ルイス「おかえりなさいお兄ちゃん☆」
ネーナ「ご奉仕するにゃんお兄ちゃん☆」
ワイワイガヤガヤ
カミーユ「……しかし全然客足途絶えないな」
シーブック「俺たちも午前中はずっと皿洗いで、他のクラス回れなかったからな」
シン「よおカミーユ、シーブック来たぞ」
シーブック「あ、シンじゃないか」
シン「なんか凄く混み合ってるからさ、何事だと思っ」
ルナマリア「いらっしゃいませお兄ちゃん! さあどうぞこちらへ~」グイグイ
シン「わっ、なんだよルナ、引っ張るなって」
カミーユ「連行されてったな」
シーブック「シンが来たら自分が接客するって朝から張り切ってたからね」
ルナマリア「妹系猫耳メイド喫茶『はにゃ~ん』へようこそ! ご注文はなにがいいかにゃ? お兄ちゃん☆」
シン「ええっ、あ、うん、じゃあこのアホ毛饅頭と赤服ドリンクってヤツを…」
ルナマリア「りょ~かいっ☆ すぐに持ってくるね、お兄ちゃんっ」
シン「お、おう」ドギマギ
カミーユ「おお……あのシンがツッコミすら忘れてルナマリアに動揺している」
シーブック「あいつ、根本的に妹に弱いからな」
カミーユ「動揺しているといえば……」
カテジナ「他にご命令はないかにゃ? クロノクルお兄ちゃん☆」
クロノクル「ほ、ほんとうになんでも頼んでいいのかカテジナ?」
カテジナ「もちろんだにゃ、わたしはお兄ちゃんのメイドだもん」
クロノクル「じゃ、じゃあこのオムライスにハートを描いてもらうことも」
カテジナ「すぐやるにゃ、お兄ちゃん☆」
クロノクル「お、おお……!」
カミーユ「ありえないほど狼狽してるな、あの人」
シーブック「あんな従順な姿、まず見たこと無いだろうからね」
カミーユ「もっともカテジナには全然似合ってないけどな、あのキャラ」
カテジナ「…………」ギロッ
カミーユ「邪気が来た!?」
クロノクル「じゃあ次はこのスープをふーふーして……」
カテジナ「はいだニャ」
クロノクル「次は~」
カテジナ「はいだニャ」
クロノクル「次は~」
カテジナ「はいだニャ」
カミーユ「お、段々慣れてきたみたいだぞ」
シーブック「いや、でも、やりすぎると」
クロノクル「おいカテジナ。次は~」
カテジナ「ねえ、ご主人様☆」
クロノクル「何だ?」
カテジナ「……あんまり調子に乗るなよ、クロノクル(ボソッ」
クロノクル「ひっ!?」ガクガクブルブル
シーブック「ああなるよな……」
カミーユ「従順なメイドさんは表面だけで、中身はいつものカテ公だからな」
52 : 通常の名無しさんの3倍2016/10/29(土) 14:41:39.59 ID:LerVDzp70
三日月「カミーユ、シーブック」
カミーユ「三日月」
シーブック「珍しいな、おまえがこんなところに来るなんて」
三日月「いや、仕事。クーデリアの護衛」
シーブック「ああ、なるほど」
三日月「いつもは学校の外に立ってるんだけど、今日は外部の人間も多いから近くで見張れって」
カミーユ「おまえも大変だな」
三日月「それでついでにご飯も食べようと思うんだけど、どっかに店ないかな」
カミーユ「ああ、それならバナージのクラスが……」
ファ「カミーユ、カミーユ!」
カミーユ「なんだよ。……え……ああ……うん、わかった……」
三日月「?」
カミーユ「あー、三日月。意外とウチのクラスの模擬店もご飯もの出してるんだって。だから」
三日月「そっか。ならここで食べて行くよ」トテトテトテ
ファ「(o・ω・b)b 」
カミーユ「o・ω・b)b 」
ファ「よし三日月くん来たわよ」
セシリー「さ、クーデリアさん頑張って!」
クーデリア「え、え、でもこんな格好を知り合いに見られるのはやっぱり恥ずかし」
ルー「大丈夫! すごく似合ってるから! さ、いってらっしゃい」ドンッ
クーデリア「わわっ!!」
三日月「ああ、クーデリア」
クーデリア「あ、あわわ……い、いらっしゃいませだにゃんお兄さま」
三日月「俺、お兄さまじゃないけど」
クーデリア「いえ! それはあくまで設定というかなんというかですね」
三日月「それになにその恰好」
クーデリア「こ、これは、ね、猫耳メイドさんというこの制服なんです、じゃないなんだにゃんお兄さま……!」
三日月「へー」
ルイス(物陰)「あー、まだるっこしい! さっさと席につけてご奉仕の限りを尽くしなさいよ!」
ネーナ(物陰)「あの容姿に火星のお姫様というレアモノ感! そして恥ずかしさを振りきれない、あの絶妙な表情! ウチのメイド喫茶人気No1である今のクーデリアなら!」
ルー(物陰)「きっとあの鉄面皮の彼も落とせるはずよ! がんばってクーデリアさん!」
カテジナ(物陰)「あんたたちって人の恋路だと途端に活き活きするわね……」
クーデリア「そ、それでご注文はなににするにゃんか、お兄様さま」
三日月「あー……じゃあ一番腹に溜まりそうなの」
クーデリア「でしたらこのハマーンの頭型カレーというのがお勧めで」
三日月「じゃ、それで」
クーデリア「あ、あの三日月。こちらのメニューはメイドさんによる息フーフーのサービスがあるんですが」
三日月「いいよ俺別に猫舌じゃないし。後は勝手に食うから向こう行ってていいよ」
クーデリア「そ、そうですか。でも一応規則なので、食べ終わるまでここにいさせていただくにゃん……」
ルイス(物陰)「淡々と食べてる……」
ファ(物陰)「お、恐ろしいわ。彼、今の萌えの塊のようなクーデリアさんに、動揺するどころかあんな塩対応を取れるなんて」
ルー(物陰)「本当に性欲とか一切ないんじゃないかしらあの男……」
53 : 通常の名無しさんの3倍2016/10/29(土) 14:42:28.03 ID:LerVDzp70
休憩中
セシリー「ひい、ふう、みい……イヤだわ、コレ今日の売上、お父さまの店を越えちゃうんじゃないかしら」
ネーナ「マジで? もしかして私たち、凄く儲かっちゃった?」
カテジナ「文化祭の模擬店ごときで儲かるわけないでしょ。少しは考えなさい」
ルー「でも、ちょっとコスプレして媚売るだけであんなにデレデレしてお金落とすんだから、男ってバカね~」
カテジナ「言えてるわね」
ルイス「いっそ私たちで本当にお店出しちゃう? 資金なら出すよ」
ネーナ「いいねー、馬鹿みたいに儲かりそう」
ファ「あなた達、顔がゲスくなってるわよ。あれ、ところでクーデリアさんは?」
ルナマリア「ああ、クーデリアならさっきフミタンが来たんで、接客をやってもらってるはずだけど」
フミタン「盛況のようですね、お嬢さま」
クーデリア「あなたの指導のおかげよ、フミタン」
フミタン「……いえ、私は何も。お嬢様が楽しそうで何よりです」
クーデリア「そうかしら」
フミタン「ええ。火星にいたときよりも余程」
クーデリア「そうね、火星にいたころは自由に外出もできなかったから……こうして学校行事を楽しむ機会もほとんどなかったわね」
フミタン「そうでございました」
クーデリア「やっぱりこの学校に視察に来てよかったわ、みんなとても楽しそう。火星にもこんな学校を作りたいと思うもの」
フミタン「……お嬢様ならきっとできますでしょう」
クーデリア「でも、それにはこれからもっと沢山学ばないと。あなたも頼りにしてるわよ、フミタン」
フミタン「え?」
クーデリア「あなたは私の知らない世界を沢山知ってて、私の世界を広げてくれた。鉄華団の子供たちは私を先生と呼ぶけど、あなたこそ私の先生よ、フミタン」
フミタン「わたしが……お嬢様の先生」
クーデリア「これからも、わたしにいろいろ教えてね、フミタン」
フミタン「お嬢様……」
クーデリア「あ、いけない。今はメイドさんだから……こ、これからもわたしに沢山教えてほしいにゃん、お姉ちゃん」
フミタン「…………」
クーデリア「フミタン?」
フミタン「…………フォ」
クーデリア「フォ?」
フミタン「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
クーデリア「フミタン!?」
54 : メイドの密かな愉しみ52016/10/29(土) 14:43:09.88 ID:LerVDzp70
セシリー「なにごと!?」
オルガ「おい、どうしたんだこの騒ぎは!」
三日月「わかんない。俺も声聞いて今来たとこだから」
オルガ「クーデリア!」
クーデリア「わ、わかりません! 突然フミタンが叫びだして……」
フミタン「お嬢様!お嬢様!お嬢様!おじょうさまあぁああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!お嬢様お嬢様お嬢様ぁぁぁわぁああああ!!!」
ファ「い、いったいあの人に何が起こっているというの?」
カテジナ「いつも冷静かつ無表情で、何考えてるかわからなかったあの人が、あんなに取り乱すなんて」
ルー「……多分、限界を超えてしまったんだわ」
セシリー「限界?」
ルー「あの人はずっと、自分の中のクーデリアさん萌えを抑えつけていた。それが今日の妹系猫耳お嬢様メイドの破壊力に、ついにそのリミッターが壊れてしまったのよ!」
ルナマリア「な、なんだってー!」
ルー「今のあの人は、まさに檻から解き放たれた野獣……! 危険よ!」
フミタン「あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!
クーデリア・藍那・バーンスタインたんのブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!」
クーデリア「フミタン! フミタン落ち着いて! いったい何を言ってるの!?」
ガヤガヤガヤガヤ
ハマーン「何事だこの騒ぎは!」
ビスケット「ヤバイよオルガ。この騒ぎにどんどん人が集まってきてるよ!」
オルガ「ちっ、おいミカ。お前はとにかくクーデリアを連れてここから逃げろ。後は俺たちがなんとかする!」
三日月「わかった。いくよ、クーデリア」
クーデリア「三日月、フミタンがおかしいの、返事をしないの。ねえフミタン」
フミタン「アニメ13話のお嬢様かわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期放送されて良かったねお嬢様!あぁあああああ!かわいい!クーデリアたん!かわいい!あっああぁああ!
DVDBDも発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!もう私の出番はない!?あ…アニメもよく考えたら… 私 は も う 死 ん で い る ?
にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!! そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!アーブラウぅぁああああ!!」
三日月「いくよ、クーデリア」
クーデリア「駄目よ、フミタンがここにいるのに、わたし行けないわ三日月」
三日月「アレはもう」チラ
フミタン「この!ちきしょー!やめてやる!!メイドなんかやめ…て…え!?見…てる?DVD表紙絵のお嬢様が私を見てる?
イメージカットのお嬢様が私を見てるぞ!お嬢様が私を見てるぞ!テレビのお嬢様が私を見てるぞ!!
アニメのお嬢様が私の遺品に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!私にはお嬢様がいる!!やったよノブリス!!ひとりでできるもん!!! 」
三日月「フミタンじゃない」
クーデリア「いやああ! フミタンっ! フミターーーン!!」
フミタン「あ、コミックのお嬢様ああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアトラぁあ!!ラフタぁあ!!アジーぃいいいいいいい!!!アミダァぁあああ!!
ううっうぅうう!!私の想いよお嬢様へ届け!!革命の乙女たるクーデリア・藍那・バーンスタインへ届け!」
…………
………
……
…
その日の夜
クーデリア「あ、あのフミタン。今日のことは……」
フミタン「……は? 何のことでしょうか」スッキリ
最終更新:2017年04月04日 16:45