803 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/16(水) 19:10:35.32 ID:???
ウッソ「日中はすっかり暑くなったな」

麦わら帽子を僅かに持ち上げ天を仰ぐと青空が広がっていた。
自分の後ろで黙々と作業する弟達、そして見知った気配が近付いてくるのを感じ立ち上がる。

ウッソ「二人ともちょっと休憩しようか?」
アルシュウト「「は~い」」
ロラン「麦茶といちごをここに置いておくからゆっくり休んでね」
シュウト「やったあ!」
アル「ねぇ練乳は?練乳!」
ロラン「新しいのを出すからちょっと待ってて」

パタパタと音を立てて奥へ戻る兄を見ながら「もうそろそろかな」と玄関口へと向かう。

ウッソ「マリナさんいらっしゃい」
マリナ「あら?ウッソくんこんにちは。いつもここで会うわね」

ほがらかに微笑む姿に癒されながらいつものように家庭菜園へと一緒に歩いていく。
その先にはやはりいつものように胸に『がんだむ』と書かれたTシャツと麦わら帽子を身に着けた少年がいた。
用事があって出かけていたはずだがこれまたいつものようにひょっこり戻ってきている。

ネーナ「ん~……このいちごおいし」
シュウト「ネーナ姉ちゃんずるいよ」
アル「いっつもおっきいやつ持ってくもんなぁ」
ネーナ「体が大きいんだから食べるものもおっきくて当然じゃない!」
刹那「何も手伝っていないのに報酬を得るのはガンダムではない」
ネーナ「でもお……」
刹那「そもそもいちごを食べに帰ってきたわけではない」
ネーナ「ぶぅ」

初めのうちは家を壊してやってくることが当たり前だった少女も今では弟達に『姉よりも姉らしい』として慕われている。
精神年齢が近いのも慕われる由縁なのかもしれない。

マリナ「もう刹那もネーナちゃんもそろってたのね。ではウッソ先生、今日もよろしくお願いします」
ウッソ「はい、お願いします」
ネーナ「アザディスタンの人達も農業の先生の先生が子供だって知ったら驚くかな」
マリナ「そうね、きっとビックリしちゃうでしょうね」
刹那「ではミッションを開始する」
シュウト「僕達も作業を再開しようか」
アル「だね」

ガンダム家の家庭菜園ではこうして時折皇女さまがやってきては農業のいろはを学んでいく。
ウッソは穏やかに流れていくこの時間が好きだ(綺麗で優しいお姉さんとナチュラルに手が触れたりするのも好ポイントである)。
だがその後に開かれるロランの料理教室は苦手である……
どこから情報を仕入れてくるのかガンダム家に縁のある女性陣が多く来訪し騒動が起こる。
その『とばっちり』を思うと憂鬱だが今はこの幸せを噛みしめるのだった。

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最終更新:2015年07月25日 20:33