とある休日
ロラン「そういえば、冷蔵庫の中身もだいぶ減ってきちゃいましたね。お買い物行ってきましょうか」
アムロ「買い物か?じゃ、運転手と荷物もちでもしてやるか」
アル「僕も行く~!」
こうして三人は商店街へ…
ロラン「お肉に、お魚、お野菜にお米も買ったし…あとは食パン2斤くらい買っておきましょうか。アムロ兄さん、キースのお店にやってください。」
アムロ「あー、でもパンだったらシーブックがバイトしてる店もなかったっけ?せっかくだからそこの店に行ってみたいな。
    弟の働き振りを見てやるのも兄としてな。」
ロラン「そうですか。じゃ、そっちにお願いします」

カロッゾさんのお店のそば、駐車場に車を止めて歩いている三人。
キース「よっ、ロラン。久しぶり」
ロラン「わっ!ビックリしたぁ。キース、どうしたのこんなとこで。」
キース「今日は非番でね。ところでお前こそどうしたのさ兄弟でこんなとこ」
ロラン「う、うん。それはその…」
アル「シーブック兄ちゃんのお店にパンを買いに行くんだよ。」
キース「何っ!最近うちに来てくれないと思ったら、カロッゾさんの店に入り浸っていたのか!この裏切り者!」
ロラン「いや、決してそういうわけでは…ほら、うちご飯食が好きな人多いし…わかったよ、そっちのお店でいただくよ。
    アムロ兄さん、悪いんだけど車回してもらえるかな?」
アムロ「俺は別にかまわないが、なんだかこの人が納得いかないみたいだぞ。」
アムロの指さしたところに立っているのは、いわずと知れた鉄仮面。
カロッゾ「ふはははは、キース君。お客様を脅かして自分の店に連れて行くとは感心できない行為だなぁ」

キース「カロッゾさん!…脅かしてなんかいませんよ。ロランは自分の意思でこちらを選んでくれました。」
ガンダム一家はさすが13人の大家族だけあって、一回の買い物で落とす金額も非常に多い。一言で言えばいいお客さんなのだ。
ロランの財布の紐がどちらに開くか、二人とも必死である。
カロッゾ「ふはははは、それなら提案だがねキース君。お互いの作ったパンを食べ比べてもらって、
    ロラン君にどちらのパンがより美味しいか選んでもらうと言うのはどうかな?」
キース「え?そんなことしなくても、ロランは…」
カロッゾ「おや?自信がないのかな?そんなことでは今回はそちらに行ったとしても次回以降どうなることやら」
キース「(カチン!)そこまで言うならやってやろうじゃないか!」
カロッゾ「ふはははは、決まりだな。それでは、こちらのお三方に題材を出していただいて、
    それにあったパンを作ると言うことで良いな?工房はうちの店のを使えば良いだろう。」
キース「異存ない!」
アムロ(ははは、もりあがってるなぁ(苦笑))
アル(うわぁ!面白そう!)
ロラン(僕たちの意向は無視なんですね…)
カロッゾ「それではお三方、お題を頂戴したい」
アムロ「和風のパンなんかあったら食べてみたいね」
アル「おやつに食べるパン。」
ロラン「僕は、なんでもいいです。お二人が一番と思うパンをお願いします」
キース「よし。それではパン職人ファイト」
カロッゾ「レディー」
二人「Go!」

そして30分ほど…
二人「出来たぞ!」
カロッゾ「それでは審査をお願いする。まずはアムロ君からで良いかな?私のパンは、これだ。」
出してきたのは一見普通の食パン。
カロッゾ「納豆と味噌汁を用意してみた。一緒に食べてみてくれたまえ」
アムロ(納豆とパン?和風とは言ったが、これはさすがに…)
キース「俺はこれだ。歌舞伎揚げパン。みりんと醤油でからっと和風に揚げてみた。」
    (ただの食パンに納豆乗せて美味いわけないだろ。まずは一勝もらいだな)
二人のパンを見比べ、食べ比べるアムロ。
アムロ「どっちも美味いけど、あえて選ぶならおかずと一緒に食べれるカロッゾさんのほうかな。
    納豆とも味噌汁とも全然違和感が無い。ビックリだよ」
カロッゾ「ふはははは、ミルクの代わりに豆乳を入れて作ってみた。和食にあって美味かろう。
    キース君。お客様の注文の裏が読み取れるようになってこそ一人前だぞ」

カロッゾ「次はアル君のご注文だね。極上のクロワッサンとこれまた極上の紅茶を召し上がれ」
キース「俺はこれだ。クイニ・プティング・アマン。中にカスタードプリンが入ってて甘くて美味しいぞ」
ぺろり平らげ満足そうなアル。
アル「プリンも美味しかったけどさ、クロワッサンのほうが大人って感じだよね♪」
キース「そ、そんな!」
カロッゾ「ふはははは、アル君くらいの年頃は、背伸びをしてみたがるものだ。特にアル君は兄弟や
    マッケンジーさん、ワイズマン君など影響を与える大人が多いからな」

カロッゾ「さて、勝負はついたわけだが、せっかくだ、ロラン君。ご注文のパン・オ・アルグを召し上がれ」
キース「くぅ…」
ロラン「美味しいです。すごく。でも…」
カロッゾ「?でも、なんだね」
ロラン「不思議ですね。すごく美味しいんだけど、キースのパンはもっと美味しく感じる」
キース「ロラン!慰めは俺を余計惨めにするだけだぞ」
ロラン「キース、そんなこと無いよ。素直な感想だよこれは」
カロッゾ「ふはははは、キース君。どうやら私の負けのようだな。以前(前スレ516)私が
    言ったことをそっくり返されてしまった形か。私のパンには心がこもっていなかったかな」
キース「え?そりゃ、ロランに俺の取っておきを食べてもらいたいとは思ったけど、それだけでこんなレベル差が」
カロッゾ「埋まるのだよ。本当に食べてもらいたい人のための料理は、どんな腕自慢技自慢より心に響く。
    ロラン君の選択が何よりの証拠では無いかね」
ロラン「キース、本当に美味しかったよ。ありがとう」
カロッゾ「ふはははは、いい話だ。それでは負け犬は去る事にしよう」
キース「待ってくださいカロッゾさん!俺は勝ったとは思っちゃいません。いつかまた勝負していただけますね?」
カロッゾ「ふはははは、いつでもどうぞ」

その夜
アムロ「…てなことがあってね。ロランが感動して山ほどパンを買ってたから、しばらくはパン食がメインになりそうだ。」
シロー「ふうん、いい話だね。」
ヒイロ「…気持ちを込めればそれが極上、か。」
(リリーナは喜ぶだろうか…)立ち上がろうとするヒイロ
シロー「最低限食える物を作れる程度の技術は必要だぞ。そうでないとかえって相手に迷惑だからな」
ヒイロ「…了解。俺はやめておく」

おわり



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最終更新:2017年07月05日 09:12