430 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/01/17(金) 11:42:09.66 ID:???
空は快晴のある日、家でぬいぐるみを製作していたヒイロのもとに4人の女が現れた。
ラクス「一つ、同人ゲームを作ってください」
カガリ「理由は聞くな。キラとケンカした。
キラが『負けました』と叫ぶようなゲームをつくってほしい」
フレイ「とにかくお願いします」
ミリアリア「すごいのをよろしく!」
ヒイロ「話が全然見えないのだが……。
キラ兄さんに同人ゲームで遊んでいる方が楽しいとでも言われたか?
それで怒って新しいソフトを作ろうとしているのか?」
ラクス「PCで遊ぶゲームソフトを作ってください」
ヒイロにとってPC操作は造作もないことだった。なにしろ彼は凄腕のハッカーなのだ。
銀行のコンピューターにハッキングして
自分の口座に多額のお金を振り込ませることなど簡単なこと。
ただそれをやると泥棒になるからしないだけだ。
同人ゲームのプログラムをつくることはたやすいことだった。
ヒイロ「任務了解。4人が俺に頼るのは正しい。
それでどういうジャンルのゲームにすればいいんだ?」
そう告げられて4人とも困ってしまった。
キラに『負けた』と言わせるようなゲームを作ることは頭の中で決まっていた。
だが実際に具体的なものを挙げるとなると迷ってしまう。
431 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/01/17(金) 11:45:30.89 ID:???
まずラクスが口を開いた。
ラクス「例えばアイドル
育成ゲームを作るとかどうでしょう」
ヒイロ「アイドルマスターのようなか?」
カガリ「一都市を成長させるゲームを製作するのはどうだ?」
育成ゲームというとシムシティー系みたいな。きっと楽しいぞ」
ヒイロは無言でメモをとった。
メモ帳には『アイドル』とか『シムシティー』とか書かれている。
フレイ「作るならあれはどう!? スペースインベーダー!」
ヒイロは無言でメモ帳を落とした。
あわてて拾うとペンで『スペースインベーダー』と書いた。
ヒイロ「時代がさかのぼってるな……」
フレイ「せまりくる大量の敵がクルーゼのドラグーン!
全部のドラグーンを倒して私を守りきることができればこちらの勝ち。
さあ、スペースインベーダーで歴史を変えるのよ!」
ヒイロ「グラフィックを変えれば作るのは可能だ……。
ところでこのスレのフレイは何歳だ?
それに何かクルーゼにうらみでもあるのか?」
432 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/01/17(金) 11:47:50.27 ID:???
ミリアリア「まだまだアイディアはあるから。私が
主人公のRPG。
最高のカメラを求めて旅をしていくの。
襲い来る敵を武器のカメラで、こう殴りつけて……」
ヒイロ「……どんな同人ゲームなんだ? それは。
どこからそんな発想が出てくるんだ?」
ヒイロはメモ帳に『RPG』とか『カメラが武器』等の言葉を書いた。
ミリアリア「もちろんRPGにはよくあるパターンで仲間が増えるの。
例えばマスコミ関係の仕事についているキャラで
年齢不明、本名不明、それまでの経歴不明の……」
ヒイロ「ふむ」
ミリアリア「ネオホンコンのアナウンサー。
ネオホンコンのカメラクルーが持っていた撮影用カメラが武器なの」
ヒイロ「なんでそこだけGガンになる……?
だいたい他にも
ガンダムのキャラでマスコミ関係の人はいるのに……?
まあいい。見事に4人の意見はバラバラだな」
ヒイロの言う通りだった。4人の言ったことはそれぞれ全然違うことだった。
ラクス「ではこうしましょう。4人の意見をまとめてゲームをつくるのです。
すなわちアイドルを目指す女の子が都市を成長させ守るというものです。
その過程でシューティング面ありRPG面あり。
RPG面の武器はカメラで相手を攻撃していくのです」
ヒイロ「そのゲームは作るのは可能だ。だがそれは本当に面白いのか?」
4人「え?」
433 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/01/17(金) 11:50:16.95 ID:???
ヒイロ「だからそのゲームは面白くて、キラ兄さんに『負けました』と言わせるようなものなのか?」
カガリ「それは……」
フレイ「ヒイロだったらどんなゲームを作りたいの?」
ヒイロ「俺だったらか? みんなキラ兄さんをぎゃふんと言わせるようなものにしたいのだろう?
俺はトロワスレの奴らがぎゃふんと言うようなものを作りたい」
ミリアリア「トロワスレー?」
ヒイロ「そうだ。他のスレだがトロワスレの奴らはこの手のことに関しては詳しい。
同人のメッカだからな。少なくとも俺の認識ではそうだ。
具体的にはトロワスレの者が作れないようなゲームを作りたい」
4人ともまた困ってしまった。
自分達が言ってきた意見が本当に面白くて『負けました』と言わせるゲームなのかどうか
迷ってしまったからだ。
ラクス「ここまで来たら意地です。同人ゲームを完成させましょう」
カガリ「みんなで意見を出し合おう」
フレイ「ええ、なんとしてもやりましょう。ヒイロ、お願いします」
ミリアリア「そうだよ。ヒイロがいなかったらゲーム作れないしね」
ヒイロ「任務了解。俺も知恵を出す」
それから何日も何日もたった後、ヒイロはキラに同人ゲームのパッケージと
自作のゲームコントローラーを手渡していた。
ヒイロ「製作した同人ゲームをPCに入れてコントローラーを挿してくれ。
俺はまたぬいぐるみを作る……」
そう言うとヒイロは本当にぬいぐるみ製作にとりかかりはじめた。
いぶかしげにキラはPCの中に同人ゲームを入れ、さっそくプレイすることにした。
キラ「なっ、なんだよこれー!」
それは大乱闘スマッシュブラザーズのパクリゲーで
『大乱闘ガンダムブラザーズ』というものだった。
キラ(あれ? なにかやってるうちに涙が出てきた)
434 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/01/17(金) 11:57:04.73 ID:???
そのゲームのプレイヤー選択画面には名前こそ違うものの
知っている人には一発でわかる
キャラクターが並んでいた。
キラ(アポロってなんだよ。アムロ兄さんがお菓子の名前になってる。
これはジュド? まるでドラえもんみたいな名前だ。
こっちはデュオ。姿は完全にヒイロだけど。きっと名前を無断で借りたんだな)
ステージ選択画面にはさらに驚愕させるものが並んでいた。
キラ(『ガンダム兄弟の家』ってウチじゃないか!? 『エドワウ=マスの会社の中』?
エドワウって
誰だっけ?
なんだよ! この『懐かしの駄菓子屋』って!
懐かしいじゃないか! あ、また涙が出てきた。
『学校の中』ってステージもある)
実際にステージでプレイしてみてまた驚いた。
キャラクターの技はその人の個性をよく表したものになっている。
ステージに出てくる仕掛けや背景も見事なもので
きれいなグラフィックになっている。
とくにアイテムはガンダムに関係のあるものばかりが画面に出てきていた。
しかしキラが驚くのはそれだけではなく……。
キラ(これをヒイロが作ったのか!?)
ゲームのプログラム等をしたのはヒイロだ。それは間違いない。
しかしキラは知らないことであったがステージの仕掛けや背景等が細かく本物に近づいているのは
ラクス達4人の功績だったといってもいいだろう。
なぜならこのスレの住民である4人は細かく観察していた
日常の風景をヒイロに伝えていたからだ。
それはこのスレに住む者にしかできないような行為だった。
キラはゲームをしながら漫画でしか見たことのないような言葉をつぶやいた。
キラ「ぎゃふん」
この後のことだがこの同人ゲームは兄弟スレ内で少なからず売れた。
トロワスレから買いに来た者もいたとかいなかったとか。
ヒイロにもそれなりの金が手に入ったが決してそれで豪遊せず
リリーナのためにぬいぐるみを作る資金にしていたという……。
最終更新:2016年02月27日 07:18