605 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:01:46 ID:???
復旧してるーー!!
運営の皆様、本当にご苦労様でしたーーー!
という訳で、早々と行ってみたいと思います。
これまで長々としたためて参りました「ガンダムさんちの音楽隊」、
いよいよ最終回となります。
今回はキャプテン&シュウトのお話ですが…正直申しまして、私、SDGF見てません。
見たいみたいと思いつつ、機会を逸してずるずると…
そんなわけで、キャプテンもシュウトも、かなり「俺」成分が入っている上に、
本編にあったであろうエピソードもガン無視しておりますので、
不快に思われる方は、今回も名前を付けておきますのでスルーしてくださいませ。
また、最終回と言う事で、何時にもまして勢い任せの大暴走をしております。
よろしくご笑納の程を…
それでは、開幕でございます。 <(_ _)>
606 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:03:59 ID:???
パラレルパラレルルルルルルー
どぉん!
爆発音とは異なる、重々しい響き。
キャプテン「む?」
どぉん!
どぉん!
シュウト「太鼓の、音?」
キャプテン「音源は庭のようだが…」
太鼓の音に誘われて、シュウトと
キャプテン・ガンダムの二人は庭へと出る。
シュウト「ドモン兄さん…」
キャプテン「と、……爆熱丸!?」
二人は一つの和太鼓を挟んで立ち、撥を振るっていた。
爆熱丸「いよぉっ!」
ドモン「はっ!」
掛け声と共に、二人の撥捌きは加速して行き、とても一つの太鼓が発する音とは思えない
……正しく、轟音と呼ぶに相応しい響きを轟かせる。
シュウト「うわぁ……」
粟立つ肌を押さえるように身震いしたシュウトは、瞳を輝かせて歓声を上げた。
シュウト「うわー!うわーー!!」
キャプテン「………」
爆熱丸「我が『天宮』の『迅雷太鼓』、相方が勤まるものがおらず困っておったのだが…
さすがは禁具御武覇阿斗、ドモン殿…いやいやお見事」
ドモン「なるほど、あれだけ激しい太鼓となれば、確かに生半な者では勤まるまい…
それを連綿と伝えた『天宮』の武者、恐るべし、だな」
爆熱丸「いやいや」
ドモン「いやいや」
爆熱丸&ドモン「「わっはっはっは」」
ジュドー「うわー、ドモン兄ぃと意気投合してるよ……」
シン「どっちも体温高そうだもんなぁ…」
607 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:04:52 ID:???
シュウト「すっごぉい! すごいよ爆熱丸! すごいよドモン兄さん!」
爆熱丸「わっはっは、そうだろうそうだろう!」
ドモン「ふっ…俺を誰だと思っている! キング・オブ・ハート、ドモン・カッシュだぞ!」
シュウト「あははは、うん、そうだね!」
キャプテン「シュウト…」
爆熱丸「ん? どうしたキャプテン」
キャプテン「爆熱丸…私にも叩かせてもらっていいだろうか?」
シュウト「えっ? キャプテン、太鼓叩けるの?」
キャプテン「いや、過去にそういった経験はない。 だから、やってみたいのだ」
爆熱丸「うむ、別にかまわんぞ。 キャプテンならきっといい音が出せるはずだ」
キャプテン「いい音…」
撥を渡され、太鼓の前に立つキャプテン。
キャプテン「ふっ!」
どむ!
シュウト「………」
爆熱丸「………」
ドモン「………」
キャプテン「
これでいいのか?」
爆熱丸「そうなのだが…」
シュウト「なんか、違うね」
ドモン「気合だ!」
シュウト&爆熱丸「「うわっ」」
ドモン「気合が足りん! もっと、魂を込めるんだ!」
シュウト「(びっくりした…)」
キャプテン「気合…魂…」
シン「おいおい…」
ジュドー「気合って…」
キャプテン「ならば!」
バム!カシュン!チュイーーン
シュウト「ソウルドライブ!」
キュイィィィィーーーーーーン!!
キャプテン「輝けっ! ソウルドライブ!!」
キュイィィィィーーーーーーン!!
ドモン「それだ! 全身全霊を太鼓にぶつけろ!!」
キャプテン「応!」
ジュドー「やべっ!」→→→→→→脱兎
ちゅどーーん!
シン「それは、違うだろ…」バタッ
爆熱丸「俺の太鼓がああああ!!」
ドモン「シュウト、無事か?」
シュウト「ケホケホ…う、うん。 兄さんがかばってくれたから、なんとか…」
キャプテン「…これは…音楽ではない………」
608 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:06:11 ID:???
アムロ「音楽機能?」
キャプテン「はい…爆熱丸はドモンと対等に太鼓を演奏します。
確認したところ、ゼロも竪琴を弾けると…」
かつて、異次元への扉を開いた「導きのハープ」の故事に倣い、騎士たるガンダムたちは
こぞって竪琴を学んだのだと言う。
キャプテン「ならば、私にも…」
アムロ「ふむ…」
キャプテン「あの…不可能、でしょうか?」
アムロ「…可能かどうかで言うなら、それは可能だ。…と言うより、きわめて簡単だ」
キャプテン「マスター!」
アムロ「一般的な音楽プレイヤーの大きさを知っているかい、キャプテン。
いろんなメーカーから出ているが、せいぜいこんなものだよ」つ【DAP】
キャプテン「こんな小さいものが! この中に、『音楽』が納まっているのですか?」
アムロ「データを格納するメモリと、データをデコードするプロセッサ、わずかばかりの
プログラム…特に新しい装置を組み込むほどでもない。
キャプテンのシステムが持つ、余剰機能のほんの一部を使えば、
大抵のプレイヤーよりも高性能な再生機能を付加できる」
キャプテン「それでは…」
アムロ「だが」
キャプテン「………」
アムロ「それが果たして、君の欲している音楽機能と言えるかどうか…」
キャプテン「は?…どういう事でしょうか、マスター」
アムロ「人間は、生まれながらに一つの楽器を持っている。何か判るかい?」
キャプテン「楽器、ですか?………それは、概念的なものでしょうか?」
アムロ「概念、といえばそうかもしれないな。それは、ココだ」
キャプテン「胸? …いえ、心臓、ですか?」
アムロ「そうだ。 人間の心臓はリズムを刻み続ける。
落ち着いた環境では鼓動はゆっくりとなり、緊張した状態では早くなる」
キャプテン「リズム…音楽…」
アムロ「音楽は、人の内から生まれる。川のせせらぎ、風が梢を揺らす音…
そういった、物理的には単なるノイズに過ぎない物でさえ、人間は音楽を見出す。
その根源にあるのが、心臓の鼓動さ」
キャプテン「機械の私には…『心臓』を持たない私には、音楽は判らないと?」
アムロ「…あるいは、『機械の音楽』と言うものを構築することはできるかもしれないな。
だが、それを人間が理解し、感動することはできないだろう。
………君が、人間の音楽を理解できないように………」
キャプテン「マスター…ご存知だったのですか…」
シュウトが感動していた爆熱丸とドモンの太鼓。
しかしそれは、キャプテンには一欠けらの感動も与えなかった。
シュウトと共に在りながら、同じものを感じることができない自分。
人間と、モビル・シチズンの違いと言ってしまえばそれまでだが、
ひょっとすると、シュウトに感じている友誼すら、自分の思い違いではないのか?
キャプテンは、己の中で言い知れぬ“なにか”が蠢くのを感じた。
609 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:08:33 ID:???
キャプテン「では、爆熱丸や、ゼロは…」
アムロ「彼らは『天宮』の『武者頑駄無』と言うヒトであり、
『ラクロア』の精霊たる『ナイトガンダム』だ。
………君とは、違う」
キャプテン「………そんな………マスター………」
アムロ「すまない、キャプテン……」ポタリ
キャプテン「…マスター…涙を…」
アムロ「僕では、無理なんだ…君に…君たちモビル・シチズンに、
『音楽』を与えてあげることは出来ない…」
キャプテン「マスター………」
アムロ「僕のことを天才だなんだと祭り上げる者もいるがね。
冗談じゃない!
天才だと!
ならば君たちに音楽を与えて見せろ!
簡単じゃないか!
鳥や、木々でさえ命の賛歌を歌っている!
それなのにっ!
人を友として歩んでくれている君たちに……
僕は…
僕は…」
キャプテン「マスター…」
アムロ「僕は…
ゆるしてくれ、キャプテン…
僕は、君たちに『音楽』をあげることが出来ない…」
キャプテン「マスター……」
バム!カシュン!チュイーーン
キャプテン「ソウルドライブが…」
リィィィィィィン……
キャプテン「なんだ、こんな反応は今まで一度も…」
610 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:11:33 ID:???
これまで何度となく放たれた、温かく、眩い輝きとはまったく異なる光が、
アムロの部屋を満たす。
アムロ「ソウル…ドライブ……」
リィィィィィィン……
キャプテン「なんて、悲しい音なんだ…」
アムロ「!! …キャプテン、今、なんて…」
リィィィィィィン……
キャプテン「なんて、美しい光なんだ…」
アムロ「キャプテン…まさか…」
キャプテン「マスター…」
リィィィィィィン……
キャプテン「これは、なんなのでしょうか…機体コンディションはまったく問題がありません。
それなのに…それなのに、胸が…胸が…」
リィィィィィィン……
アムロ「ソウルドライブは、魂を繋ぐシステム…」
リィィィィィィン……
キャプテン「胸が…とても…そう、とても、苦しい…」
リィィィィィィン……
アムロ「まさか…」
ララァ『うふふ、その、まさか、よ』
キャプテン「あなたは…」
アムロ「ララァ!」
ララァ『こんにちは、キャプテン。こうやってお話をするのは始めてね』
キャプテン「あなたが、
ララァ・スン…」
アムロ「っ!! まさか、判るのか、キャプテン!」
キャプテン「はい、マスター。 センサーには彼女の反応がまったくありません。
ですが、私は彼女を…彼女の存在を感じることができる…
理論的にありえないことです。 ですが、それを受け入れている私がいる…」
ララァ『ソウルドライブは可能性の器。 優しいアムロが作った、優しい機械…』
アムロ「………」
ララァ『アムロ、あなたはソウルドライブに優しさを与えた。
そして…
シュウトはソウルドライブに勇気を与えた』
キャプテン「そうだ…私は、シュウトから勇気をもらった…」
ララァ『シュウトは、ソウルドライブに信じる心を与えた』
キャプテン「私は、信じることのすばらしさを教わった!」
アムロ「………だが、それだけでは不完全だ…」
ララァ『そう。 喜び、怒り、憎しみ、そして、悲しみ…
魂はさまざまな物を内に秘めているわ。
でも、アムロはその全てを与えられなかった…
キャプテンに悲しみを与えるには、あなたは優しすぎた…』
アムロ「キャプテンが、本当の悲しさを知ったから…」
キャプテン「私は…今…今こそ、本当の心を得たのか!!」
611 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:12:57 ID:???
ピアノの音が、旋律が流れる。
時に激しく、時に優しく…。
道行く人々も思わず足を止める。
シュウト「キャプテン…すごいや……」
静かに、キャプテンが鍵盤の上から指を下ろした。
居間に集まった兄弟たちだけではなく、表を通りがかった人たちからも
万雷の喝采があがった。
ゼロ「すばらしい…」ウルウル
爆熱丸「うぉおおおおおーーーん! な、涙がとまらーーーん!!」
アル「ドモン兄さん、大丈夫?」←半分涙目
ドモン「ぐすっ……別に、なんでもないっ! ちょっと花粉症になっただけだ!」
レイン「はい」←自分も涙を拭きながらティッシュを渡す
ドモン「む、すまんレイン」チーン
ロラン「あう~~」←マジ泣き
トレーズ「すばらしい…レディ、私はこの感動をどう表現すれば良いのだろう?
マシンであるキャプテンの奏でる旋律が、ここまで私の胸を打つ…
なんとすばらしき事か…
そして、その感動を、すばらしいとしか表現できない私自身を、
これほど情け無いと思ったことはない…」ハラハラ
レディ「………」←必死に涙を堪えている
シュウト「すごい…すごいやキャプテン…さすがキャプテンだよ…」グスッ
キャプテン「ありがとう、皆…」
シュウト「何言ってるの! ありがとう、はこっちの台詞だよ!
こんな、その、素敵なピアノを聞かせてくれて…
ありがとう、キャプテン!」
キャプテン「ふふふ、だが、私にも言わせてくれ、シュウト。
ありがとう。
君が…君たちが居てくれたから、私は『音楽』を知ることが出来た。
…ありがとう」
612 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:14:37 ID:???
シュウト「ねぇキャプテン」
キャプテン「なにかな?シュウト」
シュウト「僕にもピアノ、教えてくれる?」
キャプテン「シュウト…」
シュウト「僕も、キャプテンと一緒にピアノを弾きたい!」
キャプテン「お安い御用だ。
シュウトはあのマスターの弟だ。
きっとすばらしいプレイヤーになれる」
シュウト「あはは、ありがと、キャプテン。
………あとさ、気が付いてる?」
キャプテン「?」
シュウト「キャプテン、さっき笑ったんだよ?」
キャプテン「私が?笑った?」
シュウト「うん。 アムロ兄さんみたいに、とっても優しい声で。 『ふふふ』って」
キャプテン「そうか…」
(エンド・テーマ:『LOVE & PEACE』little by little)
キャプテン「マスター」
アムロ「なんだい?」
キャプテン「あなたは御自分を天才では無いと仰いましたが…そんなことはありません。
あなたは、間違いなく、今世紀最大の大天才です」
アムロ「ははは、お褒めいただいて恐縮だがね。
君の『心』は君自身が傷つき、足掻いて手に入れたものだ。
俺が作ったものじゃない。 奇跡に頼るなんて、技術者としてはまだまださ」
キャプテン「ですが、あなたなら…あなたになら、いつかきっと、
全ての人々を幸せにするマシンを作ることができます!」
アムロ「…ああ。 それはどんなに素敵なことだろうね。
手伝ってくれるかい、キャプテン?」
キャプテン「もちろんです!」
アムロ「そうだ…シャア、お前が破壊の道を行くというのなら、俺は創造の道を行こう。
お前が10のモノを破壊するのなら、俺は100のモノを生み出そう。
その果てに、全てのヒトの幸せがあると信じて…」
613 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:17:03 ID:???
追記#1
シャア「何のことだ?随分ぶっそうな言われようだが…」
アムロ「ははっ、“今のお前”には関係ない話かな?」
ララァ『うふふっ、そうね』
シャア「???」
追記#2
シャア「何故だっ! 何故キャプテンに聞こえて、私にはララァの声が聞こえない!」
ナナイ「社長…」タメイキ
ララァ『もう、本当に困った人ねぇ…』
コマンダー「どーもすみません、毎度毎度」ペコペコ
シャア「…コマンダー・サザビー…お前……まさか…」
コマンダー「はい?」
追記#3
がしいっ!!
セレーネ「さ~、お部屋に行きましょうね~キャプテンちゃ~ん」←猫なで声
キャプテン「ひっ……」ガクガクブルブル
セレーネ「大丈夫♪ 痛いのは最初だけだから(はぁと」
キャプテン「いっ、いやあああああぁぁぁぁぁっ!」ガンビークルモードッ!!
セレーネ「ちいっ! 逃がさん!
スターゲイザーちゃん!」パキーン
ALICE『(キャプテンは私が守ります!)』ゴウッ!
かくしてスターゲイザーVSスペリオルの戦いが始まるのだが…以下略。
614 名前:ガンダムさんちの音楽隊・GF編投稿日:2008/06/13(金) 19:18:08 ID:???
蛇足
ラストでキャプテンが弾いているピアノは、特別にキャプテンのサイズに合わせて
鍵盤を大きく作った電子ピアノです。
多分、キャプテンの指だとピアノは弾けない。w
だから、連弾は無理だぞー、シュウト。
最初、シュウトはまったく別の楽器を、キャプテンはカミーユやウッソ、シーブックの
アンプとして…なんて考えてましたが、「二人はいっしょがいい」と仰る方が。
自分ももっともだと思ったので練り直しました。(アンプはハロで。w)
シュウトに電子楽器+キャプテンがアンプ役(ミサイルランチャーの変わりにスピーカー)
というコンビも考えたのですが、それではキャプテンが「音楽」をやっていない。
アンプを持って立っているだけだと思い直し…
そこでふと、「キャプテンは音楽が判るだろうか?」と言う疑問に当たりました。
EDの「ココロオドル」で踊ってるキャプテンは、いかにも不器用でしたしね。
そんなことを考えながら、BGM用の動画を某サイトであさっていると、
ぼーくらはみんなーいーきているー♪と歌う某思考戦車を見つけてしまい…
滝のよーに涙を流しながら今の形を作り上げました。
ピアノに決めたのは、ピアノで始まったから、ピアノで落とすのも良かろうかという…
ただそれだけです。
なんか目的地が60度くらいずれてしまったよーな気がしますが、気にしナーイ。
まだ使い切れていない小ネタが無くもないのですが、
これにて「ガンダムさんちの音楽隊」、フィナーレとさせていただきます。
長々とお目汚し、失礼いたしました。<(_ _)>
最終更新:2013年09月16日 23:20