426 名前:フラッグファイターの憂鬱 :2012/07/27(金) 08:04:30.45 ID:???
 戦闘訓練にて
サンダース(Aペア)「ハワード!突出しすぎているぞ!危険だ!」
ハワード(Aペア)「フラッグファイターの……矜持を……!」
シロー(Bペア)「単純な突撃?罠かもしれないが、撃つ!」ドーン
ハワード「その程度の砲撃、フラッグの機動性にかかれば……!」
 pppppp
ハワード「何!?」
ダリル(Bペア)「ロック・オン。俺達の勝ちだ」

ハロ長官「やあ、シロー警部補。ダリル警部補。陸と空のペアはどうだったかい?」
シロー「やはり空をカバー出来るというのが良いですね、連携パターンも幾つか見つかりました」
ダリル「こちらも攻撃力を期待出来るのが大きいです。合同訓練を増やす価値はありますぜ」
ハロ長官「うんうん、高評価で何よりだよ」
シロー「俺も、まだ試験段階ですが提言をした甲斐がありました」
ダリル「ただ、1つ心配事が……」
ハロ長官「ハワード警部補の事かい?」
ダリル「ええ、回を追うごとに成績が悪くなっている。フラッグの優位性を見せようと焦っているんです」
ハロ長官「それは心配だね。心当たりはあるのかい?」
ダリル「はい。以前、ハリソン警部とレーン警部補に決闘を申し込んだ時からです」
ハロ長官「なるほど、彼らは飛行部隊だね。その時の事を詳しく話してくれないかな?」

 以下回想
ハリソン「きみのフラッグへの偏愛では、私の幼き子供に対する慈愛には勝てないのだ!ヴェスバー!」
レーン「この経験を俺の実力の糧にさせてもらう!ファンネル!」

ダリル「こんな具合です」
ハロ長官「問題発言もあったけど、たった1セリフずつで負けたんだね。
     フラッグに傾倒しているハワード警部補なら、焦っても仕方のない話だ」
ダリル「フラッグは個人技のMSでは無いと、俺も隊長も言っているんですがね……」
ハロ長官「これはちょっと、考える必要があるよ……」

427 名前:フラッグファイターの憂鬱 :2012/07/27(金) 08:05:04.99 ID:???
ハロ長官「……という訳なんだ」
グラハム「ハワードをフラッグから降ろす、ですか。私は上司ではなく1人の同僚として反対します。
     彼の一途な性格と腕を失うには、あまりに惜しい」
ハロ長官「君の言いたい事は分かる。でも、チームプレーが出来ない隊員を使う理由は無いよ」
グラハム「……長官。ハワードにチームプレーを取り戻す、そのチャンスを与えて頂きたい」
ハロ長官「その言葉を待っていたんだ。協力はするから、よろしく頼むよ」
グラハム「ありがとうございます、Mr.プレジデント」

 それからしばらくして…
ガロード「シロー兄、警察のMSが襲われてるって本当か?」
シロー「おいおい、どこで聞きつけたんだ?」
ガロード「へへっ、その顔は当たりだな。なあ、俺達が倒してやるから小遣いくれよ」
シロー「いや、ダメだ。これは警察のメンツに関わるからな」
ガロード「ちぇっ、ケチなの」
シン「バイト行ってきまーす!」
ガロード「いってらっしゃい!お土産よろしくな!」
シン「あるかそんなもの!」

 その日の夜…
グラハム「毎夜の様に細身のMSに警察が襲われている。しかも飛行タイプばかりと来た」
シロー「このままだと、増長した犯人が民間人を相手にしかねません。一刻も早い対策を!」
ハロ長官「だけど、相手はハリソン警部やアリー警部まで倒した強敵だ。慎重に、確実にいかないとね」
 ppppp
エレドア「レーン警部補からの緊急連絡!」
レーン『例のMSが……うわああっ!?』
ハワード「俺が援護に向かう!」ダッ
グラハム「ハワード・メイスン!?」

428 名前:フラッグファイターの憂鬱 :2012/07/27(金) 08:05:51.69 ID:???
 ハワードのフラッグが急いで向かうと、墜落したペーネロペーと、細身の、赤と黒のMSの姿があった。
ハワード「貴様が、例のMSだな?名前と、俺達を襲う理由を聞こうか!」
??「俺はMr.シュラドー……また戦争がしたいんだ、俺達は……」
ハワード「何!?」
シュラドー「警察なんているから……空は自由にならないんだ……だから、このマスラオで!」
 Mr.シュラドーはそう言うと、構えを取りフラッグに突進する。
ハワード「(飛行部隊を次々に倒したこいつに勝てば、フラッグの信用は一気に上がる!負けられない!)」
 ハワードはすぐさま回避行動をする。だが……
ハワード「動きが読まれた!?」
 マスラオは急旋回をし、ビームサーベルを振り払う。慌ててプラズマソードで防ぐハワード。
ハワード「フラッグが力負けしている!?」
シュラドー「逃げた方がいいんじゃないのか?」
ハワード「誰が逃げるか!俺はフラッグファイターだ!」
シュラドー「口と腕が合ってない。昔は強かったって奴?いや、元々か」
 Mr.シュラドーは言い終えるや否や、もう片方の手でショートサーベルを振るう。そしてそれを何とか避けたハワードに、追撃を加える。
ハワード「(確かに強いが、警部補を倒した割には動きが鈍い。疲れているのか?)」
 ハワードは距離を取ると、ミサイルを放つ。そして爆煙にリニアライフルを連射する。
ハワード「更にスタミナを消耗させる……何!?」
 攻撃を全く意に介さず、姿を見せフラッグに向かうマスラオ。何かが割れる音がした気がした。
ハワード「さっきまでとは動きが違う!?」
 ハワードの攻撃が全く当たらない。
 いや、時々当たるのだが、それはマスラオがわざとサーベルに当てているのだ。
ハワード「貴様!フラッグを相手に遊んでいるのか!?」
シュラドー「互角の振りをしても気付かないから、教えてやってんだよ……」
 そして、1蹴りでフラッグは地面に叩きつけられた。
シュラドー「もう終わりだ……俺が滅ぼしてやる」
ハワード「く……!」
 マスラオが再び構えを取る。そして……

429 名前:フラッグファイターの憂鬱 :2012/07/27(金) 08:06:25.19 ID:???
グラハム「援護に来たぞ、ハワード!」
シロー「何とか、間に合いましたね!」
ハワード「隊長!ダリル!それに……08小隊も!?」
グラハム「ハワード、08小隊とオーバーフラッグスで連続攻撃を仕掛ける!隊列に加わってもらうぞ!」
ハワード「はい!」
シュラドー「……」
 マスラオがサンダースの陸戦型ガンダムに狙いを定め、突撃する。しかし
グラハム「戦闘経験を活かしてもらうぞ。ハワード、サンダースの護衛に回れ」
ハワード「……了解!」
 ハワードがサンダースの盾となり、突撃を止める。その隙を他のフラッグが狙い、マスラオを釘付けにし、
 陸戦型ガンダムの180ミリキャノンでダメージを与えていく。
シロー「いいぞ、連携の成果が出ている!」
シュラドー「……こうなったら、トランザム!
 マスラオが赤く光り、一気に速度が上がる。
ダリル「く、どうすれば……!」
グラハム「今こそ力を合わせる時だ!」
 フラッグとガンダムが1箇所に固まり、互いの死角をカバーするようにライフルを向ける。
 さすがのシュラドーも避けきる事はできず、少しずつダメージが蓄積していく。
 苛立ったシュラドーは、1点に狙いを定め、突進する。
シュラドー「アンタ達は俺が討つんだ……今日、ここで……!」
 そこはハワードのフラッグのいる場所だった。傷付いた1機を狙い、陣形を崩そうというのだ。
ハワード「く……!」
シロー・グラハム「「行かせない(せん)!」」
 シローとグラハムが、2機がかりでそれを止める。そして……
グラハム「行け、ハワード!」
ハワード「隊長……うおおおっ!」
 ハワードのプラズマブレードが、マスラオを倒したのだった。

430 名前:フラッグファイターの憂鬱 :2012/07/27(金) 08:07:15.93 ID:???
グラハム「大手柄だぞ、ハワード」
ハワード「いえ、俺1人の力では出来なかった。隊長のおかげです」
グラハム「いや、私だけではない、フラッグファイター、そして08小隊の力があってこそ、だ」
ハワード「08小隊も?」
グラハム「フラッグではあの機体にはパワー不足だった。陸戦型ガンダムのパワーがあってこその勝利だな」
ハワード「そうだったんですか……」
グラハム「ハワード、フラッグは確かに素晴らしい機体だが、それでも1機で出来る事は限られている」
シロー「真価を発揮するにはフラッグ隊の皆や、俺達とチームで戦ってこそ、だろ?」
ハワード「そうか……俺は、フラッグを愛するあまり万能だと思い、大切な事を見失っていたんだな……」
ダリル「そういう事だ」
ハワード「そういえば、Mr.シュラドーは!?」
グラハム「残念ながら逃げられてしまったよ。だが、MSは倒したんだ。再び現れる事は無いだろう」
ハワード「どうしてそんな事が分かるんです?」
グラハム「ふふ、心眼は鍛えてある……」

 その頃、銭湯サテリコン
シン(Mr.シュラドー)「あ゛ー疲れ゛た゛ー!」
ハロ長官「ご苦労だったね。上手くいって良かったよ」
シン「何とかここまで運ぶからって、トドメをアイツに任せるなよな……怖いんだよ」
ハロ長官「ごめんごめん。でもその方が良いと思ってね」
シン「しかも慣れない機体で自然にわざと攻撃に当たったりダメージの無いよう攻撃しろなんてさ、難易度高すぎだろ」
ハロ長官「でも、それを軽々とやってのけたのは凄い事だと思うよ」
シン「こっちも必死だっつーの。その上コイツで視界悪いし……顔見せないならいらないだろ!」
ハロ長官「Mr.ブシドーのお面か。発案者が彼だからねえ……まあ、とにかくゆっくり休んでよ」
シン「はいはい、特別ボーナスも出るしね。それにしても……」
ハロ長官「ん?」
シン「風呂の中でまで仮面ってどうなってるんだよ」
ハロ長官「秘密♪」
 終わり

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最終更新:2015年10月18日 13:32