121 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/30(月) 13:35:41.68 ID:91tLHhdG0
暗い闇の空間の中、スポットライトが点灯した。
ついた明かりの中にいるのは眼帯に赤い服を着た男である。その男は座っている。
ストーカー「兄弟スレをご覧になっている皆様、いかがお過ごしでしょうか?
私が出てきたということは今回のネタはGガンの登場人物が出てきます。
話のメインはキョウジとシュバルツ。
この兄弟スレではこの二人はドモンの兄ではないのです。
そのことを頭の片隅に置いてネタをご覧ください。では……」
その日の昼、
ガンダム兄弟の家にシュバルツとキョウジが現れた。
一室で座っているドモン。同じく座る二人。その近くのテーブルでは、
アムロが仕事に使うノートに何か思いついたことを時おりメモ書きしながら
三人の会話を見聞きしている。
キョウジ「実はお願いがあるのだ」
シュバルツ「実は今日一日、私達を兄と呼んでほしい」
ドモン「了解した。『兄さん』」
シュバルツ「本当にいいのか?」
ドモン「ああ、そもそも小さい頃から兄さんと呼んでいたし、
二人とも俺にとって実の兄弟のようなものじゃないか」
シュバルツ「そうではなくつまり、私達を兄弟と同じように扱ってほしいのだ」
ドモン「お安い御用だ。兄さん」
シュバルツ「もう一度聞くが本当にいいのか?」
ドモン「ああ、兄さん。俺に出来る事なら何でもする。どういうことをすればいいのかな?」
シュバルツ「よし、ドモンのお許しが出たのでさっそく行動する」
シュバルツは
分身の術を使った。
シュバルツと同じ姿のもう一体の分身がアムロの横にいきなり現れた。
驚いて身が固まるアムロ。
分身シュバルツ「ドモンの許しが出たのでさっそく呼ぼう。アムロ兄さん」
アムロ「はあ?」
本物シュバルツ「ふふふ、それだけではないぞ。家にいる兄弟の分だけ分身を増やした。
今日一日私達はガンダム兄弟の家族だ」
次の瞬間、家にいる兄弟の分だけそれぞれの目の前に出てきたシュバルツの分身の姿に
アムロやドモン以外のみんなは驚いて大声をあげた。
122 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/30(月) 13:37:56.91 ID:91tLHhdG0
今日のガンダム兄弟の家は約40名の大所帯である。
その内、半分近くはシュバルツの分身である。
分身シュバルツ「アムロ兄さん、お茶でも持ってきます」
本物シュバルツ「ドモンよ、よく言ってくれた。ありがとう」
ドモン「普通、分身というのは早く動いてその残像が目に見えるのではないのか?」
シュバルツ「何を言う。これはゲルマン忍法の術の一つ。分身の術だ」
ドモン「……それは単なるDG細胞のコピーのコピーではないのか?」
キョウジ「はっはっは、そうではない」
シュバルツ「立派な分身の術だ」
台所からお茶を持ってきたシュバルツがアムロにそれを手渡した。
シュバルツ「アムロ兄さん、お茶です」
アムロ「ありがとう……。でも考えたら分身する必要なんてないような気が」
分身シュバルツ「何を言うのです、兄さん。この方が兄さん達の役に立てて便利なのです」
本物シュバルツ「それに楽しいし。私達は兄弟の気分を味わいたいのだ」
キョウジ「というわけで今日一日お願いする」
ドモン「あ、ああ」
かくして一日、正確には昼からなので半日、シュバルツとその分身達、
キョウジ、それからガンダム兄弟約20名の生活が始まった。
シュバルツ「マイよ! 今日一日私は兄としてキミの面倒をみる」
マイ「はあ、ではこのレポート作成の手伝いをお願いします。
この書いたレポートを見て感想を言って下さい」
シュバルツ「承知。……この文章を読んだのだが……」
マイ「なるほど。ここはそういう風に書けばいいんですね。参考になります」
123 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/30(月) 13:40:14.03 ID:91tLHhdG0
ロラン「料理の材料をお店で買ってこないと」
シュバルツ「では私が買ってくる」
ロラン「お願いします、シュバルツさん」
シュバルツ「兄さんと言ってほしい」
ロラン「お願いします、兄さん」
シュバルツ「承知」
シュバルツの分身は音もなく消えるとまたすぐ現れた。
手には先ほどロランに渡された何を買うかのメモとおつりと買い物カゴ。
カゴの中にはもちろん材料が入っている。
ロラン「わあ、すごいですねえ」
シュバルツ「ふふふ」
アセム「
スーパーパイロットになるための訓練をするぞ」
シュバルツ「では私が訓練相手をしよう」
アセム「お願いします、シュバルツさん」
シュバルツ「兄さんと言ってほしい」
アセム「お願いします、兄さん」
シュバルツ「承知」
シュバルツの分身は生身でAGEの2号機と訓練を始めた。
ドモン「意外と役立っているな、兄さんの分身」
シュバルツ「ふっふっふ、そうだろう。そうだろう」
キョウジ「そうだろう。そうだろう」
124 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/30(月) 13:42:37.26 ID:91tLHhdG0
シュバルツ「セレーネは確か28歳ではなかったか?」
セレーネ「……よく知っているわね」
シュバルツ「私も28歳なのだ。この場合、姉と妹、どちらの立場がいいかだが……」
セレーネ「ああ、そういうこと。納得。好きに呼んでいいわよ」
シュバルツ「承知。ではお姉ちゃんでお願いする。
さっそく頼みたいことがあるのだがいいか? お姉ちゃん」
セレーネ「いいわよ、弟のシュバルツくん」
シュバルツ「今日一日、私のサポートスタッフになってほしい」
セレーネ「いいけど、それが……?」
シュバルツは赤、黄、黒の3色が入ったマスクを手に取った。
シュバルツ「私のサポートスタッフならこのマスクをつけてほしい」
セレーネ「……嫌よ」
シュバルツ「お姉ちゃん、頼む」
セレーネ「嫌ー!」
シュバルツはマスクをつけに実力行使にでた。
スターゲイザーに乗って抵抗するセレーネ。
ドモン「あそこだけ役に立ってない気がする」
シュバルツ「はっはっは。それもまた仲良きゆえ」
ドモン「そうなのか?」
シュバルツ「そうだ」
キョウジ「そうだ」
しかし本当の戦場は夜にあった。
125 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/03/30(月) 13:44:54.04 ID:91tLHhdG0
夕飯時、ロランの料理を待ってみんな食卓にいる。シュバルツの分身約20人も同時に座っている。
ロラン「待って下さい。40名分も料理はないですよ」
キョウジ「私は分身の術を使っていないのだが」
ロラン「キョウジ兄さんの分はわかりました。あります」
キョウジ「ありがとう」
シュバルツ「私の分は?」
ロラン「シュバルツ兄さんの分は1人分しかありません」
シュバルツ「なんと!?」
ロラン「さっさと分身の術を解いて1人に戻って下さい」
シュバルツ「非承知!」
ロラン「なんですか!? その非承知ってのは!?」
シュバルツ「承知していないという意味だ!」
シュバルツはそういうとアムロの皿にあった唐揚げを1つ食べた。
アムロ「あー!?」
別のシュバルツの分身がセレーネの皿の唐揚げを食べる。
シュバルツ「お姉ちゃん、ありがとう」
セレーネ「あー!?」
かくして食料の争奪戦が始まった。
そしてみんな疲れて寝てしまった頃、一家の玄関に1人の男が現れた。
ライゾウ=カッシュ博士である。
ライゾウ「こんばんは」
ドモン「んっ、ああ、もうこんな時間か。よく寝てたな。お客さんちょっと待って下さい」
ライゾウ「こんばんは」
ドモン「シュバルツ兄さんとキョウジ兄さんのお父さん!? こんな夜ふけに!?」
ライゾウ「息子を引き取りに来ました」
ドモン「実はこういう事があって……」
ドモンは一部始終をライゾウ=カッシュ博士に話した。
ライゾウ「それはありがとう」
ドモン「え?」
ライゾウ「それは息子達が楽しい時間を過ごさせてもらいました」
そう言うと、カッシュ博士は眠りこんでいるキョウジとシュバルツ、そして
その分身約20体を見ながら、くっくっと少し笑った。
最終更新:2016年05月09日 10:50