281 名前:ドモンのアルバイト(1/4) 投稿日:2015/11/30(月) 21:29:17.79 ID:AbYzTD7q0
喫茶M&S

刹那「マリナ、連れてきたぞ」
マリナ「ありがとう刹那。この時期はどうしても人手が足りなくて。猫の手でも借りたいってこういう事を言うの……ね!?」
ドモン「俺の手でよけりゃいくらでも貸してやるぞ」
マリナ「ど、ドモンさん!?」
刹那「家にいて暇そうなのがドモン兄さんだけだったんだ」
ドモン「…今はファイトシーズンではないし、かといって修行ばかりしていると相棒がうるさいからな。ちょうど良かったんだ」
マリナ「で、でも、いいんですか?ガンダムファイターにこんな小さなメイド喫茶の手伝いさせるなんて悪くて……」
ドモン「気にするな。刹那がいつも世話になっている礼だと思ってくれ」
刹那「兄さんもこう言ってる。素直に手伝ってもらえ」
マリナ「では…お言葉に甘えて。よろしくお願いいたします」
ドモン「ああ、全力でやらせてもらおう」

シーリン「じゃあ…ドモンさんにはどこを担当してもらおうかしら」
ギリ「料理は?一人だと結構大変なんだよな」
ドモン「…悪いが、ゲテモノか肉を焼くことしかできないぞ」
刹那「料理は俺が手伝おう」
ドモン「あ、皿洗いならやった事があるが」
シーリン「じゃあそれd」
マリナ「シーリンってばこんな男前に皿洗いなんてさせる気!?迷わずホールスタッフでしょう!! 」
ルナマリア「えーそれだとホール多くない?」
ネーナ「じゃ、ルナが皿洗いね」
ルナマリア「えーーーーッ!!?」
ギリ「墓穴掘ったなアホマリア」

マリナ「…と言うわけで、ドモンさんにはウェイターをしてもらいます!」
ドモン「ああ。ところで、俺は着替えなくて良いのか?」
マリナ「もちろん着替えてもらいますよ!じゃーん!!ギリ君か刹那のためにと買っておいた執事服でーす!!」
ネーナ「でもサイズでかすぎて二人とも松の廊下状態になったやつかww」
マリナ「とっておいて良かった~」
シーリン「…クーリングオフに間に合わなかっただけでしょ。まったくもう……」
ドモン「…とにかくこれを着れば良いんだな」

ドモン「着替えたぞ」
マリナ「…その格好にハチマキはミスマッチですよ。取って、ついでに髪も後ろに流して……有名人なんですからほら、この黒縁のメガネを掛けてみてください」
ドモン「こうか?」←執事服オールバック眼鏡
ギリ「おー…なるほど」
刹那「ガンダムだ!!」
ネーナ「やだイケメン!!」
ルナマリア「写真…写真撮らせてください!」
メイリン「ワイルド系ヤクザ執事…!?」
マリナ「これならお客さん受けバッチリです!」
ドモン「そ、そうなのか?」
シーリン「よし、開店よ!今日もはりきって行きましょう!」
全員「おー!!」

282 名前:ドモンのアルバイト(2/4) 投稿日:2015/11/30(月) 22:03:14.32 ID:AbYzTD7q0
ミネバ「ハマーン!今日の昼はこのまま外食にしよう!」
プル「いいねぇー!チョコパフェ食べたいな」
プルツー「チョコパフェならなんでも良いんだろ姉さんは……」
ハマーン「だめです。早く帰ってくるようにお父様に言われているでしょう」
ミネバ「いいではないか!………今日は、久しぶりにハマーン達とお出かけできたんだから…あと少しだけ……」
ハマーン「…はぁ、わかりましたよ…」
ミネバ「やった!ではあの店にしよう!!」

ネーナ「げ、こっちに来てるのハマーン先生じゃない?!」
ギリ「本当だ。メイド喫茶でバイトしてるのばれたらめんどくさいな…」
メイリン「厨房に隠れます!ドモンさん、お願い!!」
ドモン「お、おい!いきなり俺一人かよ!?」
刹那「兄さん、修行だ。頑張ってくれ」
ドモン「ったく…」

ハマーン「4人だ」
ドモン「よし、席に案内する。ついてこい」
ネーナ(ワイルドな接客だなぁ…)

ドモン「水だ。注文は決まったか?」
ハマーン「ああ。ジェノベーゼとお子様ランチを3つ。食後にコーヒー、チョコパフェ、ホットケーキを2つ頼む」
ドモン「了解した。おーいギリ!今の聞いてたかー?」
ギリ(ちょ、声デカイし!!ちゃんとPDT使えよ!自分は全然了解してねーじゃねーか!!)

プル「あーおいしかった!すみませーん!チョコパフェおねがいしまーす!!」
ドモン「…皿を下げる。……ん、なんだお前、ニンジン嫌いなのか?」
ミネバ「ああ、嫌いだ!もう皿を下げてくれ」
ハマーン「ミネバ様、好き嫌いはよくありませんよ」
ミネバ「うるさいー!」
ドモン「そうだな、もしニンジン食べられたら、ホットケーキにチョコでビグザム描いてやろう」
ミネバ「ビグザム…!?チョコで…ビグザム!?」
ドモン「ああ。どうする?」
ミネバ「くっ…ジオンに栄光あれ!!」パクッ
プル「すごーい!ミネバってばニンジン食べられるじゃん!」
ドモン「よし、いい子だ。おーいギリ!ホットケーキにビグザム描いてやれ!!」
ギリ(俺が描くのかよ!!とんだムチャ振りだな!!!)

ネーナ「ミネバちゃん、大喜びだったね。やるじゃんギリのくせに」
ギリ「別に…ドモンさんのアイディアだし」
刹那「そんなことはない。兄さんのムチャ振りをこなせる人はそういない。素晴らしい絵心だったぞ」
ギリ「そ、そうなのか…てか、何でドモンさんはあの子がビグザム好きだって知ってたんすか?」
ドモン「ああ、ザビ家は俺のスポンサーだからな。前にVIP席で俺の試合を、デギン・ザ・グレートと見に来てくれた事があってな…」
ルナマリア「へー、おじいちゃんとガンダムファイト観戦かぁ。微笑ましい、のかな…?」
ドモン「…で、試合が終わった後、『まるでビグザムのようだったぞ!』って、握手を求められたのが印象的でな…覚えていた」
マリナ「刹那にとってのガンダムみたいなものなのね。きっと…」
シーリン「ほら、おしゃべりしてないで仕事仕事!」

283 名前:ドモンのアルバイト(3/4) 投稿日:2015/11/30(月) 23:33:24.81 ID:AbYzTD7q0
マリナ「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
東方不敗「うむ。禁煙席で頼む」
マリナ「かしこまりました。こちらへどうぞ」

ドモン「注文は……って師匠!?」
東方不敗「ドモン!なぜキサマがここにおる!?」
ドモン「弟に手伝いを頼まれまして…注文はお決まりですか?」
東方不敗「かぁつ!キサマが儂の注文をとるなど10年早いわ!ネーナ、ネーナちゃんを呼んでこんかぁ!!」
ドモン「…お言葉ですが師匠、ここはそういう店ではないので……」
ネーナ「あ、大丈夫大丈夫、私のお得意さんなの。こんにちは、東方先生!ご注文どうぞ!」
東方不敗「さすがだな。頭の固い馬鹿弟子とは大違いよ。では、いつものを頼む」
ネーナ「はい。焼きそばヴァゴーンの特盛青のりなしに烏龍茶ですね!」
東方不敗「うむ!今度の休みには酔舞・再現江湖デッドリーウェーブを教えてやろう!」
ネーナ「わあい!ありがとう先生!」
ドモン「流派東方不敗は一子相伝のはずなんだが……師匠…」

メイリン「あの、ドモンさん……あそこに紅茶一杯で7時間居座ってる人がいるんですけど…混んできたし、どうにかなりませんかね?」
ドモン「仕方ないな。ここはひとつ俺がガツンと1発…」
マリナ「穏便に!穏便にお願いしますね」

ギニアス「遅い…遅すぎる!!あいつら…いったい何をしているんだ!?」
ドモン「おい。お前こそ7時間も追加注文無しで何をしている」
ギニアス「む…私は大切な会合の待ち合わせをしているのだ。構わないでくれ」
ドモン「大切な会合…?」
マリナ「あの~…ギニアス・サハリン様ですか?スティング・オークレー様からお電話です」
ギニアス「何!?かわれ!」

ギニアス「スティングっ!!キサマ、どういうつもりだ?!妹魂をすっぽかすなど!!」
スティング『いやあ、ステラがケーキバイキング行きたいって言い出してさあ。今日はすっかり忘れちまったんだわ。悪かったよ』
ギニアス「キサマ…!!それならもっと早く言わんか!!」
スティング『悪かったって。ついでにゼクスはリリーナに勉強教えるからってドタキャンだとよ!じゃーな!土産買うからよ』ブチッ
ギニアス「くっそおおおおお!うらぎりおってえええ!!………はっ、ミハエル……!!ミハエルなら…妹はこの場にいるわけだから…!!ええい店長!電話を貸せ!!」

ギニアス「ミハエル!キサマ妹魂の会合…!」
ミハエル『あー…わりわり!俺、冬休みにネーナと行く旅行のしおり作りで忙しくって今日は』ブチッ
ギニアス「ええい!どいつもこいつも!」グスッ

メイリン「なんだかよくわからないけど…気の毒ですね…あのまま死んじゃいそう」
ドモン「大丈夫だ。既に手は打ってある」
メイリン「え?」

アイナ「兄さん?朝から外出なんて珍しいと思ったら、ここにいたのね」
ギニアス「あ、アイナ…!?」
アイナ「私も夕飯にしようと思って。まだ食べてないなら、一緒にいいかしら?シローにもらった半額クーポンも持ってるし」
ギニアス「あ…ああ…!!」

ルナマリア「わー…嬉しそう…」
メイリン「もしかして手ってアイナさん…?」
ドモン「ああ、話の内容で大方の予測はついたから、事情を話してシロー兄さんに連絡取ってもらったんだ」
メイリン(…意外と気が付く人なんだな……)

285 名前:ドモンのアルバイト(4/4) 投稿日:2015/12/01(火) 00:07:28.55 ID:RmvRGbFb0
店内BGM 蛍の光

マリナ「……ふぅ~今日もお客さんがたくさん来て大変だったわね。みんなお疲れ様」
ルナマリア「ドモンさん効果かもね…途中でバレて絹江さん達マスコミにつかまっちゃったし」
ドモン「手伝いに来たのに余計大変にしちまったかな…すまん」
シーリン「いいのよ。店は栄えてるにこしたことはないもの」
マリナ「…では、これ、今日のバイト代です。ありがとうございました!」
ドモン「…刹那が世話になっている礼だと言っただろう?それに…先日、俺の相棒が暴走した事の謝罪でもある。…だから、そいつは店の経営に回してくれ」
マリナ「で、でも…!これでは私の気が収まりません!!」
ドモン「……じゃあギリ、お前の一番自信がある菓子はどいつだ?」
ギリ「え?…うーん、やっぱりこのラズベリーソースのチーズケーキっすかね」
ドモン「…よし、じゃあそれを1つ、包んでくれ」
ネーナ「え?バイト代それでいいんですか?」
ドモン「ああ。…忙しくてなかなか食べに行けないって…言ってたしな。これが一番都合がいい」
メイリン「もしかして…それは…」
ネーナ「…ベタ惚れなんだねぇ」
ギリ「……じゃあ、これを……」
ドモン「サンキュ。……ん?あ、おい!1つでいいんだぞ?2つもいらん」
ギリ「……レインさんと二人で食べてください。なるべく早いうちに…」
ドモン「……ったく…。刹那、俺は寄るところがあるから遅くなるとロランに伝えてくれ」
刹那「了解した」
ドモン「じゃ、俺はこれで。……また機会があれば手伝ってやらんこともない」
マリナ「ふふ、またよろしくお願いいたします」

メイリン「ドモンさん、レインさんのとこ行くのかな?」
ネーナ「ギリがあんな気ぃ利かすなんて珍しいじゃん。どうしたのよ」
ギリ「…別に。ムチャクチャな人だけど……少しは見習わなきゃなって、思ってさ」
ルナマリア「ねーそれよりー、このドモンさんの写真さ、アレンビーにいくらで売れるかな?」
メイリン「お姉ちゃん……」
ネーナ「がめつい……」
ギリ「人がせっかく綺麗にしめようとしたのに……」
ルナマリア「え?」
マリナ「ほーら、喧嘩は中断。私たちもケーキ食べましょうか!」

こうして充実した一日は幕をおろすのでした。
おわり

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最終更新:2016年05月15日 18:40