ファイナルファンタジーⅡ

【ふぁいなるふぁんたじーつー】
ジャンル ロールプレイングゲーム

© SQUARE ENIX CO., LTD.
© YOSHITAKA AMANO
発売機種 ファミリーコンピュータ
発売元 SQUARE
発売日 1988年12月17日
分類 時代を彩った作品
独自の世界観

概要

ファミリーコンピュータで発売された、ファイナルファンタジーシリーズの二作目。
帝国軍に故郷を襲撃された若者たちが、反乱軍の一員として戦いに身を投じる。
レベルの概念を廃止した「熟練度システム」により育成の自由度と戦略を与え、後のサガシリーズに繋がっていった。

ドラクエⅢブームが冷めやらぬ中、ファミ通読者人気で一時的ながらもトップを奪った作品でもあり、
この時から既にドラクエの対抗馬シリーズとして一定の注目を集め始めていた。
シナリオはキャラクターの死などを扱った当時としてはシリアスな内容であり、
帝国の襲撃といういわゆる負けイベントから始まるシナリオも挑戦的な物だった。
シリーズのマスコットであるチョコボが初登場した作品でもある。

特徴

成長システムは使い込んだ武器や魔法が強くなったり、
ダメージを受けるとHPが伸びるなど、戦闘時の行動やその結果によって
ステータスが独立して上がる方式が取られていた。
この方式によって序盤からでも工夫によってパラメータを
効率的に伸ばすなどの育成も可能だった。
その一方で、重要度の高いパラメータが欠けていると
わかりやすいパラメータだけ高くても必ずしも攻略が有利にならないといった
単一的な育成だけでは効率的な攻略が難しいシステムでもあった。
このため一部のバグ技やシステムを逆手に取ったつもりの育成が
後々バランスの悪いステータスに繋がる事もあった。

フィールドマップに進行を阻む障害が少ない事も特徴であり、
一歩間違えると強敵地帯に踏み込んで全滅してしまうリスクがあった一方で、
序盤から先のほうの地域まで脚を伸ばすなどの特殊な攻略スタイルも可能であった。
これに合わせて序盤から強力なアイテムや魔法のドロップを狙える物もあり、
これを狙った狩りなども有効な攻略法になっていた。

回避率

今日では攻略サイトなどの研究から、回避率が非常に重要である事が知られている。
理由については以下の要素が挙げられる。
  • 上げるのが比較的簡単である事
回避率は重装備をするとあっさり0まで下がってしまう一方で、
理解さえしてしまえば他のパラメータより意図的に上げやすい。
  • 反映される項目が多岐に渡る事
文字通りの攻撃に対する回避確率の他に、
逃走率や行動順といった直感的には速さに依存しそうな確率式が
実際には盾装備などで増強可能な回避率を参照している。
これを知っていると先手と戦闘回避が安定するため、
難易度やゲームテンポに大きく関わる。
また回避が高いと速さも上がりやすいという好循環が起きる。
  • 上限値が高い事
敵側に設定された命中率、命中回数を超えて成長するため、
結果的に物理攻撃に対して無敵になる。
魔法ダメージは避けられないが、物理に比べると脅威ではない。
  • 追加効果を無効にできる事
今作の追加効果は耐性で防げず、守備力やHPがあっても対抗できないため、
全て避けてしまう事が最も確実な対策となる。
特に割合ダメージの追加効果は魔法防御でも防げないため、
回避がなければ終盤のダンジョンは数万のHPがあっても突破が難しい。

魔法干渉

装備に設定されたマイナス効果の隠しパラメータ。
攻略本などにも記載がなく、攻略サイトで発見、命名された物*1
効果としては魔法の命中率に上乗せされる知性、精神のボーナスを減算してしまう。
つまり戦士系の重装備をすると魔法が弱くなるという要素。
後年のロッドなどによる魔法パワーアップを逆に解釈した物とも言える。
魔法の基礎命中率自体は妨害されないので魔法が全然当たらなくなる訳ではないが、
基礎命中の低い即死魔法などを利用する場合はこの要素を知らないと
魔防の高い強敵に現実的な確率で命中させる事が難しくなる。

誤った攻略情報

今作は有効な攻略法が攻略サイトから広まったため、
ネット知識の誤った受け売りや誇張をされる事がある。
代表的な物として以下のような物がある。
  • パーティアタックやABキャンセルをすると詰む
これらの育成では回避が上がらないため、それだけに頼ってクリアする事は難しいが、
単に回避と両方上げれば済む話であり、むしろ併用したほうが相互補完になりやすい。
回避率の有効性を誇張するために一人歩きした誤情報。
  • 魔法干渉を知らないと詰む
回避率と一緒に流布された事で重要度が混同された物。
実際には攻撃魔法は弱点を突けば魔法干渉の影響はない事や、
回復魔法は基礎命中が高い上、移動時はステータスの影響がない事、
そもそも知性が1になるような脳筋プレイなら影響量は1ポイント分しかない事
などの理由から、実用面では即死魔法に頼る戦術でなければ
必須というほど重要な要素ではない。

気になる点

  • 戦闘テンポが遅い。
魔法の演出などが強化された一方で、同時に表示する方式がまだ採用されていないため、
全体魔法攻撃で大幅な時間を取られてしまう。
またMPが尽きるまで全体魔法連打というシステムと相性の悪いルーチンを持つ敵が少なくない。
  • 回避の重要さに気付きにくい。
説明書には盾で回避が下がる事を防ぐと書かれているものの、それが重要なパラメータである事は書いていない。
ステータス画面には回避は表示されているが、装備画面には表示していない事も回避を気付きにくくする要素になっている。
ゲーム上ではミシディア攻略時期には防御力の高い物に重量も軽い装備が多く、自動的にある程度回避装備になりやすいが、
終盤に向けて重装備が次々登場してしまう事や、最終メンバーのレオンハルトが回避を投げ捨てた重装備で加入する事から
回避がもっとも重要になるラストダンジョンで重装備になってしまいやすい。
また回避の有利さの割を食う形で、攻略を知ってしまうと重装備系が軒並み邪魔なだけの存在になってしまう。
  • アイテム欄が狭い
FC版はまとめ持ちがなく、一画面に納まる分までしかアイテム所持枠がない。
さらに進行するほどイベントアイテムで埋まっていくため、
種類の多い状態異常の回復アイテムなどを常備する事が難しい。
  • 究極魔法と説明されていたアルテマが弱い
レベル1としては圧倒的な威力を誇るものの、育てても強くならない。
固定で序盤の雑魚散らしくらいの威力のため、終盤で覚えても役に立たない。
なおゲーム内では一度も攻撃魔法とは説明されていないため、
高威力を期待して肩透かしだった、というような逸話は
後続作のアルテマを見てからの後出し評価である事には注意。
アルテマの弱さはネットでは広く知られているが、レベル1としては十分に強く、
ある程度育てないと気付かないため、誰もが気付くという訳ではなかった*2
  • 死亡すると勝手に後列になってしまう
隊列の仕様上、蘇生後に前に戻さないと戦力外になってしまう。
隊列画面はメニューと別なので忘れてしまいやすい。
後列がメリットになる場面はほとんどないため、この仕様は余計なお世話になってしまう。

余談

パッケージイラストのキャラクターは一般に主人公のフリオニールと考えられているが、
絵の題名が「フリオニール」でない事や、他のフリオニールのイラストと装飾が違う事、
当時のFFシリーズ作品の天野パッケージはいずれも具体的な登場人物を描いていない事などを根拠として、
当初はフリオニールとは無関係なイメージイラストだったのではないかという考察もある。
FF辞典【レッドソード】参照。
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最終更新:2022年08月21日 19:47

*1 PSPリメイク版攻略本では「魔法妨害率」の名で記載された。

*2 習得時期的にもあまりゆっくり育てる期間はない。