ここではゴリラTRPGにおける基本的なルールの解説を行う。
ゴリラTRPGの判定には、多くのTRPGと同様に6面サイコロ(ダイス)を使用する。
判定の際は6面ダイス2つを同時に振り、その出目を合計する。
この行為を2D6、出目の合計を判定値と呼ぶ。
成功するか失敗するかわからない行為を実行する場合、
GMはPGに判定を要求し目標値を提示する。
判定を行うPGは2D6を振り、判定値が目標値以上であれば判定は成功となる。
なお、判定する状況や状態によって、判定値へのボーナスやペナルティをつけてよい。
(ボーナス・ペナルティは-2~+2の範囲とするのが適切である)
判定の際、2D6の出目が両方とも5(5のゾロ目)であった場合、
判定値が目標値に達していなくとも自動的に成功となる。
これをゴリティカルと呼ぶ。
念のため記載しておくが、多くの退廃的なTRPGとは違い、
6ゾロや1ゾロは12や2である他には何の意味もない。注意すること。
我々も良く知るように、ゴリラは己の生き様を貫くことで、
時に奇跡のような能力を発揮することがある。
これをゴリラTRPGではゴリラポイント(GP)というルールにより表現している。
PGは、自分が何らかのダイスを振った直後にGPを1消費することで、
使用したダイスを1つ指定し、出目を5に変更(固定)することができる。
※:出目が固定される為、GPを使用宣言した後は、ゴリラスキル「シットスロワー(振り直し)」は適用されない。この宣言は、スキルより先に優先される。
振るダイスは判定やダメージロールを問わず、
判定の際に一度にGPを2使うことで、出目を両方5にし、ゴリティカルとすることもできる。
ただし、他人のダイスを5にすることはできず、
すでに適用されてしまった判定やダメージに対して、さかのぼって5にすることもできない。
GMは判定を要求する際に、判定内容に関連した能力値を使用することを許可してよい。
能力値を使用する場合、判定値に使用する能力値の数値を合計する。
これを能力値判定と呼び、2D6+【筋力】のように記載する。
こちらも基本判定ルールと同様に、判定値が目標値以上であれば判定は成功となる。
なお、以後判定値と呼ぶ場合は、使用する能力値やボーナス・ペナルティの修正をした後の数値のことを示す。
2匹のゴリラが1本のバナナを取り合う等、
勝敗を決める必要がある場合は、対決ルールによる判定を行う。
勝敗を争う者同士がお互いに判定を行い、判定値が高い方が勝者となる。
ゴリティカルが出た場合は、ゴリティカルが出た側が勝者となる。
もしお互いの値が同値(もしくはお互いがゴリティカル)であった場合は引き分けとなる。
引き分けの場合は、GMがお互いに公平な結果となるように裁定する。
先例の場合では、1本のバナナを半分ずつ分け合うということになる。
他のゴリラや野生動物と交渉を行う場合は、別途交渉ルールを用いる。
GMは状況によって交渉ルールの適用を拒否することもできる。
なお、交渉にあたり相手と言語が通じている必要はない。
具体的には交渉相手に
・知性がある
・交渉に応じることができる状態にある
・【野生】の能力値が設定されている
ことが求められる。
まず、交渉する側と交渉相手側の【野生】の値を確認する。
そしてそれぞれの【野生】の高い値から低い値を引き(2つの【野生】の差分を算出し)
計算された値を交渉判定のペナルティとする。
2D6を振り、ペナルティの値を引いた結果、5以上であれば交渉は成功となる。
つまり、交渉する側と交渉相手側の【野生】が同じ、もしくは近いほど
交渉は成功しやすくなっている。
似たような環境にいるからこそ、相手のことを想い交渉ができるのだ。
通常戦闘は以下のように進行する。
1 戦闘開始フェイズ
2 行動順番決定フェイズ
3 行動フェイズ
(未行動がいなくなるまで2と3を繰り返す)
4 戦闘終了確認フェイズ
(戦闘終了条件を満たしていない場合2に戻る)
5 戦闘終了フェイズ
それぞれのフェイズについて以下に記載する。
1 戦闘開始フェイズ
GMが戦闘開始を宣言し、敵の数や周囲の状況、戦闘終了条件などを伝える。
使用タイミングが戦闘開始フェイズになっているゴリラスキルはここで使用すること。
2 行動順番決定フェイズ
行動順番を決定する。
まず、敵味方含め登場しているキャラクターの種族を確認する。
人間は全ての動物の行動終了後に行動する。
次にPGを含めた動物が1D6する。
PGは出目+【野生】の値、PG以外の動物(つまりGMが操るキャラクター)は、
それぞれに設定されている行動順番修正値を加える。
そして数値の高い順番に行動する。
数値が同じ場合は同時行動として扱う。
ただし、PGの出目が5の場合は敵の数値を無視して一番最初に行動できる。
複数のPGが5である場合は同時行動として扱う。
使用タイミングが行動順番決定フェイズになっているゴリラスキルはここで使用すること。
3 行動フェイズ
戦闘行為を行う。
なお、PGから半径55mはゴリラレンジと呼ばれ、攻撃が届く距離として扱う。
その為、戦闘中の移動に関するルールはない。
敵が55mより遠くに居る場合は、
移動の判定、敵をおびきよせる判定等で距離を短くした状態で戦闘開始することを推奨する。
また、敵は「高速移動できる」「ライフルを持っている」等の理由でゴリラレンジへ攻撃が届くものとする。
戦闘行為には以下の6種類がある。
・素手攻撃
攻撃する相手を宣言し、命中判定をする。
命中判定はお互いに【筋力】判定を行い、
高ければ命中、低いか引き分けの場合なら失敗(相手の回避成功)とする。
命中した場合はダメージを出す。ダメージは1D6+【筋力】とする。
命中がゴリティカル成功しているなら、ダメージを2倍とする。
(ゴリラスキル等でダメージが増えている場合、全てを計算した最終値を2倍にする)
発生したダメージから装甲値を引き、最終ダメージをHPから引く。
HPが0以下(HPはマイナスになる)になった場合は、即座に後述する生死判定を行う。
なお、素手攻撃では命中判定の前にゴリラ手加減を行うことができる。(詳しくは後述)
・武器攻撃
攻撃する相手と、『武器攻撃をする』ゴリラスキルの使用を宣言し、命中判定をする。
命中判定はお互いに【力】判定を行い、
高ければ命中、低いか引き分けの場合なら失敗(相手の回避成功)とする。
ただし命中判定には【武器命中】によるボーナス、ペナルティが加わる。
命中した場合はダメージを出す。ダメージは武器ごとに決められた【ダメージ】値とする。
命中がゴリティカル成功しているなら、ダメージに【力】を追加する。
発生したダメージから装甲値を引き、最終ダメージをHPから引く。
HPが0以下(HPはマイナスになる)になった場合は、即座に後述する生死判定を行う。
・防御専念
次の行動順番決定フェイズまで、
相手からの命中判定の回避に+1D6の修正(2D6での判定後に1D6の値を足す)
・ゴリラスキル使用
『武器攻撃をする』以外の、行動フェイズで使用するゴリラスキルを使用する。
・バナナを渡す
他PGにバナナを渡す。
詳細は後述の「バナナ使用ルール」に記載。
・逃走
【野生】で対決し、勝利なら戦闘から逃走できる。敗北の場合は逃走できずに行動終了する。
引き分けの場合は逃走できずに行動終了となるが、
次のターンに続けて逃走行動を行う場合に+2のボーナスが加わる。
敵が複数いる場合は、その全員と対決しなければならない。
(PGは【野生】判定を1回だけ行い、敵全ての達成値を超えること)
なお、GMは戦闘の内容や状況によって逃走不可としてもよい。
逃走不可にする場合は戦闘開始時に逃走不可であることを宣言すること。
4 戦闘終了確認フェイズ
全員の行動が終了したら戦闘終了条件を満たしているか確認する。
(多くの場合は片方の陣営が戦闘不能になったら終了だ)
戦闘終了条件を満たしているならば、戦闘終了フェイズに移行する。
そうでないならば、行動順番決定フェイズに戻り、次ターンを開始する。
5 戦闘終了フェイズ
気絶状態が解除され、HPが1まで回復する。
※:この判定はPGのみが行う判定である。 基本的にエネミーやNPG(NPCも含む)は行わないが、
状況に応じてGMは、対象に対してこの判定を行っても良い。
HPが0以下になったら即座に生死判定を行う。
2D6+【パワー】で判定し、5以上を出せば気絶状態となる。
ただし、判定には自分の現在のHPがそのままペナルティとなる。
(現在のHPが-2ならば、判定に-2の修正が加わるということだ)
気絶状態では生死判定以外のあらゆる判定が行えない。
また、気絶状態でも攻撃の対象にされ、HPが減るたびに生死判定を行う。
HPが1以上に回復すれば、気絶状態は解除され、
判定が行えるようになる。(回避や支援などが可能)
次の行動順番決定フェイズより戦闘に復帰できる。
生死判定に失敗した場合は死亡する。
多くの場合、死亡したPGは次回以降のセッションには参加できなくなる。
プレイヤー諸氏は死亡したゴリラの冥福を祈り、新たなゴリラを作成しよう。
なお、GMはプレイ中の世界観などから、死亡から復活する手段を用意してもよい。
相手を戦闘不能にさせたいが死なせたくはない。
ゴリラをしていればそういう状況もあるだろう。
その時はゴリラ手加減を行うことができる。
ゴリラ手加減は「素手攻撃」もしくは「この攻撃ではゴリラ手加減を行うことができる」と
記載されたゴリラスキルで行うことができる。
命中判定を行う前にゴリラ手加減を宣言し、通常どおり命中判定とダメージ算出を行う。
この攻撃によって相手に生死判定が発生した時、
相手が行う生死判定は、ペナルティがいくつあっても自動的に成功となる。
つまり必ず気絶状態にできるというわけだ。
PGは行動順を遅らせる事ができる。
この行動を宣言する事により、PGの行動順は必ず最後になる。
しかし、他にも行動順を遅らせたPG無いし敵がいた場合、
行動値決定で出た「もともとの値の順番」からの行動となる。
相手の攻撃よって、HPに不安のあるPGやNPGが傷ついてしまう状況もあるだろう
ゴリラ森の守り神!守らなくてはならないという使命感を持つゴリラがいてもおかしくはない。
その時は、対象をかばうことができる。
かばう行動は、「相手に攻撃を宣言されたPG(NPG)の代わりに、未行動のPGが攻撃を受けることができる」
かばうの宣言は、PGの回避判定が失敗に決まった直後に宣言が必要である(ダメージロール直前まで)。
また、かばうを宣言した未行動のPGは、「そのラウンドは行動済」となり、行動フェイズはできなくなる。
ゴリラ同士で戦闘をする場合はゴリラ戦闘ルールを適用する。
【野性】を使用した能力値判定を行い、高いゴリラの勝ちである。
引き分けの場合は決着がつくまで判定を繰り返す。
お互いにゴリティカルの場合でも再度判定となる。
ゴリラ戦闘ルールは神聖な戦いなので判定妨害や支援などはできない。
ただしGPの使用は可能だ。
ゴリリングとは、ゴリラのような振る舞いを表すルールである。
GMは、PGのロールプレイがゴリラっぽいと認めたならば「ゴリリングの成功」を宣言する。
ゴリリングが成功したならば、該当するPGのPLは
1D6を行い出目の数だけ所持バナナの本数が増える。
ゴリリングによるバナナ増加のタイミングや指針については
5.ゴリラマスターセクションに記載する。
各PGはバナナを5本所持した状態からセッションを開始する。
バナナ所持数の上限は無いが、セッションを跨いで持ち越しは出来ない。
バナナには以下の使い道がある。
1.ゴリラスキルを使用する際に、それぞれのスキルに設定されたコストとして支払う。
2.情報収集判定の際に、バナナ1本につき判定値を1点上昇できる。
3.バナナを1本消費することでHPを1D6回復できる。ただし戦闘中はできない。
また、バナナは他のPGへ渡すことができる。
戦闘中以外ではバナナを渡す宣言のみで渡せるが、
戦闘中では自分の行動順番で渡し、行動済となる。
一度に複数本のバナナを渡すことができ、受け取る側は行動を消費せず、行動済でも受け取れる。