38 名前:シンの風紀委員体験 プロローグ 1/5 :2015/06/16(火) 21:37:14.53 ID:ZfiEVmnn0
アスランの1日…
AM 6:30 起床。枕元の抜け毛の多さに憂鬱になる
AM 6:40 リビングに降りるが両親は不在。180回目の新婚旅行だそうだ。いい加減に落ち着いてほしい
AM 6:50 朝食。もちろん自分で作る。
AM 6:55 さあ食べようと思ったところでカガリ来訪。
せっかくだからと一緒に食事。朝食をチリソースまみれにされる。
せっかくだから、俺はこの赤の食事を選ぶぜ――って馬鹿じゃないのか。
AM 7:00 口の中を痛めつつ、どうにか食事を終え支度をする。
AM 7:15 一緒に学校へ。通学路でミーアとメイリンに遭遇。修羅場になりかかる。胃痛が起こる
AM 7:20~16:00 学校。問題教師と問題生徒が揃って暴れまわり、胃痛が悪化する
PM 16:00~18:00 放課後。風紀委員会と、不在の生徒会役員ラクスに代わって生徒会の会合に出席
問題児をうまく止められていないと風紀委員、生徒会の両方から非難を受ける。胃痛が悪化(ry
PM 18:10 その後、待ってくれていたカガリと帰路につく。
PM 19:00 よほど疲れているように見えたらしく、カガリがスペシャルメニューをご馳走してくれると言ってきた
嫌な予感しかしないので辞退したが押しきられた。胃痛が(ry。
案の定チリソースまみれの赤い夕食をとる。作ってくれた手前、残すわけにもいかない。胃痛(ry
PM 20:00 なんとか食べきったところでミーアとメイリンが襲来。同時に胃に激痛が走って気を失い、テクスの診療所へ運ばれる。
そしてアスランが目をさましテクスから事情を聴いたのが、翌日の七時のことである。
テクス「うん。比喩抜きで胃に穴が開いているな。円形脱毛症も併発。しばらくは静養が必要だろう」
アスラン「はぁ…」
テクス「重度のストレスに刺激物の過剰摂取。そして過労に寝不足。ここまで無茶をして今までよく持ったものだと思うよ」
アスラン「俺もそう思います…」
テクス「というわけで、しばらくは入院だ。面会も禁止」
アスラン「入院!? しかも面会謝絶って、そこまで…」
テクス「そうでもしないと療養中に悪化などということもあり得るからな」
アスラン「しかし、俺にも色々と用事が――」
テクス「休みたまえ。医者としてではなく一人の大人として忠告するが、そのような性格ではいずれ潰れるぞ」
アスラン「………電話は? 両親と友人に連絡しておきたいんですが」
テクス「君のストレスにならない範囲ならば構わないよ」
39 名前:シンの風紀委員体験 プロローグ 2/5 :2015/06/16(火) 21:38:50.70 ID:ZfiEVmnn0
アスラン『…というわけで、俺はしばらく学校に行けそうもない。風紀委員の代理を用意してほしいんだ』
シン「わかった。しっかり休んでくれよ」
アスラン『ああ…すまない』がちゃん
シン「さて、まずは代わりを見つけないとな」
あまり他人とぶつからないあの性格ならば適任だろうと思い、シンはバナージのところへ向かった。
バナージ「アスラン、入院したんだ。原因はやっぱりストレス?」
シン「よくわかったな」
バナージ「そりゃあね」
シン「で、アスランの代わりの風紀委員なんだけど――」
バナージ「用事を思い出した」
回れ右してどこかへ行こうとするバナージの襟をつかんで引き止めた。
シン「待て」
バナージ「…何か?」
シン「用事ってなんだよ」
バナージ「そ、そりゃあオードリーと」
メイリン「ねね、オードリー。今日の放課後ミコット達といっしょに【ネオホンコン】行こうかって話してるんだけど
一緒に行かない?」
オードリー「ごめんなさい。今日は父と
ガンダムファイト観戦に行く予定がありまして」
メイリン「そうなんだ、残念。明日、どんな試合だったか教えてね!」
オードリー「もちろんです」
バナージ「………ガンダムファイトの観戦に同行させてもらうつもりだったんだよ。うん」
シン「ドズルさんと一緒にか?」
バナージ「………。男と見込んだ。後を頼む!」
シンの肩を叩いてそう言ったあと、くるりと方向を変えて全力疾走するバナージ。
シン「あ、こら待てえええええ!」
完全に不意を突かれたために出遅れ、バナージの俊足も相まって結局逃げられてしまった。
40 名前:シンの風紀委員体験 プロローグ 3/5 :2015/06/16(火) 21:41:33.16 ID:ZfiEVmnn0
次に思いついたのはキラだった。自他ともに認める引きこもりオタクだが、そのスペックの高さはシンも認めるところである。
久々にラクスが来るからか、今日は珍しく登校していた(ラクスが来られないのは仕事の都合のせいなのだが、何故かキラにはラクスが学校に来る日がわかるらしい)
親友のアスランの代わりと言えば、意外と簡単に引き受けてくれるかもしれない――そう思ったのだが。
キラ「無理。今日は生徒会の活動があるんだよ」
あっさり断られた。しかも意外すぎる理由で
シン「え。うちのクラスの生徒会員はラクスだろ?」
キラ「僕は副委員兼補佐だし」
シン「副委員兼補佐って…なんだそりゃ」
キラ「ラクスって忙しくて学校に来られない日が多いじゃない。だからその代わりに出席して、ラクスに教えてあげるのさ」
シン「はー、なるほど………って。今まであんたが委員会活動やってるところ見たことないんだけど」
キラ「やめてよね。ラクスもいないのに僕がそんな面倒なことするわけないじゃないか」
シン「何のための副委員だ!?」
キラ「でも今日はラクス来てるから、僕はラクスの補佐をしなきゃいけないのさ」
シン「普段参加してない奴の補佐なんていらないだろ!」
キラ「やめてよね! 何のために学校来てると思ってるのさ!」
シン「少なくとも無意味な補佐をするためじゃねえだろ!」
キラ「…あ、あんなところにフィン・ファンネルが」
シン「はあ? こんなところにフィン・ファンネルがあるわけないだろ。何言って――」ジュッ
キラ「うわ、
ミンチよりひどいや」
ラクス「キラ、何かあったのですか?」
キラ「なんでもない。ここはすごく見苦しいものがあるからあっちに行って話そうよ」
ラクス「?」
シンだったもの(ひでぇ…)
同時刻。サナリィにて
アムロ(すまない、シン…キラの恋路を邪魔させるわけにはいかないんだ…)
ハンゲルグ「どうしたんです、アムロさん」
アムロ「なんでもありません。それでミノフスキードライブ量産化計画についt」
ハンゲルグ「急用を思い出しました」ダッ
アムロ「逃げないでください! …ああ、行ってしまった。自分に不都合な話題を振られるといつもこれだものな」
ミューラ「また逃げてしまったのですか? 本当に申し訳ありません…昔から逃げ足だけは早くて」
アムロ「いえ、ミューラさんがお気になさることでは。しかしちょうどよかった、少しお聞きしたいことが…」
ミューラ(首だけ)「何でしょう?」
アムロ(ある意味、ミンチより酷いな…)
41 名前:シンの風紀委員体験 プロローグ 4/5 :2015/06/16(火) 21:44:03.09 ID:ZfiEVmnn0
そんなアムロの仕事先のことはともかくとして。シンはというと
シン(くっそー…結局逃げ切られた)
あまり威圧的すぎるとラクスが怯えてしまうため、ラクスのそばではあまり強く出られないのだ。
無関係な人(しかも女性)を怖がらせるのはシンの本意ではないし、ラクスを怯えさせるとキラが本気で怒って手が付けられなくなる。
シン「俺がやるしか…ないよな」
結局、他の生徒にも声をかけたものの今日に限ってみんな用事が入っているようだった。
というより、単純に風紀委員をやるのが嫌なのだろう。風紀委員会は癖の強い人間の多さでも知られている。
ただでさえ面倒な仕事なのに、さらに面倒が重なるのだ。嫌になるのも無理はない。
自分が適任とは思えなかったが、他にいないのであれば仕方がない。シンは風紀委員会の集合場所に向かった。
シン「失礼しまーす。
アスラン・ザラの代理で来たシン・アスカ・Gなんですけど…何やってんですか?」
集合場所――視聴覚室の扉を開いたシンが見たものは、何やら討論している二人の姿だった
カテジナ「あなたが風紀委員に値するかどうか、テストをしようと思ったのだけれど」
五飛「この女、学力テストで決めようなどと言った。風紀に学力が関係すると言うのか!?」
カテジナ「だからといって思想で決めるのはどうなのよ!」
五飛「で」
カテジナ「どちらが正しいと思う?」
シン「どっちもどっちじゃないですかね」
シンの意見が通ったのか、あるいは今更つくるのが面倒になったのか。テストは中止になった。
シン「というわけで、アスランの代理で来ました。シン・アスカ・Gです」
カテジナ「委員長の
カテジナ・ルースよ。よろしく」
五飛「一年の
張五飛だ」
兄カミーユ曰く『頭かたくて現実見えてないヒステリー女』、もう一人の兄シーブック曰く『性格キツい人』カテジナ・ルース
そして弟ヒイロ曰く『正義のためなら悪事も働く男』、弟の友人たち曰く『面倒くさい奴』『不器用な男』張五飛。
この二人とアスランが高等部の風紀委員会メンバーである。
ちなみにアスランはラクス不在時の生徒会役員他、もろもろの役員を兼任している。どれもこれも面倒がって誰も立候補しようとしないような役職ばかりだ。
改めてアスランの負担の大きさを実感したシンであった。
42 名前:シンの風紀委員体験 プロローグ 5/5 :2015/06/16(火) 21:47:34.40 ID:ZfiEVmnn0
カテジナ「今回は特に会合などは予定していないので、いつもの通り見回りをお願いするわ。風紀に反した行為がされていないか徹底的にチェックすること」
シン「そんなことまでするんですか」
カテジナ「当たり前じゃない。普段人気のないところなどは要チェックね。たとえば体育倉庫とか校舎裏とか。林の中も怪しいわ」
堅物で通っている割に、やたらと具体的な場所を提示する委員長である。
シン「はぁ」
カテジナ「…そういえば、あなたは初めて活動するのよね。このプリントを渡しておくわ」
シン「なんですか、これ。『要注意人物リスト』…?」
カテジナ「素行・風紀の面で注意が必要な人間をリストアップしたものよ。ブラックリストのようなものかしら」
シン(カミーユ兄やらジュドーの名前がある…ていうか教師のはずのルぺ・シノ先生の名前まで載ってるし。いいのかよ)
「で、こっちのプリントは…『異性交遊注意不要人物リスト』?」
カテジナ「そのままよ。そこに書いてある人が異性と親しげにしていても無視していいわ」
シン「いいんですか?」
カテジナ「どうせ不純なこと出来っこないんだからいいの。出来たらむしろ歓迎したいくらいね」
シン(シーブック兄に刹那にガロードに…妙に納得できちゃう名前ばっかだな)
「あの」
カテジナ「何かしら」
シン「なんで注意不要人物リストに俺の名前が
あるんですか?」
カテジナ「………」チッ
シン「舌打ち!? なんか俺まずいこと言った!?」
カテジナ「あなたは気にしないでいいのよ。ホラ、さっさと行ってきなさい」
そんなわけで、シンの臨時風紀委員活動が始まったのである。
初等部編に続く。まだ完成してないので投下はだいぶ先になるかも
最終更新:2016年05月01日 12:54