概要と特徴
コナミから発売された
スーパーファミコン用シューティングゲーム。
同社作品「沙羅曼蛇」に近い縦横混成のステージに加えて、疑似俯瞰視点や回転機能などの性能を生かした演出が特徴。
ステージ展開と同期の見られるBGMや、ギミックに富んだボスキャラクターなど後に演出系とも言われる作品群に先駆ける要素が数多く取り入れられている。
武器はステージ開始時に三種の武装を選んで出撃し、道中で装備中の三種を任意に切り替える方式。
ステージ中にアイテムは登場せず、ステージクリアで選択できる武装の種類が増える。
コンフィグには難易度やキー設定に加え、連射速度や画面の明るさ調節という珍しい項目がある。
被弾しても装備中の武器が壊れるだけでミスまで猶予があるが、体当たりに属する攻撃は一発でミスとなる。
ボス戦BGMはステージBGMをアレンジしたそのボスの専用曲になっている。
ミスをした時の復帰方式はその場復活。ボス撃破で一度に二機増える事もあるなどスコアによって残機が増えやすく、
ある程度ミスを減らせる所まで上達すると残機を難所まで温存する事によってごり押しが効きやすい。
武器間の性能格差が比較的大きく、全方位系の武器はやや操作に癖があるものの接射によって火力も補えるなど使いこなした際の万能度が高いため、比重としてはパターン構築より武器の使いこなしによって攻略が有利になりやすい。
気になる点
- 疑似俯瞰ステージは背景グラフィックの縦のラスター伸縮で表現しているため、パースが不自然になる物や当たり判定が表示と一致しない状況がある。
- 破壊できるミサイル系の攻撃は体当たり属性として判定されるため、警戒していないと一撃でやられてしまう。
- コンフィグの連射設定によって敵の固さが変わると説明されているが、体感できるほどの差がなく単純に連射が高いほうが有利。また高連射では連射性の高い武器がより有利なため、武器格差を広げる機能にもなっている。
- 高次周のエンディングでは続編がアナウンスされたが、発売されていない。
感想
知名度を得にくい家庭用オリジナル作品である事やジャンル自体が下火だった事、続編が出なかった事から当時の市場としては大きな成功は収めていなかったと思われる。
クロスレビューや個人サイト時代のレビューでも疑似俯瞰ステージの当たり判定の不明瞭さや遠近法の違和感などの見慣れない部分への批判や、
やや癖のある武装を使いこなせていない状況での難易度の高さ、
アーケード由来作品に比べて緻密にパターンを構築する要素が薄く大味な点を厳しく評価される事の多い作品でもあったが、
動画サイトの普及やVC配信で再露出する機会が増えた事でその映像や音楽の美麗さに注目される機会も増え、
また家庭用からジャンルに触れた客層によるゲーム体験が発信されやすい時代に入った事もあり、今日では同機種の技術を生かした職人芸的な作品の一つとして好意的に扱われる事が多い。
余談
- 疑似俯瞰ステージは回転拡大機能を使っていると思われやすいが、実際には縦方向へのラスタースクロールを利用しているため、他の機種でも原理的には再現ができる。アマチュアによる他機種での再現デモもネット上に存在している。
- 演出技法の類似性などから後のトレジャースタッフによる作品という解説が付けられる事もあるが、実際には後にトレジャーに移籍したスタッフはクレジットで確認できるかぎりサブプログラマーの一名のみのため、嘘ではないものの誇張のある情報となっている。
- 作品への誤った批判として「操作に慣性がある」とする物があるが、実際には慣性がついているのは自機に追従するカメラのみである。
- 今作は続編展開は実現しなかったが、同社作品でのセルフオマージュとしてスーパーファミコン版極上パロディウスに登場するドラキュラくんがパワーアップによって今作の自機を踏襲した武装を付ける仕様になっている。
- ステージ開始時、ボス警告時の音声合成はそれぞれ「Arms installation is complete. Good luck!」「Closing a target」と言っている、らしい。
最終更新:2022年08月24日 19:10