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強行突破作戦 その2

サイド6―――
中立コロニーであり、その領空内での戦闘、その他あらゆる戦争行為は厳に禁止されている。クロメルを加えた黒の騎士団はこのコロニー目指して航行していた。先を行く黒い木馬、ブラックハウスを猛追するためだ。しかし、サイド6領空に入る前にブラックハウスを捕捉することはできなかった。ブラックハウス隊は何度か騎士団のセンサーにひっかかり、蛇行するようにサイド6を目指していた。ダモクレスの一室でこの航行図を見て、ゼロ――今はマスクを外してルルーシュになっている――はあることを確信していた。
「黒い木馬は俺たちを引き付けるためにわざとゆっくり進んでいるな。連邦軍艦隊の主力はこちらにはこないのだろう。」
「ということは、黒い木馬は囮だったってこと?」
ルルーシュの発言を受けて、カレンがきいた。
「簡単に言えばそうだ。突撃機動軍は木馬ことホワイトベースがまずサイド6に向かい、この黒い木馬も同じ場所を目指したために、連邦軍の目標はグラナダにあると判断した。だがそれは間違っている。連邦軍はソロモンに来る。」
「ソロモンに?」
「そうだ。グラナダに進路をいつわったということは真の目標はソロモンとみて間違いない。」
「なら、私たちもすぐに引き返して…」
「いや、ここで反転すれば黒い木馬が俺たちを後ろから襲ってくる。それに今はガンダムを討ち取るチャンスだ。ツィマッド社特務隊に加えてマネキン戦隊も指揮下にあるんだ。この機を逃す手はない。一度サイド6に入港し、黒い木馬が再び出港した時点で戦闘になるだろう。それまでしばらくは新型機の訓練に集中できる。」
「私はもとのKMFのほうが好きだな…」
「仕方ないだろ?宇宙では機体の質量の差がもろに出る。KMFの大きさじゃ限界があるんだ。」
「それはわかってるけど…わざわざKMFをそのままスケールアップするくらいなら、もとのままでもって気にもなるわ。」
「そのかわり出力は上がってるし、悪いことじゃないだろ?」
「そうね…」
二人が話しているのは、黒の騎士団が宇宙戦用に受領した新型機のことである。全高5mほどしかないKMFでは宇宙ではMSに対抗できない。質量が違い過ぎるからだ。単純にMSを殴りつけたとしても、吹き飛んでいくのはKMFのほうかもしれない。そこでゼロはKMFをそのまま巨大化することに決めた。当初はあまりに無茶な計画だと思われたが、実際にやってみるとさしたる技術的問題は起こらなかった。案ずるより生むが易しである。
「俺はオンドゥルへ行ってグラハムと打ち合わせをしてくる。カレンも来てくれ。」
ルルーシュがマスクをつけながら言った。もう彼はカレンの気安い友人ではない。ゼロだ。
「了解。」
堅い口調を取り戻してカレンが言った。二人は部屋をあとにし、オンドゥルへ向かった。

「ありがたい。ガンダムを討ち取るチャンスがもらえるのなら、私はいつでも大歓迎だ。」
オンドゥルの艦橋でゼロとカレンを前にし、グラハムは満足そうに言った。
「では異論はないな?」
「もちろん。サイド6へ向かおう。」
「よし。マネキン大佐にはもう伝えてある。道中に新型機の操縦訓練を入念にな。」
「承知している。せっかく教授とビリーが届けてくれた機体だ。必ず役立ててみせる。」
黒の騎士団だけでなく、ツィマッド社特務隊もまた、新型の機体を受け取っていたのである。グラハムとは気心知れた仲のツィマッド社社員ビリー・カタギリと教授の肩書きをもつレイフ・エイフマンが直直に運んできたものだ。グラハムのフラッグには更なる改良が加えられてフラッグⅡとなり、フェイトには黒く塗り固められたプロトタイプケンプファーが、アルフにはドムグロウスバイルが、ダリルにはツィマッド社試作タイプのゲルググが、それぞれ配備された。だがグラハムが心を痛めたことが一つあった。ビリーとエイフマン教授は、オデッサで戦死したハワードの分のリックドムⅡをも運んできたのである。情報に手違いがあったらしい。二人ともオンドゥルに着いて初めてハワードの戦死を知ったという。グラハムが失った部下はなにもハワードだけではない。彼はいま改めて、このフラッグでガンダムを討つことを誓ったのであった。

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07/05 19:28 W51S(e) [298]エルザス
297

ゼロとカレンはダモクレスに戻るランチに乗るため、オンドゥルの廊下を歩いていた。すると、向こうから綺麗な金髪をした華奢な少女が歩いてきた。プロトタイプケンプファー「バルデイッシュ」のパイロット、フェイト・テスタロッサだ。
フェイトはゼロの姿を認めると、直立不動の姿勢をとって敬礼した。その表情はかなり緊張しているようだ。確かにゼロのマスクはただならぬ雰囲気ではある。
「新型機の調子はどうだ?」
答礼しながら、ゼロはきいた。
「はい、調整も順調ですし、大丈夫です。」
相変わらず緊張したまま、フェイトが答える。
「そんなに固くならなくていい。そうだ…」
ゼロはそういうと、突然マスクを外してしまった。
「ッ?!」
フェイトとカレンが同時に息をのんだ。
「これなら緊張しなくていいかな?ご覧の通り、ゼロの正体はただの青年、年も君と大して変わらない。」
ルルーシュは持ち前の甘い声でそう言った。端正な顔立ちがフェイトに笑いかける。フェイトは自分の顔が紅潮するのを感じていた。こんな綺麗な瞳をした人が、あのゼロの正体だったなんて…。
「ルル!なにを…!」
カレンがフェイトとルルーシュとの間に割って入った。
「そんなに慌てることじゃないだろう?ほんの友好の証さ。」
「人前でマスクを外しちゃいけないのに、もし上層部が知ったら!」
「大丈夫だよ。彼女がこんなことを報告するとでも?」
「えっ…そうは思わないけど…」
「なら大丈夫だろう?」
ルルーシュはそう言うと、もう一度フェイトをまっすぐ見つめた。
「フェイト、君には期待している。頑張ってくれ。」
「あ、はい。」
フェイトが気のない返事をすると、ルルーシュはまた微笑んでマスクをつけた。
「さぁ、もう行きましょう。」
カレンがゼロの腕を掴んで強引に引っ張っていく。フェイトは去っていく二人を半ば呆然として見送った。心なしか鼓動が早くなっていく。随分と長い間忘れていた、不思議なぬくもりに触れた気がした。


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07/05 19:29 W51S(e) [299]エルザス
298

† † † † †

わたしはブラックハウスの艦橋でサイド6入港の瞬間をわくわくして見ていた。このコロニーは中立サイドだから、宇宙での最初の寄港地としては申し分ない。入港したら多少は休暇がもらえるらしいし、わたしは本当に心が弾むようだった。
「お前、顔に楽しみって書いてあるぞ。」
隣に立つナガモンが言った。
「そう?ナガモンは楽しみじゃないの?」
「まぁ楽しみさ。ここまで実戦のあとずっと訓練だったしな。」
そう、アースラと合流した直後の敵パトロール艦隊との戦闘以降、わたしたちは訓練に次ぐ訓練を重ねてきたのだ。お陰で宇宙での機体操作にはもう完全に慣れていたが、疲れはたまっていた。
「あとで天気の予定表をもらって、いい天気の日を休暇にしますね。」
あずにゃんが艦長席から言った。
「さっすがぁ!あずにゃん大好き!」
わたしが言うとブラックハウスの艦長は照れたように笑った。
「レストランに予約でも入れましょうか。たまには黒炊事長にも休みを与えませんと。」
珍しく京が嬉しい提案をした。
「賛成です。あとでカムラン検察官にいいお店を教えてもらいましょう。」
即座にあずにゃんが承認した。わたしももちろん大賛成だ。
「なら自分がきいて来ます。カムラン検察官は今どこに?」
カムラン検察官というのはサイド6の人で、入港に際しての緒注意と武器の封印を確認するためにさっきやってきた。
「多分格納庫です。お願いしますね副長。」
「了解しました。」
京が出ていき、わたしは視線を正面に戻した。まさに入港の瞬間だ。ジョーンズの操舵には寸分の狂いもない。
わたしはサイド6での楽しい時間を想像して、ついつい頬をほころばせた。
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07/05 19:30 W51S(e) [300]エルザス

† † † † †

「チィッ!結局雨かよ。」
シンは雨降りしきるコロニー内を一人、傘も持たず走っていた。機体の整備を手伝っていたら、レストランに行く車に乗り遅れてしまったのだ。
「少しくらい待っててくれりゃいいのに。」
ブツブツとぼやきながら、シンはなおも走る。しかし、雨足は強くなる一方で、シンはすでにずぶ濡れだった。見ると、前方に人気のないログハウスが建っていた。街までまだかなりあるし、シンは雨宿りすることに決めた。初めは玄関のひさしの下にいたが、大して雨をしのげない。裏手に回ってバルコニーに入ることにした。
だが、そこには先客がいた。
「?」
全体的に黒っぽい服装の金髪の少女だ。シンには気づいていなりらしい。ずぶ濡れになったスカートの裾をたくしあげて、一心不乱に絞っていた。
「くしゅん!」
少女がひとつくしゃみをして、不意に視線を上げた。呆然と見ていたシンと目があった。気が抜けたのか、持っていたスカートがぐいと引き上げられた。白。
「あの…」
少女が戸惑った声を出した。
「あっ、いや、ごめん!見るつもりは…!」
「なにをですか?」
「いやっ!その、ス、スカートが!」
「え?」
少女は下に目をやる。自らの手でたくし上げられたスカートと、その下の可憐な布が露になっていた。
「えぇっ!」
少女は慌ててスカートを下ろし、顔を真っ赤にして目を閉じた。
「ごめんなさい、私、濡れてたから…絞ろうと思って…」
「いや、うん。わかってるから…こっちこそごめん。」
気まずい沈黙…。
シンはとにかくなにかを話そうと思った。
「え~と、君はこのコロニーの娘?」
未だに頬を赤らめつつ、少女は答えた。
「いえ、違います。このコロニーは初めてです。」
「ふーん。君、名前は?」
「フェイト…フェイト・テスタロッサです。」
「フェイト、か。俺はシン、シン・アスカ。よろしいフェイト。」
「よ、よろしいお願いします。」
「それにしても、いつまで降るんだこの雨?」
「あと30分は続くみたいですよ。ひょっとして、街へ行こうとしてました?」
「うん。食事の待ち合わせがあって。」
「なら、私の迎えに乗せていってもらうといいです。私も街へ行く途中だったんです。」

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07/06 08:39 W51S(e) [301]エルザス
300
「迎え呼んでたのか?」
「はい。携帯電話で…持ってないんですか?」
「あぁ、借りなかったんだ。」
「へぇ…」
シンは何気ない口調で言ったが、フェイトはそこになにか気がかりな点を感じた。しかし、深く追求しようとも思わなかった。

ルルーシュは、フェイトを迎えに車を走らせていた。後部座席にはアルフとC.C.が座っている。
「ここでは総指揮官にこんなことやらせんのかい?」
アルフが言った。
「男だからな、これくらい当たり前だ。」
C.C.がさらりと言ってのける。ルルーシュはため息をひとつついたが、黙って車を走らせた。
「あそこ!フェイトがいたよ。」
アルフがいち早くフェイトを見つけた。
「もう一人の男は誰だ?」
C.C.が言う。車は減速し、止まった。
「お待たせ。濡れてしまったな…」
ルルーシュが素早く車から降り、傘をさしてフェイトに近づく。
「平気です。それよりこちら、シン・アスカさん、たまたま一緒になって。街へ行くそうなので、乗せていってあげたいんですが…」
シンがルルーシュに軽く頭を下げ、ルルーシュも会釈する。
「構わないよ。フェイトは助手席に座るといい。君は後部座席へ。」
「ありがとうございます。」
シンがもう一度頭を下げた。アルフが傘を持って降りてきた。シンを傘に入れて後部座席にいざなう。
「ふふ~ん、ちょっといい男じゃないか~。」
ルルーシュはフェイトを自分の傘に入れて、助手席までエスコートする。

「じゃあ出すぞ。」
再び運転席におさまったルルーシュがいい、車が走り出した。
「シンと言ったな?」
C.C.はシンに興味津々だった。
「あ、あぁ。」
どことなく官能的なC.C.に、シンはたじたじになっていた。
「ほぉう…ただの小僧という訳ではないな…」
「小僧って、ちょっと!」
C.C.の白い手がシンの頬をなでる。
「な、なにを…」
C.C.の顔が迫ってきた。
「お前…」
もう目の前、10センチ、5センチ、3センチ…
「ッ!!」
コツン、と音がして、二人のおでこがぶつかった。
「熱があるな。」
「なっ?はぁ?」
「ルルーシュ、街に行ったら病院に行ってやれ。」
「なっ、そんな!大丈夫だよ!」
「悪いことは言わない。大人しく医者にかかれ。」
「いいって!それに、仲間と約束があるし。」
「強情だな…」
「本当に大丈夫か?シン君?」
ルームミラーごしにシンを見ながら、ルルーシュが尋ねた。

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07/06 22:29 W51S(e) [302]エルザス
301
「大丈夫だって、このくらい。」
「そうか…なら、その仲間と約束してる場所まで送ろう。どこだ?」
「えっと…街の中心部のレストランで…」
シンは京が予約したレストランの名前を言った。それを聞いたルルーシュたちは一様に驚いた。その店が彼らがこれから向かう店そのものだったからだ。

そのころ、カレンとスザクはすでに待ち合わせのレストランに到着していた。雨降りしきる空を見上げながら、ルルーシュたちを待つ。すると、一台の大型バンが走ってきて、レストランの前に止まった。助手席から最初に降りてきた人物を見て、カレンは仰天した。
「き、京大尉?!」
「どうした、カレン?」
スザクの問いには答えず、カレンは隠れるようにスザクの背中に回った。
「あの人、連邦軍の大尉よ。ジャブローに潜入したときに会った。」
「本当か?だけど、あの時はカレンもルルーシュも変装してただろ?そんなに隠れなくても。」
「ダメなのよ。実は一騒動あって、素顔ははっきり見られてると思うわ…それに、お互い名乗り合ったし…」
「はぁ?なぜ?」
「とにかくここにはいられないわ。あとでね!」
言うなり、カレンは素早く走り去ってしまった。直後、バンの後部座席から、騒がしい少女たちが降りてきた。
「いやーいっぱい買ったね!」
その中の一人、黒猫が言った。その回りにはブラックハウス隊のパイロットの面々。運転席からはあずにゃんが降りてきた。
「それじゃレストランに入りましょう。もう予約した時間ギリギリですからね。」
「シンがまだ来てないぞあずにゃん艦長。」
ナガモンが言った。一同があたりを見渡す。そこに、ルルーシュの車が滑り込んで来た。後部座席のドアが勢いよく開き、シンが出てきた。
「間に合った!」
「シンさん!どうしたんですか?この人たちは?」
あずにゃんが車から降りてくるルルーシュたちを見ながら言った。
「雨宿りしてた所を拾ってもらって。たまたまこのレストランを同じ時間に予約してたんだ。」
「ルルーシュ・ランペルージです。まずは店に入りましょう。もう時間がない。」
ルルーシュがあずにゃんに右手をさしだす。手のひらを上にして。あずにゃんは緊張しながらその手に自分の右手を合わせる。ルルーシュの手がそれを優しくつつみ、ルルーシュはあずにゃんの前にかしづくと、彼女の手に接吻した。途端にあずにゃんの顔が赤くなる。

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07/08 08:34 W51S(e) [303]エルザス
302
「さ、さぁ!入りましょう!」
あずにゃんは照れた顔のまま真っ先に店に入っていった。他の者もそれに続く。スザクはルルーシュに近づき、そっと耳打ちした。
「ルルーシュ、彼女たちは連邦軍の兵士だ。カレンがあの女性士官とジャブローで会ったと言っていた。」
「わかっている。俺もその場にいた。こちらは見られていないがな。」
「大丈夫なのか?」
「いつまでも隠してはおけないだろうな。だがそれでどうなる?どうせここは中立コロニーだ。レストランで銃撃戦にはならないだろ?」
「…そうだな。」
「せっかくの休みだ。楽しもうじゃないか。」
ルルーシュは屈託なく笑うと、店の中へと入っていった。

「それじゃあ、フェイトちゃんは地球には行ったことないんだ。」
レストランのテーブルで、ナノハは隣に座った少女に話しかけていた。フェイト・テスタロッサと名乗った少女は、奇遇にもナノハと同い年であった。
「うん。いつか行ってみたいけど…この戦争のせいでそれもままならない。」
「そうだね…戦争が終わったら是非来てみてね。」
「ナノハは地球に住んでるの?」
「元々はね。でも今は疎開してこのコロニーに。戦争が終わったら一緒に地球に行きたいね。」
「一緒に?いいの?」
「うん!私たち、もう友達でしょ?」
優しく微笑むナノハ。フェイトは不慣れな優しさに接して、不器用にはにかんだ。
「あ、ありがとう。」


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07/08 08:35 W51S(e) [304]エルザス
303

その頃、ブラックハウスが入港したドックの入り口は、噂を聞き付けた民間人の群れでごったがえしていた。そしてその中に、センスのいいスーツに身を包んだグラハムの姿があった。傍らには無二の親友であるビリー・カタギリがいる。
「予想以上の人出だね。これはとても戦艦見物じゃない。」
人の波に半ば押し流されながら、ビリーが言った。
「この程度で諦めていてはガンダムは倒せんよ。どうにかして戦艦の中に入りたい。」
「見るだけならともかく、中に入るのは無理だと思うね。」
「待っていればチャンスはある。ビリー、一度あのカフェで休もうか。」
グラハムが人ごみの向こうに見える喫茶店を指して言った。
「ありがたい。僕はもうグロッキーだよ。」

「いやはや、すごい混雑だったね。」
「中立コロニーとは言え、敵の戦艦を目の前にして何も出来ないというのは歯がゆいものだな。」
ビリーとグラハムは冷房がほどよくきいた喫茶店のテーブルについていた。
「仕方ないさ。第一中立コロニーでなければ戦艦の入港情報なんて…」
「なんですってぇ!!」
ビリーの言葉は突如沸き起こった少女の絶叫でかき消された。ビリーもグラハムもすぐに叫び声が聞こえた方に目をやる。
「冗談じゃないわ!こっちは呑まなきゃやってられない気分なのに!」
とあるテーブルの気の強そうな少女が店員と揉めている。
「未成年の方にお酒を出すわけにはいかないんです。犯罪ですから。」
「サイド6の法律なんて知ったこっちゃないわよ!お酒お酒お酒~!!」
少女は子供のように駄々をこねる。一緒に座っている男が少女をなだめる。
「このサイドに限ったことじゃないだろうが。ハルヒ、これ以上面倒を起こすな。だいたい喫茶店でお酒ってお前なぁ。」
「なによ!メニューにあるんだし問題ないでしょ!」
「たしかにそうだが、こんな昼間っから未成年者が飲酒はダメだろ。
すいません、とりあえず人数分ジュースを…」
男が店員にそういうと、ようやくいざこざから解放された店員はそそくさと立ち去った。
「ちょっとキョン、こんなとこでいい子ちゃんぶる必要ないでしょ?」
「副長が言ってただろ?整備兵だって戦艦クルーの一員なんだから、軽率な行動はするなって。」
「そう言ってた京大尉は艦長たちとレストランにランチじゃない!おかしいわよ絶対。」
「仕方ないだろ。当番の運が悪いんだよ。おいコイズミ、お前もなんとか言ってやれ。」

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07/08 12:09 W51S(e) [305]エルザス
304
「あいにく、僕もスズミヤさんに同調します。艦長、副長だけならいい、しかしパイロットも一緒というのは納得できません。」
「お前な…アサヒナさんはどう思いました?」
「ふぇっ?あ、わたしはよくわからないですけど、ここのサンドイッチも美味しいですよ。」
キョンと呼ばれた男は反応に困るような素振りを見せた。そして傍らで黙々とサンドイッチを食べる別の少女に視線をやった。小柄で短い銀髪の少女は、キョンたちの会話には興味を示していないらしい。
グラハムはそんな彼らをじっと観察していたが、不意に立ち上がるとそのテーブルに歩み寄っていった。
「グラハム?どうかしたのかい?グラハム?」
ビリーの言葉にも耳を貸さず、グラハムは最初に叫んだ少女の正面に立った。
「ん?なによあんた?」
グラハム・エーカーという。このサイド6で港湾の管理をしている。どうやらお困りのようだが、どうだろう、私がいい酒を呑める店を紹介するが、一緒に来ないか?」
「ほんとに!?」
その少女、ハルヒ・スズミヤの目の色が変わった。

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07/15 11:52 W51S(e) [306]エルザス
305

数時間後、一軒のバーから意気投合した様子のハルヒとグラハム達が出てきた。
「あんた最高!おかげでいい気分だわ!」
ハルヒがグラハムの肩を叩きながら言った。その顔は真っ赤になっている。どうやらかなり酔っているようだ。
「喜んでもらえて嬉しい。まさかあの戦艦の乗組員だったとは…」
グラハムも笑顔で話すが、こちらは酔っている様子はない。
「これにかこつけて戦艦の中を見たいなんて言うんでしょ?顔に書いてあるわよ。」
ハルヒがいたずらっぽい笑みを浮かべて言った。
「いや、そんなつもりは微塵もない。」
「またまたぁ…そうね、どうせ今は人もほとんどいないし、絶対に私のそばから離れないって約束できるならいいわよ。」
「本当か?!」
「ふふ~ん、やっぱり見たいんじゃない。」
「あ、いや、これは失礼した。」
「いいわ。それじゃこっちよ。港の正面からはあなたは入れられないから、別のゲートに回りましょう。」
「助かる。」
「おいハルヒ!」
突然、二人の背後でキョンが吠えた。彼は酔いつぶれたビリーに肩を貸し、ゆっくりと歩いてきた。
「まずいだろ、勝手に…」
「大丈夫よ。格納庫ちょっと見せるだけだし。あんたはその人担いで公園にでも行ってなさい。みくるちゃんとユキも連れて行っていいわよ。」
「!?…わかった。じゃあ後でな。」
キョンが背を向け、ビリーを担いだまま公園のほうへ去ってゆく。
「僕には何かご要望ありませんか?」
残されたコイズミがハルヒに言った。
「コイズミ君はグラハムさんの監視役よ。この人は悪人ではないけど、私に手を出さないとも限らないわ。」
「了解しました。」
「そこは信頼してほしいな。私は手荒な真似なんかしない。特に女性に対しては。」
「どうだか。まぁ、大して疑ってるわけじゃないわ。念のため。」
「わかった。」
「さぁ、行きましょ。」
ハルヒ、グラハム、コイズミの三人が港施設の方へ歩いてゆく。
† † † † †

「黒猫、ちょっと。」
レストランのテーブルで、オレは黒猫にそっと耳打ちした。黒猫はすでに酔っているらしく、顔を赤らめて「ふにゃ?」と気の抜けた返事をした。
「ちょっと来てくれ。二人で話したい。」
「にゃんでだよう。ここじゃダメなの?」
「ダメなの。」
「もう、仕方ないなぁ。」
黒猫はふらふらと立ち上がり、オレは彼女をトイレに導いた。女子トイレには他に誰もいない。
「にゃにゃっ?!ダメだよナガモンこんな所で!」
「お前は何を言っているんだ。話がある。聞いてくれ。」
「?」
「あの、ルルーシュたちだけど、おかしくないか?修学旅行って言ってたけど、引率もなしになんでこんな店にいる?」
「お金持ちの学校なんじゃないの?」
「そういう問題じゃない。それにあいつら、何か隠してる気がする。」
「隠してるのはわたし達もおんなじでしょ?ブラックハウスのクルーだなんて言ってないもん。」
「それだよ。どうも連中はオレ達と同じにおいがする。つまり、軍人のにおいが。」
オレがそういうと、黒猫はニヤリと笑った。
「ナガモン、そこまでわかってるならこれ以上話しても無駄だよ。」
「お前、気づいてたのか?」
「なんとなくね。あのルルーシュって子と、あとスザクくん。多分どこかの戦場で会ってる。」
「…敵か?味方か?」
最大の疑問をぶつけた。答えはなんとなくわかってはいたが。黒猫はまたニヤリと笑った。
「敵だよ。もちろん。」
やはりそうか。
「敵だとわかってた割には、随分と仲良くしてたな。」
「こんなところでぶつかりあっても仕方ないでしょ?中立サイドなんだし、せっかくの食事だし。」
「…たしかにな。だけど明日にはあいつらと殺しあってるかもしれないぞ。」
「大丈夫だよ。死ぬのは向こうだもん。」
さらりととんでもないことを言うな。おそろしい奴だ。だが…
「同感だ。オレ達は負けない。負けられない。必ずジオンに復讐してやるんだからな。」
「あんまりピリピリしないでねナガモン。今はみんな楽しく食事してるんだから。」
「心配するな。オレは先に帰るから。」
「にゃっ?!帰っちゃうの?」
「ああ。」
ジオンと馴れ合いはしない。できるものか。
オレはそのまま店をでた。夜の街をふらふら歩いてブラックハウスに向かう。けっこうな距離だが、頭を冷やすにはちょうどいいだろう。

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07/23 09:25 W51S(e) [308]エルザス

† † † † †

グラハムはブラックハウスの格納庫に足を踏み入れていた。
「ここが私たちの担当する格納庫エリア。そしてMSよ。かわいいでしょ?」
ハルヒが嬉しそうに説明する。まだだいぶ酔っているらしい。
「これは、ガンダムという機体じゃないか?」
グラハムは一機のMSを指さして言った。
「あら、詳しいわね。」
「サイド6でも有名になっているからな。連邦の白い悪魔だとか。しかしこのガンダムは黒いな。」
努めて冷静を装おっていたが、グラハムは内心で相当興奮していた。この機体こそ、彼がフラッグで倒すと誓ったガンダムそのものだったからだ。
「そう呼ぶのはジオンだけよ。私たちにとっては心強い味方。この子はガンダムBlackCat。シン・ナガモン中尉の機体よ。」
「ガンダムBlackCat…」
グラハムは黙ってその機体を見つめた。
「こっちのはWhiteCatとブラックRXよ。」
ハルヒは他の機体も説明するが、グラハムは心ここにあらずと言った表情だ。ブラックサンを宇宙仕様に改造した機体、ブラックRXの足元に来ても、BlackCatが気になるらしい。
「そんなにあの機体が気に入ったの?でもさすがに中を見せたりは出来ないわよ。」
「いや、そこまで高望みはしないさ。」
グラハムは苦笑しながらそう言った。ここで怪しまれてはならない。名前がわかっただけでも儲け物だ。
「ハルヒ、そいつは誰だ?」
不意に女性の声が響いた。グラハムが振り返ると、長い銀髪の少女が歩み寄ってきた。
「あら、早かったわね。こちらグラハム・エーカーさん。さっき飲み屋で意気投合してね。格納庫を見たいっていうから。」
「大丈夫なのか?だいぶ酔ってるみたいだけど。」
「このくらいどうってことないわよ。」
ハルヒはそう強がったが、言った途端にぐらりと揺れた。足元が覚束ない。
「そろそろ私は失礼するよ。ハルヒさん、今日はいい経験になった。感謝する。」
グラハムが言った。
「あら、もう行くのね。そうね、ビリーさんも待ってるだろうし。帰り道はわかるわよね?」
「無論だ。それでは。」
グラハムはハルヒにウィンクし、ナガモンにも軽く会釈して帰っていった。すかさずナガモンがハルヒに歩み寄り、小声で話しかける。

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07/26 11:55 W51S(e) [309]エルザス
308
「あまりに軽率じゃないか?どこの馬の骨かもわからない男に、格納庫の中を見せてしまうなんて。」
ハルヒはむっとした表情で答える。
「失礼ね。私の人を見る目は確かよ。」
「それはわかるけど…」
「彼は間違いなくジオンの人間よ。」
「はぁ?!」
「普通の港湾施設職員がガンダムを白い悪魔なんて呼ぶ訳ないもの。コイズミ君。」
「はい。」
「彼を尾行して。帰る場所を突き止めるだけでいいわ。」
「承知しました。」
呆れ返るナガモンを前に、ハルヒはさっさとコイズミを送り出してしまった。
「大丈夫なんだろうな?こっちに不利になる情報は渡ってないか?」
「情報と言ったってせいぜい見た目と名前くらいよ。あとはなんにもわからなかったはずよ。格納庫はきちんと片付けてあったし。」
ハルヒはそういって両腕を広げてみせた。周囲に目をやると、確かに格納庫はいつになく片付いていて、MSの追加武装などにはきちんとカバーがかけられていた。
「それにね、私はなんとなく、彼にあなたのことを教えなければならない気がしたの。」
「オレのことを?」
「そう。あなた達二人には、何か運命的なものを感じるのよね。」
「冗談じゃない。ジオンとの運命なんてろくなもんじゃないだろ。」
「どうかしらね。とにかく、コイズミからの報告を待ちましょう。それと、これはお願いなんだけど、このこと、他の人には内緒ね。とくに副長には。」
「こんなこと知ったら副長怒るだろうな。」
「怒るどころじゃないわ。軍法会議は必至よ。だから、ね?」
「仕方ないなぁ。だけど二度目はないぞ。」
「ありがと!」
ハルヒはそういってふらつく足取りで部屋に戻っていった。
「グラハム・エーカーか…パイロットじゃなければいいが。」
ナガモンはそうつぶやいて、BlackCatを見上げた。


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07/26 11:56 W51S(e) [310]エルザス
309
その頃、あずにゃんたちがいるレストランでは、食事が終わり会話も一段落して、各々が帰りの身支度を始めていた。その中でルルーシュはスザクをそっと呼んだ。
「ナカノ少佐たちを尾行して、どの部隊に所属しているか確かめろ。けどられるな。」
「了解した。」
一方、あずにゃんもまたシンとナノハを呼び寄せていた。
「内密に、ルルーシュさんたちを尾行してください。」
「尾行?なぜですか?」
シンが怪訝な顔できく。彼はまったく気づいていないらしい。
「あの人たちはジオン、ってことですね?」
ナノハが推しはかるように言った。どうして気づいたのだろうか。構わずあずにゃんは続ける。
「まだなんとも言えません。お二人の働きにかかっているとしか。絶対に気づかれないでください。今日は二人の外泊を認めます。明朝にはブラックハウスに戻ってくださいね。」
「ナノハと、外泊…」
シンがぽつりと呟いた。
「頑張ろうね、シンくん。」
ナノハがシンに微笑みかける。何を頑張るって言うんだ。シンの脳裏に不純な妄想がよぎる。ブンブンと頭をふり、正気に返ってあずにゃんを見た。
「必ずやり遂げます。」
「お願いしますね。私たちはここで別れて、二人は一緒に帰るってことにしましょう。じゃあ、お願いします。」
あずにゃんはそう言うと、あずにゃんたちの分まで代金を払おうとしているルルーシュのところへ駆けていった。

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07/26 12:30 W51S(e) [311]エルザス
310

翌日。ナノハとシンはブラックハウスに返ってきた。二人はルルーシュたちをきっちりと尾行し、ダモクレスが停泊しているドッグを突き止めていた。さらに二人はそこに停泊しているのがザンジバル級と損傷したものを含むムサイ三隻、そして輸送艦一隻である、ということまでつかんでいた。お喋りな港湾局員がいたものだ、とシンはあきれた。もっとも、それらを喋った港湾局員はナノハの気を引こうと必死だったようだが。
あずにゃんへの報告を済ませると、二人ははリンディ提督に呼ばれ、アースラの艦橋へやってきた。
「二人とも来たわね。実は今日、アースラに戦術アドバイザーさんが赴任するの。」
「戦術アドバイザー、ですか?」
シンが怪訝な表情で聞く。ナノハにもなんのことかよくわからない。
「そうだ。MS戦術の専門家が、補給艦ダンボールと一緒にもうすぐ到着する。エイミィ、データを。」
リンディ提督の傍らに立つクロノが言った。オペレータのエイミィ・リミエッタが素早くパネルを操作し、戦術アドバイザーのプロフィールがモニターに映される。その顔写真を見て、ナノハは息をのんだ。
「ッ?!ユーノくん!」
「ナノハ、知り合いなのか?」
シンが再び怪訝な表情できいた。
「うん、えっと、幼なじみっていうか…そんな感じ。」
自棄に歯切れの悪い返事に、シンは眉をつり上げた。ただの幼なじみではないようだ。男女の仲ということか。
「彼はユーノ・スクライア博士、連邦軍戦史研究室の室長で今次大戦におけるMS戦を研究している。」
クロノが説明を始めた。曰く、MS開発の遅れた連邦軍は、それを用いた戦術についてもジオンから遥かに遅れをとっていた。現段階では連邦のMS部隊運用能力はジオンの足元にも及ばない。いくら数で押しても、これでは被害がどれぐらいでるかわからない。そこで連邦軍は、組織の中からMS部隊の運用能力があるものを探した。しかし、対MS防衛戦に熟練した指揮官はいたものの、MS戦術そのものに明るい者はなかなか見つからなかった。そこで戦史研究室のユーノに白羽の矢がたった。自軍にノウハウがないならば、敵のそれを盗めばよい。そしてあらゆるMS戦闘の記録は、戦史研究室に集められ解析されている。
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07/27 01:02 W51S(e) [312]エルザス
311
ならば、その室長を戦術アドバイザーにしてしまえばいい―――MS運用の経験浅き連邦軍が、どうにかまともな運用方法を模索するため、場当たり的な手段としてとられたのが戦術アドバイザーであった。ユーノには当然戦闘を指揮した経験がない。実戦経験豊かな現場指揮官と、MS戦闘に詳しいアドバイザー、この両者を揃えることで、とりあえずはジオンに対抗できる。連邦軍上層部はそう判断したのだ。
「アドバイザーとパイロットが知り合いなら案外上手くいくかもね。期待できそう。」
エイミィが明るい声で言った。
「それから、ダンボールはGファイター一機も運んでくる。こちらのパイロットは黒猫中尉の親戚だそうだ。」
クロノがそう言うと、エイミィは黙ってパネルを操作した。ユーノとは別のプロフィールが表示される。
「ペング・ウルフ曹長。雷撃一筋のベテランパイロットで、アースラに配属される。Gファイターとまっすぐ飛ぶだけのロケット弾だけでMSを撃墜したこともあるらしい。凄腕だな。」
クロノの説明に、ナノハとシンはうなずく。黒猫の親戚というが、彼女とは似ても似つかない、武骨な印象だった。雷撃屋というのがいかにもそれらしい。
「補給艦ダンボールはまもなくサイド6に到着しますが、入港はせず、ブラックハウス隊と共に次の目標へ向けて進撃します。」
リンディ提督が妙に緊張した声で言った。
「クロノ、二人にはもう次の目標を?」
「いえ、まだです。しかしもう教えても問題ないはずです。」
「そうね。いい、二人とも。これからアースラはソロモンに向かいます。連邦軍の攻勢の目標は、ソロモンにあります。」
シンとナノハはさして驚かなかった。最初から目標はソロモンかグラナダだと思っていた。そしてブラックハウス隊がサイド6に入った時点で、ソロモンが次の目標だと決めてかかっていたのである。
「第二連合艦隊を率いるティアンム提督はやる気だよ。先日提督の参謀会議に出席したが、提督は兵力の結集を主張していた。『すべての兵力をソロモンへ!』とね。詳細は不明だが、提督は新兵器を用意しているらしい。」
クロノはかなり上の事情まで知っているようだ。

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07/27 01:03 W51S(e) [313]エルザス
312
「今日ダンボールが来るってことは、ブラックハウス隊はもう出港するってことですか?」
シンがリンディ提督にきいた。
「そうね。サイド6に寄り道した分、すこし駆け足になるわね。サイド6でやり残したことはないかしら?」
「大丈夫です。」
「そう。それじゃ二人とも待機していて。ご苦労さま。」
シンとナノハは敬礼し、艦橋をあとにした。

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最終更新:2010年11月02日 23:03
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