325 名前:シンの風紀委員体験 高等部編 前 :2015/07/16(木) 14:12:58.54 ID:1blEHSUs0
スレッガー「次は中等部編だと言ったな」
アムロ「そうだ中尉…助け…」
スレッガー「あれは嘘だ」
アムロ「うわあああああああ!」


スレッガー「――っていう、妙な遊びが学生の時流行っててな。あいつ落とされる役のくせに面白がってたんだぜ」
カミーユ「うわ…」
刹那「その年で高高度からの落下に対する対策を行うとは、さすが兄さんだ」
セカイ「そんな修業方法もあるのか…」
ドモン「しかし、下手をすれば大怪我だ。あえてリスクの大きい手法を選び精神も同時に鍛えている。やはりかなわんな」
アル「どうせ落ちるなら溶鉱炉に落ちながら親指立てるくらいのことしてくれればいいのに」
キオ「なんでそんな遊びが面白いの? 落ちたら首が取れないじゃないか! 首を取るのは宇宙でも大変な名誉だって
   『プレデター』でやってた!」
スレッガー「プレデターか。見るならテレ朝版にしろ。OK?」
キオ「両方揃えてるよ!」
スレッガー「OK!(ズドン!)」
ロラン「家の中でショットガンをぶっ放さないでください!」
スレッガー「安心しろ、天井に撃った。それに空砲だから危険はない」
ロラン「そういう問題じゃないでしょおおおおお!」



アムロ「でまかせだ! それはでまかせなんだ! おーい!」
ウッソ「その窓ガラス完全防音ですから叫んだって意味ないですよ、兄さん…」

ごめん、ぼやっとした案はあったんだけどいい感じに文章にまとめられなかった。
半端に終わるのもなんか嫌だったのでとりあえず高等部編やって終わらせようと思います

326 名前:シンの風紀委員体験 高等部編 前 2/5 :2015/07/16(木) 14:14:35.83 ID:1blEHSUs0
今日のシンの活動はやはり見回りである。二週間目とあって、シンもだいぶ慣れてきた。
しかし問題は、見回る先のことである。これまで初等部と中等部を主に回っていたが、今回は初めて高等部へと足を踏み入れる
(鬼が出るか、蛇が出るか…って感じ?)
高等部。それは魔窟である。MS免許の保有者も珍しくなくクセ者の数も質も初等部、中等部に比べ段違いだ。
シンは一度深呼吸をして心を落ち着かせた。
いつも通りにすればいいのだ。いつも通りに風紀や校則に反した行為がないか見回り、あった場合は止める。それだけだ。

シン(でもまあ、意外と平和に終わるかもしれないよな)
高等部はクセ者も多いが常識的な人間もそれなりにいる。そういった人間が風紀委員やクラス委員というポジションについているし
教師も問題生徒たちを相手にしても不足のないつわものぞろいであるため表向きはそれなりに平和なのだ。
しかし、おそろしく微妙なバランスで成り立っていることも否定はできない。
特に何もなく平和に終わる日もあればちょっとしたトラブルを引き金に学校が壊滅したり
ちょっとどころでないトラブルが起きることもある。その不安定さはまさしく混沌。それが高等部という場所だった。

ルー「ああもう、なんで学校にいるのよ!」
グレミー「つれないな、ルーさん。このグレミー、あなたのためならばどこへでも…」
ちょっと気が楽になったと思えば――さっそく不審者発見である。女生徒に執拗に声をかけている見慣れない男だ。
見慣れない、というのは見覚えがないというのとは少し違う。
いちおう弟の知り合いで、顔くらいは見たことがある。
シン「おーい、そこの金髪ちょっと止まれー」
グレミー「なんだ、君は。僕はルーさんと話すのに忙し…」
アクシズ家のグレミー・トト。ルーに一目ぼれし、それからは何かにつけて彼女を追いまわしているはた迷惑な男である。
ルー「シン! あとよろしく!」
グレミー「ああ、ルーさん!」
シン「待て待て」
グレミー「くっ、君のせいでルーさんを逃がしてしまったではないか!」
シン「なんでアンタがここにいんの? 生徒じゃないだろ」
グレミー「私は名義上プルたちの保護者だぞ。ハマーン様がいない時に彼女らが問題を起こした時は駆けつけるのが務めだ」
この男、プルたちの兄でもある。本人がそう主張していて、プルたちも特に何も言わないからそうなのだろうとシンは思っていた。

327 名前:シンの風紀委員体験 高等部編 前 3/5 :2015/07/16(木) 14:17:30.01 ID:1blEHSUs0
プルたちに親がいないため、彼女たちの家族の中で一番の年長者である彼が出てくるのは妥当なところか。納得したシンは
シン「呼び出し喰らってる奴がナンパなんかしてんじゃねえ!」
ツッコミとともにグレミーの頭にGNハリセンの一撃をくれてやった。
グレミー「ぶったね! パパにもぶたれたことにないのに!」
シン「どっかのダメ人間みたいなことぬかしてんじゃないよ!」


???「へっくしっ!」

どこかで親しい誰かがクシャミをしたような気がしたが、そんなことはどうでもいい。事実だろうとそうでなかろうとどうでもいい。
シン「ほら、さっさと行く!」
グレミー「むう…」
頭をさするグレミーを職員室の方へと押し付けると、グレミーはしぶしぶといった様子で職員室に入って行った。
少しすると、ハマーンとワタリーの怒号と、必死に謝るグレミーの情けない声が聞こえてきた。


再び見回りを始めると、今度は艶っぽい女の声と何やら怯えているような少女の声が聞こえた。


ジラード「また会えたわねフラムちゃんにミコットちゃん。ちょっとお姉さんと遊ばない?」
フラム「じ、ジラードさん…」
ミコット「なぜ学校に!?」
ジラード「細かいことは気にしない気にしない。大丈夫、怖いのは最初だけ…」
シン「何してんだコラァ!」
ゼハート「邪な女め。フラムとその女生徒から離れろ!」
怪しげな雰囲気を察知してやってきたシンと、さらにもう一人――ゼハートが少女たちににじり寄る女の額を叩いた。
ミコット「シン!」
フラム「ゼハート様!」
ジラード「…ヴェイガンの同志が、なんで私の邪魔を」
ゼハート「ふざけるな! なぜ女生徒に迫っている!」
ジラード「女の子が好きだから」
シン「げえ…」
ゼハート「貴様…」
即答である。シンが初めて見るタイプの変態だった。ドン引きするシン達を見てジラードは表情を曇らせた。

328 名前:シンの風紀委員体験 高等部編 前 4/5 :2015/07/16(木) 14:20:54.46 ID:1blEHSUs0
ジラード「あなたたちみたいな子供にはわからないでしょうね…結婚詐欺に引っかかった女の気持ちなど」
シン「結婚詐欺ぃ?」
ゼハート「惚れた男に手ひどく裏切られてヴェイガン入りしたと聞いていたが、まさかそちら側に覚醒していたとは…」
ヴェイガンというのはリア充に異様なまでの敵愾心を抱く人間たちの集まりである。
『リア充が憎い』と思う人間なら誰でも入れるので、もちろんこういう境遇の人間もいる。
そして異性不信に陥った人間が同性愛に目覚めて脱ヴェイガンを目指すことも、珍しいがありえないことではないのだ。
ジラード「あれ以来私は悟ったの! 私の愛を受け入れてくれるのは女の子だけ! 男なんていらないわ!
     世界を百合の花で埋め尽くすために、私は――!」
フリット「ヴェイガン殲滅キィィィィィック!」
ますますヒートアップし力説するジラードの脇腹に、どこからともなく現れたフリットの右足がめり込んだ。
ジラード「ぎゃふん」
そのまま吹っ飛び、壁に頭をぶつけて気絶するジラード。
シン「フリット…お前どっから」
フリット「ヴェイガンと聞いて飛んできたよ!」
シン「そ、そうか…」
フリットは大のヴェイガン嫌いだ。
何故かと言えば、幼いころ通りすがりのヴェイガン所属の子供に大好物のプリンを取られたから。
それ以来、自分に都合の悪いことは全部ヴェイガンの仕業と思い込むようになってしまった。
彼にとっては転ぶのも雨が降るのも友達がいないのも旅行やイベントの時に限って熱を出してしまうのもヴェイガンのせいなのだ。
ゼハート「お前は…アセムの弟か」
フリット「アセムの友達だから今回は見逃してやる…」ボソ
ユノア「ちょっとフリット、なんで掃除サボって遊んでるの」
フリット「わ、ユノア!」
ユノア「あら、シン先輩にゼハート先輩! 兄さ…アセム先輩はお元気ですか?」
シン「あ、ああ。元気だよ。バレンタインにもらったマフラー、今も着けてるし」
ただ家でまで着けているのは勘弁してほしい。どんな巻き方をしたのか、何をしても外れないし。
そういえば、あれからアセムの様子がおかしくなった気がする。急にがたがた震えだしたり、時折狂ったように笑ったり。
ユノア「本当ですか? 嬉しい!」

329 名前:シンの風紀委員体験 高等部編 前 5/5 :2015/07/16(木) 14:22:50.70 ID:1blEHSUs0
シン「ところで、一体どこから…」
ユノア「連絡通路ですけど」
指差した先には、中等部と高等部を結ぶ連絡通路の入り口。
頻繁に発生するMS戦の余波でしょっちゅう壊れるため使う生徒はほぼ皆無であり、シンも言われるまで存在を忘れていた。
フリット「はぁ…アセムに近い人間にはぶりっこ。これだから女は…いだだだだ!」
何やらぶつぶつ言っているフリットを、ユノアが背中をつねって黙らせた。
ユノア「それじゃ、まだお掃除が残ってるので、私たちはこれで。行くわよ、フリットくん」
フリット「はーい…」
ユノア「ん? 聞こえなかったわ。もう一回」
フリット「はーい! まったく、父を脅すなんてなんて娘だ…」
ユノア「あ゛?」
フリット「何でもないです!」

シン「あのフリットも、女の子の前じゃ形無しか」
ゼハート(不思議だ…ツンデレ的シチュエーションにも見えるのにまったく羨ましく感じない
     フリット・アスノ・ガンダム…奴は一体)
フラム「シン先輩、ゼハート様。ありがとうございました」
ミコット「ありがとうございました!」
シン「いいよいいよ。お礼を言われるほどのことじゃないし」
ゼハート「そんなことはない。あの場に出くわして、すぐに前に出るというのは簡単にできることじゃないぞ
     そこは誇るべきだ」
シン「そ、そんなに褒めないでくださいよ! ――あ、俺風紀委員の活動があるんで! それじゃ!」
ゼハート「ふむ…」
フラム「ゼハート様?」
ゼハート(フラムを嫁にやるとすれば、ああいう男がいいかもしれないな)
    「私はそこの不審者を職員室に連れて行く。君らは帰るといい。この女に限らず最近は不審者が多い。気を付けろ」
ミコット「は、はい。ありがとうございます!」
フラム(ゼハート様…遠い目をしていらっしゃった。何を考えていたのかしら…)
まさか自分の結婚相手のことなどとつゆほども思わないフラムは、ミコットに引っ張られつつもゼハートの横顔に見入っていた。




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最終更新:2016年05月13日 07:31