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追撃!ナイトメアフレーム

出撃指令は唐突だった。ジャブローはすぐそこまで近づいており、すでにジャブローとの通信も確立されていた。
だが北東の方角に敵艦の反応を確認すると、あずにゃん艦長は躊躇なく戦闘配備を下令した。
ジャブローへ敵を連れていけば、その防備の弱い侵入路を悟られる危険があるからだ。
ちょうど左舷格納庫に居合わせたわたしは、そのままBlackCat上の人となった。

「BlackCat、黒猫、イきます!」

† † † † †

ダモクレスでは、二機の人型機動兵器が発進準備を整えていた。だがその機体はMSのそれよりはるかに小さく、全高は5mほどしかない。

「カレンとスザクはまず敵のMSに接近し、それがどんな性能を持つかを調べろ。連邦のMSを相手にするのはこれが初めてだ。MSとKMF、どちらが強いかを比べる絶好の機会だ。私も後から蜃気楼で出よう。」

黒の騎士団を率いるゼロは、自信に満ちた尊大な喋り方で言った。彼がKMFと呼んだものが、黒の騎士団が所有する機動兵器の名称である。
KMFはジオンが地上に重力戦線を形勢する直前に開発された。
地上機動師団4個を降下させたジオンは、しかし機動兵器の絶対数不足を克服できていなかった。
地上に降り立ったザクは連邦軍に対し圧倒的な力を発揮し、地上戦の王者として君臨するだろう。
占領地域は急速に拡大し、補給線は延びる一方であろう。だがこの延びきった補給線に連邦軍が襲いかかる可能性があった。
結果前線部隊の物資が不足し、MSを装備していない連邦軍部隊から思わぬ損害を受けることもあり得る。
それを恐れたジオンは、当初KMFを補給部隊を護衛するための、あくまでも小型のMSとして開発したのだった。
だがこのKMFに、兵器としてのさらなる可能性を見い出した人物がいた。この人物こそゼロであった。
ゼロと黒の騎士団はザクに乗ってルウム戦役から実戦に参加してきた。
まごうことなき精鋭部隊である彼らだったが、その活躍が公にされることはまずなかった。それはゼロの誕生にまつわる未確認情報が原因だった。つまり、ゼロの父親は実はかのデギン・ザビであり、ゼロはデギン・ザビが期せずしてもうけた不実の子である、との噂である。
もしこれが真実であれば、彼の皇位継承権はどうなるのか。
単なる軍の指揮官ではなく、ジオン公国を導く正式な指導者となりえるのではないか。
ジオン軍上層部はゼロの待遇に悩んだ末、彼に自分の部隊と地上に降下しいち軍人として戦うか、軍によって監視されながらサイド3で生活するかを選ばせた。ゼロは迷わず前者を選び、同時にKMFの開発に関して自分の意見を取り入れるよう条件をだした。
この条件は承認され、ゼロは自分と部下たちそれぞれに専用の機体を手に入れた。
今ダモクレスから発艦しようとしている機体がそれだ。
スザク・クルルギが搭乗するランスロットと、女性パイロットであるカレン・コウヅキの紅蓮弐式
両機はダモクレスから勢いよく飛び出すと、BlackCatに接触すべく大地を駆け抜けて行った。

† † † † †

敵艦から出てきたMSのレーダー反応は奇妙だった。反応が通常のMSよりずいぶん小さい。むしろこれは本当にMSなのだろうか?わたしはBlackCatをゆっくりと歩かせていた。両腕のトンガリコーンと股間のアームストロング砲のせいで機体重量は100tに近い。
できるだけ脚部に負担をかけたくない。ジャンプの回数だって気を付けなければならない。
着地の衝撃が繰り返されれば、関節がどうなるかわかったものではない。
MSならばもう見えてもいい距離だ。だがそれらしき影はない。辺りは樹高10mほどのジャングルで、いかにも南米、アマゾンと言った風景だ。
奇妙なまでに静まりかえっている。レーダーの故障なのだろうか。
だがその瞬間、500mほど離れた場所の木々から、小鳥の群れが一斉に飛びたった。
そしてその場所は、レーダーにある反応の一つの位置とほぼ合致していた。木の下に何かがいる!反応はあっという間に100mにまでせまる。
わたしは反射的に機体をジャンプさせていた。
そして次の刹那、たった今までBlackCatが立っていた位置に、奇妙な人型兵器がサーベルを振り下ろしていた。
わたしはそれを空中から見た。人型ではあるが、ザクのようなMSとは違う。全長はその3分の1にも満たない。
そして機動性はザクの比ではない。

「ジオンの新兵器か!」

思わず口走っていた。間違いない。ジオンはBlackCatに新兵器をぶつけてきたのだ。しかも新兵器は一機ではなかった。
滞空しているBlackCatの真横に、別の紅い一機が飛び出してきた。
そいつは何も武器を持っていなかったが、いきなり右手を突きだしてきた。
わたしは反射的にトンガリコーンでそれを防いだ。その瞬間、轟音とともにトンガリコーンが粉砕された。
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「なっ!!」

一瞬何が起こったのかまったくわからなかった。敵機の腕と突き合わせただけで、トンガリコーンがバラバラになってしまった。
とにかく体勢を取り直し、なんとか着地する。紅い敵機も着地し、密林の中に姿を消した。もう一機の姿も見えない。
こうなるとレーダーが頼りだ。レーダー上の反応はものすごい速さで動いている。だが肉眼では広がるジャングルが見えるだけだ。

「こなくそッ!」

視界を開かなくてはどうしようもない。わたしはアームストロング砲のトリガーを引いた。
レーダーである程度方角を定めてみたが、命中を期したわけではない。
アームストロング砲の先がまばゆく輝き、太いビームが照射される。わたしはそのまま機体をよじり、ビームの光跡は扇形を描いた。
その分木々は焼き払われ、少なくとも正面のある程度は視界が開けた。わたしは扇形の真ん中にBlackCatを移動させた。
とりあえずこれで接近してくる時には見える。だがもし敵に強力な射撃オプションがあればこの程度の視界では対応できない。
どうするべきか。答えが出る前に、アークからの通信が入った。

「黒猫中尉、今からその周囲に弾幕を張り、敵の機動力を削ぎます。木を爆風で倒して、敵の移動を阻害するんです。その場所を動かないでください!」

通信が終わるや否や、BlackCatの周りにブラックハウスの放った艦砲射撃が着弾し始めた。
ブラックハウスはかなり接近してきており、砲撃は正確そのものだった。

「不吉を届けに来たぜ。」

トレインによる主砲レールガンの連射がジャングルのあちこちに次々に大穴をうがっていく。
わたしも再びアームストロング砲を放ち、さらに木々をなぎ倒す。
レーダーの反応は健在だが、圧倒的な砲火を前に攻撃を躊躇せざるを得ないらしい。そこに新たな反応が加わった。
視界にはとらえられないことから、やはりこれもMSより小型の機動兵器らしい。
味方の弾幕があるとは言え、もし3機の敵が決死の攻撃をかけてきたらBlackCatは無事では済まない。わたしは身を固くした。
だが、意外にも敵は突如として退却していったのである。わたしはBlackCatの片腕が破壊されていたために、追撃はしなかった。
ブラックハウスの砲撃だけが敵を追ったが、濃厚なジャングルの下をゆく見えない敵を撃破することは不可能に近く、間もなく敵はレーダーの範囲の外へ消えていった。

ブラックハウスに着艦したわたしは、報告のためただちに艦橋に呼ばれた。
艦橋ではあずにゃん艦長らCICのスタッフと、シン・ナガモン、乃人、MKⅡ、Lv.57が待っていた。

「ご苦労様です。黒猫中尉。」
「どうも、艦長。」
「さっそく戦闘の詳しい経過を教えて下さい。私達もここから見ていましたが、どうやらジオンの新兵器と遭遇してしまったようですね。」
「あんな兵器は見たことがないよ。MSよりずっと小さかった。」

わたしは新兵器の外観、機動性、そして何よりわたしを驚かせた、あの紅い敵機の右腕のことを話した。

「腕を突き合わせるだけでトンガリコーンを粉砕するなんで芸当、可能なんでしょうか?」

あずにゃんがMKⅡにきいた。

「戦闘時の映像は見ていたけど、あれはただ単に腕をぶつけてきた訳じゃない。輻射波動砲だよ。」
「輻射波動砲?」
「そう、マイクロ波誘導加熱ハイブリッドシステムのこと。高周波を発生させて莫大な熱量を生み出す兵器だ。原理は電子レンジとだいたい同じと思ってくれていい。奴は掌にオープン型の電子レンジを持ってるんだよ。このシステムは攻撃だけでなく盾としても使える。実質弾しか防げないがな。」
「なにか弱点は?」
「小型であれだけの機動力となると、装甲はほとんどないんじゃないか?それに今回の武装は確認できた二機ともに近接戦闘向けだった。サイズからして強力な射撃武器は持てないんだろう。あれにあったビーム兵器も無いわけではないが、電源が持たないよ。通常の砲だって、あれが持てるサイズならザク・マシンガンより小さい口径になるのは間違いない。BlackCatには無効だ。」
「つまり、敵の新兵器は接近戦に特化している、と。」
「その通り。」

† † † † †

ダモクレスにゼロ達が帰還したころには、夕日は西に大きく傾き、果てしないジャングルを燃えるような紅に染めていた。
艦橋に戻ったゼロは翌朝もう一度攻撃を仕掛けることを告げると、自室へと戻った。部屋には碧色の髪の少女が寝そべっていた。

「C.C.…、今はまだ戦闘配備のはずだぞ。」
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C.C.と呼ばれた少女は、ゼロを興味なさげに一瞥した。戦闘にさえ興味がない、とでも言いたいようだった。
ゼロはそれを気にせず、まずマスクをとった。黒髪で綺麗な紫色の瞳の青年の顔が露になった。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
それがこの青年の本名だ。彼は表舞台に立つ際には必ずマスクをつける。それがジオンと彼が結んだ契約である。
ゼロの素顔を知るのはジオン上層部の一握りの人間と、黒の騎士団の兵士達だけだ。

「連邦のMSはどうだった?」

不意にC.C.が口を開いた。

「連邦も厄介なものを作ってくれた。あのMSの主砲はかなり強烈だ。かすっただけでも被撃破は確実だな。それにパイロットの腕もかなりのものだ。不意をついたはずのスザクの斬撃をかわしたからな。」

ルルーシュは自分を見るC.C.の意地悪な視線に気付いた。

「なんだ?俺の顔になにかついてるか?」
「いや、妙に楽しそうだな、ルルーシュ。」
「そうか?」

ルルーシュはじっと考えるような仕草をとった。
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「…そうだな。俺は今楽しいのかもしれない。久々のやりがいのある敵だ。明日もう一度攻撃をかける。敵がおとなしくジャブローへ向かうならそっとしておくがそんなヘマはしないだろう。」
「勝てるんだろうな?」
「誰に聞いてるんだ?脅威なのは敵のMSだけだ。だが戦術は戦略を覆せない。そして俺の戦略に間違いはない。」

† † † † †

夜はあっという間に過ぎ去り、太陽が東から再び姿を現した。
ブラックハウスは夜通し細かく位置を移動したが、ジャブローへは向かわなかった。そしてオレと乃人は徹夜でBlackCatの修理を手伝った。
黒猫も手伝おうとしたがあずにゃん艦長の命令で強制的に就寝させられた。彼女が再び出撃することになったからだ。
すでに一度敵の新兵器と戦闘している分、オレ達より上手くやれるとあずにゃんが判断した。正直羨ましいかったが、正しい判断だ。
BlackCatの右手には応急的に通常の腕がつけられた。MKⅡ曰く、敵の紅い新兵器の持つ輻射波動砲には、実質弾は防がれてしまう。
だがビーム兵器はそうとは限らないらしい。正直言ってわからないらしい。
電子レンジの中でビーム兵器を発射したことがある奴はそういないだろう。
間もなく格納庫に黒猫が現れた。結局あまり眠れなかったようだ。黒猫はオレ達に手を振ってコックピットに乗り込んだ。
既に戦闘配備が下令されている。修理は終わったばかりで、SOS団の整備兵達は大急ぎで機体をカタパルトにのせる。

「BlackCat、黒猫、イきます!」

カタパルトから射出されるBlackCatを、オレは黙って見送った。ジャブローは目の前だ。やられるなよ、黒猫。

† † † † †

BlackCatのレーダーはすでに敵機を捉えていた。数は3。どうやら昨日戦った敵と同一機らしい。だが今日は同じ轍は踏まない。
ブラックハウスはすでに手当たり次第に砲弾をばらまいていた。倒された木々は大きなBlackCatには大した障害にはなり得ない。
だが小型な敵機にとっては大きなバリケードとなる可能性がある。少なくとも一直線に間合いを詰められるということはないはずだ。
敵が本当に近接戦闘用の装備しか持たないのであれば、勝機は十分にある。わたしもアームストロング砲を放ち、視界を切り開く。
レーダーの反応を確認すると、二機のみが先行し、もう一機は止まったまま動かない。二機が同時に攻撃して来なければなんとか対抗できるはずだ。BlackCatにはそれだけの力がある。わたしはもう一度アームストロング砲を発射し、さらにジャングルを焼き払った。
かなり視界を確保した。機体の周り200mは更地にした。さぁ、来るなら来い!

その瞬間、森の切れた端から紅の機体が飛び出してきた。やはり昨日の敵だ。わたしはBlackCatの右腕にもつビームライフルを撃った。
直撃コースだが敵機は身を翻し、いとも簡単にこれを避けた。紅の敵はそのまま突っ込ん来る。右腕を突き出した姿勢、輻射波動砲だ。
わたしはBlackCatを跳躍させようとするが、間に合わない。咄嗟にビームライフルで敵の攻撃を受けた。
刹那、ビームライフルの外観は融解し、直後に大爆発を起こした。BlackCatはかろうじて無事だ。
左腕のトンガリコーンで切りつけるが、空振り。紅の機体はすばやく後退し、そのままジャングルに戻った。
と、今度はもう一機の白い奴が飛び出してきた。両手にはブレード、ヒート・ホークと同様に高周波震動しているらしい。
鉄の装甲ならば一太刀で真っ二つだ。だがトンガリコーンの特殊装甲はこの攻撃を弾き返した。
敵の小さな機体は反動で吹っ飛ぶがその勢いのまま後ろに宙返りし着地する。ガガガガッと地面が抉られ、敵機はようやく止まった。
わたしはすかさずビームライフルを撃ち込む。かなりの近距離だが敵はこちらが撃つ一瞬前に機体を翻し、ジャングルへ消えていった。

だが息つく暇もなく、再び紅い奴が弾けるように突っ込んできた。わたしはバルカンを撃ち紅い奴の足元を狙う。
紅い奴はジャンプしてそれをよけると、再び森に姿を消した。妙にあっさりした攻撃、嫌な感じだ。
わたしはとっさにBlackCatを振り返らせつつ、真後ろをトンガリコーンで切り裂いた。
何もないかと思われたその空間だったが、確かに衝突の手応えがあった。
見れば、白い奴がトンガリコーンの直撃をくらい、小石のように吹き飛ばされていく。白い奴はそのままジャングルに突っ込み、姿を消した。
わたしは直ぐに紅い奴を探す。だが、紅い奴は出てこない。レーダー上の反応は白い奴のほうへ近づいていく。
やられて味方を助けようというのだ。
わたしは白い奴が消えていった方向の森に、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を向けた。

† † † † †

「スザクッ!!」

カレンは思わず叫んでいた。スザクのランスロットが、敵の左腕についた装着された巨大な爪に弾き飛ばされたのだ。
カレンは敵への攻撃を中止し、スザクを助けに向かった。
試験機であるランスロットには、まだ脱出装着が取りつけられていなかったのである。
木々が密集した薄暗い森を駆け抜け、紅蓮弐式はようやくランスロットのもとに辿り着いた。
スザクは自力でハッチを開け、機体の外に倒れていた。

「スザク!しっかりしろ!」

カレンも機体を飛び出す。

「カレンか…、僕のことはいい…早く、逃げろ…」
「バカ言ってないで!さぁ立って!ダモクレスに戻るわよ!」

そう言いながらカレンはスザクの肩に腕を回す。が、スザクの躰は予想以上に重く、カレンは体勢を崩してしまった。
だがその瞬間、倒れこんだ二人のわずか1mほど上を、強力なビームがほとばしっていった。
ランスロットが直撃を受けて瞬時に爆発し、恐ろしい勢いで機体の破片が四散し、二人を襲う。
カレンはスザクが自分に覆い被さってくるのを感じた。
恐怖の爆風が過ぎ去り、カレンはスザクごと我が身を起こした。
カレンをかばったスザクの背中は見るも無残に焼けただれ、あちこちに機体の破片が突き刺さっていた。

「早く、逃げ…」

スザクは尚もかすれる声を絞りだした。

「自分の心配をしなさい!紅蓮弐式まで担いで行くわ。我慢しなさい!」
「君じゃ無理だ…置いて行け…」

スザクがまだ反論するのを見たカレンは、自分の体内に怒りにも似た不思議な力が沸き上がってくるのを感じた。

「怪我人一人くらい運んでみせなきゃ、おさまらないんだよ!カレン・コウヅキを安く見るなぁ!」

カレンは一喝し、今度こそスザクを抱き起こした。一歩一歩、踏みしめながらカレンは歩いていく。
こいつを連れて帰らなきゃ、ゼロに会わす顔がないじゃない!

† † † † †

わたしは白い奴が爆発したと思しき場所に来ていた。
真新しい爆発の跡を中心に、無数の破片が散らばっており、木々の枝があちこちに散乱していた。
回収できるパーツがあるかもしれないと思ったが、無駄足に終わった。アームストロング砲の威力ではあの小型機には強烈過ぎたらしい。
パイロットはどうなっただろうか。紅い奴が回収して行ったのだろうか。レーダー上では紅い奴は確かにここに来ていた。
願わくばアームストロング砲で白い奴と同時に仕止めたかったが、そう上手くはいかなかった。
白い奴が爆発したあと、残る敵機は全速で戦域を離脱していった。

こうして、わたしとあの新兵器との最初の会戦は2日間に渡って戦われ、わたしはどうにか勝利を手にすることができた。
だがBlackCatとて無事ではない。昨日の戦闘では右腕のトンガリコーンを粉砕されたし、今日は左腕のトンガリコーンに損傷を負った。
何より急激な機動を繰り返す無茶をしたために、各部に負担がかかってしまったBlackCatの行動は、今や怪我人のようにぎこちないものだった。
それでもこの勝利は喜ぶべきものに違いなかった。ブラックハウスからの通信によれば、敵機の母艦であるザンジバル級は姿を消したらしい。
これで安心してジャブローへ入港できる。

太陽は今や南の空高く昇っていた。わたしはブラックハウスへの帰還の途についた。

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最終更新:2010年06月02日 04:29
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