GM:というわけで導入の続きから行きますね。

キャラ作成の時点で、導入「手紙」の途中まではすでに話をしてありました。

GM:新米冒険者だったポピィは、世話をしてくれてたけどこの世を去った師匠に届いた手紙を見てヴァイスシティに行こうと思いました。
ポピィ:「がんばるぞい!」
GM:手紙を届けてくれた冒険者を追いかけて事情を聞くとですね。どうやらこの依頼、冒険者ギルドで受けたものではないらしいんですよ。
ポピィ:「あらぁ……」
冒険者:「ここだけの話なんだけどさ……」
ポピィ:「ここだけ」
GM:実は盗賊ギルドからの依頼なんだって。
ポピィ:「あらぁ……………悪いこじゃん……」
冒険者:「神殿がギルド兼ねてるからそんなに悪いこじゃないんだよ」
ポピィ:「ほんと?? 行ったらカツアゲされない?? いいこなの?」
冒険者:「いいこだけどおかねはだいじだよ」

GM:というわけで、ヴァイスシティの盗賊ギルドは【56:ミルタバル神殿市場】にあるって話を聞きました。そこに行けばいろいろ話が聞けそうです。
ポピィ:「ししょー、ポピィ、こわいひとともしゃべる。がんばるぞい」(ぐっ)
GM:場所は……(コロコロ)イーAにミルタバル神殿市場があります。で、ミッション「ミルタバル神殿の盗賊ギルド」を受けます。とりあえず【56:ミルタバル神殿市場】に向かってくださいね。そういえば、手紙の差出人の名前はエドワード・ラトリッジって言います。
ポピィ:「エディ……」(エドワードなので勝手にあだ名を付ける)

GM:それではヴァイスシティへの第一歩を踏み出しましょう。君の前にはおっきい川が流れていて、そこを小舟が横切っていきます。
ポピィ:どんぶらこ。(※1)
GM:川はビスクーネ河って名前です。眼の前にはでっかい城塞都市ありけり。
ポピィ:「ビスケット河……」
GM:(おいしそう。)10人くらい乗れる大型のゴンドラが渡し舟をしていますが、乗客は君一人です。
ポピィ:「さびしい」(一人なので寂しがっている)
GM:そして向こう岸の船着き場につきました。
ポピィ:「今ボクはさびしいので、なかまがほしいです」(おりた)
GM:すると衛兵がいます。厳しい顔をしている。

ポピィ:「こんにちは、怖い顔の人…」
衛兵:(華麗にスルー)
ポピィ:「傷つきました…」
衛兵:「お前さん、〈ビスクーネ渡河許可証〉はもってるか? 持ってないならここで引き返したほうが賢明だぞ」
ポピィ:「なんで…?」
衛兵:「理由は説明してやる、今すぐ踵を返すなら見逃してやろう」

GM:なぜかというとですね、1回ヴァイスシティに入ると〈ビスクーネ渡河許可証〉がないと元の南岸に戻れない決まりになっておりまして。
ポピィ:「あらぁ……」
GM:5年位前にこの街の偉い人が決めました。戦闘要員と奴隷の確保のため、みたいなことを暗に示唆する感じで教えてくれます。

ポピィ:「あらぁ…………………………」
衛兵:「というわけだ。ちなみに引き返さないとそこで転がってるアイツみたいになるのがオチだ」と、そのへんにいるリカントを顎で指します。

PC合流の気配がしますね。

ポピィ:「あらぁ…………………………………………………………」
ニナ:「ごは……ん……」銀色もふもふだった毛並みは薄汚れてしまっている。
ポピィ:「ごはんくれるひとがいないとかなしい、わかります」(うなずく)
衛兵:「さ、帰った帰った」
ポピィ:「でもボク、帰るおうちないので…………ししょー以外にともだちとかもいないので…………………あれ…帰る理由なくない……? なくないですか……?」
衛兵:(かわいそうなものを見る目)
ポピィ:「どう思いますかそこのひと」(つんつん)>ぎんいろ
ニナ:(やっぱり財布は持ってくるんだった……、あれ?死んじゃったお爺ちゃんの呼ぶ声がする……)
衛兵:「あいにくだが手持ちはないぞ」>ニナ
ニナ:「うぅ……」
ヴィオレッタ:「お困りですのね、もふもふのお嬢さん」身長135cmのちっちゃい女の子が、その手に保存食を持って見計らったかのように現れる。

これまたいい感じに合流しそうですね。

ポピィ:「あらぁ……………………………………………………………?」
ヴィオレッタ:「お困りでしょうとも。そうでしょうとも」
ポピィ:「お困りなの?」(首傾げ)>ぎんいろのモフモフ
ニナ:(返答する元気もないので花畑が見えつつある)
ヴィオレッタ:「ですがわたくしが来たからにはもう安心ですの。さあ、ごはんをお召し上がりになるですの」と、ニナの目の前で保存食をちらつかせる。その頭頂部では同じ周期で紫色の花(※2)が揺れている。
ポピィ:「よかったね」(なでなで)
ニナ:が、食べ物の匂いが鼻をくすぐると獣のように奪い取って貪る。(あまり聞いていて嬉しくない音声)
ポピィ:「のらいぬさん(※3)か……よしよし、おたべ……飼い主さんがみつかるといいね……」(お行儀がよくないことから判断)
ヴィオレッタ:貪る様子をにこにこ眺めている。
ニナ:「やばかった! 死ぬかと思った! 花畑にお爺ちゃんいた!」
ヴィオレッタ:「ふふふ、生きて戻ってきて何よりですの」
ニナ:「うおっ!? あなた誰!?」
ヴィオレッタ:「ヴィオレッタ・アコナイトですの」と素直に名前を答える。
ポピィ:「あなただれ?」(のっかる)
ニナ:「てかそこの子は、いや飼い主って犬じゃないぞ私!」
ポピィ:「よしよし。どうやら自分がわからないほど錯乱しているらしい。よしよし」(なでなで)
ニナ:(だんだん落ち着いてきて状況をなんとなく理解し始める)
ポピィ:「ヴィオレッタ。おぼえた。ボクポピィ」
ヴィオレッタ:「近くが騒がしかったので、ちょっと様子を見に来たんですの。そしたら空腹で倒れてる人がいたので、ごはんをあげたんですのよ」
ポピィ:「で、そこのポチは……?」
ニナ:「私ポチじゃない! ニナ!ニナ・ルナール! 銀狐のリカントだから!」
ヴィオレッタ:「ちっちゃいポピィさま。もふもふのニナさま。覚えましたの」
ポピィ:「そっか……ニナルナル……ナルナル………ナル……」

PC同士の自己紹介フェイズも無事に終わりました。
あとは同行する理由がいい感じに出ればいいんですけどね。(※4)

ニナ:「あー、えーと、御礼をしなきゃですよね・・・。」
ヴィオレッタ:「お礼はお代で払ってくれればよいですの」
ニナ:「ヴィオレッタさん、本当に私死んじゃうとこでした。あなたは命の恩人です」
ニナ:「本当にありが・・・、え?」
ヴィオレッタ:「毎度ありがとうですの。50ガメルですの」
ポピィ:「あらぁ…………………………」(頑張ってほしいという顔)
ニナ:「あー……(ポケットを探る)」(なけなしの50ガメル(※5)を発見する)
ポピィ:「あらぁ」
ニナ:「はい……」(消え入りそうな声)
ヴィオレッタ:「うふふ、まいどありですの。これでバイトのノルマは達成ですの。遊びに行くですのよ」
衛兵:(保存食は一週間分で50ガメルなんだよな、という顔)

ニナは田舎者なので保存食の相場なんて知る由もなく。
ヴィオレッタ、なかなか計算高い女ですね……

ポピィ:「ところでおっきいヴィオレッタさま。エディしってる? えどわーど……なんとか……エディ」
ヴィオレッタ:「残念ながら、知りませんの」
ポピィ:「そっか………」
ヴィオレッタ:「知っていたら金額を先に提示しますの」
ポピィ:「エディはね、将来的に僕を養ってくれる予定の人なんだけど(勝手に決定済み)、おっきいヴィオレッタさまは、ひとにごはんあげるのすき?」
ヴィオレッタ:「好きですの」(お金が儲かるので)
ポピィ:「あらぁ……具体的に言うと、養うのすき???」
ヴィオレッタ:「養うのは採算が取れないのでダメですの」
ポピィ:「あらぁ…………(しょんぼり)じゃあ、養ってくれそうな人紹介して……?」
ヴィオレッタ:「それならできますの」(ただしヴァイスシティで培ったやべー人脈なので奴隷商人とかやで)
ポピィ:「ほんと? やったー(気が付いていない)。じゃあついてく」
ニナ:(何か一旗揚げられるような案件がないか聞きたいけど無一文で何も聞けないぐぬぬ)
ポピィ:「ポチもおいで」
ニナ:「くぅ~ん」

パーティ内ヒエラルキー、早くも決まってしまったか。
ニナに挽回の機会は来るのか……?

GM:さて(笑)、衛兵はそんな君たちの様子をひとしきり眺め切った後で通してくれました。君たちは固定A:新市街地にいます。1日目の12時です。

新市街地は灰色の巨石を積み上げて築かれた城壁に囲まれています。西門と中央門の間には石造りの建物が整然と並ぶ大通りにそれなりの人通りがあります。門の外は混沌に満ちた旧市街になっていますが、ここはまだ秩序に満ちています。

これから始まる3人の冒険。悪徳の都で、いったい何が3人を待ち受けるのでしょう。



※1:桃が川を流れる時の擬態語が用意されている日本語はすごいなぁ。
※2:トリカブトには毒があります。花言葉は「騎士道」「栄光」。
※3:狐はイヌ科らしいので広義のらいぬさん。
※4:この辺最初からフラグ立てに来てるヴィオレッタPLはお上手。
※5:全財産。
最終更新:2019年06月05日 10:00