎたところで「うわぁああああ、アンデッドだー!!!」と、誰かの声が聞こえまして…
シエラ:うわあああああw
ステラ:知ってたー…
シエラ:「アンデッド?どこだ?」……といいつつオレ思ったんだけど
タウルス:うん。
シエラ:これ(アンデッド)、オレたちのことじゃね?
サリー:あっ。
GM:そうね。思い切り、貴方がたに向かって、矢のようなものが射かけられてきました。
サリー:あーっ!!「あっ誤解! そうか、土の下から出てきたから、アンデッドだって誤解されるんだ!(土の中から出てきたため)」
ステラ:そりゃww そうだww
サリー:もしかして、さっきライフセンサーにあった「100m先にあった人型大の生命反応」が射かけてきてる?
GM:そうですね。位置的にそうでしょうね。
サリー:こいつら目ぇいいな。100m先にぼこぼこっと出てきたのによく気づき……
いや、100m先の良く見えないところに、突然ぼこぼこ人型の何かが墓地から出てきたらめっちゃ怖いな……気づいちゃった瞬間、そりゃ射かけるわ……
シエラ:ええと。これ、オレが誰か一人を代表でテレポートで送って、「アンデッドじゃないですー」ってやれば……
サリー:いや怖いでしょアンデッド(推定)が目の前にワープして来たら。口開く前に斬られるのがオチ!
タウルス:特に我々、下手に有名人だから。
「死して墓に眠っていた英雄たちが、アンデッドとなって蘇り、襲い掛かってきたのだった!」「最近見ないと思っていたら、死んで墓地に眠っていたのか―!!」
シエラ:うわあーありそうー!
ステラ:諦めましょう。

GM:はいw と、ここでちょっと状況説明です。
現在射かけられてはいますが、いかんせん100m先からなので、ぎりぎり矢は届いていません。
サリー:ほっ。
GM:貴方がたは、これからどうするか少しだけ話し合う時間があります。
ここでGM的には、貴方がたにいくつか選択肢。
1、矢はもちろん届いてませんので、このまま脱兎のごとく逃げる
2、そっち側に近づいてく。戦闘。
ちなみにおまけとして、矢が飛んでくる先から「アンデッドが出たぞー!!」とかんかんかんと何かが打ち鳴らされているのは聞こえます。
一同:うーん。(考え込みの沈黙)
サリー:「ルドベキアこー、どうする?」
ルドベキア:「………そうだな。同族であるならば避けようかとも思うが……すまないが、私は暗視がなくて見えないのだ。あれはなんだ? 人族か? 蛮族か?」
サリー:うーん、じゃあ、テレスコープ(望遠鏡的に遠くを見る魔法)で見てみよう。(ころころ)行使成功。
GM:はい、では。貴方から見えるのは……
……そうですね。ぼろぼろの服を着た人族が数人、辺りを駆け回っています。交易共通語で叫んでいるのもあり、まあ、彼らは人族でしょう。
サリー:「ルドベキア公!人族です!」
GM:でもその向こうに、綺麗な服を着た巨体が何体か。
タウルス:………。これは、もしや相手方、「人族奴隷を連れた蛮族」じゃない…?
シエラ:あ。かしこい。
サリー:(即)「ルドベキア公!蛮族もいます!」
ルドベキア:「では殺せ」。蛮族がいると聞くと、即命令します。
タウルス:一応、巨体だからといって必ず蛮族なわけでもないけど、そんな気がする―……
シエラ:よし。しかたない。オレが実際に蛮族かどうかを目視で確認するために、ファミリアを全力移動で飛ばします。

ソーサラーが使役する使い魔「ファミリア」は、術者(この場合はシエラさん)と視界を共有できます。
なので、こんな風にファミリアを遠隔地に飛ばして、その視界を使って斥候をしたりも可能。

GM:了解、ではファミリアが見た視界から、魔物知識判してみましょうか。
シエラ:ああ……スフィナレ(知力を上げる錬技)使いたくねえ……(深刻な声)
ステラ:ああ、MPが無いから…w
GM:使わなくていいんですよ???
シエラ:うぐう。でも、一応使っておく!石割る!

そんな裏で、ステラさんがもう一回アースヒールをシエラにうったりしつつ、魔物知識判定はシエラさんが成功。

蛮族はゴーリーチャンピオンが3体、「強弓の狙撃手」が2体ということがわかりました。
(ちなみに「強弓の狙撃手」は、データ的には「マギテックの狙撃手」からマギテックを外して、ただの射手にしたもの。攻撃距離が60mのまま、攻撃ダメージが物理になっただけ)

GM:で、この脱出方法だと…彼我の距離は100mです。敵は全員同じ場所に固まってます。
まあ正直、チュートリアル戦闘ですね。先制値は21、とっていきましょう!

この先制判定はちょっと難しいかもと思っていたのですが、タウルス・サリーともに出目10をたたき出し、危なげなく先制をもぎ取られました。

GM:ちなみに、この戦闘ではルドベキア公は支援に徹します。
具体的に言うと、貴方がたの手番中の好きなタイミングで、好きな人数に、「k30+彼女の魔力」で回復が飛びます。基本的には、それ以外の行動はしません。
ステラ:はい!


1ラウンド目

サリー:では……。スナイパーレンジ/レーザーバレット/ホーミングレーザー/ターゲットサイト/キャッツアイ/デーモンフィンガー/モラル入りシェルを落とす/射撃/レーザーバレット/ホーミングレーザー/射撃 どこかでクイックリロード挟み。ゴーリーに対して!
GM:(流石高レベル、攻撃時に盛るバフが多い……)
サリー:(ころころ)命中31!
ルドベキア:今回は敵、ダイス振らずに固定値です! ……ってわけでこっちの回避は23。避けれるわけないだろー!!

しかも初っ端から威力をクリティカルして一回転。ファストアクション分でもう一発も飛んできて、ダメージ合計71点。
この時点でゴーリー1体HP残58(HP半分以下)。痛い。

ステラ:すみませんシエラさん。私のこと、敵のところまでテレポートで飛ばしてくれませんか?
流石に100m先は、チェンジポジションだと届かないんです……

チェンジポジションは、目視できる人形と、自分の位置を入れ替える魔法。
移動距離が短い魔法戦士には非常に便利魔法なのですが、魔法の射程が30mなので、流石に30mより先には移動できません。

タウルス:僕もステラと一緒に、敵から30m地点あたりに飛ばしてくれると嬉しいかな。
ステラ:30m? 敵のすぐ横でなく?
タウルス:移動距離が延びると、僕の打点が伸びるの(チャージ)
シエラ:なるほど。あ、でも、MP的に……一人しかいけないかも……

さっきのテレポートファンブルが地味にここまで響いている。

GM:HP変換まだ残ってませんかね? 今のシエラさんのレベルなら、種族特徴強化でHP変換一日二回までできるからー…
シエラ:なるほど。本日二回目、血を吐きながらのテレポート。
タウルス:あ、うちのドラゴネットもテレポートしてくれるとうれしいなあー。ステラと僕合わせて合計5部位。
シエラ:えっ。

ライダーからの無慈悲なお願い。
テレポートは部位ごとにかけなかればいけない魔法なので、三部位あるドラゴネットは結構な重荷です。

シエラ:5部位!? ……HP変換入れて瀕死なんじゃが!?
………もう、せっかくだからオレはHP1になるぜ。HPが54→1で、MP71に。その後魔晶石2個割りながら消費MP60でテレポ。残MP11。
GM:ええんかー!?

シエラさんは無事にファンブルを避け、テレポート5倍拡大成功。
敵から30m地点に5部位飛ばし。タウルス君が突っ込みます。

タウルス:全力攻撃2、薙ぎ払い。キャッツアイマッスルベアー、モラルの録音落とし。
(ころころころころ)命中して、61点物理、かな?
GM:何当たり前のように出目9出してるんですか。痛い。

他の部位にも同じような打点が飛び、とりあえず終わったかと思ったら……

タウルス:ファストアクション。なぎはらい。今度は全部に当たり。
GM:二回目!? (計算して)痛いなぁ。ゴーリーは一体倒れました。狙撃手さんたちも、HP半分以上吹っ飛びましたよー……
……あ! 言い忘れてたんで、一応念のため言っておきます。基本的に、特記がない場合は、相手は殺したら死にます。

殺したら死ぬ、というと何を当たり前のことを、という感じですがー…
ここでは、「敵も、生死判定失敗したら死亡するよ」という意味。
死ぬと困る敵に関しては、あえて生死判定をさせずに気絶させるGMもいますが、基本的にこのGMは、敵側も生死判定を行います。
余談ですが、SW2.0は、とどめを刺さずとも生死判定に失敗したら普通に死ぬので、敵味方問わず事故死が多めの印象ですね。

タウルス:(即答)しらんな。
ステラ:おおい!?
タウルス:……と言いたいところですが、そうですね。基本、ルドベキアさまってどんな方針? 殺さないように指示するタイプ?
GM:まあ基本は、蛮族は殺せ、人族は生かせ、ですね。人族でも、明確に人族側に悪意を持ってるなら殺すでしょうが、今回のような場合は……まあ、生かしておけるなら生かすかな。
……ただ、今回に関してはいかんせん、暗くて遠いからどういう状況かはちゃんと見えてないと思う。「殺すな」って指示は、多分わざわざ出さない。
ステラ:じゃ、じゃあ、私が30m後ろから「殺しちゃだめー!さすがにやめとこう!」って止めに入ります!
タウルス:……とりあえず、攻撃はします。(ころころ)あ、命中ピンゾロ。
ステラ:ほっ。
タウルス:とどめをさそうとしたけどー、ついつい手が止まってしまった! 心の中に残る優しさが―!

そう言いつつも、ドラゴネットの攻撃が残っていたのでアタック。
現在狙撃手HP11、12で瀕死。ゴーリーはHP94,95。

タウルス:次は自分巻き込むかもしれない、どきどきわくわくブレスチェックー。(※7)
シエラ:流石に草。

ダイスの結果、雷のブレスはドラゴネットの翼、狙撃手両方、倒れてるゴーリーに。
ダメージは狙撃手に対して13点と10点をたたき出し、片方は気絶(生死判定成功)。もう一人も最早HP2。
ゴーリーチャンピオンはhp94のが一体、hp95のが一体ですがー……

ステラ:では、私が行きます。
チェンジポジション使用で、タウルス君に事前に渡していたぬいぐるみと現在位置を入れ替え、転移。乱戦エリアに移動します。
タウルス:持ってたぬいぐるみがなくなって、突然横にステラが来た。びっくり。
ステラ:強化魔力撃をゴーリーのB(HPが減ってる方)に。
(ゴーリーの回避を確認して)……あ、これなら命中ピンゾロチェックですね。
(ころころ)命中33で、あたり。物理で52点どうぞ。
GM:おおう……ゴーリーチャンピオンB、hp38です……

エネミー側にようやく手番が回ってきましたが、最早死に体。立ってるのはマギテックBとゴーリー2体。

GM:……うーん。ゴーリーは知能「低い」なので、対象はランダムで……(ころころ)タウルスくんに。命中は25。
タウルス:(ころころ)当たりました。回避はそんなに高くない……
GM:ダメージ29点物理。
タウルス:9点止めて、20点喰らいます。
GM:痛くなさそうだなぁ……タウルスくん、HP3桁だもん……

その後のゴーリーチャンピオンの攻撃の内訳は、タウルス君、ステラさん、ステラさん。
(ゴーリーチャンピオンは特殊能力:2回攻撃持ちなので、ゴーリーチャンピオン2体で攻撃が4回だった)
ステラさんのHPが48くらいまで削られました。

ルドベキア:で、最後に狙撃手は、知能が人間並みなので……当たりそうで、なおかつ一番元気じゃなさそうなステラさんに。
タウルス:こっち50てんくらいくらってるよー??
GM:明らかに、それでもぴんぴんしてるのが見えるんだよ!! HP高すぎ!!(ころころ)
ステラ:当たりました。(計算して)7点止めて、18点喰らいましたー……いたい。

2ラウンド目


サリー:スナイパーレンジ(5)/クイックローダー(4)/レーザーバレット(3)/デーモンフィンガー(3)/射撃。ちょっと命中節約した。
(ころころ)命中27。
GM:なーにが節約ですか。当たりますよ。

この攻撃で、ゴーリーチャンピオンBがhp8で瀕死に。

サリー:うーん。タウルスに手番が回ってしまった―。こわい。狙撃手さんが殺されそう。
シエラ:みんながんばって。ごめん。オレなんもできないから。最早歩くことしかできないから。(←MP欠の上に、魔法の射程届かず)
タウルス:みんなーどうするー?
ステラ:ば、蛮族だけにあててくださーい!!

タウルスくんは、ステラさんの必死の説得で、任意選択の対象から狙撃手を避けて攻撃。
それでも平均50点くらいの物理ダメージを範囲で与えてくるので、当然のようにゴーリーチャンピオンBは落ち。
その後ステラさんの攻撃もあり、一回はエネミーに手番が回るものの焼け石に水。
3ラウンド目で実に危なげなく、PC達の勝利となったのでした。

GM:はーい! これにて戦闘終了です! ちょっと簡単すぎたかなー?
サリー:戦利品はぎとりー。まあ……狙撃手からはぎとるかは、あとでちょっと考えるけど。とりあえずゴーリーだけね。
GM:では、とりあえずゴーリーチャンピオンから剥いだところで、今日は時間も遅いですしここでいったん切りましょう。
おつかれさまでしたー!
一同:おつかれさまでしたー!
サリー:いやあ、楽しかった!
GM:そうかー…。上から出たかー…。

マナサーチじゃなくライフサーチされるとは。簡易ダンジョンが日の目を見ることはなかった。

シエラ:(ぼそっ)オレ、敵からダメージ受けてないのに、ぼろぼろなんだけどー……
サリー:がんばれ。
シエラ:ぐすん。


第1.1話


※1 恐怖の拘束魔法。何が恐怖かって、精神抵抗判定に成功しても「抵抗:消滅」じゃなく「抵抗:短縮」なので、10秒は絶対に拘束されること。
※2 使い魔を作る魔法。鳥のほかにも、蛇とか蛙とか猫とかもいる。
※3 対のピアスをした人同士で、遠く離れた場所でも10分間は会話ができる魔法アイテム。まあ、ぶっちゃけ電話です。
※4 「飛空艇」というのは、SW2.0の世界で使われている移動手段。ただ、結構特別な交通手段なので、運賃が高い&コネとかがないとチケットがそもそも取れないことも多い。
※5 SW2.0では、マギテックは「弾丸に魔法を込めて魔法弾を撃つ」魔法職で、ヒーリングバレットは「回復魔法を詰めた弾」。
※6 ソリッドバレット→普通に攻撃魔法を詰めた弾、レーザーバレット→もっと強い魔法を詰めた弾。今のシエラさんに当たったら確実に死ぬ。
※7 ドラゴンの「ブレス」攻撃は範囲攻撃ですが、乗ってる人も容赦なく巻き込みます。
最終更新:2018年12月04日 15:43