悪魔城ドラキュラX 血の輪廻

【あくまじょうどらきゅらえっくす ちのろんど】
ジャンル 横スクロールアクションゲーム

© Konami Digital Entertainment
発売機種 PCエンジン SUPER CD-ROM²
発売元 KONAMI
発売日 1993年10月29日
分類 時代を彩った作品
演出に優れた作品

概要

コナミから発売された横スクロールアクションゲーム。
悪魔城シリーズの一つであり、初のCD-ROMメディア作品となった事により、従来作に無かった様々な演出が取り入れられた。
キャッチコピーは「驚異のビジュアルショック、シリーズ最強のパワフル・ホラー!!」

「X」の名称は悪魔城シリーズの10作目に因んだタイトルであり、PlayStationで発売された悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲に繋がるサブシリーズにもなっている。
復活したドラキュラ伯爵との血の因縁を断つために、ベルモンドの末裔、リヒターベルモンドが旅立つ。

ゲームシステムはスーパーファミコン版「悪魔城ドラキュラ」で取り入れられていたムチの振り回しなどの強力な要素は一旦取り下げられ*1
リヒター単体では比較的従来作に近い操作性になった一方で
新規アクションとしてアイテムクラッシュ、バック転が追加された他、
新キャラクターとしてまったく性能の異なるマリアの追加などによって従来作からゲーム性が大きく差別化された。
マリアでプレイした場合、キャラ性能だけでなくステージ名称、ゲームオーバー時のフォント、エンディングなどの演出が変化する。

優れた演出

本作の特徴としては、SUPER CD-ROM²の性能を活かした演出の数々が挙げられる。
CD音源による生録音BGMに加え、各キャラクターのボイス演出、
要所に挿入されるビジュアルシーン、ステージ展開と同期した臨場感のあるストーリー演出が加えられた。
過渡期の要素として一部の演出がシリーズの雰囲気と大幅に異なる物もあったものの、
本作のストーリーラインやドットキャラクターデザインなどはその後のシリーズにも踏襲されるなど、
無骨でマッチョな印象の強かった悪魔城シリーズにおけるイメージ形成の一つの分岐点になっている。
リメイクや復刻の数も多い重要な作品として扱われており、公式にもシリーズファンに「大傑作」との評価が高かったとされている*2

シナリオに沿った演出としては、ステージ0で死神が顔見世として登場し、馬車上で疾走しながらの戦闘を行なう演出が成されている。
さらにステージ1ではOPアニメにも登場した悪魔たちに襲撃され炎上する街からスタートし、
ステージ2で初代悪魔城のアレンジBGMと共にステージも同作をオマージュした入城のシーンに繋がって行く。
ステージBGMは基本的に表ステージが過去のドラキュラシリーズのアレンジ、裏ステージが新規曲になっており、
表ルート進行では血の涙、Beginningといったスーパーファミコン版でも見られたFC時代の主要曲が連続で掛かる演出となっている。
これらのステージを攻略すると船上での死神との決戦、ボスラッシュに引き続いて本シリーズの黒幕であるシャフトが顔を見せていく。

ゲーム内の演出としては、ボスの多くが体力が尽きた際に最後の一撃として専用の「ファイナルアタック」を放つ*3
また敵キャラクターは多くが攻撃時に予備動作を持っており、初見殺しが起きにくい配慮がされている。
雑魚キャラクターのモーションも細やかに設定され、歩行から戦闘の構えを取って槍を振り回すアーマーナイトや
弾を込め直す動作をするスケルトン・ガンマンなどの芸の細かい動作が設定されている。

ファンサービスの要素として、ボスラッシュに当たるステージでは、初代悪魔城ドラキュラにBGMと登場ボスが合わせられている。
ステージ1ではドラキュラⅡの街であるオルジバの街の表記がある。ただし実際のマップ構成は同作の別の街の物*4
ラストステージでは初代悪魔城ドラキュラの同じく最終ステージに存在した階段バグをモチーフにした隠し階段と隠し部屋がある。
スーパーCD-ROM対応でない旧システムカードでゲームを起動した際、ミニゲームのあくまぢょおどらきゅら×(ペケ)を遊ぶ事ができる。

気になる点

  • ビジュアルシーンがアニメ調で描かれ、シリーズのイメージと異なる。リメイクや続編にこの絵柄は踏襲されていない。
  • クリアまでのボリュームがやや短い。難易度の低下や1回のプレイでは分岐を通らない影響もあるが、シリーズ前後作であるスーパーファミコン版悪魔城ドラキュラや月下の夜想曲に比べるとプレイ時間は短く、達成率100%までを含めてもそれほどボリュームがある作品ではない。ただしXXよりはステージは多い。
  • ラスボスが道中のない専用ステージにも関わらずかなり弱く、到達した時点で消化試合になりがち。
  • 女性を全て救出してクリアした真EDが見た目の変化に乏しく、マリアでクリアした場合のほうが変化が大きい。

外部リンク

名前:
コメント:

すべてのコメントを見る
+ タグ編集
  • タグ:
  • KONAMI
  • PCエンジン
  • 悪魔城ドラキュラ
  • 横スクロールアクションゲーム
最終更新:2022年08月30日 22:35

*1 振り回し操作は続編の月下の夜想曲で一部復活している。

*2 https://www.konami.com/games/castlevania/jp/ja/page/history_1995_sfc

*3 ただしこの攻撃でリヒターはミスにならず、演出を除くとはパーフェクトボーナスの1UPを阻む意味しかない

*4 https://revelation12.info/history/data/12_06.htm