146 名前:段ボール潜入記 蛇足 1/3 :2011/12/01(木) 13:03:40.53 ID:???
段ボール+刹那ってはなしがあったから、書いてみた。
更にグダグダだがすまん


ガトーは今日も段ボールの中にいた。
勿論、任務だ。
任務は勿論、ミネバ・ラオ・ザビの行動記録である。
ジオン幼稚園の園長として校務に忙しいドズルにかわり、今日も段ボールに扮してミネバを見守っていた。

ヒイロ「アナベル・ガトー、今日の任務は?」
ガトー「公園内におけるミネバ様の行動監視と不審者の排除だ」
ヒイロ「任務、了解…ヒイロ・ユイ・ガンダム作戦を開始する」

段ボールでミネバを見守るうちにガトーには潜入仲間ができた。
日登町で有名なガンダム兄弟の少年・ヒイロ・ユイ・ガンダムだった。
どこで任務を嗅ぎ付けるのか、最近はツーマンセルでミネバを見守ることが多い。
見守られる側のミネバも慣れてきたのか、はじめは隠れるふたりを見つけては声をかけていたが、最近はカメラを回すガトーに時折視線を送るだけになっていた。

ヒイロ「園内に不審者なし…カメラはどうだ」
ガトー「バッテリーもテープも充分だ。各々作戦行動を継続」
ヒイロ「了解」

今日も平和に作戦は進んでいく。
しかし、淡々と任務をこなすふたりに介入しようとひとつの人影が段ボールの後ろに迫っていた。

刹那「ヒイロ、何をしている」

二つ並んだ段ボールの小さい方――ヒイロの前に立つと刹那はじいっと真っ直ぐな瞳を向けた。

ヒイロ「……任務だ」

すこし考えたあと、ヒイロは感情のこもらない声で兄に告げる。
潜入任務中にミネバだけでなく兄にも見つかった。
これは完璧に任務を遂行したいヒイロにとって万死…いや自爆に値するほどの失敗だった。
「ミネバ様の御前で自爆はまかりならん」
そう、ガトーに言われていなければ躊躇いもなく自爆していただろう。


147 名前:段ボール潜入記 蛇足 2/3 :2011/12/01(木) 13:04:23.82 ID:???
刹那「そうか…そのミッションはガンダムか?」
ヒイロ「ああ、勿論ガンダムだ

兄の次なる問いかけにヒイロは箱のなかで頷いた。
報酬はガトーやミネバが差し入れてくれるカロリーメイトや菓子類だったがヒイロにとってはとても有意義な潜入任務だった。
ヒタイグレーとして名高いガトーの潜入能力はもちろん、たまに現れる不審者への対応――もちろん鮮やかなCQCである――は元テロリストのヒイロも息を飲むほどのものだった。

だから称賛の意味を込めて兄に「ガンダムだ」とつげる。

刹那「そうか…ならっ!」

ガンダムという言葉を聞いてキラキラと瞳を輝かせる刹那は、トランザム!と叫ぶとどこかへ駆け出していった。

ガトー「いつも(ヒタイダーのショー)を見ていて思うのだがお前の兄は大丈夫なのか?」

隣に潜むガトーが段ボールを寄せてヒイロに尋ねる。
刹那といえばヒタイダーのとんでもないファン。
年齢制限のあるイベントでも身体操作で潜り込み、すべてのショーを観覧し、会場一の声援を送る熱烈な少年…ガトーにはそのファンっぷりしか刹那を見たことがなかった。
万が一じぶんがヒタイグレーだとわかれば、潜入どころではないのではないか、そればかりが心配だった。

ヒイロ「大丈夫だ。ああ見えて兄さんはCBの腕利きのパイロットだ。ミッション遂行のためならば寒空に段ボールくらい苦痛ではない」
ガトー「そう…か」

ならば、安心だ、

ガトーが呟いた瞬間。


刹那「ガンッッダァァアァムッッ!」



静かな公園に一際大きな刹那の声が響いた。

ガトー「なんだこれは!」
ヒイロ「兄さん……」



148 名前:段ボール潜入記 蛇足3/3 :2011/12/01(木) 13:05:16.87 ID:???
今起こったことをありのまま説明しよう…
ガトーとヒイロ、そして公園で遊ぶミネバも見ていたが、段ボールでの潜入…いやそれ以上の恐ろしいものの片鱗を…

刹那は戻ってきた。
ヒイロやガトーと同じように段ボールに身を隠して。
しかし、ひとつ、彼には重大なミスがあった。
それは…


刹那「ヒイロは段ボールでの潜入はガンダムといった。だから俺は段ボールガンダムでこのミッションに介入する!」

頭部に使用された箱に書かれたsolomonのロゴの口元はきれいな弧を描いている。
そして、その笑顔の上にマジックで書かれたツインアイと木の枝のアンテナ。
まさしくガンダムと言える様式である。

ヒイロ「兄さん…目立ちすぎだ」
刹那「だがこれはガンダムだ!」
ガトー「刹那・F・セイエイ・ガンダム!潜入をするならば相応の格好があるだろう!」
ミネバ「どうしたのじゃ?今日は終わりなのか?」
刹那「その声は!ヒタイグレー!」
ヒイロ「すまない、兄さんが乱入しこの様だ」
ガトー「そんな格好では格納庫かモビルシチズン売り場にしか潜入できんぞ!」
ミネバ「兄?ヒイロの兄がこのガンダムなのか?」
刹那「刹那・F・セイエイ…俺が、ガンダムだっ!」
ガトー「ええい!刹那!君は、潜入するにはまだ未熟!私が直々に鍛え直してやる!」
ミネバ「シュウトとアルの兄弟は面白いのじゃ」
刹那「!!ガンッッダァァアァアァァムッッ!」(腕を振り上げて喜びのポーズ)
ヒイロ「そう思ってもらえるならば兄弟の一員として喜ばしい」
ミネバ「わらわも楽しいぞ!」
ヒイロ「そうか。今日はここまでだな、刹那兄さんもヒタイグレーも忙しそうだ」
ガトー「こい!少年!」
刹那「トランザムッ!」
ミネバ「そのようじゃな。ならばヒイロ、わらわと帰ろうか」
ヒイロ「任務、了解…ミネバ・ラオ・ザビの帰宅を支援する」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2015年05月03日 23:26