841 名前:お買い物1/3 :2009/07/22(水) 11:55:17 ID:???
フェルト「おまたせ、ティファ。あれ、ソーマはまだみたいだね」
ティファ「約束の時間にはまだ10分ありますから大丈夫です」
ロックオン「フェルトがいつもお世話になったいるそうで。あっと、自己紹介が遅くなりました。
ロックオン・ストラトスです」
フェルト「はじめまして、
フェルト・グレイスです」
ジャミル「ご丁寧にどうも、ジャミル・ニートです。いつもティファと仲良くしてくれてありがとう」
フェルト「あっ、あの仲良くしてもらってるのは私のほうで……」
ジャミル「そんなことは無いよ、近頃はガロード以外にも話題によく上がっているからね」
ティファ「ジャミル、そのことは内緒だって……」
フェルト「ふふっ」
ロックオン「ん? どうやら待ち人来たる、かな」
フェルト「うん、セルゲイさんと…ソーマ? だよねティファ」
ティファ「麦わら帽子で顔が隠れていますが、間違いなく彼女を感じます」
ロックオン「麦わら帽子に白のワンピース。高原に佇んだら絵になるでしょうね(まあ、フェルトの方が似合うよな)」
ジャミル「ええ、心理的情景なのかも知れないが(ティファにこそ着せたいものだ)」
ティファ「(…………二人とも心が漏れてます)」
ジャミル「! ここで待っているよりも、こちらからも出向きましょう」
ロックオン「そうですね。よし、行こうかフェルト」
フェルト「うん」
合流後
セルゲイ「申し訳ない、我々が最後でしたか」
ジャミル「いえ、こちらが早く来すぎただけです。お気になさらないで下さい。それにご高名は聞き及んでいます。
セルゲイ・スミルノフ中佐」
セルゲイ「こちらこそ、あなたの様なかたに逢えるとは思ってもいませんでした。ミスタージャミル」
ソーマ「自分は超兵一号、
ソーマ・ピーリス少尉であります!」
セルゲイ「少尉、名前を名乗るだけでかまわないんだが……」
ジャミル「お互い気苦労が耐えないようですね……」
ソーマ「二人ともすまない。私のせいで出かける時間が遅くなってしまったんだ」
フェルト「大丈夫だよ、約束の時間にはまだあるもの」
ティファ「そうです、ソーマは約束の時間を守っているのだから謝る必要はありません」
ソーマ「フェルト、ティファ、ありがとう」
ロックオン「さて全員そろって一区切りついたことですし、残りの話は歩きながらってことで…どうです?」
セルゲイ「確かにここで立ち話をしていたのでは、買い物になりませんからな」
ロックオン「そういうことで。ではジャミルさん、案内を頼みます」
ジャミル「では行きましょう、こちらです」
フェルト「そういえば、今日はガロードは一緒じゃないんだね?」
ティファ「一緒に買いに行くよりも後でガロードを驚かせてあげなさいって、みんなが……その」
ソーマ「買い物ひとつにも色々ある、という訳か。なかなか難しいな」
フェルト「そう言うことじゃないんだけど、ね?」
ティファ「はい。けど今日のソーマは素敵ですね」
ソーマ「と、突然何を……!」
フェルト「歩いてくる姿を見たときから思ってたんだよ。そのワンピース、ソーマによく似合ってるなって」
ソーマ「その、今日は日差しも強くて暑くなるだろう。と中佐からプレゼントされて……」ゴニョゴニョ
ロックオン「なるほど。何か引っかかると思ってましたが、あの時にアドバイスが欲しいと聞いてきたのは彼女のことでしたか。セルゲイ店長」ニヤリ
セルゲイ「うおっほん!何のことかなロックオン君?」
ロックオン「またまたぁ、それじゃあ自白しているのと同じですよ。ね、ジャミルさん」
ジャミル「残念ながら彼の言うとおりです。むしろ、素直に認めてあげたほうが彼女も喜ぶと思いますが?」
セルゲイ「そういうものでしょうか……」
ソーマ「あの中佐! 私のために骨を折っていただき、ありがとうございます!」
セルゲイ「いや、少尉に気に入ってもらえれば、それで十分だ」
ソーマ「はっ!(人革式敬礼)」
ロックオン「堅苦しくはあるんだけど、なんかあの二人を見てると和むねぇ」
フェルト「うん、普段はそう見えないけど。こういう時は仲の良い親子に見えるから不思議」
ティファ「内面で深く繋がっているからこそだと思います」
ジャミル「目的地には着いているのだが、もう少し待つか」
ティファ「ごめんなさい、ジャミル」
ジャミル「時間はある、気にすることはない」
842 名前:お買い物2/3 :2009/07/22(水) 11:58:13 ID:???
浴衣売り場
ロックオン「季節柄とはいえ、やけに浴衣の種類が多いなぁおい」
ソーマ「浴衣とはこんなにもあるものなのか……」
フェルト「あのねソーマ。浴衣も服と同じで着る人のサイズやデザインの数だけあるんだよ」
ティファ「それでもここは他のお店より数多く揃えているので、ロックオンさんのように驚く人は多いです」
ロックオン・ソーマ「「ほ~っ」」
ジャミル「我々はこの休息所にいるから、三人は浴衣を見てくると良い」
セルゲイ「決まったら戻ってきなさい」
乙女三人組「「「はい」」」
ロックオン「それにしても、内向的だったうちのフェルトがあんなに積極的に人と接するようになるなんて…」
ジャミル「口数の少ないティファもこんなに話す姿は初めてだ…」
セルゲイ「眉間に皺を寄せることの多い少尉があんなに朗らかに笑っている…」
ロックオン「あの三人は本当に良い出会いをしたんですね」
セルゲイ「ええ、この町に来て本当に良かった」
ロックオン「ジャミルさんどうかしましたか?」
ジャミル「目にごみが入ったようだ……」
セルゲイ「ティファ君に見られたくはないでしょう。私達二人で見ていますので……」
ジャミル「ありがとうございます、では」
ソーマ「ティファ大丈夫か?」
ティファ「何がですか?」
ソーマ「何がって、涙が出ているぞ」
フェルト「拭いてあげるからこっちを向いて」
ティファ「少し目がちくちくしていたので、ごみが入ったのかも(ジャミル、あなたのやさしい気持ち嬉しいです)」
フェルト「うん、これでいいかな」
ティファ「ありがとう、フェルト。ソーマもありがとう」
ソーマ「別に私は何もしていない。そっそれよりもこの浴衣を中佐に見てもらって意見を聞かねば!」
フェルト「照れてたね、ソーマ」
ティファ「はい。それじゃあ私達も気に入った浴衣を見てもらいに行きませんか?」
フェルト「なんだか緊張するな。ニールも気に入ってくれるかな…」
休息所
ソーマ「中佐!この浴衣などいかがでしょうか?」つ白に近いピンク地に桜の花びらが舞っているデザインの浴衣
セルゲイ「ほう、桜…だったかな、少尉のイメージに合っているのではないか?」
ソーマ「ありがとうございます。この色は私にとって大切な色でもありますので……」
セルゲイ「(タオツーのことか、少尉はまだ引きずっているのだな)」
フェルト「あのねロックオン。私が選んだ浴衣を見て欲しいな」つ若草色の地に青・紫・ピンクの三色のアサガオが咲いているデザインの浴衣
ロックオン「まさしく夏って感じでいいねぇ。けどフェルトがその色を選ぶなんて珍しいな?」
フェルト「えっと、ホントはもう少し濃い緑が良かったんだけど柄があんまり良くなくて……」
ロックオン「(もう少し濃い?)ひょっとして、デュナメスをイメージしてくれたのか?」
フェルト「迷惑…だったかな?」
ロックオン「迷惑なもんか、むしろ嬉しいくらいだ。よし、今度ある縁日にそいつを着て一緒に回るか? ま、ミッションもあるから二人だけでしか行けないけどな」
フェルト「! 私、楽しみにしてる! (恋愛マイスター、私ついにやりました!)」
ティファ「………………」
ジャミル「すまないティファ、待たせてしっまたか?」
ティファ「平気です。ジャミルこれなんだけど…」つ襟首の辺りが水色で足元に向かうにつれ濃くなる青色の地に白イルカが泳ぐデザインの浴衣
ジャミル「ふふっ」
ティファ「おかしい……ですか?」
ジャミル「気分を害してしっまてすまない。ただ、虐げられるニュータイプ保護に飛び回っていたあの頃を思い出してつい懐かしくなった」
ティファ「もう随分と時間が経ちました。あの頃はこんな未来を送る自分を見ることは出来ませんでした」
ジャミル「そうだな、私もだ。……その浴衣、ガロードもきっと気に入る。ただその白イルカにやきもちを焼くかもしれんがな」
ティファ「ガロードが? この白イルカに? ふふっ、そうかも。ふふふっ」
ジャミル「ははははは!」
ロックオン「なにやら向こうは盛り上がってるみたいですね」
セルゲイ「話の腰を折るのも悪い、我々だけでも会計を済ませておきましょう」
ロックオン「そうですね。フェルト、浴衣の代金払うからこっち持ってきてくれ」
フェルト「はい、ロックオン。よろしくお願いします」
ロックオン「まかせとけって」
843 名前:お買い物3/3 :2009/07/22(水) 12:00:35 ID:???
セルゲイ「どうかしたかね少尉? (ん? 別の浴衣を見ているのか…オレンジ色の地にハロ、だったかのデザインか)」
ソーマ「いえ何でも、何でもありません」
セルゲイ「そうか、では店員さん。ここに飾ってある浴衣とこの浴衣を頂こう」
ソーマ「中佐!?」
セルゲイ「私の我がままだよ。どちらの浴衣も着た少尉を見てみたいと思ってしまった私の我がままだ。駄目かね、ピーリス少尉」
ソーマ「セルゲイ中佐……喜んでお受けします」
帰り道
ティファ「この浴衣を着て一度集まりませんか?」
ソーマ「何かの行事にでも行くのか?」
ティファ「いえ、いつものオープンカフェに集まってお話しするだけです」
フェルト「ちょっと恥かしいけどいいかも」
ソーマ「いやいやいやいや、いくらなんでも浴衣は駄目だ! これは特別な日に着るものなのだろう?」
フェルト「そんなことないよ? もともとは普段着としても着られてたんだし」
ティファ「ソーマが嫌でしたらやめておきましょう。無理強いは良くありませんから」
フェルト「そうだね、私も着たくない服とかあるもの」
ソーマ「違う、違うぞ! 私はただ浴衣が特別なものだと思っていたから反対しただけだ。そうじゃなければいくらでも着るぞ?」
セルゲイ「少尉……」
ロックオン「よければうちのヴェーダで、教養等をじっくり教えることも出来ますが……」
ジャミル「テクスでよければ相談に乗れるかと思います……」
セルゲイ「その時はよろしく頼みます」
数日後
セルゲイ精肉店の店頭にオレンジ色の浴衣を着たソーマが道行く人、買い物する人達の目を楽しませていた
そんなある日。
アレルヤ「すみませーん、牛筋肉を……」
ソーマ「ん、なんだ被検体(セルゲイ『きちんと名前で呼んであげなさい』)…じゃなかった。なんだ、アレルヤ・ハプティズム(よし中佐との約束は守れたぞ)」
アレルヤ「その浴衣は? (ハレルヤ、マリーが僕の名前を呼んでくれたよ!)」
ハレルヤ(微妙に引っかかる呼び方だったけどな)
ソーマ「あぁ、なかなか良い浴衣だろう。ちゅう……」
アレルヤ「マリー! 君が僕の名前を呼んでくれるなんて、キュリオスと同じ色の浴衣を着ているなんて、ついに僕の元に…ぶべらっ!」
ソーマ「私はソーマ・ピーリスで! 中佐との約束だから名前を呼んでやっただけで! きさまのMSと浴衣の色が同じになったのは唯の ぐ う ぜ ん だ !!」瞬獄殺発動!
アレルヤ「ちょ…ま……褒めて…はな……し………」
ソーマ「もんどーむよー!」ガイアクラッシャー完全版発動!
アレルヤ「やったばーっ」
ハレルヤ(やれやれだぜ)
ソーマ「ふーっ、ふーっ……着替えてくるので少しの間お願いします」
人革兵A「了解しました!」
人革兵B「自分はソレスタルビーイングに連絡を入れてきます!」
精肉店スタッフルーム
ソーマ「まったく、人がせっかく名前で呼んでやったと言うのに! マリーマリーといい加減にしろというのだ! 決めた、この浴衣はもう着ないぞ!」
???(それでは浴衣が可哀想だわ。それにセルゲイ中佐も褒めてくれていたじゃない)
ソーマ「誰かいるのか? ………………気のせいか。浴衣が可哀想…か、そうだな悪いのは被検体E-57であってこの浴衣ではないな。決めたぞ、この浴衣は中佐の前でだけ着ることにしよう」
???(せっかくアレルヤを感じることが出来たけど、逢えるのはまだまだ先になりそうね)
CBミッション用車両内
アレルヤ「どうしてあの浴衣を着てくれないんだ……………マリー……う~ん」
ロックオン「やけにハッキリした寝言だな。しっかし、うちのきかん坊達にも困ったもんだねぇ……」
ティエリア「何か言ったか、ロックオン」
ロックオン「アレルヤも学習しない奴だって言ったのさ」
アレルヤ「帰ってくるんだマリー!」
ロックオン「……ティエリア、アレルヤの口の中にハンカチでも詰め込んどいてくれるか?」
ティエリア「……了解した」
アレルヤ「むーむー、むむむー」
ロックオン・ティエリア「「(結局かわんねーorz)」」
最終更新:2014年01月24日 13:32