いかづち邸
ホラー映画を撮ろう!
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「頼むオカ研! 手伝ってくれ!」
扉をガラガラと開ける音の後、すぐに聞こえてきたのはそんな元気な声。
俺達四人が顔を上げて扉から聞こえた声の主へと視線を向ける。
俺達四人が顔を上げて扉から聞こえた声の主へと視線を向ける。
「えっと……お前は映画研究会の……山波だよな?」
「そう! 山波和斗! 映画研究会部長だ!」
「で、何の用だよ?」
「そうだった! 手伝ってくれ! オカ研!」
「そう! 山波和斗! 映画研究会部長だ!」
「で、何の用だよ?」
「そうだった! 手伝ってくれ! オカ研!」
俺と朱美、緑樹が呆気に取られている中、部長が対応してくれたためになるほどと頷く。
映画研究会とは、文字通り映画を研究し自分達で制作をしている部活動メンバー達である。
確かこの秋の文化祭が終わった事で代が変わって新しい部長になったと聞いていたけれど、その関係だろうか。
そう思いながら部長と山波の様子を見続ける。
映画研究会とは、文字通り映画を研究し自分達で制作をしている部活動メンバー達である。
確かこの秋の文化祭が終わった事で代が変わって新しい部長になったと聞いていたけれど、その関係だろうか。
そう思いながら部長と山波の様子を見続ける。
「まあ、落ち着けって。手伝ってくれって何を手伝えばいいんだ?」
「ああ! そうだな!」
「ああ! そうだな!」
山波は元気良くそう叫べば改めてと話し始める。
「実はだな……この度、俺は映画研究会の部長となった! のだが……実はそれに伴って人手が足りなくなったのだ!」
「あれ、映研ってそんな人手無かったっけ?」
「あれ、映研ってそんな人手無かったっけ?」
ふと気になって俺も口を出してしまった。しかしそう思うのも事実で、確か元々の人数が多めの部活動だったはずだと認識していた為である。
俺のその言葉を聞けば山波は少し暗い表情を浮かべながら、ゆっくりと口を開く。
俺のその言葉を聞けば山波は少し暗い表情を浮かべながら、ゆっくりと口を開く。
「うん……実は……三年生が引退したのだが……それと共に受験に専念すると言って一人……兼部していたから片方に専念すると言って一人……補習で一人……体調不良と怪我で二人……旅に出たのが一人……転送されたのが一人……結果今は三人しか残っていないんだ……!」
旅と転送って何?
「そうか……大変なんだな映画研究会……」
「いや部長。もっと大変な所あるぞ」
「そして新規フィルムを撮らねばならないのに人手が足りないのだ! 改めて頼むオカ研!」
「いや部長。もっと大変な所あるぞ」
「そして新規フィルムを撮らねばならないのに人手が足りないのだ! 改めて頼むオカ研!」
という事から現在に至り、何故か生徒会室前にオカ研四人と映研三人で立っている。
「では! 改めて俺は映画研究会部長の山波和斗だ!」
「映画研究会で脚本を主に担当している藍染静香です」
「僕は機材を主に取り扱ってる。祭囃子振袖だよ」
「三人合わせて! 映画研究会!」
「映画研究会で脚本を主に担当している藍染静香です」
「僕は機材を主に取り扱ってる。祭囃子振袖だよ」
「三人合わせて! 映画研究会!」
いや生徒会室の前で煩いなこの映研部長。
そろそろ生徒会長が怒鳴り込んでくる頃合いじゃないかな。
そろそろ生徒会長が怒鳴り込んでくる頃合いじゃないかな。
「こらぁ! 喧しいぞ映研! オカ研も一緒か君達は!」
なんか巻き込まれてる。
「よっ、生徒会長。報告書出せーってうるさいから口頭で教えに来たぜ」
「なるほど……書類として出せば良いだろうが!」
「まあまあ、落ち着くっす」
「はぁ……それで今回はこんな大人数で何の用だと言うんだ?」
「なるほど……書類として出せば良いだろうが!」
「まあまあ、落ち着くっす」
「はぁ……それで今回はこんな大人数で何の用だと言うんだ?」
本題は何かと生徒会長が促せば映研のメンバーは待ってましたと言わんばかりの表情を浮かべて一歩前に出る。
「今回はオカ研と共同で映画撮影と行きたいのだ!」
「その為の許可取りと、それから学校を撮影に使いたく思って、そちらの許可取りもしに来ました」
「まあ学校内で撮影は収めるし迷惑は掛からないと思うんだけどどうかな?」
「ちなみにタイトルは決まっているぞ! 藍染!」
「『ハロウィンホラーナイトムービー・スクールオカルトナイト【学校の七不思議を明かせ】』です」
「その為の許可取りと、それから学校を撮影に使いたく思って、そちらの許可取りもしに来ました」
「まあ学校内で撮影は収めるし迷惑は掛からないと思うんだけどどうかな?」
「ちなみにタイトルは決まっているぞ! 藍染!」
「『ハロウィンホラーナイトムービー・スクールオカルトナイト【学校の七不思議を明かせ】』です」
生徒会長が呆気に取られながらも内容を聞けば考え込むように黙り込む。
流石に許可出来ないとか言い出すような気がするけれど、どうなるものか。
そんな風に思っていれば生徒会長は口を開く。
流石に許可出来ないとか言い出すような気がするけれど、どうなるものか。
そんな風に思っていれば生徒会長は口を開く。
「まあ、いいだろう。学校の備品を壊さないのであれば許可が出るか学校側に掛け合っても良い。ただし監視として私も着いていく。それくらいは飲んでくれるな、映研」
「よし! 第一関門クリアだな!」
「よし! 第一関門クリアだな!」
わいわいと映研が騒いでいる中、ふと緑樹が俺に近づいて耳打ちをしてくる。
「なんか生徒会長さん映研に甘くありませんー? というよりオカ研に厳しいんですかー?」
「まあ部長が報告書溜めてるし、その分は厳しいかも」
「まあ部長が報告書溜めてるし、その分は厳しいかも」
そんな風に話しつつ、ふと映研に目を向ければはしゃぎつつも次の問題を話し始めるようだった。
「さあ! 次の問題だが! 今度は人手だ!」
「あれ? 私達オカ研の四人と映研の三人だけじゃダメなんですかー?」
「あれ? 私達オカ研の四人と映研の三人だけじゃダメなんですかー?」
緑樹は右手の指を四本、左手の指を三本立てて、合計七人ですよーと言いたげに首を傾げる。
しかし映研の部長はそれに対して首を横に振って答える。
しかし映研の部長はそれに対して首を横に振って答える。
「実は……俺は役者しかやってきていなくてな……脚本の藍染は逆に役者が出来ず、機材担当の祭囃子も機材の扱いで手一杯だろう……そうなると監督とカメラが足りず、役者も少なくなってしまうのだ」
「あぁ、なるほどです。つまり監督役とカメラ役を抜いたら残り三人だけですか」
「おいおい、じゃあオレ達だけじゃまず撮れないじゃねえか」
「いや! 手段はあるぞ! カメラを持つ役兼カメラにすれば一人増やせるからな! ……それでも役者が出来るのは四人なんだが……」
「あぁ、なるほどです。つまり監督役とカメラ役を抜いたら残り三人だけですか」
「おいおい、じゃあオレ達だけじゃまず撮れないじゃねえか」
「いや! 手段はあるぞ! カメラを持つ役兼カメラにすれば一人増やせるからな! ……それでも役者が出来るのは四人なんだが……」
映研の面々に我らが部長までもが唸りながら考え込む中、俺自身もどうすべきかと考える。
しかし人手不足はどうしたって回避出来る物では無い。
しかし人手不足はどうしたって回避出来る物では無い。
「……あっ」
「どうした晴矢?」
「生徒会長に役者頼めばいいんじゃねえ?」
「どうした晴矢?」
「生徒会長に役者頼めばいいんじゃねえ?」
その言葉を聞いた全員が生徒会長を見る。
まさか自分に来るとは思わなかったようで、生徒会長も驚いた様子で首を横に振る。
まさか自分に来るとは思わなかったようで、生徒会長も驚いた様子で首を横に振る。
「ま、待つんだ。私は役者とかやったことないし……なんだその丁度良いみたいな表情は……ま、待て……」
一人確保。
さて、他に誰か協力してくれる人はいないかと皆で手分けして探している所まで進んだのだが。
残念ながら皆未だに探せていない様子だった。
俺自身もどうした物かと学校内を見渡しながら中庭のベンチでコーラを嗜んでいる所だった。片っ端から声を掛けてはいるが、それでもやはり捕まらない物で、いやはや困った。
そんな時だった。
さて、他に誰か協力してくれる人はいないかと皆で手分けして探している所まで進んだのだが。
残念ながら皆未だに探せていない様子だった。
俺自身もどうした物かと学校内を見渡しながら中庭のベンチでコーラを嗜んでいる所だった。片っ端から声を掛けてはいるが、それでもやはり捕まらない物で、いやはや困った。
そんな時だった。
「辛気臭い顔ね」
「ん?」
「ん?」
そんな声を聞いて顔を上げると、とある少女が立っていた。その顔には見覚えがある。というか普通に同じクラスの少女である。
「えっと……紫絡か。どうしたんだ?」
「それ、こっちの台詞よ。あんたこそどうしたってのよ、雨之君」
「それ、こっちの台詞よ。あんたこそどうしたってのよ、雨之君」
そんなに表情に出てたかなと自分の頬を引っ張りつつ、彼女の問いかけに答える事とする。
「映画を撮るんだけど、役者が足りなくてさ」
「へぇ、映画ねぇ……」
「へぇ、映画ねぇ……」
紫絡はそこまで言うと考え込む。
何を考えているのかわかった物では無いが、一応何か言うのであればと待つつもりでいる。
何を考えているのかわかった物では無いが、一応何か言うのであればと待つつもりでいる。
「その映画、出てもいいよ」
「……なんだよ、興味でもあったか?」
「そんな所かな。詳しいコト教えなさいよ」
「……なんだよ、興味でもあったか?」
「そんな所かな。詳しいコト教えなさいよ」
こうして、今回のメンバーが揃ったのだった。
■
「で、撮影開始日なんだけど……」
俺がそう呟けば、他のメンバーはうんうんと頷く。
それは全然問題ない。なんならメンバーも欠ける事無く当初のメンバーは勢揃いである。
学校も休みであり、生徒会長権限で今日だけは部活動も映研とその関係者以外は校内では停止という事になっている。
だからこそ、一つ問題点がある。
それは全然問題ない。なんならメンバーも欠ける事無く当初のメンバーは勢揃いである。
学校も休みであり、生徒会長権限で今日だけは部活動も映研とその関係者以外は校内では停止という事になっている。
だからこそ、一つ問題点がある。
「……なんで俺が監督なんだよ! そこは墨木部長とかで良くねぇ?」
「いいや! 墨木にはやって貰いたい役があったからな!」
「いいや! 墨木にはやって貰いたい役があったからな!」
そこで口を挟むのは山波。
やって貰いたい役があったなら仕方ないな。
やって貰いたい役があったなら仕方ないな。
「としても俺しかいなかったかよー……」
「まぁ、なんでも出来る雨之先輩ですし、監督の一つ二つは余裕ではー?」
「それは否定しない」
「まぁ、なんでも出来る雨之先輩ですし、監督の一つ二つは余裕ではー?」
「それは否定しない」
緑樹の言葉を聞けばなら仕方ないなと引き受ける。
別に自称してるつもりは無いがここでなんでも出来ると言われて嫌な気持ちは無いからである。
別に自称してるつもりは無いがここでなんでも出来ると言われて嫌な気持ちは無いからである。
「まあ、監督と言っても脚本や演出、演技等に関して自分の思う指摘や賛美をすれば良いだけです」
「そういう物なのか?」
「そういう物なのか?」
藍染が声を掛けてアドバイスをくれるが、それでもまだピンとは来ず。
しかし要するに状況に応じて批評をするだけならばと考えれば楽ではあるかと考える。
いやもっとやる事はあるんだろうけど。進行役とか。
ともかく、みんな準備が済んでいるらしいからと脚本に改めて目を通す。
今回の映画はホラードキュメンタリー風映画、という事で学校の七不思議を調査するべく探索をするオカ研の三人と協力者の三人による恐怖の学校譚、だそうだ。
最初はオカ研の三人でこっくりさんの録画をするシーン。
しかし要するに状況に応じて批評をするだけならばと考えれば楽ではあるかと考える。
いやもっとやる事はあるんだろうけど。進行役とか。
ともかく、みんな準備が済んでいるらしいからと脚本に改めて目を通す。
今回の映画はホラードキュメンタリー風映画、という事で学校の七不思議を調査するべく探索をするオカ研の三人と協力者の三人による恐怖の学校譚、だそうだ。
最初はオカ研の三人でこっくりさんの録画をするシーン。
「それじゃあ、まずはこっくりさんを……オカ研の部室で」
俺の声と共に各々がオカ研の部室へと向かう中、ふと校舎の窓に人影が見えた気がした。
「……? 先生とか補習の生徒かな……」
部活動を停止させただけで、校内で準備をする生徒や補習の生徒、先生方はいるワケだし不思議な事は無い。
だから、気に留める必要も全く無いのだが──。
だから、気に留める必要も全く無いのだが──。
「……あ、やばい。皆もう行っちゃった」
慌ててオカ研の部室へと向かう。
脚本の流れは分かりやすく、最初はこっくりさんに七不思議を調査するように言われ、協力者を集めて校内の探索を始めようという物である。
脚本の流れは分かりやすく、最初はこっくりさんに七不思議を調査するように言われ、協力者を集めて校内の探索を始めようという物である。
「それじゃ、シーンワン。スタート!」
俺の掛け声と共に一瞬の間を置いてオカ研役の墨木部長、朱美、カメラ役も兼ねてる緑樹がこっくりさんを始める。演技に違和感も無く、自然な雰囲気で進む。
というか俺らオカ研がこっくりさん慣れをし過ぎているだけな気がする。
というか俺らオカ研がこっくりさん慣れをし過ぎているだけな気がする。
「え、エェー! 七不思議ヲシラベロナンテー!」
「ごめん待ってカットカットカット」
「ふっ、完璧すぎたっすか」
「逆だよ」
「ごめん待ってカットカットカット」
「ふっ、完璧すぎたっすか」
「逆だよ」
ここまで片言になるとは思わなかった。
そう考えながらも朱美に話をする。
そう考えながらも朱美に話をする。
「えっと……緊張してるのかわからないけど……別に演技する事に集中するよりはいつも通りのオカルト関係だと思って話してみたらどうだ?」
「なるほどっす……」
「なるほどっす……」
ぶっちゃけこれ、本人役本人みたいな映画だし。
「という事でもう一回、スタート!」
「えぇ!? 七不思議を調べろってなんすか!」
「えぇ!? 七不思議を調べろってなんすか!」
一気に自然になった。朱美はこの調子で良いかもしれない。
となると他の二人だが、果たして。
となると他の二人だが、果たして。
「……」
「まあ、やるしか無いんじゃないですかー?」
「そうっすね……部長、どうするっすか?」
「……」
「待って、カットで」
「まあ、やるしか無いんじゃないですかー?」
「そうっすね……部長、どうするっすか?」
「……」
「待って、カットで」
なんか抜けあるよね。というか部長の台詞が抜けてるよね。
「部長、どうした?」
「……ああ……」
「もしかして体調悪い? なら代役立てて一旦休んで……」
「いや……」
「どうしだよ部長」
「オレ、緊張して……大きい声が出せなかった」
「……ああ……」
「もしかして体調悪い? なら代役立てて一旦休んで……」
「いや……」
「どうしだよ部長」
「オレ、緊張して……大きい声が出せなかった」
だから残りの二人は上手く話せてたのかぁ、と納得した。
というか緊張するのかよ。
というか緊張するのかよ。
「カメラ回ってると上手く話せないってか?」
「バスケ部時代も大会のインタビューとかで緊張してたからな!」
「胸を張る所では無い」
「バスケ部時代も大会のインタビューとかで緊張してたからな!」
「胸を張る所では無い」
さて、どうした物かと考えていれば、山波が部長に声を掛ける。
「ふっ! 安心しろ墨木!」
「何か良い手があるのか!?」
「緊張してしまうなら! なんか、手のひらに人って書いて飲むと良いらしい」
「何か良い手があるのか!?」
「緊張してしまうなら! なんか、手のひらに人って書いて飲むと良いらしい」
おまじないだった。
「えっと……山波。それ多分ただのおまじな……」
「人! 人! 人! 入! 人!」
「部長、変なの混ざってる。書き順違うぞ」
「人! 人! 人! 入! 人!」
「部長、変なの混ざってる。書き順違うぞ」
こんなので上手く行くのか不安だが再開である。
「七不思議? この学校にそんなのあったのか」
「まあ、やるしか無いんじゃないですかー?」
「そうっすね……部長、どうするっすか?」
「やるしか無いなら、そうすべきだな……確か歴代のオカ研が集めた情報が何処かに……あった」
「まあ、やるしか無いんじゃないですかー?」
「そうっすね……部長、どうするっすか?」
「やるしか無いなら、そうすべきだな……確か歴代のオカ研が集めた情報が何処かに……あった」
まじで効いてた。
というか緑樹は普通に出来てるし。なんなんだこいつら。
とか言っているうちに冒頭のオカ研部室パートは撮れたのであった。
というか緑樹は普通に出来てるし。なんなんだこいつら。
とか言っているうちに冒頭のオカ研部室パートは撮れたのであった。
「幸先不安だけど……山波はともかく、生徒会長と紫絡は出来るのか?」
ふとそんな事を呟けばそれを聞いた二人は口を揃えて。
「出来るぞ」
「出来るよ」
「自信があるようで結構……ん?」
「出来るよ」
「自信があるようで結構……ん?」
自信のある二人に圧倒されつつ、また人影が見えた気がした。部室の窓から誰かが覗いていたような、そんな感じ。
「気のせいかな……」
誰も気付いていないようだし、気のせいだと判断して次の撮影場所へと向かう。
そして、二人の自信は確かな物であった。
そして、二人の自信は確かな物であった。
「ちょっと、なんでアタシが協力しなきゃいけないワケ!?」
思ったよりもしっかり演技をこなす紫絡。
その振る舞いは演技の天才と言うべきか。
その振る舞いは演技の天才と言うべきか。
「僕が協力してやると言っているんだ。感謝したまえ」
生徒会長もそつなく演技をこなす。
もしかして生徒会長、オカ研の報告書取ること以外なんでも出来るのか?
もしかして生徒会長、オカ研の報告書取ること以外なんでも出来るのか?
「七不思議か、いいぜ。興味あるしな!」
そして山波も、当然ながら役者が得意というだけあって上手くやっている。
この映画、中々良い物に仕上がるのではないか?
この映画、中々良い物に仕上がるのではないか?
「はい、カーット。一旦休憩」
俺も俺で監督の立場が馴染んできた頃合いだ。
しかし、ずっと人影がこちらを見ている気がして少し気になってしまう。撮影中、ずっと視線を感じるような感じだ。
物好きな生徒が後を追いかけているという所なのか。わからないが。
しかし、ずっと人影がこちらを見ている気がして少し気になってしまう。撮影中、ずっと視線を感じるような感じだ。
物好きな生徒が後を追いかけているという所なのか。わからないが。
「休憩終わったら夕方のシーンやるぞー。準備しっかりとねー」
「はいっす!」
「はーい」
「おう」
「任せろ!」
「はい」
「はいよー」
「承知しました」
「わかった」
「任せなさい」
「はいっす!」
「はーい」
「おう」
「任せろ!」
「はい」
「はいよー」
「承知しました」
「わかった」
「任せなさい」
■
無事に撮影は終わった。
違和感という名の視線はずっと続いていたが、それも撮影が終われば気になる事は無かった。
緑樹と祭囃子がパソコンで編集作業をしていた。
どんな様子かと覗き込めば、スムーズに編集を行っているのがわかった。
違和感という名の視線はずっと続いていたが、それも撮影が終われば気になる事は無かった。
緑樹と祭囃子がパソコンで編集作業をしていた。
どんな様子かと覗き込めば、スムーズに編集を行っているのがわかった。
「スムーズですけどー、泣く泣くカットする場面もありますけどねー」
「まあそれが映画って物だからさ」
「映画ってそんな感じなんだ……ん?」
「まあそれが映画って物だからさ」
「映画ってそんな感じなんだ……ん?」
一瞬、何か変なものが映っていた気がする。
「どうしましたー?」
「……いや……」
「……いや……」
二人が見て気にならないなら気のせいだろうと判断して続けて貰った。
役者の皆も達成感で満足している事だし、違和感にとやかく言うのもよろしく無いだろう。
役者の皆も達成感で満足している事だし、違和感にとやかく言うのもよろしく無いだろう。
「まぁ、ひとまず終わった事を祝うかぁ」
なんて呟いて、ついに映画の公開日だ。
この日は外部から関係者や友人も招いて公開する映画を見て貰おうという日だ。
タイトルと同じく、ハロウィンという日の公開であるために街も少し浮き足立っている気がする。
俺達、オカ研もポップコーンと飲み物を携えて上映のための視聴覚室へと入る。
既に映研のメンバーに生徒会長は揃っており、紫絡とその友達だろうか、上品な方と大学生らしき男性もいる。
映画を観る目的の生徒も複数人集まっているらしく、遅く到着した俺達は後ろで立ち見となるらしい。
この日は外部から関係者や友人も招いて公開する映画を見て貰おうという日だ。
タイトルと同じく、ハロウィンという日の公開であるために街も少し浮き足立っている気がする。
俺達、オカ研もポップコーンと飲み物を携えて上映のための視聴覚室へと入る。
既に映研のメンバーに生徒会長は揃っており、紫絡とその友達だろうか、上品な方と大学生らしき男性もいる。
映画を観る目的の生徒も複数人集まっているらしく、遅く到着した俺達は後ろで立ち見となるらしい。
「折角の監督と役者は後ろで立ち見かよ」
「いいじゃないっすか! 結末は知ってるっすし」
「だな。むしろ客の様子をしっかりと見れるからな」
「……」
「いいじゃないっすか! 結末は知ってるっすし」
「だな。むしろ客の様子をしっかりと見れるからな」
「……」
しかし一人黙り込む緑樹。やはり後ろで立ち見が納得行かなかったのだろうか。
その気持ちはわかるぞ。そう考えて緑樹に声を掛けようとして部屋が暗くなる。
時間になったようだ。
その気持ちはわかるぞ。そう考えて緑樹に声を掛けようとして部屋が暗くなる。
時間になったようだ。
『こっくりさん、こっくりさん』
『七不思議を調べろってなんすか!』
『七不思議? そんなものがあったのか』
『これは解決するしかないですねー』
『なんだあれは!』
『やだぁ、怖い怖い』
『も、もう嫌だ!』
『うわー!』
『七不思議を調べろってなんすか!』
『七不思議? そんなものがあったのか』
『これは解決するしかないですねー』
『なんだあれは!』
『やだぁ、怖い怖い』
『も、もう嫌だ!』
『うわー!』
ENDの文字が流れる。
観客は怖かっただの、面白かっただの、あの子が可愛い。あの人がかっこいい等話しながら帰っていく。
しかし観客は気付かず。こうして観て、監督をしたからわかった事があった。
撮影している時はわからなかったが、何処かしらに此方を見ている謎の少女がいた事に。
もしかして、緑樹が始まる前に黙っていたのは、この事に気付いていたからなのか。
それとも、一緒にいたのは緑樹では──。
少なくとも、見終わった後に緑樹はすぐに帰ってしまった。
観客は怖かっただの、面白かっただの、あの子が可愛い。あの人がかっこいい等話しながら帰っていく。
しかし観客は気付かず。こうして観て、監督をしたからわかった事があった。
撮影している時はわからなかったが、何処かしらに此方を見ている謎の少女がいた事に。
もしかして、緑樹が始まる前に黙っていたのは、この事に気付いていたからなのか。
それとも、一緒にいたのは緑樹では──。
少なくとも、見終わった後に緑樹はすぐに帰ってしまった。
「雨之君、こんな話知ってる?」
「なんだ?」
「怖い話をすると幽霊が近寄る、みたいな話があるんだって」
「へぇ……それがどうした?」
「なんだ?」
「怖い話をすると幽霊が近寄る、みたいな話があるんだって」
「へぇ……それがどうした?」
俺は休み時間に紫絡と話していた。
そんな時に唐突にこんな話をしたのだった。
そんな時に唐突にこんな話をしたのだった。
「ああ、気付いてないならいいか」
「なんだよ……気になるな」
「だって……」
「なんだよ……気になるな」
「だって……」
「あの子、貴方を見ているから」