MOTHER2 ギーグの逆襲
【まざーつー ぎーぐのぎゃくしゅう】
ジャンル |
ロールプレイングゲーム |
© Nintendo |
発売機種 |
スーパーファミコン 24メガビットROMカートリッジ |
発売元 |
任天堂 |
発売日 |
1994年8月27日 |
分類 |
時代を彩った作品 エキセントリック |
概要
任天堂から
スーパーファミコンで発売されたRPG。
アメリカ西海岸風の架空の国家イーグルランドに住む、野球帽の少年ネスの不思議な冒険を描く。
タイトルから前作
MOTHERの後日談を思わせるが、実際には前作の大筋のシナリオをなぞった
リメイク的な内容。
特徴
シンボルエンカウントが採用され、敵の後ろを取ると先制が可能。
新システムとして体力が尽きてもカウントダウン中に回復すれば致命傷を免れるドラムロールシステムを採用。
CMにSMAPの木村拓哉を採用し、キャラクターの名称候補にもSMAPのメンバーを由来とした物が用意されている。
当時徳川埋蔵金の発掘に傾倒していた本作のシナリオライター糸井重里本人をモチーフとしたキャラクターが登場するなど、時事ネタやメタ表現が多く取り入れられている。
音楽に全容量の1/3に当たる8メガビットの容量が使用されている。
戦闘のバックにはビデオドラッグの要素を取り入れたサイケデリックな幾何学エフェクトが用いられている。
演出面を除くと極めてオーソドックスな内容のRPGでもあり、キャラクターカスタマイズの要素などはない。
冒険の舞台となるイーグルランドの文化的特徴として、序盤に訪れる街の名前に英語の数字の綴りが含まれている。
マスコットキャラクターとして前肢のないおじさんのようなデザインの「どせいさん」がフィーチャーされており、
会話にはひらがなを崩した専用のフォントが用いられている。
開発が5年に渡って難航した作品としても知られており、最終的に当時HAL研究所社長であった岩田聡が一からプログラムを書き直して完成させる事になった。
このため発売日はFF6などよりも遅いSFC後期と言える時期にずれ込んでおり、当時の話題性は今日ネットで知られるほど高い作品という訳ではなかった。
売上は明確な出典がなく30万本とも50万本とも言われている。
その後人気シリーズであるスマッシュブラザーズに主人公が採用された事や、今作の開発に関わった岩田聡が後の任天堂社長として知名度を上げた事、
またネットにおいては一時期続編のマザー3叩きに利用された経緯もあり、事後的に知名度を上げた作品でもあった。
気になる点
世界観として60年代のアメリカンヒッピー文化や、それを受けた日本の90年代に隆盛したスピリチュアル、オカルト系の退廃文化の影響が強いため、
子供の冒険を舞台とした作品とは思えないようなドラッグ描写やアンダーグラウンド描写が多数登場する。
例として足元のふらつく神経毒キノコを高額で買い取ってくれる少女や未開の地に魔法のキノコを採りに行くエピソードといった
当時流行していた脱法ドラッグ「マジックマッシュルーム」がモチーフと見られる描写があり、
それ以外にも手作りケーキを食したら幻覚を見て仲間と分かり合う、という薬物体験以外の説明が付かないシナリオ展開が存在する。
ネットにおいてはブランドイメージや開発エピソードが先行して子供向けの
王道の作品といった表面的なイメージが流布され易いが、実態とはかなり異なる面がある。
サイケデリックな世界観を強調するため、モブキャラクターを含めた登場人物のほとんどが真面目な台詞を言わず、メタ発言や支離滅裂な台詞を言う。
また主人公の音の石集めは直接的な事件解決に影響せず、時間の経過によってアップルキッドやどせいさん、アンドーナツ博士が解決策を「発明」する展開が多く、
ラスボスを倒す「仕掛け」も前作と異なり、集めたメロディーと無関係な物になっている。
また最終的に主人公たちが生還した理由に明確な説明がなく、破滅的な結末が
特に理由なくハッピーエンド扱いにされる流れは後に発売され物議を醸した3と内容的には大差がない。
ギーグの逆襲と名付けながら、前作のギーグとは無関係な内容になっている。
またタイトル前に流れるデモの宇宙人の襲撃風のシーンもゲームに登場しない。
最終更新:2022年08月21日 20:49