妖怪道中記
【ようかいどうちゅうき】
ジャンル |
横スクロールアクション |
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. |
発売機種 |
アーケード |
発売元 |
ナムコ |
稼動開始時期 |
1987年4月 |
移植※ |
1988年2月5日 PCエンジン 1988年6月24日 ファミリーコンピュータ |
分類 |
時代を彩った作品 独自の世界観 |
※配信、復刻サービスを除く。
概要
ナムコから発売された
アーケードアクションゲーム。
地獄に落とされてしまった主人公のたろすけを操り、閻魔大王の裁きを受けるまでの道程を描いた道中記。日本の妖怪や昔話をコミカルに描いた世界観が特徴。
同社の中堅的なタイトルの一つであり、同年のゲーメスト大賞では8位入賞。
後に
PCエンジン、
ファミリーコンピュータにアレンジを施して移植されている。
PCエンジンでは初期作品の一つでもあるため特に知名度が高い。
直接の続編はないが、セルフオマージュ作品である
球界道中記が発売されている。
妖怪をモチーフとし、やや長髪の主人公が髪を逆立てて敵を撃ち倒していく様はさながらナムコ版ゲゲゲの鬼太郎といった趣がある。
基板は
ドラゴンスピリットや
スプラッターハウスと同じシステムⅠ(当時の名称はシステム'87)が使用され、本作がその第一弾作品でもある。
当時のアーケードの流行であった疑似3Dや巨大キャラといった派手な演出は見られないが、キャラパターンや表情の動きなどは細やかに描かれている。
画面上部にはかなり大きめにミニマップが表示され、たろすけの現在地を表示するというアクションゲームとしては比較的珍しいレイアウトを採用している。
ゲームシステム
ライフ制、全5ステージの横スクロールアクション。
大きな特徴として、キーを下に入力すると気合を溜めて強力な攻撃を放つ溜め撃ちの要素が採用されている。最大まで溜めると貫通能力を得る。
溜め撃ちを意識させる構成として一面出だしでは「せむしこもりや」という敵が貫通弾で一気に倒せるような直列に配置されている。
お金と店の概念があり、回復や連射などのパワーアップアイテムを購入できる。売り物は全ての店で共通。お金は店以外にイベントで要求される事もある。
ステージクリア条件は様々あり、ボスを撃破する事やお金を払う事、特定のアイテムを揃える事などがある。
ラストステージでは行動の善行度が評価され、エンディングが変化するシステムになっている。
ギミック
一面で巨大なガマを倒すと挑戦できる。掛け金は一回ごとに釣りあがり、負けた時に金が足りないと暴行を受けてライフが減ってしまう。
1面ボスの赤鬼、2面ボスの青鬼と戦う時に、パッケージイラストにも登場している「ご先祖様のもんもたろー」を呼び出して戦う。
浮遊して移動し、弾は追尾弾となる。連射力はあるが溜め撃ちは使えない。ライフはたろすけと共有。
亀を助ける事で連れていってもらう。お礼に踊りを見せてもらえるが、PCエンジン版とFC版では内容が過激になっている。
開けるとランダムでお金を貰えるか、おじいさんになってしまうかの結果になる。開けるかどうかは三回聞かれ、早く開けるほどおじいさんになる確率が高い。
特徴
コミカルな見た目にそぐわず、アーケード版は特に難易度が高い事でも知られている。
考えてみれば地獄が舞台なので無理もない事ではあるが、可愛いゲームが実は難しいという
当時のアーケードゲームに比較的よく見られた風潮から鑑みても、本作は非常に難しい。
最大の原因となるのはタイムテーブルによって現れる「地獄火」の存在。
触れるとライフの大半を一瞬で持っていく実質即死キャラであるため、
実際のプレイではいかにこいつをやり過ごすかが勝負となる。
そのためゲーム開始から厳密なタイム管理が必要となり、1コインクリアを目指すにはやり込みに近い研鑽も必要になる。
またこの仕様から、1コイン天界を達成した瞬間はスタートからの経過時間が秒単位で決まっていたともいう。
PCエンジン版ではマップの簡略化により難易度は下がっているが、地獄火自体は顕在である事や、
コンティニューが廃止された事などによりやはりかなり難しい部類の作品である。
2022年にPS4/Switch向けに配信されたアーケードアーカイブス版には原作の忠実移植に加えて、難易度の最大の要因であった地獄火が登場しなくなる設定が追加された。
BGM
YMOの影響が指摘されるポップテクノ風味。後に元ネタと目されていた楽曲「千のナイフ」とのコラボレーション作品が星野源率いるバンドユニットSAKEROCKから発表されており、当時のサブカルチャー引用の系譜と認識されている。
移植
同世代機としてはPCエンジンとファミリーコンピュータにアレンジを加えて移植されている。
PCエンジン
同機種の初期作品として親しまれている。グラフィックはかなりアーケードに近いがマップは大きく簡略化されている。
速度アップアイテムの「かーるるいす」が「べんじょんそん」に変更されるという時勢を反映した要素がある。
ファミリーコンピュータ
性能上グラフィックが大きく簡素化されたがマップはアーケードに近い。
システムやイベントに大幅な追加とアレンジが加わり、ご先祖様がアイテムで任意に呼び出す方式になったり、
最終面のみの隠しパラメータであった徳(PIOUS)が可視化され、賽銭などによって上昇するようになった。
FC作品に多くあった、性能不足の代わりに追加要素を加えた移植の一つであり、
成長要素も加わった事でアクションRPG風味となっている。
このため初期段階では溜め打ちがほとんど機能しないなど、手間のかかる部分もある。
余談
- ゲームカタログ@Wikiでは当作品の未解明パスワードに関する検証を出典無記載で披露した事から、検証主導者であるYouTube投稿者「4ST(ヨンスタ)」から情報の窃盗という指摘を受け、同サイトの設立当初からの体質である情報源や検証への尊重のなさと無責任さを露呈する形となった。
- 「1コイン天界は不可能と言われていた」「おたやん渡りを知らず嘘記録認定された」などのエピソードも、おたやん本人を含めた当時のプレイヤーの証言がネットに残っているにも関わらず、例によって「ゲームに詳しい俺ら」筋の情報として無断盗用されている。
さらに元の記事では「1コインクリアの美しさ」などのエモーショナルな出来事として語られているにも関わらず、単語だけを切り抜いて作品中傷に利用されるなど、ゲームカタログの盗用と捏造体質を現した悪質記事の典型例となっている。
- またコンティニューすれば地獄火のタイマーも戻るため、1コインに限定しなければ緻密なタイム管理は必須ではないという要素も記事中では無視されている。
上記リンクで言及されているように、1コイン天界は標準のプレイスタイルではなく、スコアアタックに代替するやり込みと見なされており、当時のプレイヤーが1コインクリアの高みを目指していたエピソードが盗用サイトの作品叩きに悪用されてしまっている。
- 上記サイトの元記事では気軽にプレイできる環境の重要さが説かれ、通算100回も1コイン天界を達成した事も記されている。
- なお概要欄も出典を記載していないWikipediaからの盗用コピペである。
- 「地獄火」は正式名称がゲーム内に表示されないため、プレイヤーには「鬼火」と俗称される事も多い。
外部リンク
最終更新:2022年08月20日 18:22