沙羅曼蛇2

【さらまんだつー】
ジャンル シューティングゲーム

© Konami Digital Entertainment
発売機種 アーケード
発売元 KONAMI
発売日 1996年1月
分類 惜しまれる作品
埋もれかけた作品

概要

コナミから発売されたアーケードシューティングゲーム。
亜空間生命体ドゥームの侵略を受けた人類の存亡を賭けて、二機の超時空戦闘機が発進する。

前作沙羅曼蛇から実に10年の時を経て稼働した正式な続編。
シリーズ展開としては本家であるグラディウスや、別系統の分家であるパロディウスシリーズなどの展開に続いていたため、
今作の発表はどちらかといえば突然の復活というような形であった。
当然この時期に発表するのであれば、その時代に見合った大きな進化をするのだろうと期待されていた。

しかし時を経た続編にはありがちではあるが、その期待に応えた内容とは言い難く、
知名度のあるタイトルにも関わらず、同年のゲーメスト大賞では選外という寂しい結果に終わってしまう。
本作は一体何が悪かったかを一言で表すのが難しい作品の一つでもある。
分かりやすい大きな欠点がある訳ではないのだが、飛びぬけた長所もなく、
多くの点で期待されていた要素を微妙に下回っていたのである。
沙羅曼蛇2とは一体、どういうゲームだったのか?

ゲームシステム

前作沙羅曼蛇と同じく、縦横混成スクロールのシューティングゲーム。
今作では縦横が交互ではなく、横のステージが増えている。
パワーアップも同じくアイテム式。ただし今作では出現アイテムの種類がランダムになっている。
装備にはツインレーザーが追加された他、同じ武器を取ると強化版にパワーアップする。
ただし武器の強化は一定時間で効力が消える。
新システムとしてオプションを消費して威力、追尾性、貫通性のある攻撃を放つ「オプションシュート」が追加された。

特徴

ゲームシステムとしては特別に変わった所はなく、基板性能向上によるグラフィックの一新や、上記新システムのオプションシュートが主な特徴となっている。
ただこれらの要素があまり評判のよい物ではなかった。

グラフィックはその基板性能を活かして光沢のあるグラデーションや半透明多重スクロール、なめらかな動作モーションも見られるが、性能に反して全般的に美術のセンスが良くない事が指摘されている。
前作やグラディウスシリーズがステージごとに統一感のあるコンセプトに基づいていたのに対して、
今作はグラフィックの質感の不統一やコントラストの薄い色使い、世界観に合わないと思われるキャラクターデザインが目立ち、
画面から受ける印象として沙羅曼蛇の特徴的だった部分が欠落し、また今作単体で評価されるほどの個性も無かった。
例として定番キャラであるゴーレムのグラフィックが薄色で光沢を強調したCG感の強い物になっていたり、
2ステージのボスが多頭のメカドラゴンのついた戦闘艦であるなど、
見た目にキメラ感や他社作品感の強い物が登場している。
後半ステージにはテトランなどのおなじみのギミックボスも登場するが、
序盤戦でいきなり「これが沙羅曼蛇?」という印象を与えてしまっている。
また前作ではプロミネンスの表現が迫力のある一枚絵であった物が今作は小さな炎のグラフィックパターンの集合になってしまい、
動きがゆっくりになって初見殺しでこそなくなったものの、
代表的な演出として知られていた表現が大幅に見劣りしてしまっている。

また新システムのオプションシュートに関しては、
そのアイデアがどう見ても8年前の作品である「イメージファイト」のポッドシュートであるため、
あって困るという訳ではないものの、満を持して登場した新作のフィーチャーとしてはかなり物足りない物であった。
またオプションを消費するという直接火力を下げるコストが必要なため、
無意味という事ではないにしろ、再補充のあてがない多くの場面では
火力を維持して丁寧に敵を処理していったほうが安全な事が多く、
オプションが余剰に出た場合や物陰を狙う用途にはほどほどに使えるものの
一発逆転を狙うにはリスクが高く、あまり爽快感のある用途には使いにくい。
例えば貫通力を利用してテトランのコアを打ちぬく、という用途は
オプションをコアに重ねておく事で無消費で代用できてしまう。
またオプションを維持しているほうが攻撃の激しい場面で処理落ちによる難易度低下も期待できるため、
オプションを減らすリスクは更に高く見込まれる。

またオプションシュートに並んで強化武器が時限性になった事により
自機が何かとパワーダウンしがちな作品になっており、
加えてアイテムの出現自体もランダムなため、ミス以外の要素で最弱まで落ちる訳ではないものの、
圧倒的パワーを維持する事も、要所に向けて計画的に戦力を運用する事も難しく、
攻略の印象がどうしても場当たり的な内容になってしまう。

良い所としてはこれらの難点を埋めるためオプションを含めたアイテムの出現頻度は高く、
ミスした時もオプションが回収しやすい軌道で画面に残るため、ミス後の復活はシリーズの中でもかなり容易なほうに入る。
またアーケード作品としては難易度はそれほどでもなく、
連射ボタンが装備されていてある程度ジャンルに覚えがあれば、
一桁プレイ回数での一周攻略も十分に狙えるのではないかと思われる。
時系列やシリーズの特徴といった要素を無視するなら特別酷い部分がある訳ではなく、
後に前作とのカップリング移植で入手もしやすくなったので、
気軽に遊ぶ分には悪くない作品とは言える。

余談だが、ラスボスが実質無抵抗である事の多いシリーズの慣例に反し、
今作のラスボスは相応の攻撃力と防御力を持っている。

BGMの作曲、アレンジは前田尚紀。
軽快なアレンジが多く、こちらも前作とは雰囲気が大きく異なっている。
個性を主張した内容というよりは正当派のシューティングらしい曲目が多く、
疾走感と透明感のある5面BGM「SPEED」などは攻撃の激しさと共に印象に残りやすい。
2周目BGMとして前作BGMのテクノ風アレンジなども収録されている。
BGMに関しては手堅いクオリティでまとまっているため、
ゲームとの対比でBGMだけは良いとも言われがちな作品でもある。

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最終更新:2022年08月30日 22:49