534 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/15 13:29 ID:???
家計はいつも火の車・・・
よって、ロランは深夜秘密のバイトに・・・
536 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/15 20:42 ID:???
・・・家族に秘密のバイトは夜の街をラーメン屋の屋台を引いて回る事だった。
バイトを初めて数ヶ月、僕の屋台は知る人ぞ知る人気ラーメン屋になっていた。
噂は兄弟達にも伝わり「噂の屋台でやってるラーメン、今度食べにいくか?」とシロー兄さんが
ドモン兄さんやコウ兄さん等と会話しているのを耳にして僕は震えた。
内緒でバイトしていた事が分かるとアムロ兄さんは良い顔をしない。
自分の稼ぎが足りないのからだ、と意地になって仕事を増やすに決まってる。
アムロ兄さんに無理をさせてたくはなかった。
さて、どうするか・・・
考え事をしながらスーパーで夕食の買い物をしていたら見慣れた顔が
539 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/16 14:21 ID:???
では少し便乗させてもらって
シャアだ!
こっちに近づいてくる。いやだなぁ
それにしてもあのかご…
トマトと唐辛子と梅干と赤ピーマンしかはいっていない
あれでいったい何を作るつもりなんでしょう
540 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/17 17:42 ID:???
↑続き
「
ロラン君も買い物かね?」
シャアさんが親しく話かけてきた。
彼は僕の屋台の常連客だから、挨拶されれば無視できない。
仕方なく僕は愛想笑いをつくり応じた。
「奇遇ですぬ」
「そうでもないんだか・・・あ、そうだ!丁度良い。この間、店に行った時、現金が無くてツケにして貰ったお礼として
ここは私が払う事にしよう。いいだろう?勿論ツケもちゃんと払うがね」
少し迷ったけれど、正直いって有り難かった。
背に腹はかえられない。ここは奢って貰う事にしよう。
そうと決めたらいつもの100g55円の合い挽きは止めて、100g95円の和牛パックをカゴに入れた。
せっかくなのだから贅沢をさせて貰う事にした。
シャアさんは僕のカゴを一緒にもっていって、レジで会計を済ますと
オツリで屋台のツケも払ってくれた。
「なんだかすいませんね」
「いいや、ロラン君の為なら・・・」
ついでに家に寄らないか?との誘いも受けたけれど、そのお誘いは丁重にお断りした。
この人は何を考えているのか分からない。油断ならないのだ。
ロランとシャア。スーパー前での二人のやりとりは、学校での居残り授業を抜けて
街をぶらっいていたガロードとジュドーが目撃していた。
541 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/17 18:01 ID:???
「偉く親しそうだったな。あの二人」
「ロラン兄さんも笑顔だったし、嫌そうじゃなかった」
「あのさ・・・ロラン兄さん、金貰ってたよな?」
「ああ・・・」
「もしかして・・・」
「なんだよ?」
「俺、ニュースでこうゆうの見た事ある。女子校生がやってる援助交際ってやつだろ」
「まさか!ロラン兄さんは女子高生じゃないぞ!そもそも女でもない!
冗談でもそんな事いうな!!」
だが、二人ともロランが夜な夜な家を抜け出て、こそこそと何かをしていた事には気づいていた。
あれこれ詮索するのが好きでないガロードとジュドーは何も言わなかったが
スーパー前で目撃したロランとシャア。あれこれ詮索していくすると切りがなくなってきて
二人は次第に口数が少なくなり、まっすぐ家に帰ってロランの顔をみる気にもならなかったから
もう少し街をぶらっく事にした。
誰か続きをどーぞ。
543 名前:534投稿日:04/03/18 14:09 ID:???
ロランはスーパーの帰り道、余った時間で洋服屋に立ち寄っていた。
裁縫に使う布地や糸、ボタンなどを買うためだ。
そこで品定めをしていると、見慣れた顔が現れた。
ゼクスだ。
「やあ、ロラン君。買い物かい?」
「あ、ゼクスさん、こんにちは。ザゼクスさんも買い物ですか?」
「ああ、ノインに頼まれてな…そうだ!屋台の貯まっていたツケを忘れてた!!」
「ちょっ!お店の中じゃ迷惑なんで外に!!」
ロランはゼクスの手を引き店の外に出る。ゼクスもシャア同様ロランの屋台の常連だ。
ゼクスはノインから財布の紐を握られていているせいもあり、そのツケは大分貯まっていた。
「ノインさんからお小遣いが出たんですか?」
「ああ、やっとな。確か、8500円だったよね?千円札しか無いが…はい、一万円。おつりは又次回行った時の分に…」
「ありがとうございます。今度ノインさんも連れて来られたらどうですか?」
「ハハ、そうだな」
シャアよりも態度、性格が紳士的なゼクスとの会話は弾んでいる。
その二人のやり取りをウッソとキラが目撃していた。
「今、お金受け取ったよね?」
「ああ、金額はよく見えないから分からないけど結構な額みたいだな…」
「何のお金だろ…」
「…最近のニュース、知ってるか?女子高生がお金目当てで援助交際しているって」
「知ってるけど…まさか!?ロラン兄さんは男だよ!!」
「分かってるよ!!…分かってるけど、なんか大金もらってたし…」
「そんなの…そんなのおかしいですよ!!」
二人とも心当たりはあった。
ロランが夜な夜な出かけている事。最近、朝方眠そうな顔をしている事。
疑わずにはいられなかった。
「なあ、ウッソ…ロラン兄さんの事、皆には秘密だぞ?」
「こんな事、皆には言えないよ…」
「帰るか…」
「なんか、顔合わせづらいなぁ…」
二人は真っ直ぐには帰らず、しばらく街をぶらつくことにした。
続きお願い!目の前に現れた。
547 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/19 20:00 ID:???
続けてみる、なるべく同じノリでありながら違う方向性で。
ロランは買い物を終え、家路へとつこうとしたが調子に乗って買い過ぎた為、
荷物の量が半端ではなくなってしまった。
持って帰れない量ではないが大変なのは間違いなかった。
「∀で買い物出動するべきだったかな・・・」
「おや、どうしたんだい?こんな所で大荷物抱えてさ」
そんなロランに声をかける人物がいた、ただし今までと違い女性である。
赤いスポーツカーに乗った
シーマ・ガラハウだった。
「あ、シーマさん。買い物をしたんですがちょっと買い込みすぎちゃいまして」
「そりゃあ大変さね、どうだい?乗ってくかい?」
ロランに誘いを断る理由はない、遠慮なく助手席に乗せて貰う。
「そうそう、うちの馬鹿達が大分溜め込んでるんだって?」
シーマ自身もそうだがシーマの経営する(一応)会社の社員達もロランの屋台の常連である。
しかし何時もニコニコ・現金払い(死後)なシーマと違い、社員達は前述の二人と同じくツケが多い。
「ここであたしがまとめて払っとくよ、今度の給料から直引きしとくからさ」
「ええ!?それは流石に良くないんじゃないですか?」
「気にしないどくれ、こうでもしないとあいつら何時までもあんたに甘えっ放しさね」
そう言ってお金を渡すシーマ、人数が人数だけに「札束」と言っても差し支えのない額である。
その二人のやり取りを目撃した人物がいた。
「ロランの奴、あんな大金を受け取って・・・二人でドライブか・・・
なんだよ、坊や坊やってまとわりついてる癖に別に俺じゃなくてもいいじゃないか。
大体ロランもロランだ、金の為に人と付き合うなんて・・・なんだこの胸のムカつきは。
俺がイライラしてる!?嫉妬・・・?俺は嫉妬してるっていうのか!!?」
胸の痞えを拭い去れない彼は当てもなく街へと歩き出した。
彼の名はコウ・ウラキ。車の中で、
「坊やによろしく言っておいとくれよ」
「さっきからコウ兄さんの話ばかりですね」
なんて会話が交わされていることなど知りもしないチェリーである。
リレーも悪くないかもねw
595 名前:リレーの続き投稿日:04/03/24 09:41 ID:???
今日の食卓は静かだった。
アムロ兄さんは出張で明日帰宅予定。シロー兄さんは朝まで勤務中。
ドモン兄さんは格闘技の大会に出場してて、今頃どこかのアリーナで試合をしてる筈だ。
ヒイロは任務だと言ってたけど……どこで何をしているのか?守秘義務とやらで教えてはくれなかった。
食卓を囲む人数が少ないだけじゃなくて、何かこう上手くは言えないけど、食卓を支配している不自然な静けさを僕は感じていた。
まず、ガロードとジュドーが妙に大人しい。いつもは二人で競うような早食いしているのに、二人とも食が進んでない。
身体の具合でも悪いんだろうか?心配になって二人に聞いてみるけど首を横に振って違うと言ってる。
何故だか二人とも僕と目を合わせようとしない。
キラとウッソの様子も変だった。
キラは食事をしながら他の事を考えていて頭がお留守のようだった。
その証拠にご飯茶碗をヒックリ返してしまい、それをアルに指摘される。
「あーキラ兄ちゃん、お行儀悪いんだ!」
「あ。ご免、ご免……」
「キラ、どうしたんですか?ボーッとして」
僕はテーブルを拭いてからキラにご飯をよそい直して茶碗を渡した。
茶碗を受け取ったキラは何だか上の空って感じだった。キラも僕と目を合わせようとはしなかった。
そう言えば……食事の時は学校での出来事とか、畑の作物のとかをいつも僕に話してくれるウッソも
今日は黙って食事している。僕と視線が合うと下を向いて避ける。
けれどチラチラと盗み見るような視線をウッソからは感じた。
シーブックとカミーユ。この二人はいつも通り、変わりない。
カミーユは変な珍入者や、喧嘩を吹っかけてくる相手さえ居なかったら大人しいものだし
シーブックはいつも影が薄……いや、何があろうとスルーしてマイペースで食事をしている。
この家で生活するには必須の条件かもしれない。
会話が無いまま、黙々と食事する光景というのはこの家にしてはかなり珍しい事だった。
596 名前:リレー続き投稿日:04/03/24 09:44 ID:???
「おかわり!」
「コウ兄さん、今日は沢山食べますね。」
「おかわりしちゃ、悪いの?」
「あ、いえいえ……その、今日はみんな食欲が無いみたいなんで、丁度良かったかな?って……ご飯余っちゃうと勿体ですし」
何故か、今日はいつもとは反対にコウ兄さんが元気だった。
や、元気というのか……テンションが高い……や、違うな。何かに腹を立ててるような気がする。
コウ兄さんの怒りの対象が何なのか、僕は知らないけれど、今日はやたらと突っかかってくるから困ってしまうよ。
眼にはメラメラと炎が宿ってて、僕に対して怒りをぶつけているような気がするんだけど。
八つ当たり?嫌だな……僕は何も悪いことしてないのに。今日のコウ兄さんは変だよ。
食事の後片付けをしながら居間の時計を見た。20:00を少し回ったところだ。
これから家を抜け出して、屋台の準備をすれば夜の営業の時間には間に合う。
僕は家族には内緒で深夜にラーメンの屋台を出している。
ラーメンの材料の仕込みは昼間のうちにやってしまうから
夜は屋台を預かって貰っている
キースのパン屋の裏手に回って屋台を動かすだけだ。
僕がそろそろ家を出ようとした時
「ロ、ロラン兄さん……あの」
「なんですか?」
ウッソが僕の袖を引っ張った。
「宿題で分からないところがあって……教えて欲しいんですけど」
「え?」
「今からみて欲しいんですけど。駄目、ですか?」
「え……っと、そう、ですねぇ……」
ウッソの宿題はみてやりたいけれど、タイミングが悪かった。今、家を出ないと屋台の営業開始が遅れてしまう。
僕の屋台はおかげさまで常連客も増えてきていた。お客さんが僕の作るラーメンを待ってるのだ。
待っているお客さんの為にも遅れる訳にはいかない。困ったな、どうしよう。
597 名前:リレー続き投稿日:04/03/24 09:49 ID:???
が、ここで助け舟が出た。
「宿題なら俺が見てやるけど」
「本当ですか、シーブック?」
「ああ、あとで俺の部屋に来いよ。ウッソ」
「じゃ、そういう事で。宿題はシーブックにみてもらって下さい」
「……僕は、ロラン兄さんが、いいです」
シーブックが宿題をみてくれるというのに、何故だかウッソは渋っている。
なにか宿題を口実にして、僕に別の何かを話したいような……そんな気もするけど?
「はぁ?何言ってんだよ。ロランは家のことで忙しいだろ。贅沢いうな、俺じゃ不満なのかよ」
「そうじゃないです……だけど」
「ロランに甘えたいんならそれでもいいけどさ、ウッソも未だガキだな」
「そんなんじゃないですよ!」
ウッソはそれだけ言うと黙ってしまった。なにか不満がある顔だったけれど仕方ない。
僕はこれから屋台を出す準備をしなきゃいけないしね。シーブックには助けられた。
<ありがとう、シーブック>僕がシーブックに目で合図すると、シーブックも<いいよ>って目で合図をおくってくれる。
シーブックにはいつも助けられてるような気がする。
だから食事の時、シーブックの茶碗にはご飯を少し大盛りによそって、密かに還元したりしている。
本人がその還元に気づいているかどうか分からないけど。
玄関で靴を履いていると誰かに見られている気がしたけど、気のせいかな?
僕は屋台を出す為に家を出た。
見られているのは気のせいじゃなかった。
家を出た僕を尾行している影の存在に、僕は未だ気づいていなかった。
3レス使っちゃいましたが…どなたか続きを宜しくです。
599 名前:言いだしっぺ投稿日:04/03/24 14:51 ID:???
ロランは大急ぎで屋台のあるキースのパン屋、ドンキーに向かって走る。ウッソから引き止められた事もあり、時間は予定よりも大分押していた。
「ごめん、キース!遅くなった」
「今日は
来ないかと思ったぞ!屋台はいつもの所にあるからな」
「ありがとう」
ロランはキースと挨拶程度の会話をすると屋台を引き夜の街に消えていった。
ちょうどその頃、
「任務…失敗」
ジュドー、ガロードからロランの尾行を依頼されていたヒイロが不覚にもロランを見失い夜道を歩いていた。
感のいいロランを尾行するのは簡単な事ではなかった為、距離を空けての尾行となってしまったのが仇となり見失ってしまったのだ。
「だが…手がかりくらいある筈だ…」
このまま手土産も無く帰るのはヒイロ自身許せなかった。
「確か、街の方に走って行ったはず…」
ヒイロはそう思い、しばらく夜の街を詮索する事にした。
夜の街
「ありがとうございましたー!!」
ロランの元気な声がネオン光る夜の街にこだまする。客の入りは大盛況。屋台席以外にも道端で立ち食いをしている人数を合わせると有に20人以上はいる。
そんなロランに常連の一人、ギンガナムが訪れる。
「いらっしゃいませー!!」
「中華1つ、貰おうか!」
「いつもありがとうございます」
「小生にとってここのラーメンとローラの家の朝食は欠かせないからなぁ!!」
「明日の朝も来られるんですか…」
そんな声が飛び交う内に麺が底を付き始めた。時計を見ると早くも深夜0時。開店から僅か4時間で用意した150食近くが売れた。
残り後数食。のれんを降ろし店の周りのゴミ広いなど後片付けを開始する。
「今日、出だしは不調だったけど、以外に早く終わりそうだな」
そんなロランに一人の男が近づく。
どなたか続きをお願いします!
600 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/24 22:56 ID:???
乙です。続けます
ロランの前に現れた男、それは
グエン・サード・ラインフォードだった。
イングリッサ領を治めるラインフォード家の御曹司。実業界の若き獅子との評判名高い超VIPだ。
「いらっしゃいませ、グエン様」
僕が挨拶するとグエン様は"やあ"って手を振ると、座っているお客さんをシッシッと手で払いのけて
カウンターの真正面のポジションを陣取った。……他のお客さんも御曹司というのが分かっているから逆らえない。
「ローラ。今日も遭えたね」
「えっ……あ、そ、そうですね。はっはっはっ」
何言ってるんだよ。自分から店に来ておいて、遭えたも何もないじゃないか。
が、一々突っ込みを入れてもショウガナイし、僕は愛想笑いで流す事にしている。これは客商売での鉄則だ。
「グエン様、ご注文はお決まりになりました?」
「そうだね。中盛り、油あっさりめ、煮玉子入りを一つもらおうか」
「ありがとうございます!」
グエン様は僕の屋台のお客さんの中でも最大のご贔屓筋で、屋台の店だしが出来たのもグエン様の援助に因る処が大きい。
最初、グエン様にバイトの相談を持ちかけたら"ローラには私の専用のメイドになってほしいな。"とか
脳みそ溶けてるようなこと言ってたけど、なんとか無難な妥協線を見出して、ラーメンの屋台に話が落ち着いたら
直ぐに屋台を手配してくれたリ、屋台の営業許可の申請手続きをしてくれたり、とグエン様の手配は迅速だった。
そのおかげで僕は一週間もしない内に屋台を出すことが出来た。お世話になりっぱなしでグエン様には頭が上がらない。
「ハイ!中盛り、油あっさりの煮玉子入り、おまちどうさまです」
グエン様の前にラーメンの丼を運ぶ。僕は丼をお客さんに出す時、親指を入れている。丼に親指を入れるのは癖になっていた。
カウンターにラーメンを置いて手を引っ込めようとしたら、グエン様が親指を素早く、パクっと食べた。
な、なに!?この人、僕の親指を……しゃ、しゃぶってる!?
「そんな、グエン様!止めて下さいぃぃ……」
手を引っ込めようとするのに、グエン様は僕の手首をグッとつかまえて放さない。
「親指についたスープの分も料金の内さ。スープも、ローラの指も、両方美味しいよ」
「グ、グエン様!?ちょ、ちょっとを」
くすぐったいよぉ、もう……このヘンタイ!!
指を舐められている僕は、どうしたらいいか分からず、身体が固まってしまった。
僕はこのままグエン様に指を舐められ続けるんだろうか!?そんなの嫌だよ。
……こんな終わらせ方ですが、続き、お願いしまつ
601 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/25 08:52 ID:???
600(ある意味、599)
「どうした?一人でこんな時間に街にいるとは」
街を徘徊していたヒイロに声をかける男がいた。
「・・・お前こそ何をしている、トロワ」
「質問を質問で返すな。俺は見ての通りラーメン屋だが?」
その男はラーメンの屋台を引くトロワ・バートンだった。
「サーカスはどうした?何故屋台を引いている?」
「質問は一つずつしろ・・・まぁいい。
サーカスは今は休みだ、屋台を引いているのはラーメンが俺の将来の夢だからだ」
「・・・そうか」
ヒイロは内心、自分とある意味よく似たこの男が「夢」などと言い出したのに驚いていたが
何時もの如くポーカーフェイスで流した。
(ラーメン屋と言えば・・・)
トロワは突如現れたライバルのことを思い出していた、
そしてそのライバルと目の前の男との関係を。
「もしや、お前はロランの所へ?」
「知っているのか!?教えてくれ!トロワ!!
俺は・・・俺は何処を探せばいい?俺はあと何回ロランとその行方を聞き込めばいい?
ゼロは何も言ってはくれない・・・教えてくれ!!トロワ!!!」
「(兄弟探すのにゼロシステムまで使っているのか・・・
全てが万事、こいつのやることは徹底している、ヒイロ・ユイのやることは)
ロランなら四番街に要る筈だが・・・しかし奴も大変だな。
グエンやらシャアやらゼクスやらに毎晩毎晩・・・」
ヒイロはトロワの話を最後まで聞くことなく走り出していた、
表情は相変わらずのポーカーフェイスだがその顔は青ざめていた。
四番街と言えば歓楽街として有名だが裏を返せば・・・
所謂「大人向け」の店で有名な街でもあるからだ。
(俺は行かなくてはならない。ゼクスを倒す。次にシャアとグエンだ。
それで地獄は終わる。そして俺が金を稼げば、平和が訪れる。
これがロランのためにしてやれるただ1つのことだ)
何時の間にやら乗り込んだWゼロの中でヒイロの思考は果てしなく危険な方向へ暴走していた。
まぁネタスレでラーメン屋と言えば忘れちゃいけない人ということで・・・
あのスレは主要人物は皆人間を止めているのであんまりクロスオーバーし過ぎると拙いですが
この程度ならご愛嬌と言うことでご容赦ください。
603 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/25 13:39 ID:???
リレー、楽しそうなので便乗!
ちょうどその頃、グエンがロランの指にしゃぶり付いている時、一組のカップルが現れた。
ゼクスとノインだ。
「グエン…何をしているのかね?」
「貴様はゼクス!?」
「私はミリアルド・ピースクラフトだ!!」
「ええぃ、紛らわしい!名前を使い分けるな!!」
ゼクスの出現で難を逃れたロランであった。グエンはゼクスを威嚇している。
「いらっしゃいませ、ゼク…ミリアルドさん。助かりました」
「やあ、ロラン君。危ないところだったな。で、君の言った通りに今日はノインも一緒だ」
「こんばんは、ロラン君」
「ちょっと来るのが遅くなってしまったが、2人分出来るかい?」
「はい、出来ますよ。ちょうど残り二人分です。今作りますね」
「ああ、頼む」
「ちょっと待ったー!!」
真っ赤なスポーツカーに乗った真っ赤なカップルが現れた。
「そのラーメン、私たちが頂く!!」
「貴様はシャア(と、その秘書ナナイ)!?」
真っ赤なスポーツカーから颯爽と飛び降り、グエンとゼクスの前に歩み寄る。
「私は
シャア・アズナブルではない。キャスバル・レム・ダイクンだ!…それ以上でもそれ以下でもない!!」
「「ええぃ!紛らわしい!!名前を使い分けるな!!」」
と、グエンとゼクスが突っ込みを入れる。
「あのラーメンを食べるのは私達なのだよ!お前たちには下がってもらう!!」
「先に注文したのは私だ!お前の出る幕ではない!!」
「何を言うか!ローラのラーメン屋台のオーナーは私だ!オーナーとしてラーメンを食べる権利は私にある!!」
「グエン様はもう食べたでしょうが」
と、ロランの突っ込み。
ロラン、ノイン、ナナイは三人のやり取りを遠目で眺めている。
「貴様等には渡せん!!」
「よかろう。ならば力ずくだ!サザビー!!」
何処からとも無くサザビーが出現する。
「その決闘、受けて立つ!!トールギス!!…これでMSの無いグエンの脱落か…」
遥か上空からトールギスも現れた。
「フフフ…舐めて貰っては困るな…出でよ、ブラックドール!!」
「「何ぃ!!」」
604 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/25 13:42 ID:???
シーン………
何も現れない。
「しまったー!!まだ掘り出し作業中だ!!」
「「驚かせおってー!!」」
サザビーのビームライフルとトールギスのドーバーガンがグエンに炸裂する。
「私は…私は…ローラぁ!!」
「これで残るはゼクス一人のみ!!」
「ラーメンは渡さん!!」
シャアとゼクスが雌雄を決している傍でノインとナナイはただ呆然と事を眺めている。そこへロランがラーメンを手にし、歩み寄った。
「ノインさん、ナナイさん。ラーメンのびちゃいますから、頂いてください」
「え?でも…」
「いいから食べちゃいましょう!美女二人をほったらかしにする男なんて放って置いて!」
「ナナイさんの言う通りですよ、ノインさん。美味しい内に食べてください」
「じゃあ、頂きます……!?お、美味しい!!!」
「うん!さすがロラン君の手作り、美味しいわ!!このスープのダシどうやって取ってるの?」
「企業秘密ですよ」
シャアとゼクスの戦いを肴に、ノインとナナイは美味しそうにラーメンを食べていく。
その傍ら後片付けを再会するロラン。
屋台を片付け終えノインとナナイに挨拶をするとキースのパン屋に屋台を返しに行った。
ノインとナナイも未だに戦いをしている二人にあきれ返り帰っていった。
かなり中途半端ですがどなたか続きをお願いします。
606 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/25 18:13 ID:???
604の外伝
シャア「そこッ」
ミリアルド「甘い!」
サザビーのビームライフルを避けるトールギス
ビームはその先に停めてあった黒いGT-R32を直撃し蒸発させた
すぐそこにはキーを持ったまま硬直しているシローとアイナの姿もあった
シロー「おれのGT-Rが…そんな……悪い夢でも見てるのか………」
ドサッ
シロー「…俺の勇気が…砕かれる……………………」
アイナ「しっかりして!シロー!シロー!!」
ゆっくりと起き上がるシロー
シロー「……まだだっ!俺の勇気はまだ砕かれてはいないっ!!
来いっ!!Ez-8ォォオオオ!!」
どこからともなく現れたEz-8に乗り込むシロー
シロー「来いっ勝負だ!!!」
いつのまにか勝負は三つ巴となっていたがノインもナナイも帰った後だった
610 名前:リレー便乗投稿日:04/03/26 04:16 ID:???
続きではなく、600の脇道みたいなものです。
グエンがロランの指をしゃぶり続け、ゼクスとノインが訪れる前のその間の時間に気付かれないようにそっと屋台を後にした人物がいた。ハヤト・コバヤシである。
ハヤトもロランの屋台の常連とはいかないまでも良いお得意さんだった。
ロランが屋台を見つけた時、自分がアルバイトをして家計を埋めていると知ったらアムロが意固地になって仕事を増やすから屋台のことは黙っていて欲しいと頼まれ、ハヤトは快く了解した。
家族想いのアムロの可愛い弟、そう思っていたのに…………!
この夜たまたまロランの屋台に寄り、隅の方でラーメンを食べていると、かのグエン=サード=ラインフォードが表れた。
最初から2人の間には「店と客」以上の何か緊張感があった。
そして今、ハヤトの隣ではグエンがロランの指をなめ回している。
グエンが「スープもローラの指も、両方美味しいよ」とか口説き文句を囁いている。
ロランも艶かしい表情でそれを受けている。(くすぐったいのを我慢しているんです!>ロラン談)
これは…指プレイとかいうやつだろうか?
ハヤト(この2人はそういう関係だったのか!)
以前アムロが、グエンがロランに言い寄って来て困るとこぼしていた。
この事を知ったら彼は怒るだろうか?悲しむだろうか?
ハヤトはいたたまれなくなって、2人に気付かれないよう代金を置いてそっと屋台から離れた。
帰路でゼクスとノインの2人とすれ違ったが、お互いに気に留めていない。
この日からハヤトは、アムロに屋台での一件を言うべきか言わないべきか悩み続けるハメになる……。
皆さん乙ですね。こんなに楽しくなるとは思っていませんでした。
こちらのものは続かなくて結構です。
611 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/26 11:52 ID:???
604
606の続き
ヒイロがウイングゼロでロランのいる四番街に向かう。
現場が近づくにつれ、ヒイロの心臓の鼓動が早くなる。
「ゼクス…シャア…グエン…ロランの為、平和の為…まとめて殺す!!」
先の角を曲がればそこは四番街だった。が、ヒイロの視界に吹き飛ばされたEz-8が入ってきた。
「Ez-8?…シロー兄さんか!?」
シローの乗ったEz-8はそのままビルに叩きつけられた。そこにヒイロのウイングゼロが駆け寄る。
「兄さん…一体何が!?」
「ヒ、ヒイロ……奴ら…奴らが…」
シローが指差すその先にはゼクスのトールギスとシャアのサザビーが戦いをしている。
「ゼクス!!シャア!!貴様らー!!」
「俺の…GT-Rを……」
シローの言葉を最後まで聞かず、ヒイロはトールギスとサザビーに向かいツインバスターライフルを構える。
「お前達のような人間のクズは生かしてはおけない……ロランの為…世界の平和の為…まとめて排除する!!」
ツインバスターライフルがトールギスとサザビーに向かい火を噴いた。一対一で死闘を行なっていた二人はこの突然の攻撃に反応が遅れ、直撃を食らった。
「ハハハハハッ!!…死ね…市ね…シネェー!!みんな焼かれて灰になれー!!」
最初の目的は何処へやら。あたり一面、手当たりしだいに破壊する。
ツインバスターライフルのエネルギーが切れ、ヒイロが正気に戻った頃、あたり一面は焼け野原になっていた。
ヒイロの表情は何時も通りのポーカーフェイスだが、明らかに血の気が引いていた。
「俺が…これを?」
事の重大さに改めて気が付き、どうしようかと考えていた時、視界にシローのEz-8が入る。
ヒイロはEz-8の両手にツインバスターライフルを持たせるとその場を後にした。
「最初の任務…なんだっけ?」
続きお願いします。
612 名前:611投稿日:04/03/26 11:57 ID:???
余談
翌日,新聞にデカデカと「警察官、街を焼く」という見出しと連行されるシローの姿が載っていた。
加害者の恋人の証言
「争い事が起きて、隠れていました。静かになって出てきたら町がこんな事に…」
加害者の上司の会見
「彼は常日頃から問題があったようです…彼の処分はおって連絡いたします」
加害者の同僚の証言
「俺は隊長を信じています!」
「あの甘ちゃんはいつも銃身が焼けるまで撃ちまくるからな…いつかはこうなるかと…」
「隊長ぉ~」
「ワシは洋酒より日本酒が好きなんじゃが」
「それより俺の新曲聴いてよ」
加害者曰く
「俺は無実だ!!」
リレーに支障が出るならスルーしてください。
627 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/03/29 03:01 ID:???
真夜中の騒動から一晩明けた、昼過ぎ。
シロー巡査部長は署内の簡易留置所に拘留されていた。
たびたび問題を引き起こしているフダツキが集う"8課"の事だから
昨夜のヒイロ等、数人がが引き起こした銃撃戦も、管轄内の事だと、内々で処理をしてしまい
事件そのものを揉み消してしまうのが常だったのだが……今回は少し勝手が違い、切迫した事態を迎えていた。
「警察官、街を焼く」と、新聞、ノックスクロニクル誌にスッパ抜かれてしまったのだ。
事件は今朝の一面を飾り、共同通信を通じて警察官の不祥事として大々的に全国ネットでニュースが報じられたのだ。
既に事態は組織内部での処理だけでは収拾がつくものではなくなり
世論は現職警官の汚職事件発覚!というスキャンダラスな目線で事件を注目していた。
同所轄の署長リリ・ボルジャーノは今回の事件を、現職警官が起した業務上過失致死未遂および、公共物破損、等など
その他諸々の余罪を追及するとともに、今回の不祥事で地域住民が抱いた、警察への不信感を拭い去る為にも
事件を徹底追求する構えだと、マスコミの共同記者会見の席上で発表。
シロー・アマダ巡査部長は本日付けをもって職務停止処分、事件は検察官に送致されることになった。
ノックスクロニクル誌によると、担当検察官のアリス・ミラーは刑事事件として起訴する姿勢が濃厚らしい。
シローは検察に身柄を引き渡されるあと数時間後のことを思いながら、深いため息を漏らしつつ
弟のロランが差し入れた弁当を留置所の中で平らげ、食後のお茶を啜っていた。
「で、みんなはどうなんだ?」
「今朝のニュースを見て……シロー兄さんの事は、家族全員が知ってますよ。アムロ兄さんには……僕から電話しておきました」
ロランは言葉に詰まりながらも、鉄格子越しの兄を見て、家族の状況を喋っている。
「シーブックも、カミーユも、ガロードも、ジュドーも、ウッソも……みんな、学校に行きました。
普段通りにした方が良いって、アムロ兄さんも言ってましたから
コウ兄さんとドモン兄さんは家に残ってます……あ、それからアルは、未だ小さいから外に出ない方が良いって……兄さん達が。
家の前に……TVとか色々とマスコミが押しかけてて……」
「そうか、アムロ兄さんは何って言ってた?」
「……アムロ兄さんは心配するな、俺がなんとかする。って、それだけです。午後の便でこっちに戻るって言ってました」
628 名前:627の続き投稿日:04/03/29 03:07 ID:???
「僕は……信じてます!!」
留置所内にいるシローに対し、感情を押し殺して、冷静に振舞っていたロランだったが、
シローと対話していくうちに感極まってしまい、鉄格子を掴んで叫ぶよう言葉を発した。
「家族、みんな信じてますっ!!シロー兄さんは潔白だって、信じていますから!!」
ロランの声は狭い留置所内に響き渡った。
「俺のせいで……家族の、みんなに迷惑かけて……スマン」
「……兄さん」
外から鉄格子を掴んでいたロランの両手を、留置所内にいるシローが力強く包みこんだ。
泣き崩れたロランをなだめたシローは、声を潜めてロランに問い始めた。
「ところで、ヒイロは?ヒイロは今、何してる?」
「ヒイロですか?そういえば、
昨日の夜から姿は見えないです……この家族の一大事に何してるんでしょうね?
マイペースなのは相変わらずだけど……」
「ロラン、これをヒイロに渡してくれ。頼む」
シローは看守の目を盗み、ロランの手に小さな紙切れを握らせた。
この紙切れが何を意味するものか?ロランは未だ知らなかった。
無意味に切迫した流れになりましたが、続いてくれた嬉しいです。どうぞ宜しく
629 名前:続きじゃなくてスマソ投稿日:04/03/30 03:11 ID:???
屋台を片付けて家に帰って来たロランは、風呂からあがり香水を少量身に付けた。石鹸に似た、それよりも上等な香がほんのりと香る。この淡い匂いをロランは気に入っていた。
毎日ラーメンを作っていればどうしても油や醤油の臭いが染み付いてしまう。風呂に入ったくらいではとれないだろうと、グエンがよこした物だ。
送り主の顔を思い浮かべると何だかな、とは思うが、在るものを使わないのは無駄と割り切ることにした。
シンプルな小敏に入った液体は、さすがはグエンの選んだものと言うべきか、使ってみると匂い消しとしては完璧だったし、香も疲れた身体に心地よいものだった。
と、そこへカミーユが風呂に入りにやってきた。
カミーユ「あっ、悪い。」
ロラン「いいよ。もう出るから」
他の兄弟と違って一緒の部屋のカミーユはロランの裸にグッとくることは少ない。だからこの時もカミーユはロランから不用意に目を反らしたりはしなかった。小さな小瓶が目に止まる。
ロラン「どうしたの?カミーユ」
カミーユ「いや、何でも無い。早く行けよ、湯冷めするぞ」
最終更新:2018年12月07日 17:22