ファイナルファンタジーⅥ
【ふぁいなるふぁんたじーしっくす】
ジャンル |
ロールプレイングゲーム |
© SQUARE ENIX CO., LTD. |
発売機種 |
スーパーファミコン 24メガビットROMカートリッジ |
価格 |
11,400円 |
発売元 |
SQUARE |
発売日 |
1994年4月2日 |
分類 |
時代を彩った作品 独自の世界観 |
概要
スーパーファミコンで発売されたロールプレイングゲーム。
同機種で発売されたFFシリーズとしては最後の作品にあたり、
容量の増加と技術の向上により、絵画のように書き込まれた緻密なグラフィックを表現していた。
ソフト価格はついに1万円を超えてしまい、SFC後期の価格高騰を語る上での代表的な作品の一つともなっている。
特徴
世界観は古の「魔大戦」により魔法の失われた世界とされており、
これまでのクリスタルを主軸に置いたシナリオから脱却し、
機械文明の発達した退廃的な世界観を描く以降のシリーズの先駆けとなっている。
主人公が固定されていない群像劇が採用された事や、
その中心的な人物が女性である点もこれまでと異なる試みだった。
魔法は「魔石」を装備して戦闘経験を積む事で習得する方式となったほか、
各キャラクターが個別に専用アビリティを持つシステムになった。
パーティ編成はシナリオがある程度進むと変更が可能になる。
グラフィックは戦闘時と移動時で共用の物となり、常に大きめのキャラクターで描かれるようになった。
2Dマップは飛空艇でなくても斜め見降ろしになるなど、これまでより疑似立体表現が頻繁に使用されている。
魔法のエフェクトには半透明表現や幾何学的なマスクキングなどプログラム技術を駆使したCG表現が多用された。
背景はタイルパターンによる表現の割合が減り、一枚絵や陰影を強調したオブジェクトによって写真や絵画のような雰囲気を演出している。
モンスターデザンは明確な輪郭線を認識できるようなイラスト調の物は見られなくなり、
筋肉の隆起や皺、金属の光沢、羽毛の表現などが繊細に描き込まれた、
ドット絵表現の一つの到達点と言えるクオリティを見せていた。
アクティブタイムバトルはキャラの行動中にもゲージが伸びるようになり、
待ち時間が減った反面でエフェクトの長さによる行動待ちが起きるようになった。
無消費で全体攻撃や通常攻撃より強い技を放てる初期アビリティが数多く追加されたため、
常に特技や必殺技を連打する事が多く、強化アクセサリなどを付けていない状態での
通常攻撃を行なうメリットがあまりない作品でもある。
また終盤では強すぎるほどの特技、装備、魔法が手に入るため、結果的に
インフレについていけなかったラスボスの弱さが指摘されやすい作品でもある。
バグ
当時からドリル装備のような過激な技が知られていた。
また回避率が機能していないバグにより、関連する装備や敵の特性が死に設定になっている。
近年では「飛空艇バグ」「52回全滅」「ドアタイマー」「魔大陸浮上」など
常識を覆すようなプレイが可能になる大規模なバグが見つかっている。
気になる点
魔石を装備していないとレベルアップでステータスが上がらないため、
強力な魔石を手に入れるまで低レベル進行をしないとステータスを損してしまう。
また魔石ボーナスを一切損しない進行は攻略知識がないとまず不可能。
なお今作はレベル補正がレベルの二乗倍で掛かるというレベルゲーなので
ボーナスを一切無視したほうがクリアは楽なのだが、
補正値はゲーム内には表示されないため、予備知識のないプレイほど
ボーナスを気にして無理な低レベルを試みてしまい、不要な苦労をしてしまいやすい。
また全滅時はレベルを引き継いでセーブまで巻き戻しという救済システムを採用しながら、
魔石ボーナスは没収されてしまうため有難みのない機能になってしまっている。
魔法が失われた世界とされていながら、味方も敵も普通に魔法を撃つ。
魔法に置き換わる本作の世界観の象徴として取り上げられていた魔導アーマーも
シナリオの本筋で大きな活躍をせず、早い段階で普通のファンタジーになってしまう。
世界崩壊のイベント後は帝国やリターナー関連の顛末は有耶無耶になり、
個人のエピソード回収が中心のシナリオになってしまう。
またジークフリードのような最後までよく分からないキャラクターがいる。
店などのはいいいえの選択肢にもBボタンキャンセルが効かなくなった。
逃走は一人ずつ逃げる形になり、その間LRを押し続けなくてはならず、
低レベルを要求しているシステムなのに逃げの手間が増えた。
また前作までに廃止されていた逃走不可敵が復活したり、
無消費の逃走アビリティが無くなるなど仕様の上でも逃げ難くなった。
魔石もパーティ外のキャラでも一旦外す、付けるの手順をしなければならず、
装備キャラを上書きする形での付け替えをできない。
飛空艇やチョコボで南を向いた時に立体感がおかしくなる事や
魔列車を投げてしまえたり、死亡時に線路を滑るなど
細部が表現しきれないまま実装された演出が多い。
オペラのシーンも歌詞に合わせた発音を用意されていない。
飛行に関しては類似の視点だった聖剣伝説2では別のマップグラフィックを
用意していたが、今作ではその方法も取られていない。
スピードを早くしても味方の行動速度は変わらず、
敵だけ早くなるというメリットのない設定になっている。
最終更新:2022年08月21日 20:21